【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
噴水広場で多少の「遊び」をしてから、一郎たちは馬車移動を再開した。
通称、噴水広場と称される王都ハロルド大広場は、いわゆる貴族街と一般庶民の集まる庶民街の境界にある。一郎たちは南側の外門に向かっているので、その庶民街を突っ切る大通りを通り抜けていくことになる。
すると、広場からすぐのところに、ひと際豪華な屋敷が左右に二棟あった。
いずれも、意匠を凝らした感じの四階建ての建物であり、構造が新しいので、周囲の建物からも目立っていた。
「ご主人様、あれって、あたしたちが出発する以前にはなかった建物ですよ。確か、このあたりは商家街だったと思いますけど、どこかの商会の建物という感じではないですね」
一郎が見ている視線を追って、馬車の中から景色を眺めていたコゼが言った。
四人乗りなので馬車は小さく、座席が向かい合うかたちで作られているのだが、一郎たちは、前を向くかたちで、一郎を中心にして、左右にコゼとガドニエルが密着して座っていた。
つまりは、二人掛けの広さに、無理矢理に三人腰掛けているというわけである。もっとも、一郎の周りに女が密着するのはいつものことなので、別段に不自由を感じることはない。
「そうだな……。ナール、もしかして、あれがテレーズの屋敷というやつか?」
一郎は馭者台側に顔を伸ばすようにして、馭者をしているナールに訊ねた。
小さくて無紋だが、アネルザに準備させた王家の馬車であり構造もしっかりしている。揺れも最小限だし、騒音もほとんどない。座席の下に、魔石が数個埋まっていて、魔道紋も刻まれ、それで振動も吸収しているらしいのだ。
こんなものだが、ちょっとした屋敷ほどの値段はするようだ。
だが、それだけの価値があることは、外観からはまったくわからないようにしてあるということだ。
こういうものもあるというのは、さすがは腐っても王家だと思った。
それはともかく、だから、普通に喋っていても、十分に声が届く。
ナールがちらりと一郎が指摘する建物の方向をそれぞれに一瞥した。
「は、はい、そうです。誰も住んでいる形跡はないのですが、そのように、う、噂されております。も、もともとは、自由流通の商会が入っていた建物を潰して、そ、そこに大勢の工人や職人を集めて一気に作ったようです」
ナールが言った。
テレーズというのは、結局、何者だったのか?
この一連の王都の騒動は、アネルザ以下の四人が発端という感じだが、実は、そもそも最初は、その女伯爵のテレーズ=ラポルタという女官長がルードルフ王に取り入って、贅沢三昧をするとともに、王宮の人事に口を挟み始めたことから始まっている。
一郎の手配書が回されたのも、イザベラとアンの妊娠がわかって、ルードルフ王が怒ったというのもあるが、なんとなく、そのテレーズがそそのかした気配がする。
そこまでは、亨ちゃんに頼んだ調査でわかった。
しかも、どうやら、そのテレーズは、本物ではなさそうなのだ。これもまた、亨ちゃんの調査だ。
ならば、誰だったのか?
まあ、テレーズが何者だったのかは、いまは亜空間でほとんど時間を静止して休ませている生首状態のサキに訊ねれば多少はわかるのかもしれない。
屋敷に戻ったら、じっくりと訊くことにするか。
いずれにしても、もうそのテレーズの存在の影は王宮内にはなかった。
ルードルフ王は、死んだのではないかという認識だったみたいだ。なんとなくだが、もうテレーズの脅威はない気がする。
ただの勘に過ぎないのだが、だから、あまり、そのテレーズのことは気にしていない。
それはいいが、馭者台のナールは、相変わらず、腰をもじもじさせ、小さく足踏みをしている。
王都の広場でちょっとだけ淫具で刺激してやったが、そんなもので掻痒剤の痒みは癒やせない。
むしろ、刺激を与えられた分だけ、余計につらくなっただろう。
しかも、結局、ナールに失禁を強要する悪戯をしてから、軍装のスカートの中の股間の革帯はディルドとともに外してやった。
いまのナールは、スカートの中はノーパンの状態だ。
ディルドがあれば、それを締めつけることで、ちょっとは痒みを癒やせたはずだが、いまはそれもなくなった。
ナールはかなり、追い詰められているみたいだ。
喋り方がぎこちないのも、痒みの苦悶のせいなのだ。
「大通りに面した商家の一等地が空き家だなんて、勿体ないですね」
コゼが言った。
「まあ、すぐにもらい手はつくさ。没収した貴族街の屋敷群とともに、すぐに売りに出される手配だ」
一郎は、夕方の大会議で、王都から逃亡した大貴族の王都屋敷と家財はすべて王宮が没収すると宣言をした。
広場に到達する前に通りがかったが、さっそく、それらには王軍の兵が入り込み建物の確保をしている状況になっていた。
アネルザと、新たに仲間にしたラスカリーナのしていることだと思うが、実に仕事が早い。
見ると、通り過ぎるテレーズの屋敷とやらの入口にも、王兵がすでに立っている。
馬車はしばらく進み、やっと王都南側の外門に辿り着いた。
この外門もこの数日閉鎖されていたようだが、いまは完全に開いている。もともとは、王都の出入りは自由であり、税を徴収するようなこともないので、門番の王兵はいるが、そのまま素通りできるのだ。
馬車は、なんなく外門を通過した。
景色は、城壁の外に住むさらに貧民層の住居群になる。このあたりは、スラム街というほどではないが、十分な税を払えない庶民層が生活している。外門の外は一気に治安も悪くなるので、危険も多いらしい。
もっとも、この大通りから続く街道沿いはまだまだ安全だ。
本当に危険なのは、ここから見えないずっと奥側ということになるようだ。いわゆるスラムである。
「本当に人が多いのですね。さすがは人間族の都市です」
ガドニエルがぽつりと言った。
ナタル森林国の都のエランド・シティは二層の浮遊都市の構造をしているが、確かに、ひとつひとつの建物間は十分に距離があり、都市そのものは、もっとまばらな印象だったかもしれない。
エランド・シティは、エルフ族以外の種族も生活することを許している都市だが、それでもハロンドール王都のハロルドのような都市からすれば、人口は圧倒的に少ない。
それは、エルフ族は数百年生きる長寿種族である影響があるのだろう。
長寿だとなぜか、短命種族の人間族に比べて、子供の数は減るみたいだ。
また、結婚観も違う。
エルフ族には、添い遂げるという概念は高くないみたいだ。寿命が長いので、数十年夫婦として過ごし、別れて、また、それぞれに別の者と婚姻をしたりというのは、普通のことらしい。
まあ、だからこそ、係累を少なくするために、子供をあまり作らない傾向があるのかもしれない。
なにしろ、サビナ草というどこにでも群生する雑草から作った避妊薬で、貧民層ですら簡単に避妊ができるのである。一郎の前の世界に比べれば、この世界は避妊が簡単なのだ。
これは一郎の考えだけのことなのだが、この国には奴隷制度があるが、子供を作って生活のために売るという概念がなければ、いま見えるような貧民街には子供など、まったくいなくなるのではないかと思う。
何事も、裏と表があり、奴隷制度ひとつをとっても、よくないから単純になくすというわけにはいかないような気もする。
これからは、そんなことも考えていく必要もあるに違いない。
「確かに、エランド・シティとは違うわねえ。あたしたちは、訳あって上層も下層も逃げ回ったけどね。そういえば、上はエルフ族の貴族の魔道都市、下は各種族の雑多な居住区。変な都市だったわね」
コゼだ。
一郎は苦笑した。
思い出せば、あれはエランド・シティに入って最初の夜だったと思う。パリスが手配させたエルフ王宮の水晶軍に追い回されて、一郎もコゼも、ほかの女と一緒に逃げ回ったのだった。
考えてみれば、あのときから、一郎の境遇の劇的な変化は始まった。
あの逃亡劇までは、なんだかんだで、まだ一郎は成功したとはいえ、一介の冒険者にすぎなかった。
それがいつの間にか、エルフ族女王を性奴隷にして侍らす立場になったのだ。
そして、いまや、ハロンドール王国の事実上の最高権力者である。
女王はイザベラだが、イザベラが一郎を排除するのは不可能であり、一郎は大抵のことはイザベラを言いなりにする自信がある。
拗ねたとしても、ちょっとばかり、閨に連れ込んで話せばいいだけだ。
その気になれば、淫魔術で心も操れる。
やらないが……。
「その節は……。でも、もう二層の身分差も解消していくと思います。きっと、シティも変わりますね。お姉様が頑張ってくれていると思います。それに、これからは、このハロンドールとの交流も増えると思います。お姉様は庶民とまではいきませんが、ちょっとした商会程度であれば、多少の使用料を出してもいいと思えるくらいの値段で利用できる移動術設備を作る構想もあるみたいですし」
ガドニエルが言った。
すると、コゼがいきなり噴き出した。
「ははは、あんたが真面目なことを喋ると、調子狂うわ。だけど、そもそも、あんたが女王様なんだから、あのラザさんに押しつけてばかりじゃまずいんじゃないの? 帰らなくていいの?」
「わ、わたしが戻らなくても……。まずくはないのではないでしょうか……。わたしが戻ってもなにもできませんわ。結局、政務については、お姉様に任せるだけですし」
「はっきりと言い切るところは、あんたらしいわねえ。でも、ずっと一緒に旅しているけど、そろそろ、戻れって言われないの?」
「そりゃあ、ちょっとは……。大叔母様を通じて、お姉様からは何度か……、いえ、結構たくさん連絡は……」
ガドニエルが言いにくそうに呟く。
一郎はガドニエルに視線を向けた。
「知らなかったな。ラザから連絡が? 戻って来いって?」
ガドニエルに訊ねる。
確かに、いつまでも、一国の女王を連れ回すのは無理があるかもしれない。
亨ちゃんも、ガドニエルもなにも言わないので、忘れたふりをしていたが、そろそろ、ガドニエルにも帰国してもらった方がいいのだろうか。
「も、戻りませんよ、ご主人様──。そもそも、戻ってこいなんて言われてません。連絡してませんから──」
ガドニエルがきっぱりと言った。
「えっ、だって、あんた、さっき頻繁に連絡が来てるって言わなかった?」
コゼが訊ねた。
一郎もそれは違和感を覚えた。
「頻繁に連絡は来てますが、わたしは連絡はしてないんです──。だから、お姉様からなにも言われてません」
「連絡しなさいよ」
コゼが呆れたように言った。
一郎もさすがに笑ってしまった。
まあ、ガドニエルのことは、亨ちゃんと改めて相談をするか。
そんなことを話しているうちに、馬車は人の密集している場所を抜けて、完全な郊外になった。
この馬車なら、ここから半ノス足らず……。つまりは、二十分程度で懐かしい屋敷に到着できるだろう。
馬車は両側が林になっている場所を通過し始めた。
さすがに、夜も更けているので、行き交うほかの馬車も人もいない。
旅人も、夜移動は避けるので、王都近くとはいえ、人通りも途絶えるようだ。
もういいだろう。
「ナール、ちょっとこの辺で馬車を停めろ」
一郎は指示した。
「あっ、はい、天道様」
馬車が停車する。
一郎は馭者台側に移動した。
「あ、あの、なにか?」
ナールが怪訝そうに首を向ける。
「いいから、両手で前側の手摺りを握っていろ。手綱も放すなよ」
この馬車の馭者台には、馭者が前に飛ばされないように、前側に金属の横棒が設置してある。
ナールは首を傾げながら、一郎の指示のまま両手で、その前手摺りを握った。
一郎は亜空間からふたつの手錠を出すと、ナールの両手首にそれぞれ手錠をかけ、その手摺りに反対側の枷を使って繋いでしまう。
「あっ、天道様、なにを……?」
ナールが狼狽した。
「屋敷に戻ってからと言ったが、さすがにもう限界だろう? そろそろ、勘弁してやる。ほら、跪け──」
一郎は馭者台の足置きにナールを立て膝にさせ、自分はナールが座っていた場所に腰をおろした。
そして、ナールのスカートの前に手をやり、留め具を外して一気に膝までおろす。
「きゃあああ、なにを──」
びっくりしたナールがスカートを戻そうとしたが、両手が前手摺りの棒に繋がっているので、がちゃんと金属音がしただけだ。
次いで一郎は、ナールの腰を担ぐと、自分の股間の上に座らせるように引きあげた。
一方で、片手で自分のズボンと下着を腰からおろして怒張を露出させる。
「びしょびしょじゃないか。さっき小便を洩らしたが、これは小便じゃないし、油剤でもない。早速、マゾの快感にどっぷりと浸ったか?」
一郎はナールの股間に怒張の先端をあてがうと、そのままナールの腰を離して落とした。
前戯など不要だ。
すでに、ナールの股間は呆れるくらいに濡れているのだ。
「ひゃああああ」
一瞬にして深い部分までを一郎の怒張に股間を貫かれたナールが、全身を弓なりにして奇声をあげた。
がちゃがちゃと手錠の音を響かせながら……。