【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
クラウディオ=マイルが隊の天幕に戻ったのは、すでに西の山に陽が沈み、そろそろ夜が始まろうという頃合いだった。
イザベラ新女王との面談の天幕を追い出されるように出たのは、まだ昼過ぎだったが、それからすでに先に入っていた諸隊の陣地への挨拶回りをしていたのだ。それなりに人数も多く、自隊の構築した天幕に戻ってくるのに、これだけの時間もかかってしまった。
マイル伯爵という人物は、腰の低い無能者ということで世間には通っている。
だから、わざわざクラウディオ自ら各領主隊の指揮所天幕に出向き、相手が格下の子爵や男爵であろうが、領主名代であろうが、必要以上に慇懃にへりくだった態度をふるまってみせたというわけだ。
まあこれで、マイル伯という男など、侮りこそすれ、用心すべき対象と考える者はいなくなったことだろう。
“出る杭は打たれる──。”
これが貴族の世界の常識というものだ。
だったら、打たれても問題ないくらいに強くなるか、あるいは、打つ価値もないと思わせるように、杭が出ていることを隠すかだ。
クラウディオは、後者を選んで世渡りをしている。
ただ、領主経営から手を抜くと領民に迷惑がかかるので、それはしっかりとやり、その代わりに世間体については部下に頼りきりの能力も意気地もない無能伯爵を演じさせてもらっているのである。
「お帰りなさいませ、ディオ」
天幕の中でクラウディオを出迎えてくれたのは、今回の出陣で兵站将校待遇で同行したピアだ。
クラウディオが所有している奴隷であり、愛人たちのひとりだ。もともとは貧しい孤児院で育った孤児で、彼女のような可愛い顔立ちの孤児院育ちの少女が誰でもそうなるように、彼女もまた、騙されて質の悪い娼館に売られ、奴隷になってしまったという境遇を持っている。
クラウディオには同じように、かつて不幸だった境遇の奴隷たちが二十人はいる。
全員がクラウディオが引き取らなければ、ほかの場所でも奴隷になるしかない者たちだ。
そのうちの半分が女奴隷であり、残りの半分は男奴隷である。その男奴隷たちも、男娼をしていた者たちばかりなので、全員が可愛い顔をしていて若い。
そして、この二十人がクラウディオの日常の性処理をしてもらっている者たちになる。
男も女もだ。
すなわち、性奴隷ということだ。
いずれにしても、解放を望むのであれば、限られた額になるが年季明けとして当面の生活が成り立つだけの金銭も渡すからいつでも言ってくれと諭しているが、いまのところ、出ていくものはいない。
しかも、クラウディオのためであればと、命も賭さない感じだ。
まあ、ありがたい者たちだ。
また、周りを奴隷の刻みをしている者たちだけで固めているというのも、大きなこだわりでなく成り行きだ。
奴隷は絶対に裏切らないという安心感があるが、クラウディオはそこまで用心深くしているわけではない。
ただ、たまたま最初の頃に、ある事情で助け出した者に身の回りの世話をさせることにしたとき、助け出した奴隷が紋章奴隷だったのだ。首輪奴隷とは異なり、紋章奴隷は余程の高位魔道遣いにかからないと、奴隷解放処置ができない。
事実上、一生奴隷なのだ。
だから、クラウディオが引き取って鍛えた。
それが慣例になって、クラウディオの近くで侍るのは、奴隷身分のみということになった。
すでに奴隷身分である者たちが、引け目を感じないようにという意味もある。
闇奴隷商の摘発で助けた奴隷──。
扱いのひどい孤児院から救出した者──。
虐待をされていた家庭から引き取った者──。
まだまだ、この王国の不幸の存在は日常茶飯事であり、視界に入ってくる力のない者たちだけでも、せめて助けようとしてきたクラウディオの周りの奴隷の出自は様々だ。
だが、いまではクラウディオのそばで仕えるためには、紋章奴隷になるのが条件になっている。
目の前のピアについては、最初から紋章奴隷だったので、クラウディオが引き取るか、程度のいい新しい主人に託すかの選択肢しか存在しなかった。
娼婦をさせられていたにしては、読み書きもできるだけでなく、目端が利いて頭もよかったので訓練を施し、いまは将校待遇の兵站管理者をさせている。
「ただいま、おっ、今日の当番はピアだけか?」
クラウディオは、腰から剣を鞘ごと抜いてピアに手渡しながら笑った。
おそらく、まともな戦いはないだろうとは思うが、一応は戦場なので、完全にくつろぐわけにはいなかないが、武装くらいは外させてもらう。
ピアがかいがいしく、クラウディオの身体から武具を外していく。
「報告もありますし……。ディオを女王陛下様たちの前で罵りました。だから、お仕置きがありますよね」
ピアがクラウディオから外した武具を天幕の隅に片付けながら、くすくすと笑った。
人よりも精力の強い方だと思うクラウディオには、毎日、性の相手をしてくれる者がいる。
相手は男でも、女でもいいのだが、クラウディオはそれを二十人の奴隷に交代でさせていた。順番はお互いに決めさせていて、ひとりのときもあるし、複数のときもある。クラウディオから注文することもあるが、基本的には、クラウディオを喜ばせるために工夫と変化をつけて奴隷たちが自ら決めることに任せている。
二十人の性奴隷のうち、今回連れてきたのは、女が三人と男が四人の計七人だが、今夜はピアだけみたいだ。
いずれにしても、その日の伽の当番の者は、クラウディオの身の回りの世話もすることになっているので、この天幕でピアしか待っていなかったというのは、そういうことなのだろう。
「そうだったな。食事はしたか?」
天幕の中は執務用のテーブルのほかに、向かい合う横長のソファが一組の簡素なものだ。寝台と着替えの場所については、この天幕に繋がる小さい天幕側にあり、ピアのような従者が寝泊まりする場所は特段に存在しない。当番の従者は必ず、クラウディオと同じ寝台で寝ることになるからだ。
それはともかく、クラウディオは、そこに腰掛けながらピアを呼び寄せる。ピアは座っているクラウディオの脚の間に跪いた。
逢瀬を強請りたいときには、ピアはいつも、そこにしゃがみ込むのだ。本人は気がついていないみたいだが、例外なくそうだ。
「はい、先に終わらせました。ディオの分は奥に準備してます。持ってきますか?」
ピアが言った。
クラウディオは小さく首を横に振った。
また、奴隷たちに“ディオ”と愛称で呼ばせているのは、型苦しいことが嫌いで、クラウディオ自身がそう呼ばれたいというのもあるが、飼育している奴隷に馬鹿にされている伯爵を見せたいために、あえてそうさせていることでもある。
これもまた、クラウディオの処世術なのだ。
「いや、挨拶周りのあいだに、少しずつ摘まんだからいまはいい。寝る前にでも一緒に食べるか。ちょっと運動してからな」
クラウディオはにやりと微笑んだ。
すると、ピアの顔が真っ赤になる。
「じゃあ、性具の方を持ってきますね」
ピアが立ちあがり、一度奥の寝台のある天幕に入ってから、すぐに戻ってくる。
木箱を両手で抱えている。
中身はクラウディオが女を責めるときの道具や淫具である。拘束具もある。性の相手が男でも女でも構わないクラウディオだが、抱くときには必ず相手を拘束して抱く。
クラウディオの残念な性癖だ。
性処理をしてもらっている性奴隷たちが、これを本音でどう思っているかは知らない。まあ、どう思っていても構わないし……。
「脱がして欲しいか、それとも自分で脱ぐか?」
クラウディオは木箱の中から縄束を取り出した。
「服は自分で……。でも、下着は脱がして欲しいです……。それと、まだちょっと明るいので目隠ししてください」
「わかった。だが、奴隷のくせに、ご主人様に下着を脱がして欲しいとは、まったく淫らな性奴隷だ」
クラウディオは縄の準備をしながら
それに、確かにまだ完全には夜にはなりきってないので、天幕の外には日差しはちょっと残っている。
だが、だから、目隠しをしてくれというお強請りはどうなのだろう。
自分が見えなければ、恥ずかしくないという理屈なのか?
クラウディオはほくそ笑んだ。
もっとも、ピアにはわかりようもないが、実は、完全に夜になれば、この天幕に来客が訪れると思う。フォックス卿の使いだ。フォックス卿には、イザベラ女王との面談のときに、あの手紙を渡すことを強要されていたが、その結果を知りたいはずなのだ。
おそらく、間違いなく来る。
当然ながら、このままピアと淫靡な遊びをしていれば、その真っ最中にやってくることになる。
そのときに、辱められている自分の姿を見られて、ピアがどんな風に恥ずかしがるのか、ちょっと愉しみだ。
「ああ、はい。ピアは淫らで、いやらしいんです。ディオ、うんと、うんと、苛めてくださいね」
ピアが軍服を脱ぎながら甘えた声を出す。
すでに、情欲をもよおしたみたいだ。
「わかった。だが、後悔するなよ……。いや、前言撤回だ。後悔して泣け」
クラウディオは笑った。
そして、あっという間に、上下の下着だけになったピアを腕の中に抱くと、胸に巻いている布を外してしまう。
続いて、剥き出しにした乳房からへそ、へそから下腹部に向かって、ねっとりと舌を這わせていく。
「あ、ああっ」
ピアが小さなよがり声をあげて、クラウディオにしがみついてきた。
クラウディオは、今度は自分が跪くかたちになり、ピアの腰の下着を一気にずりおろして足首から抜く。
ピアの股間はすでにぐっしょりと濡れていた。
強い女の香りがむんむんと、心地よくクラウディオの鼻をくすぐる。
「め、目隠ししてください、ディオ。腕も縛って……」
素っ裸に剥かれたピアは、完全に欲情した感じになり、クラウディオの胸に身体を預けてくる。
クラウディオの性癖に完全に染められてしまった性奴隷たちは、全員が例外なく被虐癖である。苛めれば苛めるほどに欲情して興奮する性質になっている。男の性奴隷も、女の性奴隷もだ。無論、ピアもである。この普段は気の強い性格であるピアが縄で縛られて悶える仕草は、いつもながらクラウディオを興奮させる。
クラウディオは、ピアに背中を向かせた。
命じられることなく、ピアは両腕を背中で交差させる。
「いや、今日は変わった体位で拘束してやろう。俺を外で罵倒した罰だったからな。手は前でいい」
クラウディオは、ピアを背中側から押してソファの背もたれ側に移動させると、ソファを背にして立たせ、脚を大きく開脚させてソファの脚にそれぞれに足首を縛りつけた。
次いで、木箱から布の目隠しを取り出して、ピアの目の上にしっかりと覆って頭の後ろで結ぶ。
「ほら、身体を背中に反らしてみろ」
ピアの胴体をしっかりと抱いて、ゆっくりとソファの背もたれにピアの上半身を反らせていく。
「あ、ああ、恥ずかしいです──。こ、こんな格好……」
ピアが哀願の声を出す。
だが、抵抗はしない。
クラウディオの誘導するまま、上半身をソファの上に乗るように反らせていく。
やがて、ピアは完全に背中の中心をソファの背もたれに乗せて、大きく曲げた格好になった。
白い肌の腹は思い切り弓なりになって伸び切っている。
クラウディオは、ソファの前側からピアの左右の手首のそれぞれに縄掛けをして、足首と同じように大きく開いてソファの脚に括り付けた。
「薄暗くなってきたな。よく見えるように、明かりを寄せるか」
クラウディオはわざと口に出してから、天幕の隅にあった燭台を台ごと、ピアの下半身側に持ってきた。
ピアの裸身は、鞭で叩かれた痕がいっぱいだ。性奴隷たちの中でも被虐度が強いピアは、実は痕が残るくらいに痛めつけられるのが好きなのだ。
「ああ、ディオ、あんまりです。こ、こんなの……」
ピアが声をあげる。
性奴隷とはいえ、さすがにこれだけ下腹部を高々と突き出してさらけ出す格好になるのは恥ずかしいだろう。
だが、やっぱりピアもまた、被虐癖に染まった奴隷だ。
無残に開ききっている股間からは、欲情の証である蜜がとろとろと滴り落ちてきている。
また、股間には陰毛はなく、紋章奴隷である証の紋様がくっきりと描かれている。クラウディオが施したものではなく、救出する前のピアの主人が面白がってやったことだが……。
「たまにはこういう拘束もいいものだろう、ピア? ところで、そういえば、報告がまだだったな。兵站の状況はどうだった? フォックス卿は自信満々だったが、補給品が滞っているような状況だったか?」
クラウディオはもう一度、ピアの脚側に移動する。
目隠しもしているし、ピアの上半身はソファの反対側だ。なにをされても、ピアは予測して備えることができない。
そのピアの股間を指でゆっくりとくすぐってやる。
「ひゃああ、あああっ」
ピアがけたたましい声をあげて、裸身を跳ねあげた。
「そんなに声を出すな。周りはマイル隊だけとはいえ、隣接隊との距離もないんだ。いやらしいことをされているのをそんなに喧伝することもないだろう」
指をクリトリスから亀裂に沿わせ、さらにアナルに向かわせる。
「ひゃあああ」
ピアが身体をねじって、甘い声をあげる。
「報告だ」
クラウディオはびしょびしょのピアの股間に指を一気に深くまで挿入した。凄まじい力でその指をピアの股間が締めあげる。
ピアの弱い場所は完全にわかっている。
クラウディオは、指をゆっくりを抜きながら、一番の弱点の膣の出口に近い上側の膨らみを押し揉んでやる。
「きひいいいっ」
ピアががくがくと身体を痙攣させた。
弓なりの姿勢がさらに反り返り、股間が天井に突き出される。
「報告だといっているだろう」
クラウディオは少しのあいだ、同じ場所をしばらく刺激してやってから、ピアの快感を極める直前に指を再び奥に挿入していき、快感をかわさせた。
ピアの身体が切なそうに悶えて震える。
「あんっ、ほ、補給は……ち、ちっとも……滞っている……雰囲気はなくて……。兵糧も、武器も、よ、要求し、しただけ補充を……し、してくれて……」
ピアがすすり泣くような声で報告を口にする。
このイザベラ隊に参陣するにあたって、わざと兵糧や武器を不足のままで来たのは、フォックス卿が他の大貴族たちと組んで行っているらしい、兵站の妨害工作の成果を確認するためだ。
もちろん、クラウディオが考えたことではなく、フォックス卿から要求されたことである。
イザベラ女王が独裁官に指名したロウ=ボルグの王都宣言により、官職と王都財産の没収をされることになったフォックス卿が、同じ憂き目を負うことになった大貴族たちと結託して、このイザベラ隊の補給妨害をして新女王を困らせてやろうと工作をしているそうなのだ。
フォックス卿には、領主隊を参陣させたら、それも確認しろと命じられた。だから、馬鹿馬鹿しいが兵糧も持たずに、陣に加わるということをしたのである。
もっとも、フォックス卿たちがわざわざ兵站の邪魔をする狙いがなんなのかは、よくわからない。
クラウディオからすれば、あまり意味があることとも思えないし、そんなにすぐに補給が滞る状況を作れるとも思えないのだが、フォックス卿の一派から、とにかく、偵察して状況を確認しろと強要されたから、まあやっただけだ。
もっとも、フォックス卿たちの要求に応じたからといって、現時点で、クラウディオは、フォックス卿たちに与するとは決めているわけではない。
あの無能王にして、最後には狂人のように王都を混乱させたルードルフ王に継ぐ者として、新女王即位の宣言をしたイザベラにそのまま忠誠を尽くすべきなのか、あるいは、経験と影響力のあるフォックスたち大貴族の陣営に入って、王家から貴族側に権力を奪っていく一派に属するべきなのか迷っている。
今回の参軍は、それを判断するいい機会だと思っている。
「補給に困っている状況は観察できなかったか?」
クラウディオは指を抜いて、ズボンを下着ごと脱ぐと、怒張を静かに股間に押し入らせていく。
一気に挿入せずに、じりじりと焦らすようにほんの少しずつだ。
「あ、あああっ、は、はいっ……。ま、魔道防具用……の……魔法石を百個ほど……よ、要求してても……イ、イライジャっていう……黒エルフの……女の人が……わ、笑いながら……明日までに……準備するって……。ひゃっ、ひゃあああ」
ピアが与えられる快感にどうしようもなくなっているかのように、追い詰められた声で応じる。
それはともかく、兵糧や武具はともかく、魔石は高額でもあるし、流通している数に限りがあるものなので、簡単に数が揃えられるものではない。
それを予定にない百個もの数を要求されて、一日で揃えられるということは、むしろ、兵站については、しっかりと機能していると判断していいだろう。
フォックス卿たちのやっていることは、どうやら、まったく意味がなさそうな感じだ。
そして、意味がないといえば、クラウディオがイザベラに手渡したフォックス卿からの書状にしてもそうだろう。
イザベラ女王のお腹の子の父親であるはずの独裁官のロウ=ボルグが多くの女と不義を繰り返しているという告発の内容だったが、それをクラウディオに託すとき、フォックス卿は、絶対にイザベラ女王は動揺して、泣き喚くほどの衝撃を受けるはずだと豪語していたが、どう見ても動揺する様子は皆無だった。
十中八九、イザベラ女王も、それらの全てを承知している。
しかも、これは勘だが、あのシャーラという女護衛長も、突然に出てきた侍女たちも、多分、ロウの女になっている。そんな雰囲気だった。さらに、ロウが街中で女を凌辱している画像を前にして、全員が欲望を昂らせていた。
間違いない。
いずれにしても、フォックス卿があんなものでイザベラ女王をうまく操縦できると判断したのは、随分と的外れの判断だったみたいだ。
状況判断も甘い。
あれでは、単に警戒させただけである。脅しにもなってない。
イザベラ陛下の陣営──。
フォックス卿たち大貴族たちの陣営──。
このひとつをとっても、どっちを選ぶべきかの判断は自明のような気がする。
そもそも、どうやら、性癖について同好の士というのは、大きなクラウディオの判断要素になりかけている。
「それにしても、魔法石を百個とは恐れ入ったな。たかが一領主の要求で即座に付与するというのは、ここの陣営は軍資金そのものも潤沢なのだな」
魔法石はそれなりに高価だ。
それをすぐに、躊躇いなく与えるいうのはすごい。
さすがは、王家の財力というところか。
「あ、ああっ、ふ、付与してない……。イ、イライジャという人は……、か、買取って……。よ、要求が……、あああっ、あ、あとでディオに……」
「なんだと──」
驚いた。
「くれ」と頼んだのではなく、買い取りだって?
イライジャという向こうの兵站担当がどういう人物なのかは知らないが、がっちりしてやがる、
だが、そこまでの高額の買い物まで、あのフォックス卿のくだらない工作の確認のために使うつもりはなかった。
「勝手にそれほどの金を使ったとはなあ。これは、本当に罰を与えないとな──」
お仕置きのつもりで、怒張の抽送を激しくする。
「ひゃああ、ひゃん、ひゃん、ひゃん、ああっ、あああっ、ああああっ、いぐうっ、いぐううっ」
ピアがあっという間に極めかける。
弓なりに拘束されている裸身をがくがくと震わせる。
「まだだ──、我慢しろ」
クラウディオは腰を動かしながら、手でピアの尻の横を思い切り叩く。
小気味いい音がするとともに、ぎゅっと怒張が締めつけられる。それとともに、ピアの股間の中でどっと蜜が噴きだして、気持ちよくクラウディオの男根にまとわりつくのがわかった。
「んぎゅううう」
ピアが奇声をあげつつ、歯を喰いしばる仕草をする。
そのときだった、
クラウディオは、天幕の外から人の気配が近づくのを感じた。
だが、快感で追い詰められているピアは、まだ気がついていない。
ふと外を見ると、いつの間にかすっかりと陽が落ちている。
足音が近づいてくる。
警備の兵には、素通りさせるように伝えているので、すぐにここに来るはずだ。実際、あっという間に天幕のそばまで接近してきた気配が伝わる。
足音は複数だ。
五人くらいか? いや、十人はいるか……。
「ピア、お客さんのようだぞ。ちょっと中断だ」
クラウディオは喉の奥で笑い、挿入していた男根を抜くと、素早く身支度をした。
そして、前に回り、状況を理解できなかったらしいピアの口に男根のディルドを突っ込む。ディルドの根元に革ベルトがついていて顔に装着できるものだ。
素早く固定してしまう。
ピアは狼狽している様子だ。
しかし、まだ、なにもわかってない。
「マイル伯、私だ。入るぞ」
すると、天幕の外から声がかけられた。
驚いたことに、フォックス卿自身だ。
「んんっ、んんんっ」
やっと事態に気がついたピアが焦った声をあげる。
「どうぞ──。ちょっと取り込んでおりまして、そのままお入りください」
クラウディオは応じた。
そして、さっきまでクラウディオの男根が挿入されていたピアの股間に指を根元まで入れ直して、ピアの膣の中を刺激する。
「んぐうううう」
ピアが拘束されている身体を暴れさせた。
一方で天幕の入り口の布が開けられ、頭にフードを被った五人の男がぞろぞろと入ってきた。
そのうちのひとりが、フォックス卿だ。
さらにふたりはフォックス卿の子飼いの上級貴族。残りのふたりは護衛だろう。天幕の外にも護衛を残している。
「これは宰相閣下、こんな状況で失礼しました。呼び出しをしていただければ、いつでも参りましたものを」
クラウディオはピアの股間を弄りながら、顔だけをフォックス卿に向けて笑いかけた。
フォックス卿がフードの下で顔を呆れさせるのがわかった。