【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「フォックスだと──?」
ピカロが伝えた名前に、イザベラは驚いて声をあげてしまった。
だが、砦にこもって砦門を開こうとしない将軍のリンがフォックスに通じている可能性があるというのは、シャーラが指摘したこともあったことを思い出した。
「そういえば、ロウ殿、この軍の兵站を妨害しようという動きがあります。フォックス殿の息のかかった領主が関与している気配があります」
ヴァージニアが口を挟む。
すると、ロウがにっこりと微笑んだ。
「武装解除を受けた砦を開放しないように圧力をかけるだけじゃなく、兵站にも手をつけているのか……。色々とやっているようだな、フォックスも。やはり、気に入らないんだろうなあ。俺という存在が……。ベアトリーチェ、もういいぞ。口を開けろ。今度は俺が掃除してやろう」
ロウが股間に奉仕をさせていたベアトリーチェの頭を軽く手で叩く。
あれは、口を離せという合図だ。イザベラも、ほかの女たち同様に、ロウの躾を受けているので知っている。
ロウがベアトリーチェの前に屈み込んだ。
ベアトリーチェの口を開かせて、口づけしようとする。
「わっ、い、いま、天道様のものを舐めていたので、口は汚くて……。い、いえ、決して天道様のものが汚いというわけではないのですが……」
ベアトリーチェが戸惑ったような態度になる。
「俺たちの仲間の中で汚いも汚くないもないだろう……。ベアトリーチェの糞便も始末してやった仲だぞ」
「それを言わないでください──」
ベアトリーチェの顔が真っ赤になる。
そのベアトリーチェの口にロウの唇が重なる。すぐにロウがベアトリーチェの口の中に舌を差し入れて、口腔中を舐めまくりだしたのがわかった。
「んんっ」
最初、ベアトリーチェはたじろぐ仕草をした。だが、それはすぐに消え、ロウを抱き返して、自ら舌を動かし始める。
ロウがベアトリーチェの乳房に手を置いて、柔らかく揉み始める。
「んんんっ、んんっ」
ベアトリーチェが艶めかしく悶えだした。
「わおっ、こいつ、新しい雌だね? すごい淫気だ。ぼくもご相伴になろうっと」
ピカロが嬉しそうな顔をして、大きく息を吸う仕草をする。
ところで、イザベラは気がついてはっとした。
さっき、ロウは、フォックスが兵站に“も”を手を回しているのかと口にした。つまりは、ロウにとっては、砦が武装解除に応じないことについて、フォックスが裏にいることを認識していたのだ。
「ロウ殿、砦の動きについて、フォックスの関与を知っていたのだな?」
イザベラは声をあげた。
だが、ロウはベアトリーチェをいたぶる行動をやめない。
ロウとベアトリーチェは唇をぴったりと密着し合い、お互いにむさぼるように舌を吸い合っている。また、ロウの手は、ベアトリーチェの服の上から、いまや胸だけじゃなく、股間も愛撫をしている。
「んっふうううう」
ベアトリーチェが絶頂した。
ロウがベアトリーチェの身体から手を離す。
「ああ……」
ベアトリーチェが両膝をマットにつけたままがくりと脱力した。
だが、内腿をぎゅっと締めつけるようにもじつかせだす。
どうしたのだろうか?
「ははは、絶頂しても、失禁しなくなったじゃないか。また、おしっこしたくなったか、ベアトリーチェ?」
ロウがベアトリーチェの頭に手を置いて笑った。
失禁?
ベアトリーチェは、失禁癖があるのか?
「は、はい……」
「明日の朝まで我慢しろ。いいな。おしめは寝る前にしてやる」
「はい」
ベアトリーチェが両手で股間を押さえるようにして頷いた。
だが、はっとした、
それよりも、フォックスのことだ。
「ロウ殿、フォックスのことだが……」
イザベラは顔をロウに向ける。
ロウは、すでにズボンをはき終わり、身支度を整えていた。
「その感じだと、イザベラは、亨ちゃんとは話をしてないのか?」
「話?」
イザベラは首を傾げて、ケイラを見る。
すると、ケイラが小さく息を吐いてから口を開いた。
「リンは、フォックスの寄子の一門ね。もともと、将軍級の将校ではなく、今回のどさくさで宰相になったフォックスから引きあげてもらって、将軍級に出世した男のようだわ。それで恩義もあるし、一門としての関係もある。リンが砦を開かないのは、フォックスの指示よ」
びっくりした。
ケイラ=ハイエルがしっかりと状況を認識にしているというのもあるが、本来はエルフ族王家であるはずの彼女が、ハロンドール情勢をよく知っている。
「知っていたのですか? なぜ、教えてくれなかったのですか?」
シャーラがケイラを見た。
ケイラは、首を竦めた。
「わたしは、人間族の国の関係者でもなんでもないのよ。どうして、教えなきゃならないのよ。まあ、訊ねられれば教えただけどね。一応、教えておくけど、こういう対峙になったら、お互いに間者を送り合い、あるいは、寝返りを誘い合うのは常識中の常識よ。あんたらは、あんまりそんな着意はなかったみたいだけど」
「そんな」
シャーラは不満そうだ。
イザベラも言葉に詰まった。
「これは手厳しいな。だけど、俺にはちゃんと必要な情報をくれるんだろう?」
ロウだ。
にこにこと笑っている。
「もちろんよ。わたしがこうやって、直接に仕事を指揮するのは、およそ百年ぶりになるけど、全部、お兄ちゃんに捧げるためよ。手足になって動くわ」
「頼もしいな、亨ちゃん」
ロウがケイラの背後に歩み寄って後ろに座り、ケイラの引き締まった腰の括れを撫であげ、さらに、豊満な乳房を掴んで、肩口からケイラの首に唇を這い回らせる。
「あんっ、お兄ちゃん」
それだけで、ケイラは、女の顔になって身体を悶えさせた。
「ま、待ってくれ──。ならば、フォックスを捕らえよう──。これは裏切りだ──。直ちに捕らえなければ──。ならば、証拠を見つけてくれ──。手に入り次第に動こう」
イザベラは怒鳴った。
女王命令に背くように一門の部下に命じるなど、明確な女王に対する謀反である。
「証拠? そんなものどうするんだ?」
すると、ロウがケイラの胸揉みをする手を中断して、顔をあげた。
「だから、さっき申した通りだ。謀反の証拠を突きつけて、処断するのだ」
「処断するなら、すればいい。女王の特権だ。証拠など探してどうする」
ロウがくすりと笑った。
「どうするって……。証拠がなければ、捕らえるわけにはいかんだろう」
「まあ、可愛いことを言うのねえ、ハロンドールの女王様は」
ロウに後ろから胸を持たれているケイラが微笑んだ。
イザベラは怪訝な気持ちになった。
なにか、間違ったことを自分は喋っているか?
「なにか、おかしいか、ロウ殿?」
イザベラは正直に訊ねた。
「おかしくはない。俺も王家の
「捕らえますわ」
ガドニエルはあっさりと言った。
「その罪状は?」
「罪状? さあ……。なんでしょう。そんなのどうでもいいのでは?」
「怖いわねえ。罪状なしに、気に入らないだけで捕らえるの?」
コゼが茶化す。
「それのなにがいけないのですか?」
しかし、ガドニエルはきょとんとしている。
だが、ロウは笑い声をあげた。
「さすがはガドだ。帝王学がわかっている。偉いぞ」
「まあ、ガドは褒められたのですか? ありがとうございます」
ガドニエル女王が満面の笑みを浮かべた。
「なんか、心配になってきたわねえ。わたしやブルイネンと離れているあいだ、エルフ族王家の恥をさらしまくっているじゃないんでしょうねえ。お前は黙っていれば、神々しいくらいに威厳を見せられるんだから、なるべく人前に出るんじゃないわよ──。ブルイネン、まさか、ハロンドールの貴族とかと面会させてないでしょうねえ。うちの女王がぽんこつだってばれるわ」
「な、なんですのよ。いきなり、ぽんこつって……。いまは、ご主人様に褒められたのですよ」
ガドニエル女王はまるで子供のように頬を膨らませた。
「それよ、それ──。お前、お兄ちゃんとずっと一緒にいるようになって、素を見せすぎなのよ。手遅れにならないうちに、一度戻って、女王の勘を取り戻しなさい──」
「わたしは、いつでも女王です。戻る必要はありません。常駐公使になります。ハロンドールの王都に常駐です」
「公使はわたしって言ったでしょう──。女王が国にいないで、どこにいるのよ──」
「ずっと、イムドリスにいたのですから、どこにいても同じですわ。水晶宮だろうと、イムドリスだろうと、ハロンドールの王都だろうと……」
「まあ、それはそうかもねえ」
すると、ケイラが考えるような表情になる。
「えっ、納得するのですか?」
ブルイネンが声をあげた。
「まあまあ、とにかく、俺が言いたいのは、女王が捕らえるべきだと考えれば、処断でも捕縛でもなんでもすればいいということだ。証拠のあるなしじゃない。なければ、作ればいい。まあ、そういうものだと思うぞ」
「証拠を作る? それは犯罪だろう」
「それがどうした」
イザベラの言葉をロウは一蹴した。
「そういうものか……。ならば……」
フォックスを捕縛させるべきか……。
ピカロの話が本当であれば、明確な裏切りだ。
「だが、いまは、フォックスなど放っておけ。あんな小者」
「放っておけとは? いま、女王が気に入らなければ、すぐに処置せよと申したぞ」
「そんな風に言ったつもりはないけど、まあ、俺が言いたいのは、罪を犯したから捕らえるとか、裏切ったから捕らえるとか、そういうことじゃないということだ。そんなこととは関係なしに、捕縛すべきか、そうするべきでないかだ。いまのフォックスは、まだどうでもいい。現段階では使い道がある」
「使い道?」
「タリオのことだ」
「タリオ?」
全然関係のない言葉に、イザベラは面食らった。
「タリオがどうしたのだ?」
「南域での動乱の主役だったドピィの賊徒軍が大量の銃をタリオ公国から手に入れた公算が高いというのは報告したよな、イザベラ」
「覚えておるぞ。銃だけでなく、魔道封じの魔法石なども、タリオの技術の可能性があるとかだったな」
「王宮で行われた一連のルードルフ王の蛮行の背景に、タリオ公国の工作員の陰がある。これは事実だろう。リリス……サキのことだが、あいつ自身が明確に言っている。タリオの諜報員が精神を操る魔道士を送り込んだ。諜報責任者の名はマーリンだ」
「マーリン──? タリオ公国のアーサーの部下だぞ──」
イザベラはびっくりした。
「そうらしいね」
「正式に抗議しよう──。そして、このことを大きく公表せねば──」
イザベラは思わず立ちあがった。
「抗議? 公表? 馬鹿言えよ」
その瞬間、いきなり股間を舌で刺激されるような感覚が急に襲いかかった。
クリトリスがぺろぺろと舐められる。
「ひゃあああ」
イザベラは股間を押さえてしゃがみ込んだ。
*
ちょっと中途半端ですが、とりあえず、ここまでで投稿します。