※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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879 案内人の半裸少女

 美しい庭園の向こうに「奴隷宮」がある。

 かつて、王妃アネルザがここの地下に奴隷を集めていたので、通称「奴隷宮」と呼ぶらしいが、本来は「王妃宮」だ。政務をしないルードルフに代わり、王家の政務を一手に引き受けていた王妃アネルザが、かつて国費に物をいわせて建造させたらしい美しく豪奢な建物である。

 

 ラスカリーナが手配させた王兵は、庭園には入らず、その周りをぐるりを囲っている。

 一郎は、ラスカリーナとベアトリーチェとともに、王兵が囲んでいる場所までやってきた。夜闇を破るように四周にびっしりと篝火(かがりび)が焚かれており、隙のない包囲網が敷かれている。

 しかし、その照明の明かりも、この王兵の囲みの位置の少し先くらいまでしか届いていないので、大きな庭園の向こうにある奴隷宮の建物は真っ暗な闇の中にほとんど隠れてしまっている。

 ただ、一本の小径が、一郎たちがいる位置から真っ直ぐに庭園を貫いて、建物の入り口まで繋がっている。

 

「交渉を試みようと、何度か接近しようとしましたが、見張っているらしく、ここから先に進もうとすると、威嚇のように歌がうたわれます。二度試みましたが、それからは、なにもしていません。包囲させているだけです。兵にもこれ以上近づかないことを厳命しています」

 

 ラスカリーナが言った。

 

「歌? それが警告なのか?」

 

 一郎は純粋に不思議に思った。どうして、歌が警告なのだろうと考えたのだ。

 

「気味の悪い呪詛のようななにかの言葉を呟く声が合唱されるのです。こちらの意思を削ぐような。わたしは警告と判断しました。だから、無理に接触しようとするのはやめました」

 

「そうか……」

 

 歌の好きな連中なのか?

 そういえば、ラスカリーナがイットを引き渡されるときにも、奴隷宮内の女たちが歌をうたっていたと言ってたっけ……。

 

「まあいい。ほかに何かを気がついたことは? 歌のほかに、大声や騒動のようなものを聞いたとか」

 

 一郎はさらに訊ねた。

 すでに、奴隷宮の内部に、コゼとミランダとスクルドを潜入させている。もしも、奴隷宮の中で、エリカとアネルザを人質にしている者たちがそれに気がついたなら、なんらかの騒ぎが聞こえるはずだと思った。

 

「報告はありません。基本的には建物は静かです。まるで誰もないかのように。ただ、近づくと、先ほどご説明した歌が合唱されるだけで……。あっ──」

 

 ラスカリーナが話の途中で声をあげた、

 突然に真っ暗だった建物内に明かりが灯ったのだ。

 しかも、入口になる正門の前に、二個の照明が灯った。

 さらに、ここに至る小路の両側に、ぱっぱっぱっと小さな明かりが灯っていく。

 あらかじめ準備していた仕掛けのようだ。

 いきなり、ここから奴隷宮に至る真っ直ぐの経路に光の道ができあがった。

 「おお」というどよめきが、周囲を囲む王兵たちから沸き起こった。

 

「持ち場を離れるな──。粛々と現在の任務を続行せよ──」

 

 ラスカリーナが大声で叫ぶ。

 そのラスカリーナの言葉が次々に逓伝(ていでん)されて、王兵たちの声が鎮まっていく。

 

「ここに俺が立ったということがわかったのだろうな」

 

 一郎は苦笑した。

 奴隷宮にたてこもっている貴族夫人や子女たちが、ラスカリーナのスカートに仕掛けた「盗聴具」は、いまは元通りに装着し直している。

 それを傍受しているとすれば、一郎がやって来たことを認識したとしても当然だろう。

 だが、ちょっと、かまをかけてみるか……。

 

「しかし、随分と失礼な連中だなあ。臨時の王軍司令官になっているラスカリーナでさえ、俺を天幕の外で出迎えて、手ずから馬車の扉を開けてくれたのに、こっちは真夜中に呼びつけて、誰も出てこないとはなあ……。だから、可愛いラスカリーナには悪戯したくなる」

 

 一郎は自分の身体で隠しながら、後ろからスカートの中に手を入れて、ラスカリーナの生尻を触る。

 しかも、指でしっかりと尻穴の入り口をとんとんと叩くように刺激してやる。

 

「あっ」

 

 ラスカリーナがびくりと身体を硬直させる。

 だが、触っているアナルを中心に、性感の場所であることを示す濃い赤いもやが拡がるのが淫魔術でわかった。

 羞恥責めに弱いラスカリーナらしい。

 お尻が快感の場所というよりは、羞恥責めを受けている部位が快感の場所になるみたいだ。

 一郎は、淫魔術で指に潤滑油をまぶさせる。

 すっとラスカリーナのアナルに指を挿入してしまう。

 快感の場所を見つけるのは一郎には簡単なことだ。アナルの中の赤いもやの濃い部分を指の腹で押し擦ってやる。

 

「んくっ、お、お願いします……。へ、兵たちの前では……」

 

「だったら、声や態度に出さないように気をつければいいだけだろう、性奴隷将軍様? この暗がりだし、俺の身体に隠れているから悪戯されていることには、誰も気がつかないよ。兵たちの目線は、いまは光の道に注目している」

 

 一郎はわざと「性奴隷」と耳元で言ってやる。スカートの内側の盗聴具がどれだけ精巧な物かは知らないが、そのほんのすぐそばで愛撫をしているし、会話の雰囲気から一郎とラスカリーナが淫靡なことをしているのは、盗聴側にはわかると思う。

 ベアトリーチェやリリスの言葉によれば、スクルドの言霊に染まったここの奴隷宮の連中は、一郎の性奴隷になることを望んで、こんなことをしでかしたのだ。そこまでして、一郎の性奴隷になりたいのだから、出迎えのないことが気に入らないと口にしたことで、なにかの反応があってもいい……。

 だが、ほかにもやりようはあるはずだが、いきなり王妃を人質にとるというのも極めて短絡的だ。それが「狂信者」というものかもしれないが……。

 

「んんっ、んくっ」

 

 ラスカリーナの尻穴の中の敏感な場所を見つけて刺激し続ける。

 彼女は必死に歯を喰いしばるように耐えている。すぐに、前の穴から漏れ出た体液がアナルをまさぐる一郎の手にまとわりついてきた。女の強い香りも漂ってくる。

 だが、ラスカリーナは直立不動の体勢だけは崩さない。懸命に我慢している。

 

 そのときだった。

 光の小径の先の奴隷宮の両開きの扉が向こう側から開いたのだ。

 少女らしき二人が出てきた。

 こちらに向かって進み歩いてくる。

 一郎は、ラスカリーナのアナルから指を抜いた。

 

「行ってくる。続きはあとだ。ところで、アナルは処女か?」

 

 一郎はラスカリーナの耳元でささやいた。

 

「は、はい」

 

「なら、ゆっくりとアナルの味も教えてやろう。宿題だ。自慰用の軽い掻痒剤を渡しておく。毎晩、それを使ってアナルで自慰をしろ。命令だ。いいな──」

 

 ラスカリーナのお尻をスカートの上からちょっと撫でてから、亜空間からとり出した油剤入りの小瓶をラスカリーナに握らせた。

 一郎の持っている掻痒剤の中では、一番痒みは抑えられているものだと思う。その分、性欲の疼きが激しいものだが……。

 

「は、はいっ、ご、ご命令に従います……。そ、それと、ご調教よろしくお願いします……」

 

 ラスカリーナがさっと小瓶を手の中に隠して、直立不動のまま小さな声で応じた。

 一郎はほくそ笑んだ。

 これもちょっとした悪戯だ。実はラスカリーナたちにさせている一郎のチョーカーは自慰をしても自分では達することができないという特殊機能がついている。言いつけ通りにアナル自慰を開始して、それでいくにいけない苦しみに七転八倒するラスカリーナの姿を想像してしまった。

 つくづく、自分も意地悪な性格になったものだと思う。

 

「行こうか、ベアトリーチェ」

 

 一郎は横で呆けている感じのベアトリーチェに声をかけた。

 

「あっ、は、はいっ」

 

 すると、横のベアトリーチェからちょっと上ずった声が返ってきた。

 見ると、顔も赤いし呼吸も乱れた感じだ。

 目の前でラスカリーナが羞恥責めをされているのに接して、もしかして欲情したか?

 思わず、にやりと微笑んだ。まだ、一郎の性奴隷支配を受けたばかりなのに、女軍人たちも一郎好みに淫乱で結構だ。この世界の女たちは、一般的に性欲が強い。一郎だからそうなるのか、もともと、そうなのかまではわからないが……。

 

「せ、先導します」

 

 ベアトリーチェが歩きだす。

 一郎はベアトリーチェのすぐ後ろを、建物に向かって進んでいった。

 一方で、建物から出てきた少女ふたりは、ゆっくりとした足取りでこちらに向かってくる。

 だが、兵がとりまく庭園の外側との三分の一ほどの距離で立ち止まった。兵たちが迫れば簡単に逃げ帰れる距離に留めたのだろう。

 

 一郎たちは進んでいく。

 そして、距離が縮まるにつれ、彼女たちの姿が確認できるようになってきた。

 やはり、少女ふたりだ。

 ひとりは赤毛──。ひとりは金髪。金髪の方はまだ大人になりきっていない少女そのものだ。もうひとりはかなり成熟した身体をしている。だが、二十を超えているということはないだろう。

 また、ふたりとも半裸だ。

 耳にしていた通りの破廉恥な恰好である。

 腰には真っ赤な小さな布を巻いていて、腰布は片側の腰の横に結び目を作っていて反対側の脚に垂らす感じだ。だから、結び目のある側の脚は付け根近くまで露出していて、反対側の脚についても腿の半分くらいまでしか隠れていない。

 そして、乳房については上半身の半分くらいの丈の薄物を羽織っているみたいだ。明かりが灯っている範疇で観察する限り、乳房の真ん中くらいにある一箇所の紐で結んでいるだけみたいである。

 ほかの部分は、へそ周りを含めて、完全に肌も露わに露出している。

 時間が経つにつれ、だんだんと背中側の男の王兵からのどよめきのようなざわめきが大きくなっていく。

 それだけ扇情的な恰好なのだ。

 

「アドリーヌ様とエリザベス様です……。わたしと同じで、赤組で性修行としていた者たちです。ふたりとも、優秀でわたしが国王のところに囚われた時点での序列は、一番と二番でした」

 

 前を進むベアトリーチェが小声で言った。

 

「序列?」

 

「どれだけ天道様の性奴隷として相応しい淫乱さを身につけたかで順番を付けていたのです。アドリーヌは最初からずっと主席でした。エリザベスは、最初は上級組にも入れなかったのですが、頑張って少しずつ成績をあげて、ついに二番にもなって……」

 

「ああ、わかった。もういい」

 

 一郎はベアトリーチェの言葉を制した。

 これもそれも、みんな、スクルドが色惚けの言霊を撒き散らしたせいか。

 本当に申し訳ない……。

 

 そのあいだも、お互いの距離はなくなり、やっとふたりに接触する場所に到達した。

 一郎は彼女たちの前で足をとめた。

 近くまで来ると、ふたりがちょっと息を荒げているのと、肌に薄っすらと汗をかいているのがわかった。

 急いできたという感じだ。

 これで一郎は、奴隷宮の者たちが、ラスカリーナに仕掛けた盗聴具でこちらの声を拾っているのだということを確信した。

 一郎が不満そうな発言をしたのを耳にしたので、慌ててこのふたりを出迎えに寄越したということに違いない。

 

 しかし、序列一番と二番か……。

 確かに、ふたりともとても可愛らしい顔立ちをしている。貴族子女らしく、一郎がまだ手をつけてないのに、肌も髪もきれいだ。囚われの少女たちという雰囲気もない。

 一郎を前にして顔を赤らめて上気している。

 ふたりとも脚をちょっと震わせており、とても興奮しているのが伝わってくる。

 

「て、天道様、お初にお目にかかります、アドリーヌと申します。わざわざのご足労に感謝申し上げます。わたしたち一同、天道様にお会いできるのを一日千秋の思いで愉しみにしておりました。ここより、フラントワーズ様のところにご案内します。お話はそちらで……」

 

「同じくエリザべスです。わ、わたしも愉しみにしておりました。わたしたち二人をはじめ、建物内では大勢の仲間たちが待っております。どうか、お情けをかけて頂きたいと思います」

 

 ふたりが深々と頭をさげる。

 さげるとほとんど剥き出しに近い胸の谷間が露わになるとともに、ふたりの乳首に吊っている小さな鈴がちりんちりんと鳴る。

 これは目の毒かな。

 淫魔師である一郎の性欲は強い。しかも、苛めがいのある少女ふたりだ。一瞬にして、一郎はこのふたりの責めを二十ほど思いついてしまった。

 だめだな。これは……。

 一郎は苦笑した。

 

「まあ、言いたいことはいくらもあるが、それはお前たちの代表者に言うよ。それと、アドリーヌについては、お初ではないな。イザベラのところでやっていた勉強会に参加していた娘だろう。覚えているよ。俺は顔を出さなかったから、わからなかったと思うけど、実は勉強会の部屋の裏に結構いたんだ」

 

 一郎は言った。

 イザベラが王太女になった直後、イザベラはマアやほかの講師を招いて、侍女たちや、あるいは政務や流通の勉強に興味がある貴族子女を招いて勉強会をよくやっていた。

 アドリーヌはその中でも一番熱心だった貴族令嬢だ。

 よく覚えている。

 一郎の言葉に、アドリーヌが顔をあげて、目を大きく見開いた。

 

「か、感激です……。天道様にわたしのことを知っていただいていたとは……。う、嬉しいです」

 

 その目にみるみると涙が溜まってきたのがわかった。

 大袈裟な……。

 一郎は思わず頬を綻ばせてしまった。

 次いで、エリザベスに視線を向ける。

 

「エリザベス嬢については初めてだな。お父上についてはお悔やみ申しあげる。ルードルフ王が断じた行動については、すべて洗い流すことを決めている。その結果、公爵家に罪なしと判断すれば、名誉を回復して財産は返還する。そうでなくても、子女のあなたに罪はない。それは約束する」

 

 一郎は言った。

 エリザベスは首を横に振る。

 

「できうれば、天道様にお仕えして生きたく思います」

 

「……それについても、お前たちの代表者と話をするよ」

 

 一郎は、とりあえず、そう言うだけに留めた。

 

「あ、あのう、ベアトリーチェさん、天道様のもとでお仕えすることになり、おめでとうございます。それと、よくご無事で……。とても心配しておりました」

 

 アドリーヌだ。

 ベアトリーチェに視線を向けている。

 

「うん、よかったですわ。おめでとうございます」

 

 エリザベスも声をかけている。

 

「え、ええ、運がよくて……。わたしのような出来の悪かったのが、先に天道様にお仕えすることが決まってしまって申し訳ない気もするんだけど」

 

「ううん……。とても嬉しいです。本当によかった」

 

「そうね。まあ、ちょっと妬ましいけど」

 

 三人が笑い合った。

 とても、仲がよさそうだ。

 それはともかく、やはり、ベアトリーチェが一郎の性奴隷になったことは、彼女クラスで知っているのか……。

 一郎は、目の前のふたりのステータスを読んだ。

 

 

 

“アドリーヌ=モンベール

  伯爵家長女

 人間族、女

 年齢15歳

 ジョブ

  治政力(レベル3)

  官吏(レベル1)

 生命力:50

 経験人数:なし

 淫乱レベル:S

 快感値:100

 状態

  魅了による軽洗脳状態(軽)”

 

 

 

“エリザベス

  元ラングーン公爵家長女

 人間族、女

 年齢18歳

 ジョブ

  官吏(レベル1)

  戦士(レベル1)

 生命力:50

 魔道力:10

 経験人数:なし

 淫乱レベル:S

 快感値:100

 状態

  魅了による軽洗脳状態(軽)”

 

 

 

 エリザベスの公爵令嬢に“元”がついているのは、ラングーン家がすでに取り潰されているためか……。

 ふたりとも「淫乱レベル」が“S”だ。これはかなりの敏感な身体ということだ。さすがは、主席と次席だ。

 それともかく、“魅了による軽洗脳状態(軽)”か……。

 これが、スクルドの言霊の影響ということだろう……。

 一郎は納得した。

 つまりは、これを消滅しまえば、正気に返るということか?

 試してみるか……。

 

 一郎はアドリーヌに手を伸ばした。

 

「えっ?」

 

 戸惑う彼女をいきなり抱きすくめる。

 抵抗できないように、両腕を胴体に縛る粘性体の縄で包むと、顔をあげさせて唇を奪った。

 遠目で兵士たちが見ている前で可哀想だが、これから「性教徒」たちの親玉に会う前に、どうやったら言霊の影響を失わせることができるのかということについて、ちょっとでも情報が欲しい。

 必ず彼女の名誉が回復させる努力はするし、最悪、仲間に加えてもいい。

 責任はとる。

 

「んんっ、んっ」

 

 一郎はアドリーヌの口の中を舌で蹂躙しながら大量の唾液を送り込む。

 本当は精を注がないと完全支配はできないが、唾液程度でもある程度の身体の操作はできる。

 「治療」や「状態回復」程度のことなら、唾液だけでも大丈夫だと思う。

 それはともかく、アドリーヌの口の中は、どこをどう刺激されても欲情に結びつく「赤いもや」でいっぱいだ。

 しかも、濃い。

 そして、全身が赤いもやで染まる。

 一郎が抱きしめている背中でさえ、アドリーヌの性感帯そのものに変わった。

 

「んんんっ、んんんんっ」

 

 一郎の腕の中のアドリーヌがぶるぶると震えだす。

 そのあいだも一郎は唾液を注いで、状態回復を図ることに専念したが、アドリーヌが急に全身を突っ張らせた。

 

「んぐうううっ」」

 

 内腿を擦りつけるようにしながら、身体を弓なりにする。

 むっとするような女の匂いが下から漂ってきた。

 口づけだけで達したか……。

 本当に敏感な身体のようだ。

 一郎は粘性体を消滅させるとともに口を離す。

 

 

 

“アドリーヌ=モンベール

  伯爵家長女

 人間族、女

 年齢15歳

 ジョブ

  治政力(レベル3)

  官吏(レベル1)

 生命力:50

 経験人数:なし

 淫乱レベル:S

 快感値:0→1(絶頂後の余韻状態)↑”

 

 

 

 よし、消えた。

 これで大丈夫か?

 一郎はほっとした。

 

「あ、あ、ありがとうございます、天道様」

 

 アドリーヌが一郎の腕の中で言った。

 手を離してやりたいが、完全に腰に力が入っておらず、手を離したら崩れ落ちそうなので支えているのである。

 

「ああ、よかったあ──。アドリーヌなら、きっとお手つきになると思った。よかたあああ」

 

 エリザベスが飛び跳ねるように喜ぶ。

 薄物で包んでいるだけの乳房が揺れて、ちりんちりんと鈴の音が鳴り響く。

 

「お手つきか……」

 

 まあ、そういうことになるのか?

 やっぱり、よくなかったか……。

 これから交渉に臨む前に、奴隷宮の女たちに期待を持たせるような行為は避けるべきだっただろうか?

 

「あれ?」

 

 しかし、一郎は思わず声をあげてしまった。

 アドリーヌのステータスがまた変化したのだ。

 

 

 

“アドリーヌ=モンベール

  伯爵家長女

 人間族、女

 年齢15歳

 ジョブ

  治政力(レベル3)

  官吏(レベル1)

 生命力:50

 経験人数:なし

 淫乱レベル:S

 快感値:0→5(絶頂後の余韻状態)↑

 状態

  魅了による軽洗脳状態↑”

 

 

 

 戻ってしまった。

 なんで?

 

 そのとき、身体の中からくすくすという笑い声が聞こえてきた。

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