【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「なにをしておるのか」
頭にかぶっていたフードを取り去ったフォックス卿が呆れたような声で言った。
だが、クラウディオはソファの後ろ側からピアの股間を弄ぶ行動をやめない。
「んんんっ」
さすがに、大勢の他人が入ってきたことで、ピアは激しく狼狽している。
天幕に入ってきたのは、フォックス卿のほか、ふたりの貴族と、ふたりの護衛の併せて五人である。
「どうぞ、お座りください。ご覧の通り、戦場のことゆえ、なにもありませんが、フォックス卿におかれましては、ソファにどうぞ。申し訳ありませんが、ほかの皆様は立ったままということでよろしいでしょうか」
クラウディオはピアの女の最奥を指でゆっくりと愛撫している。繊細な粘膜を丁寧に撫で、さらにほかの指で入口部分やクリトリスも刺激していく。
「んんっ、んんんんっ、んぐうううっ」
目隠しをしているが、ピアには目の前に赤の他人が複数人いるのはわかっているだろう。ディルドで塞がれている口からは狼狽の声があがっている。
さすがに、この状況の羞恥には耐えられないらしく、必死に首を横に振って快感を逃がそうとしているみたいだ。
だが、調教によりマゾに染められきっているピアが女の反応を防ぐのは不可能だ。
クラウディオの愛撫を我慢などできず、彼女は恥ずかしい痴態を否応なく晒けださされている。
なによりも、多分、いつもよりも感じている。
さすがは、クラウディオが調教したマゾ娘だ。
ピアの股間から流れる蜜は、挿入しているクラウディオの指を伝って、手首にまで到達しているし、ぎゅうぎゅうと強く締めつける膣圧は、ピアがかなりの被虐酔いをしていることを明確に示していた、
「いい加減にせんか──。人払いせよ──。フォックス卿がわざわざ、お前のところに来ているのだぞ──」
フォックス卿の腰巾着の伯爵が怒鳴った。
同じ伯爵でもあるクラウディオに対して、随分な物言いだが、まあ、行儀の悪いことについてはクラウディオの方が上回っているので文句も言えないだろう。
「ははは、申し訳ありません。だけど、気にしないでください」
クラウディオは、わざと声をあげて笑った。
いずれにしても、女王陣営とフォックス陣営のどちらを選ぶかの腹は決まった。
ここは、怒らせて縁を切られるくらいでも丁度いい。
「奴隷は人ではありませんよ。まあ、とにかく、お座りを……。おい、奴隷──。ここで聞くもの、知るものは一切の他言を禁じる。命令だ──」
ピアに限らず、所有の性奴隷たちに、あまり隷属の力を使ったことはないが、一応、フォックス卿に見せておく。
もっとも、別に命令などしなくても、ピアはクラウディオが困ることは、拷問されても喋ることはないし、逆に、喋った方がいいと判断したことは、積極的に喧伝するだろう。それくらいの目端の利くのがピアという娘なのだ。
元はといえば、爵位など引き継ぐべくもなかったしがない五男坊だが、このピアをこんな風に弄ぶことができるというのは、つくづく領主になってよかったと思う。
「んんんんっ」
ピアが泣くような悲鳴をあげた。
クラウディオはわざと指を激しく動かしている。このまま続ければ、そんなに時間をかけずに、ピアは程なく気をやってしまうだろう。
「マイル伯よ──」
もうひとりの腰巾着が顔を怒りで真っ赤にして怒鳴った。
クラウディオは、微笑んだまま指を抜く。
「んふうっ」
ピアががっくりと脱力する。
八合目から九合目くらいか……。
ここで中断されるのは、ピアもつらいだろう。クラウディオはちらりとピアの切なそうな表情を見て、ほくそ笑んだ。
クラウディオは、指の汚れをピアの太腿で拭く。
「お待たせしました」
クラウディオは、フォックス卿の前に進み出ると、恭しく頭をさげる。
フォックス卿が鼻を鳴らした。
「まあよい」
フォックス卿がピアが縛りつけられているソファの真向かいの横長のソファーに腰をおろした。
当然ながら、目隠しとディルドの猿轡をしているピアの顔に視線を向けることになる。股間も乳房も剥き出しの裸身だ。
フォックス卿がそんなピアの痴態に接して、かすかに頬を綻ばせた気がした。
クラウディオはちょっと焦った。
半分はピアへの被虐責めの一環であり、さらに半分は突然にやってきたフォックス卿の機嫌を悪くさせる目的があったのだが、まさかとは思うが、ピアに興味を示したか?
もしかして、失敗した?
だが、すぐに思い直す。
いや、ないな──。
フォックス卿ほどの人物が、奴隷女などに欲情することはない──。この男はかなり気位が高いのだ。
絶対にない──。
ないはずだ──。
クラウディオは心の中で否定した。
「ところで、報告を聞こうか。小娘はどうだった? あの冒険者あがりが自分以外に女を大勢作っていると知って、動揺したのではないか?」
フォックス卿がピアの裸体に視線を向けながら言った。
やはり、そのことかと思った。
だが、やっぱり、ピアに視線を向けたままだ。興味を示した?
ちょっと調子に乗りすぎたか?
失敗した──?
「そのとおりでございます。私の前だというのに、金切り声をあげて泣き叫んでおりましたね。まあ、周囲の者が宥めておりましたが」
とりあえず、話に応じておく。
「さもあろう。女王を名乗ったとはいえ、まだまだ十六の小娘よ。惚れた腫れたで
フォックス卿がくくくと喉の奥で笑う。
後ろの腰巾着たちも、それに合わせて追従笑いをした。クラウディオも、一応一緒に声をあげて笑う。
だが、仮にも女王即位を宣言したイザベラ女王を“小娘”呼ばわりとは……。
まあ、相手を低く扱うことで、自分を大物に見せる者はいるが、どうやら、フォックス卿もその手合いみたいだ。
しかし、そんな風に隙が多いのは、徒党を組むには信用ならないだろう。油断が多いのはお前だと、クラウディオは言いたい。
クラウディオは、改めて、反王家の行動に走ろうとしているフォックス陣営を見限る決意をした。
「ご慧眼には感嘆いたしました。なにもかも、フォックス卿の手のひらの上でございますね。ただ、二通目の書状には反応はしないようです。女王陛下の部下が止めておりましたから」
クラウディオは言った。
この男は気に入るような適当な嘘を伝えるのは問題ないが、フォックス卿が準備した二通目の書状で示した女王との会合に、女王陣営が反応するとは思えない。
後で、あまりにも渡した情報が事実と違うとなれば、こっちに文句をねじ込まれる可能性もある。
そうなったら面倒なので、イザベラ女王にその気がないことだけは、はっきりと伝えることにした。
そもそも、イザベラ女王と駆け引きをしたくて、面と向かって話す機会を作りたいのであれば、自分から行けばいいのだ。
あの新女王は、領主などの来訪を拒む気配はなかった。
クラウディオのような小者でさえ、一対一で天幕内で語る時間を作ったのだ。
元宰相のフォックス卿が行けば、必ず会うだろう。
しかし、この男は妙な大物ぶりを演じるときがあり、即位したばかりの新女王がフォックス卿のところにやってくるという状況を作りたいようなのだ。
それで、わざわざ書状で呼び出すという面倒なことをしているのである。
「そのようだな。エルフの女兵が二人ほど来て、女王の来訪はないという伝言を小屋に運んできおったわ。なぜ、ガドニエル女王の女兵が女王の伝言を運んできたのかはわからんが」
フォックス卿が急に不機嫌になり、舌打ち混じりに言った。
どうやら、女王たちは、あの書状に対して、早々に面談を断ったみたいだ。まあ、当然だろう。
大体からして、女王即位を宣言したイザベラをこっちから呼び出すなど、そもそもあり得ない。しかも、あの書状にはできるだけ他言を防ぐために、少人数で来て欲しいと書かれていた。
余程にイザベラ新女王を舐めた内容だが、そんな怪しい書状に引っかかる相手であるはずもない。
のこのこと会いに行くようなイザベラ女王であれば、逆にそっちを見限るところだが、いまの情報に接して、最終的なクラウディオの選択は決まった。
女王につく──。
そうとなれば、早々に手を打つか……。
クラウディオにしても、女王陣営に喰い込むネタを持ってないわけじゃない。
リンという王軍の将軍が、目の前で砦に引きこもって、頑としてイザベラ軍への武装解除を拒んでいるのは、このフォックス卿たちの動きが背景だ。
フォックス卿は、自分の息のかかっているリン将軍にひそかに手を回して、わざと降伏をさせないように手を回しているのである。
なにを企んでいるのかというと、つまりは、予定していた女王との会合において、フォックス卿が出した使者ひとつで、リン将軍が降伏をする状況を作為して、自分の力を演出するつもりらしいのだ。
そうなれば、リンは処刑されるしかないと思うのだが、フォックス卿は彼の身の安全を保障するという口約束を交わしているようなのだ。
実に馬鹿馬鹿しく、そして、おそらく、これは破綻する。
そもそも無理のある工作だが、クラウディオが入り込ませている間者からの情報によれば、徹底抗戦の態度を崩さないリン将軍に反対する幹部が続出して、リンは片っ端からそれらを捕縛させている状況みたいだ。
それでも、いますぐに武装解除をして女王を出迎えるべきだという声は収まらないらしい。
こんなのは、すぐに暴発するに決まっている。
その情報を持っていくか……。
だが、クラウディオ程度の諜報能力で掴める情報をフォックス卿は握ってないのか?
まあ、うちの奴隷たちはかなり優秀なので、少なくともフォックス卿陣営よりは、諜報能力は高いのかもしれないか……。
「兵站の方はどうであった? 我らの妨害工作で困っておったろう」
フォックス卿が言った。
またもや、クラウディオとしては首を傾げざるを得ない。
軍隊というものは、兵站が滞れば行動が制約されるものではあるが、逆に、一日や二日、補給が滞ったくらいで、どうにかなるわけでもない。
一日三食食べなければ動けなくなるような軍人はいない。水さえあれば、食など五日くらいは食べなくても戦えるし、補給なしで近隣から食料調達をする訓練も受けている。
マイル隊もそうだ。
なにか勘違いしているのではないだろうか?
本当に、宰相だったのか?
だが、考えれみれば、このフォックスを宰相に任命したのは、確かアネルザ王妃だったはずで、数ある大貴族のうちから、当時キシダイン派に染まってなかった者のうち、もっとも人畜無害の者を選んだのだという噂があった。
あの頃に、キシダイン派でなかったということ自体が、キシダインが工作を必要としなかった小者だったということであり、その程度の能力しかないということだろう。
マイル家程度の代官領主にさえ、当時はキシダイン派の工作は及んでいた。もちろん、クラウディオはがっちりとキシダインにはおべんちゃらを使っていた。
あんな風に、あっという間に失脚するとは思いもよらなかったが……。
「補給については、随分と滞っている状況でしたね。すでに、ぎりぎりの状況です」
クラウディオは、心の中で舌を出しながら答えた。
ちょっと調べれば、そうでないことはわかるだろうが、最早どうでもいい。
「さもあろう。我ら大貴族を軽視すると、どのようなことになるか、少しずつ思い知るがいい。我らを宮廷から追い出して、果たして、どうやって宮廷を運営するつもりか。書類一枚、我ら貴族の力を借りねばなにもできないくせにな」
フォックス卿は吐き捨てた。
その言い草には、クラウディオはまたしても、ひそかに首を傾げる。
書類仕事など、クラウディオの下にいる性奴隷たちでも十分にできる。貴族でなければ書類が作れないという根拠はどこからきているのか……。
いずれにしても、決めた以上、これ以上の関わりは、意味もないか。
それにしても、キシダインの失脚直後に、宰相になったばかりの頃は、結構腰が低くて好感の抱ける人物だったのに……。
「まあいい。あのロウと小娘のあいだにくさびを打てただけでもよしとするか。なら、忌々しいが、こっちから赴くとしよう。俺の名で急ぎ、女王に面談の要求をして来い。今夜だ」
フォックス卿が首を後ろに回して、腰巾着のひとりに告げた。
いまから女王に面会を申し込んで、今夜のうちに会合だと?
そんな勝手な要求など、女王陣営が受けるか?
クラウディオは疑念に思ったが、まあ、知ったことじゃない。
「はっ、すぐに」
腰巾着がすぐに出ていく。
クラウディオは、彼らに見えないように、軽く肩を竦めた。
「なにか有益になる情報があれば、フォックス卿には一番にお知らせいたします」
クラウディオは丁寧に頭をさげた。
つまりは、もう用事はないだろうから、さっさと帰れという意思表示だ。
「いいだろう。これからも励んでもらおう。悪いようにはせんぞ、マイル伯」
「よろしくお願いいたします」
さらに頭をさげる。
フォックスが立ちあがった。
クラウディオは、ほっとした。本当にイザベラ陛下との会合のことについて確かめたかっただけみたいだ。
しかし、そのとき、フォックス卿の視線が、すっとピアに伸びた。
クラウディオはどきりとした。
「それにしても、奴隷にしては、なかなかにいい女を飼っておるのだな。俺も戦場などという無粋な場所には、あまり縁がないので、そういう慰安奴隷の着意はなかった。ちょうどいいので、その女奴隷を含めて、二、三人を俺の宿舎に届けよ。数日後には礼金とともに戻そう。よろしく頼むぞ、マイル伯」
フォックス卿が事も無げに言った。
「はっ、なんだって?」
クラウディオは思わず、素で応じてしまった。
「おう、よかったのう、マイル伯。フォックス卿のお声掛かりだ。よい奴隷を吟味して届けられるとよいぞ。部下といえば、奴隷ばかりを集める変わり者のそなたが、フォックス卿のご恩に報いる機会だ。こんなこととはいえ、日頃のお礼をするといい」
もうひとり残っている腰巾着が手を叩いて笑った。
なんだと、この馬鹿どもが──。
つまりは、クラウディオの性奴隷たちをこいつらに提供しろと言っているのか──。
さて、どうしてくれようか──。