【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
急にノルズが怪訝な声をあげた。
エリカは振り返った。
コゼだ。
短剣を手にして、すでに音もなく、ノルズの背後にすり寄っている。
ノルズが振り返ると同時に、コゼの短剣の剣先だけ刺さり、ノルズの首から血が噴き出した。
「んぐうっ」
不意に後ろにいるノルズの絞り出すような声がした。
同時に、エリカを金縛りにしていた力が一度に緩む。
エリカは抵抗魔道により、魔道を遮断して身体の自由を取り戻し、振り向き様に腹に拳を叩き込む。
「ぐほっ」
首から血を流すノルズが胃液を少し吐いて跪く。
コゼの短剣は致命傷ではない。
わざと弱らせるだけでやめたのだろう。
「きゃあああ──ノルズ──」
悲鳴があがった。
部屋の隅で淫具で悶えていたウルズだ。
とりあえず、エリカは乱れた服を直す。
コゼがノルズの髪を掴んで顎をあげさせ、改めて短剣の刃を首にあてた。
「お、お前、誰……?」
ノルズが苦しそうに呻く。
「誰でもいいでしょう? ご主人様の許可なく殺すわけにもいかないから、死ぬ一歩手前でとどめたわ。でも、少しでも抵抗すれば、今度は引き裂くわよ。あんたは一瞬で死ぬわ」
コゼがノルズの首に刃を当てたまま、上半身を寝台に押し付けた。もう一方の手で首の横当たりをぐっと押している。
「いぎいいい──。痛い──」
すると、ノルズが悲鳴をあげた。
「痛いでしょうね。凄まじい痛みが走るように、痛点をしっかりと刺激しているからね。死にたければ暴れなさい。あっさりと刃物で喉を裂いてあげるわ。楽に即死できるわよ」
コゼが言った。
さすがはコゼだ。
一流のアサシンであるコゼは、魔道遣いとの戦い方も熟知しているようだ。
魔道というのは、要するに心の集中だ。
痛みで気を統一できなければ、魔道は発動できない。
ノルズの魔道は封じられたということだ。
「これは、もらうわね」
エリカはさっとノルズの服の内側に手を伸ばして、魔道の杖をとりあげた。
「エリカ、魔道封じの首輪を──」
コゼが叫ぶ。
エリカはすぐに寝台の横の台に隠していた魔道封じの首輪を取り出す。
あるいは、こんなものを使うこともあるのではないかと思って、ひそかに持ち入れていたものだ。
早速、役に立った。
すかさず、ノルズの首にはめる。
ノルズの身体の中にある魔力のようなものが完全に停止するのがわかった。
それにしても、ノルズは魔道遣いのような能力があるようだが、遣っているのはエリカたちのような「魔力」とは異なるもののようだ。
もっと違うなにかを力の根源にしているらしい。
まあ、とにかく、それがなんであれ、魔道封じにより、力が封印されたのは確かだと思う。
「……あ、あんた誰よ……? ベルズじゃないのね……?」
部屋の隅で呆気にとられていた感じのウルズがやっと口を開いた。
ノルズの魔力が封じられたので、ウルズを淫靡にいたぶっていた股間の淫具も動きをやめたらしい。ウルズは、ずっと真っ赤な顔で悶え続けていたが、いまは呆けた顔でこっちを見ている。
「もう大丈夫です、ウルズ様。わたしたちは、あなた様たちを助けるというクエストを受けた冒険者です。わたしはベルズ様ではありませんが、本物のベルズ様は、こいつに埋められた魔瘴石を外すために別の場所にいます。安全です。心配いりません。あなたの魔瘴石も安全に外せます」
エリカはウルズに早口で説明した。
もっとも、魔瘴石を外すには、ロウの性奴隷にならないといけないのだが、まあ、いまそれを言う必要はないだろう。
それとも、このノルズなら魔瘴石を外せるか?
指のリングを操作して、変身を解く。
ウルズが驚きの声をあげる。
一方で、エリカは、すぐに寝台の下に隠していた荷から、縄を出すとノルズの腕を背中に回して両手首を縛っていく。
「止血は?」
「必要ないわ。掠り傷しか与えてないわ。すぐに自然にとまるわよ。まあ、血の気の多そうな女だから、多少は抜いた方がいいかもね」
コゼが言った。
その通り、すでに出血は小さくなっているようだ。
とりあえず後手に手首を縛り終わり、エリカはコゼにうなづいた。
すると、コゼがゆっくりと刃をノルズの首から放す。
そのとき、ノルズがさっと身体を捻って、コゼから逃れようとしたた。
「いぎいいい」
しかし、すかさず痛点を押されて、ノルズは寝台に押さえつけられ直す。
「動くなと言ってんでしょう、この性悪女──。面倒かけると殺すわよ」
コゼが今度は肩の関節を決めてノルズの動きを封じる。
「……お前たちは、エリカと……コゼね……。そ、そうか、迂闊だったわ。ベルズじゃなかったのね……。その指にあるのが、どうやら、変身をするための魔道具ね……」
ノルズが荒い息をしながら言った。
コゼに関節を押さえられて痛そうだ。
「あら? あたしたちの名を知っているの?」
コゼがお道化た口調で応じて、血の付いた短剣を腰の横の革の鞘に収めた。
「……し、知っている……。あたしらの周りをうろついている……ロウとかいう冒険者の……女でしょう……。ちっ、あ、あたしとしたことが……」
ノルズが口惜しそうに舌打ちした。
「さて、どうする、エリカ? このまま、ここの神殿の連中に引き渡す……。というわけにはいかないか……」
「そうね……。まあ、ロウ様が迎えに来るまで待って、判断を仰ぎましょう。こいつを王軍か神殿に渡すのはそれからでもいいわ」
エリカは言った。
このまま、神殿の連中にノルズを引き渡すのは簡単だが、それだと、スクルズやベルズの身体に魔瘴石が刻まれて、脅迫されていたということが明らかになってしまう。
神殿界のことは知らないが、問題がなくなったとしても、一度でも瘴気を身体に帯びさせたということは、権威ある巫女としては男遊びよりも余程に醜聞だ。それくらい、魔族の力の源の瘴気は禁忌の存在だ。
それでも、クエストは達成したことになるのかもしれないが、ロウだったら、もっといい知恵があるのではないだろうか。
「……ノルズを引き渡す……?」
そのとき、ウルズが不意に声を出した。
その口調になんとなく、気になるものを感じてエリカは、ウルズの方に視線を向けた。
すると、突然だった。
凄まじい衝撃を感じた。
そして、急に目の前が真っ白になり、いきなり視界が失われた。
「がっ……あがっ……」
隣からコゼの呻き声がする。
なにがどうなっているかわからなかった。
すぐにぼんやりと視界が戻った。
やっと戻った視界に映ったのは部屋の天井だった。
それでエリカは、エリカ自身とコゼが仰向けにひっくり返っているというのがわかった。
しかし、わからないのは、なにが起こったのかということだ。
手足が痺れている。
余程に強い電撃を浴びたのだろうか……。
電撃……?
エリカははっとした。
そうだ──。
電撃だ。
これは強烈な電撃を浴びたのに違いなかった。
「……大丈夫、ノルズ……? いま、助けるわね……」
ウルズの声がした。
辛うじて動く首だけを向ける。
ウルズが心配そうに、ノルズを助け起こしている。
そのウルズは杖を手にしていて、まずはその先をノルズに向けた。
すると、ノルズを縛っていた縄がほどけるとともに、首にあった首輪が外れた。
また、首の傷もあっという間に塞がっていく。
あれは、完全に傷を消してしまう一級治療術だ。
高等魔道の中でも最高魔道に入る術のはずである。
エリカは気が動転して、うまく目の前の状況を理解することができないでいた。
ウルズがノルズを助けたということも理解の外だ。
あれほどの魔道力をウルズが持っているというとも知らない。
しかし、なぜ……?
エリカは混乱した。
だが、次の瞬間、再び、ウルズが杖をこっちに向けた。
エリカの思念はそれで止まった。
「ふがあああ──」
「ふぐううう──」
エリカは、コゼとともに全身を反り返らせて絶叫した。
ウルズの杖から出た光線がふたりを襲ったのだ。
しかも、浴びせられた電撃の衝撃は、エリカの想像を遥かに越していた。
エリカとコゼはあまりの苦痛に雄叫びをあげ続けた。
「この部屋は、ノルズが防音の処置を施しているわ。いくらでも泣き叫びなさい──。それにしても、ノルズ、こいつらは、このまま殺してしまう? こいつらは、せっかくわたしをこれ程までの魔道遣いにしてくれたあんたを殺そうとしただけじゃなく、魔瘴石の秘密も知っているわ。生かしておくわけにいかないわ」
ウルズがノルズに視線を向ける。
「……ふふふ、駄目よ。こいつらは殺せないわ。まだね──。こいつらには、ロウというリーダーがついている。そいつが、あたしたちのことを邪魔する張本人なのよ。そいつを捕らえる餌にしないと……。それよりも、よくやったわね、ウルズ。ご褒美をあげるわ。そこに跪きなさい」
ノルズが嗜虐的な笑みを顔に浮かべた。
また、一方のウルズは、なにかに期待するようなうっとりとしたものになり、ノルズの命令に従って、その場に跪く。
しかも、命令には与えられていないにも関わらず、背中で自分の腕を掴んだ体勢になった。
「ああっ、あっ、き、気持ちいい……。気持ちいい……あああっ」
すぐに、ウルズが悶えだした。
さっきのように、再び、ウルズの股間の淫具が発揮し始めたようだ。
エリカは、そのふたりの表情を見て、いまのふたりの関係がどういうものかというのをはっきりと理解した。
つまりは、ウルズは、実はすでにすっかりとノルズに手なずけられていたのだ。
それが、調教という手段であるのか、魔道による洗脳なのか、あるいは、自ら納得してのことかはわからない。
とにかく、ウルズは完全にノルズに堕ちているのであり、拷問を受けていたように見えていた貞操帯による責めも、実は、いわゆる“ぷれい”の一環ということなのだろう。
エリカたちが、いつもロウと興じているように……。
それにしても、迂闊だった……。
まさか、ウルズがノルズ側だとは……。
まだ、朦朧としている意識の中でエリカは歯噛みした。
「さて、どうしてやろうかね、お前ら……。とりあえず、まずは、このあたしに刃物を突き刺したコゼに仕返しをしないとね……」
そのとき、ノルズの声に強い憎しみの響きが混じった気がした。
「ぎゃああああ──」
コゼの全身が飛び跳ねながら、見たこともないような激しさで痙攣を始めた。
しかも、みるみるうちに服がズタズタに裂けていくとともに、さらに露わになっていくコゼの肌が血が滲んでいく。
「コゼ──」
エリカは叫んだ。
なにが起きているのかわからなくて、エリカはコゼに目を凝らした。
そして、やっと、コゼの身体に透明の粘性体のようなものが薄っすらとまとわりついているということに気がついた。
それがコゼの全身を覆って動き回っている。
しかも、コゼを包んでいる内側の部分は、無数の細かい針のように尖った形状になっている。
つまり、不思議な透明の物質が薄くコゼの身体を覆い、それがコゼの身体の表面で動き回っているのだ。しかも、全身のあちこちで、コゼに触れている部位がまるで、やすりのように、コゼの肌を服ごと削りまくっている。
だから、服がある部分は裂け、服がない部分は皮膚が削れて血が滲んでいくということだ。
「ひいいい、いぎいいい──」
皮膚が削り落とされる痛みでコゼが絶叫してのたうち回っている。
すでに、衣服は無数の布辺に変わっている。
コゼはいつも全身に暗器を隠しているが、それも全部取れ落ちている。
露わになったコゼの身体は、コゼ自身の血で真っ赤に染まっていた。
「や、やめて、やめてあげて──」
エリカは力を振り絞って、コゼに取りついた。
コゼを覆っている不可思議な物質を取り除こうとしたのだ。
だが、ぬるりとしか感触が戻ってきただけだ。
「こ、これは、ウーズ──」
エリカは驚愕して叫んだ。
手で触れた感触でわかった。
この不思議な物体は、おそらく粘性生物のウーズ──。
あれは、シャングリアと最初にクエストをやったときのことで、ジーロップという山での事件だった。
オーヌという新米魔獣遣いが、シャングリアへの恋の恨みから、自分の身体に魔瘴石を憑依させて、このウーズを操って襲ったのだ。
だが、なぜ、ここにウーズが……?
そして、エリカはすぐに、ノルズが魔獣遣いだということを思い出した。
それを指摘したのはロウだったが、魔獣遣いというのは、魔族と使役してその力を遣うというだけでなく、魔族や魔獣を召喚する能力を持っている存在だ。
ノルズが魔族界の生物であるウーズを召喚したのだろう。
エリカは恐怖に襲われた。
しかも、このウーズは、オーヌが操っていたものとは、まったく違う。
オーヌが操っていたものは、固さのない粘性体であり、単純な動きで床や壁を這い動いて物質を溶かすだけだったが、これは、遥かに複雑な動きをしている。
しかも、ノルズの操るウーズは、形状を自由にできるだけでなく、本来は柔らかいウーズの固さを好きなように変化をさせることさえできるようだ。
あの粘性生物のウーズをここまで自由自在に操ることができるということに、エリカは驚愕した。
とにかく、エリカは杖を出した。
ウーズの弱点は火──。
それを思い出したのだ。
杖の先に火が灯る。
それをコゼの身体に近づけると、コゼの身体についていたオーズが潮が引くように、あっという間に離れていった。
「コゼ、しっかり──」
エリカはコゼを助け起こそうとした。
服をずたずたに裂かれて血だらけのコゼは、もう虫の息だ。
エリカはコゼを抱きかかえた。
そのとき、強い力が加わって杖が弾き飛ばされた。
「ほう、ウーズの弱点を知っているとはね。もしかしたら、あのオーヌの馬鹿垂れを殺した冒険者というのは、あんたたちかい? そういえば、オーヌをジーロップ山で殺したのは、男ひとりと女三人のパーティの冒険者だったと耳にしたね」
振り返った。
声の主はノルズだ。
手に長い透明に近い色の鞭を手にしている。
魔道で新たに出したのだろうか。
どうやら、たったいまエリカの杖を弾き飛ばしたのも、その鞭によるものだろう。
「オーヌを知っているの?」
エリカは叫んだ。
ノルズがオーヌの名を口にしたことに驚いたのだ。
「ああ、知っているよ。あたしが、命令により、このハロルドに手を伸ばすにあたって、最初に選んだのがあの阿呆だったからね。新しい力を欲しがっていたから、あたしが魔瘴石を身体に入れて、あたしの力を分けてやり、魔獣遣いにしてやったんだ。そしたら、なにをとち狂ったのか、王都を離れて、なんとかという女騎士に仕返しするために、つまんない盗賊団を乗っ取ったりしたんだよ……」
「……はは、あ、あの間抜けは、あ、あんたの手下……? せ、世間は、せ、狭いわね……」
血まめれのコゼがエリカの腕の中で、ノルズに向かって弱々しく笑いながらもからかう。
「ふん――。部下なんかじゃないよ。とにかく、腹が立ったから殺してやろうと思ったけど、すでに冒険者に退治されていたということさ……。ああ、そうか。あのとき、オーヌが手を出したのが、あんたらのもうひとりの仲間のシャングリアかい──。へえ、これは因縁だねえ」
ノルズは感嘆したような声をあげた。
エリカもびっくりした。
あのときの事件については、結局のところ、オーヌがどういう経緯で魔瘴石を手に入れて身体に憑依させ、しかも、魔獣を遣うという能力を得たのかということはわからなかった。
どうやら、それは、このノルズが裏にいたようだ。
そのとき、エリカははっとした。
さっきのウーズが再び、コゼに向かって這い寄って来ていたのだ。
「や、やめて──。これ以上、コゼを痛めつけるのは──。コゼが死んでしまうわ」
エリカは悲鳴をあげた。
すると、コゼの身体の直前で、ウーズの動きが停止した。
「へえ、だったら、お前、服を脱ぎな。もう、抵抗しないという証にね。そうすれば、命だけは奪わないでやるさ。まだね」
ノルズが言った。
ウーズはエリカとコゼの前でとまったままだ。
「や、やめてよ。脱ぐわ。脱ぐから」
エリカは慌てて、巫女服を脱ぎ始める。
「その便利な魔道具も寄越すのよ。それは役に立ちそうだしね」
ノルズが言った。
エリカは『変身リング』を外した。すると、ノルズの手元の鞭がさっと伸びて、指輪を奪っていった。
そのときエリカは、鞭のように思えたノルズの手元にあるものもまた、粘性体のウーズだとわかった。
「ほらっ、手がとまったよ」
そのとき、鞭状のウーズがエリカの身体に伸びて、太腿の表面を叩いた。
「ひいっ」
エリカは思わず、叩かれた場所を手で押さえた。
そこは叩かれた衝撃で、布地が完全に裂けている。
しかし、すぐに二発目が襲ってきた。
今度は巫女服のスカートの裏側だ。
そこも布が裂けて、皮膚が破ける激痛が起きる。
「や、やめてっ」
エリカは抗議した。
だが、ノルズの身体の横から発生する鞭状のウーズによる攻撃は止まらない。
次々にエリカの全身に向かって飛んできて、服と肌を切り割いていく。
それにしても、あの粘性体のウーズをここまで自在に変形させ、しかも、固さを変えることができるというのは、ノルズの魔獣遣いの能力は凄まじい。
「遅いよ──」
今度は横腹だ。
エリカは仕方なく服を脱ぎ捨てていく。
下着姿になるのに、それほどの時間はかからなかった。
「さっさと下着もとらないかい」
再び腿──。
しかし、肌を直接に叩かれる激痛は、布越しに叩かれるのと比べものにはならなかった。
ウーズの鞭で打たれた場所の肌が裂けて、また血が飛ぶ。
「い、いま、脱いでいるわよ」
エリカは腰の両側に手を伸ばした。
「いまって、いつよ。いまというのは、いまだろうが」
ノルズが酷薄そうに笑った。
そして、鞭状のウーズがエリカの指を弾く。
「ひうっ」
エリカは文字通り飛びあがった。
しかも、打たれた指が痺れて動かない。
「ほらっ、ほらっ、脱がないと、いつまでも鞭が飛んでくるよ」
面白がっているようなノルズがさらに鞭状のウーズを飛ばしてくる。
エリカは歯を食い縛って、下着に手をかけた。
そこを待っていたかのように、股間めがけて、ウーズの鞭が襲う。
エリカは絶叫して、下着を脱ぎかけた体勢のままひっくり返ってしまった。
ノルズの嘲笑の声が部屋に響き渡るとともに、鞭のウーズが飛んできた。
しかし、今度は鞭打つのではなく、形状を変化させて、エリカの身体をすっぽりと覆ってくる。
その気持ち悪さに、エリカは悲鳴をあげた。
だが、抵抗はできない。
あっという間に首から下の全部がウーズの粘性体に包まれた。
「変わったものしてるねえ。股間と乳首に飾りかい? まあいいや……。ところで、面白いことしてやるよ。このウーズは、あたしが好きなように形も固さも変えられるのさ。粘性体の不定形生物に犯されるというのはどうだい?」
ノルズが言った。
すると、急に股間に違和感が襲った。
膣の内側でなにかが膨らんでいる。
ウーズだ──。
しかも、いきなり小刻みな振動を開始した。
「ううっ、ひいいっ」
エリカは声をあげてしまった。
得体の知れない魔界生物に犯されるのは、血も凍るような恥辱であり、屈辱であったが、一方でそのウーズの張形は、確実にエリカが感じるように刺激を加えてきて、どうしても込みあがる快感を我慢できなかったのだ。
「反応のいい愉快な身体ね。用済みになったときに、殺してしまうのが惜しいくらい……。後ろはどう? もしかして、こっちも開発済み?」
すると、今度は肛門の内側に張形が膨らむ感触が襲った。
そして、淫らに蠕動運動を開始する。
「ああ、あああっ」
エリカの口から耐えることのできない嬌声が迸った。
「後ろも一応の調教はされているようね……」
ノルズが笑った。
だが、エリカはそれどころではなかった。
前後ふたつの穴でウーズの張形が暴れまわっている。
エリカはのウーズの中でたうち回った。
「さて、こうしてもいられないか。こいつらを使って、ロウという男を捕らえる罠を張らないとね。さあ、ウルズ、ここから逃げるわよ。王都の城門の外がいいわね。どこか人気のない場所で、ロウを捕らえる仕掛けを作ることにしようか。そして、お前にもやって欲しいことがあるわ」
ノルズがウルズにそう言ったのが聞こえた。
すると、ずっと悶え声を発していたウルズの声が止まった。
あれからずっとウルズは、ノルズの施す貞操帯の刺激に悶え続けていたみたいだ。
やっと刺激をとめてもらえたのか、ウルズががっくりと脱力した。
「はあ、はあ、はあ……、わ、わかった、ノルズ……」
ウルズが荒い声をしながら言ったのが辛うじて聞こえた。
次の瞬間、腹が捻じれる感覚が沸き起こる。
すると、目の前の景色が一変して、エリカは、冷たい風が襲う野外に瞬間移動していた。