※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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923 これからの話(その2)

「王国の危機は終わったわけじゃない。むしろ、まだ危機の真っただ中にいると言っていいと思う」

 

 一郎は全員を見回しながら言った。

 そして、スクルドに合図をする。

 

「どうぞ」

 

 スクルドが手を振り、白いもやが部屋の空中に出現する。そこに一枚の画像が浮かびあがる。

 

「三十二人だ。これが意味するものは予測はできるが、断定できるものはない。ただ、ある男がこれを持っていて、それをひそかに入手したものだ。その男が問題だった」

 

 一郎は言った。

 スクルドが投影したひとつの画像に全員が注目する。

 一郎からすれば、前の世界におけるスクリーン投射によるプレゼン説明なのだが、この世界には当然ながら、そんなものはない。

 だが、そういう技術の代わりに、魔道を代用できるのがこの世界であり、一郎は書類を空中に投影して画像として浮かべる魔道をスクルドに提案してみた。

 スクルドは、それほど苦労せずに、一郎が頭の中で浮かんだ魔道を再現してくれた。

 すなわち、魔道式の「プレゼン」だ。

 白い煙のようなものが空に浮かび、そこにスクルドが魔道に投影した画像が映っている。

 映っているのは、ひとつの表であり、そこには、ハロンドール王国のある貴族の名簿が表示されている。

 全員がそれに注目している。

 

 ハロンドールの王宮内の独裁官として一郎の執務室の奥部屋だ。

 そこに、柔らかい絨毯の敷き詰められた床に直接に胡坐に座る一郎を中心に、今日集まってもらった女たちが集まっている。

 すなわち、まずは、ハロンドール王宮のイザベラ女王とアネルザ元王妃、そして、イザベラの護衛長シャーラ、女官長ヴァージニアと九人の侍女たち──。

 エリカ、コゼ、シャングリア、スクルド、ミウ、マーズ、イット──。

 さらに、マア、ミランダ、ベルズ、ラン──。

 軍人であるラスカリーナ、ナール、ベアトリーチェ──。

 そして、褐色エルフの里から連れてくることになったイライジャとユイナ──。

 エルフ族王家からのガドニエルと親衛隊長のブルイネン──。

 一郎のほかに三十一人だ。

 さすがに、これだけの人数が密着すれば、むっとするほどの女の香りがする。悪いものじゃないが……。

 

「貴族の名前だな。領主の名が多いな。なんだこれは?」

 

 イザベラが訊ねた。

 これについては、まだほとんどの者については示すのは初めてだ。この中で投影されている名簿の大元の紙を見たことがあるのは、一郎のほかには、アネルザとスクルドだけだ。

 ほかに、ここにはいないケイラ=ハイエルこと、亨ちゃん。そして、ノルズだ。

 なにしろ、これは、もともとノルズが亨ちゃんを通して、送り付けてきた資料なのだ。

 

「それを教える前に、最初に言っておきたい。これから話すことは他言無用だ。余計なことだとは思うけどね」

 

 一郎は全員を見回す。

 

「ああ? だったら、言わないでよ。他言無用の話は聞きたくないんだけど」

 

 ユイナだ。

 

「黙ってなさいよ」

 

 コゼがぴしゃりと言った。ユイナが黙って肩を竦める。

 

「ここで示している表は、ハロンドール国内に侵入しているタリオの諜報員と思われる男が持っていたリストだ」

 

「諜報員? どういうことなのだ?」

 

 イザベラが不審そうな声をあげる。

 まあ、当然の反応だ。

 

「それが意味するものは不明だ。信憑性もない。もしかしたら、すでになんらかの工作の終わった者を並べたものかもしれないし、これから手を出そうとしているリストかもしれない。あるいは、ただの落書きかもしれない。明確なのは、この名簿をタリオの工作員と考えられる男が手にしていた。それだけだ」

 

「捕えているのか?」

 

 シャングリアだ。

 一郎は首を横に振った。

 

「捕えてない。これを入手してくれた者は実に上手にやってくれたと思う。実際の話、タリオの諜報員としては、かなりの大物が持っていたものらしいけど、話を聞く限り、その表の元が一度盗まれたことも知られてない。一度抜き取り、そして、こっそりと戻した。おそらく、そいつはなにも気がついてないようだ」

 

 一郎は説明した。

 もっとも、すべては亨ちゃんから受けている報告によるものだから、実際にどうなのかはわからない。

 二重諜報員として情報をあげ続けると断言してきたノルズは、今回のようなタリオの謀略に関する情報を大なり小なりと提供してくれている。

 一郎としては、危険な二重諜報はやめてもらいたいのだが、ただやめさせるだけではノルズは納得しないだろう。

 だから、亨ちゃんを通じて、ノルズには新たな役目を与えることにした。

 ハロンドールとしての諜報組織の立ち上げだ。

 

 この王国の諜報組織は弱い。

 はっきり言って、まるでなってない。あのタリオからはやりたい放題だ。だから、それに対抗できる平素の組織が必要だ。

 それは正式の軍隊にはできないことであり、平時の戦いを担うものだ。むしろ、平時においては、その諜報組織が第一線になる。

 これをノルズにやってもらおうと思う。

 

 ノルズならできると思うし、さらなる能力が必要なら、一郎の精液に溺れるほどに犯しまくればいい。

 以前は偶然性に頼っていた「淫魔師の恩恵」も、レベルが限界突破してからは、多少は意図的に必要な能力をあげられる気がする。

 それに、あれだけ他人に傍若無人の女が一郎の前に出たときだけ可愛くなって一切の抵抗ができなくなるのは面白い。まだ洗礼は与えてないが、一度あのノルズを羞恥責めに合わせるのも愉しいかもしれない。

 

 それはともかく、ハロンドール王国の諜報組織の確立だが、同盟関係とはいえ、ナタル森林王国は他国だ。亨ちゃんに完全に任せるというわけにはいかない。他国の諜報組織にハロンドールが乗っかったままというのは不味い。王国として独立したものを作りあげる必要がある。

 国造りということになれば、一郎がいなくなったときのことも視野に入れて、考えていかなければならないのだ。

  

「なぜ捕えん。もう、逃亡されているのか?」

 

 イザベラが言った。

 

「捕えようと思えばすぐにできる。ただ、意味があるとも思えないので、泳がせている」

 

「なぜ、意味がない。捕えて訊問せよ。わたしだって、拷問を容認しないわけじゃない。必要なら拷問でも魔道でも使うがいい。廃人になっても構わん。裏を吐かせるのだ」

 

「吐かせてどうする、イザベラ? それが一番大事だ。それこそ、王国の方針だ」

 

「当然に抗議する。だが、まずは事実確認だ。王国内で謀略など許せん。しっかりとした証拠を掴んで、それで……」

 

「いや、待っておくれ、イザベラ。ロウの言っていることはそういうことじゃないんだよ。もっといえば、証拠など必要ないんだ。そんなものあってもなくてもいいし、極論すれば、証拠が必要なら、でっちあげてもいいんだ」

 

 アネルザが口を挟んだ。

 

「でっちあげる?」

 

 イザベラが訝しむ視線をアネルザに向ける。

 

「いや、でっちあげるまでもないね。今回の貴族のリストの意味なんか関係ない。王家への反乱が起きかけたわたしの実家にしろ、あの南方賊徒の反乱にしろ、騒乱を起こした側に、タリオ産の武器や魔道具が大量に流れていたのは明確だ。王都のことでも、サキは……いや、リリスに改名したんだったね……。とにかく、そのリリスは、事を起こしたのは、タリオの諜報員だと明確に口にした。それに対して、女王として、どうするのかということだよ」

 

 アネルザが言った。

 

「どうするかとは?」

 

 イザベラはちょっと戸惑った顔になる。

 

「王の役目は決断することさ。あとは手足になって動く者に任せていい。だけど、決断することだけは、王にしかできない」

 

「タリオ公国と敵対するということか? これまでは友好国ではあったが」

 

「その前提はもう存在しないさ。もちろん、敵対することもできるし、友好を築き直す努力をするという方針もある。つまりは、それによって、その諜報員の扱いも変わっているということだよ。いずれにしても、面倒な連中だねえ。今回の一連のことで、つくづく、これまでの王家が謀略の面では、だめだったということがわかったよ」

 

 アネルザが自嘲気味に笑った。

 

「まあ、いい機会だから、一度や二度くらいは、捕えて吐かせてもいいかもしれない。拠点のいくつかでも潰せればそれでもいいしね。いずれにしても、それは些末だ。やりとりについては、任せておけばいいと思う。ここで話し合いたいのは大きな方向性だ」

 

 一郎はアネルザの言葉にさらに付け加えた。

 

「方向性か……」

 

 イザベラが考え込む表情になる。

 しかし、一郎としては、あまり、イザベラに気苦労もさせたくないし、追い詰めるつもりもない。

 一郎はすぐに口を開いた。

 

「これだけのことをして、タリオのアーサーは、大して損をしてない。むしろ、謀略だけで引っ掻き回したんだ。そして、これからも同じことができる。あのアーサーは、ハロンドール女王の抗議など、気にもしないと思うぞ。大喜びで、さらに仕掛けてくる。今回は、多分、カロリック侵攻を邪魔されないために、王国に色々と仕掛けたのかもしれないが、それだけのために、ここまではしない。おそらく、アーサーの頭には、数年後のハロンドール侵攻がある。あいつは、野心家みたいだしね」

 

 実際のところ、アーサーがどこまで考えているのかなど知らない。

 わかりようもないだろう。

 しかし、アーサーなら、このハロンドール王国の混乱をさらに助長して、国としての分裂をどんどんと誘うのではないかと思う。

 突然に台頭した一郎への不満をあおり、領主貴族たちの造反意識を拡大する。そして、それを利用して、ひとりひとりと調略によって引き込むのだ。

 十中八九、アーサーはいまでも、それをしようとしている。

 入手したリストは、そのための名簿だろう。

 

「そなたが最初に言った、危機というのは、タリオ公国のことなのだな?」

 

 イザベラが言った。

 

「あるいは、タリオの謀略と調略に傾くかもしれない貴族たちによる未知の反乱の可能性だね。まさか、起きてもいない反乱で捕えるわけにはいかないけど、王都貴族の権限と財の一部を強引に没収もしている。既得権益のあった大貴族たちは大いに不満だろう。いまは、無理矢理に抑えているけど、機会さえあれば、邪魔な成り上がり者を排除して、失ったものを奪い返そうとするだろう。タリオの調略に乗る以外にも、色々と考えられる。例えば、俺の暗殺だ」

 

 一郎は肩を竦めた。

 

「そんなことはさせません」

 

 エリカがきっぱりと言った。

 一郎は軽く手をあげて微笑む。

 

「ご主人様のお命が狙われるのですか──? わかりました。滅ぼしましょう。ブルイネン、すぐに、お姉さまに連絡をしなさい。宝珠の使用も許可をします」

 

「いや、待てって、ガド」

 

 一郎は苦笑しつつ、ガドニエルを引き寄せて、いくつかある性感帯のもやを刺激してやる。胸や脇や太腿などをくすぐるように触れてやったのだ。

 宝珠って、確か亨ちゃんが持ち出そうとしたやつで、核爆弾のような武具だろう。

 

「あんっ」

 

 ガドニエルがたちまちに雌の顔になって、一郎にしなだれかかった。

 

「わかった。つまりは腹を括れということなのだな。ならば、王国の敵はタリオだ。アーサー大公と敵対する。お前の敵はわたしの敵だ」

 

 イザベラがはっきりと言った。

 一郎は頷いた。

 

「わかった。なら、それがこの王国の基本方針だ。タリオ公国は敵だ──。やらなければならないことは多いぞ。国の向かう方向をそこに結集していく。まずは、既定のとおり、タリオの誇る謀略組織に対抗できる謀略機関を立ち上げる」

 

 一郎の言葉に、イザベラが静かに頷く。

 これについては、すでに承知してもらっている事項だ。その諜報機関を一郎に直属にしてもらうことまで納得してもらっている。

 かなり、不満そうだったが……。

 イザベラは、女王直属することにこだわった。だが、押し切った。そもそも、ノルズは一郎にしか従わない。

 だが、一郎であれば、ノルズは間違いなく統制下に入ってくれる。亨ちゃんもだ。

 

「次に、ラスカリーナ──。タリオの軍隊に対抗できる軍を作りあげてくれ。ナールもだ。ベアトリーチェとシャングリアは、戦いの核になるような騎馬隊を作れ。そのために必要なものは、なんでも要求しろ。おマア、軍資金を支えてくれよ」

 

「任せておくれ、ロウ殿」

 

 マアが微笑む。

 

「タリオに対抗できるとはどういう意味でしょう。守りという意味でしょうか? それとも、攻撃にという意味ですか?」

 

 ラスカリーナが言った。

 守り、攻めかで、軍隊の作り方は変わってくる。それについて、一郎はすでに決めている。

 

「攻撃だ──。守りなら、リィナ=ワイズの作る列州同盟がある。しかし、守るだけでは勝てない。王軍として整えるのは勝つための軍隊だ」

 

「わかりました。微力を尽くします。でも、タリオ公国の軍は、銃武装率の高い特殊な軍です。魔道防護具も充実していて、はっきり言って、いまのハロンドール王国軍がまさるのは、数のことだけです。体制の立て直しには時間がかかります」

 

 ラスカリーナが言った。

 

「一年だ。それで、数だけでなく、質で上回る軍を作って欲しい」

 

「努力します」

 

 ラスカリーナだ。

 必ずやりますと言わないのは、ラスカリーナの律義さだろう。意味のない大言壮語を口にされるよりはずっといい。

 

「ベルズに立ちあげてもらう王立魔道研究所も、当面は、タリオの持つ魔道技術力を打ち負かす技術開発に成功することが目標だ。目に見える目標があった方がいいだろう? タリオの技術を調べ、それを上回るものを作る。簡単なことだ」

 

「武器を作れということですか、ロウ殿?」

 

 ベルズだ。

 

「そうは言ってない。ただ、技術開発でも勝ち負けがあるということを言いたいだけさ。ただ、資金は潤沢だぞ。なあ、おマア?」

 

「ふふふ、勿論ですよ。商会で集められる情報も、可能な限り、提供しましょう。ほかならぬ、ロウ殿のご命令ですから。それに、このところ、儲けたお金の使い道に困るほどでしてね。お金の出し処を作ってもらえるのはありがたいのですよ」

 

「金の使い道に困るかい。一度は言ってみたい言葉だねえ」

 

 ミランダが軽口を言った。

 

「いずれにしても、貴族たちの締め上げも必要だね。まあ、それは、わたしがするよ。少なくとも、わが身可愛さで国をタリオの諜報員に売るような貴族は見つけ次第に叩き潰すさ」

 

 アネルザが言った。

 だが、一郎は首を横に振った。

 

「いや、それについては考えもある。それよりも、これを認めて欲しんだけど、まずは、王国内の主要な街道から、関所を排する。原則として、各領主内の関所も認めない。交易に関する既存の既得権は撤廃する。すべては自由流通だ。商業ギルドはこれを禁止する」

 

「自由流通かい。まあ、狂乱しかけた王都の物価を抑えたのは、おマアの自由流通だからねえ。商業ギルドが無力だったことを考えても、王都については反対する者もないだろうねえ。でも、各領主の領土内については強制力はないよ。基本的には領主の管理する各領土には、王家といえども口は出せないんだ」

 

 一郎の言葉に、アネルザが応じる。

 

「いや、これは徹底する。強制力をもってね……。各領主の持っている関税権はとりあげる。王宮一括だ。例外は認めない。その分の税の減収は、王宮から補償する」

 

「ううん……。反対が多いだろうねえ。実行しようとすれば、それだけで国がもう一度割れるかもしれないよ、ロウ」

 

「割れたら割れたでいい。だが、もしも、方針に従わない領主がいれば、あからさまな報復をする。交易による制御だ。王家の方針に従わない領土への物流は停止し、この土地の繁栄は消滅する。逆に、積極的に王家の方針に従う領地には富が流入し、大きな繁栄をすることになる。武力で取り締まる必要なんかない。交易の力で支配していくんだ」

 

 一郎は言った。

 

「そなたは、この王国を金権国家にしようというのか?」

 

 イザベラは驚いたように言った。

 

「それが金権国家というのであれば、そうなのだろうね。実際、エルザには、それを基本方針として南方地域の立て直しを始めてもらっている。まだ、半月ほどではあるけど、あからさまな利益誘導には、南方の各領主も唯々諾々となっているみたいだぞ……。ラン、そういうことだ。その金権支配を手伝うのも、ランの役割ということになる」

 

「あっ、はい」

 

 ランが慌てたように返事をする。

 ミランダのもとで冒険者ギルドの運営を手伝っていたランだが、一郎の求めで、南方総督として残っているエルザのところに行ってもらうことになっている。

 エルザは、総督府が動き出したことで、すぐに人手不足になっていて、一日も早くランを送って欲しいと催促もしてきている。

 おそらく、この話し合いが終われば、明日にでもランには、南方に向かってもらうことになるだろう。

 

 そのランの代わりに、冒険者ギルドに入ってもらうことにしたのは、イライジャだ。もともと、イライジャ自身が冒険者というよりは、そのまとめ役で力を発揮したと聞いている。

 だから、冒険者ギルド側に入り、冒険者たちを管理する役目となるのは、適材適所だと思う。

 ミランダも、イライジャのギルド入りには喜んでいた。

 また、これまで慣習として、名前だけのギルド長を王族から迎え入れるということをしていたが、それはやめて、ミランダが正式にギルド長を名乗ることになった。

 イライジャは、副ギルド長ということになるのだろう。

 

「とにかく、従えば繁栄、逆らえば、衰退──。ハロンドールの各貴族はそれでまとめあげる」

 

 一郎は言った。

 

「この王国を王侯貴族のものではなく、豪商の国にするということか? そんなものは聞いたことはない。そのような変化を貴族たちが受け入れるか」

 

 イザベラはまだ懐疑的みたいだ。

 

「受け入れなければ、領主として滅びるしかない。実際、おマアはこの王国の交易を完全に実効支配しているぞ。そうだよな?」

 

 一郎はマアに視線をやった。

 マアは、優雅そうな笑みを浮かべたままだ。

 

「まあ、そうかもしれないね。表に出してない部分を含めれば、この国にわたしが自由にならない物流は存在しないですね。ロウ殿が口にしたことは可能ですよ。もちろん、わたしたちは一介の商人にすぎません。でも、さっき反乱の話にもなりましたが、商人の存在なしに、反乱も戦争もできないでしょう。それだけは断言しておきますね」

 

「これに、ガドの国のクリスタル戦略が加わる。変化を望まない統治者は、交易が廃れ、クリスタルも入らなくなる。民衆の生活は不便になり、あらゆる富は失われる。でも、表だって王宮に従いさえすれば、たちまちにそれは解消する。そうやって、この国を一枚岩に変えていく。もはや、タリオの謀略の余地はない」

 

 一郎は言った。

 

「うまくいくのか?」

 

 イザベラだ。

 

「いかせるさ。俺たちには優秀な女たちがついている。これだけの女傑がいるんだ。タリオのアーサーごときに負けるはずもない……。イザベラも任せることだ……。さて、ところで、この話し合いについてだけど、そろそろ次の段階にいくとしよう。時間も惜しい」

 

「次の段階ですか?」

 

 エリカが口を挟んだ。

 一郎はにっこりと微笑んだ。

 

「難しい話はもういいということさ。ここからは、もっと身近な問題を解決させて欲しい。みんなの協力が必要だ」

 

「身近な問題……ですか?」

 

 エリカだ。

 

「ああ、これだけの美女に密着されて、俺の一物はずっと勃起しっぱなしだ。それを解決してくれ。三十一人全員かかってこい──。さあ、やるぞ」

 

 一郎はうそぶきつつ、収納術で全員の下半身の衣類を一斉に消滅させた。一郎のものもだ。

 黄色い歓声があがり、一郎はとりあえず、近くにいた三人ほどの女を抱き倒す。

 わっという声とともに、ほかの女たちも、一郎に向かって笑いながら集まってきた。

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