【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
934 独裁官の当惑と赤組筆頭への調教開始
「はあ? 計算が合わないだろう」
一郎は戸惑いの声をあげてしまった。
ハロンドール王都内にできあがった天道教の教団施設である。その客室に一郎はいた。
同行したのは、エリカとコゼとスクルドであり、向かい合うのは天道教の代表者のフラントワーズと、さらに、天道教の重鎮ということになるランジーナにマリアである。そして、いまは元王妃という立場になったアネルザも同席している。
新興宗教の施設としては立派すぎる建物であるが、もともとはテレーズと名乗っていたタリオからの工作員の魔道遣いがルードルフ王に突貫工事で作らせた貴族用の王都屋敷だそうだ。
それが二棟あり、建物内には住む者もなく、ルードルフ王に購入させたり、王都内の貴族から取り上げた宝物の倉庫のように使われていたらしい。
それを一郎とイザベラが凱旋したときに、王家として没収した。
このうちの一棟を女教祖という立場になるフラントワーズ元公爵夫人に任せたものだ。
偽テレーズとやらが建設したもうひとつの新屋敷もすぐ近くにある。
そっちについては、ナタル森林王国の公使館ということで使ってもらうことになった。
名誉ある孤立を国是としていたエルフ族の王国が外国に公使館を持つのは初めてのことであり、初代公使はケイラ=ハイエルこと、亨ちゃんということになったみたいだ。
一郎と一緒にやってきたブルイネン以下の親衛隊三十人は、今後はその公使館の常駐警護隊という名目で王都内に残ることになる。
また、一郎が教団施設を訪れるのは、あの奴隷宮での大騒動が起こってから初めてだ。
あれから、イザベラ軍が外郭砦を突破するのを手伝ったり、凱旋式を整えたり、あるいは、元宰相のフォックスが企もうとしていた上級貴族の集まりを潰したりと忙しく動いていて、半月ほどが経っている。
もちろん、一郎が整えさせた一か月を三十日とする「新暦」における半月だ。
それはともかく、一郎が驚きの声をあげたのは、あの騒動以降から一郎が天道教の教団を再訪問するまでのあいだにやっておけと命じていた「宿題」の結果の報告を受けたためだ。
すなわち、一郎が指示していたのは、リリスと改名させたサキが園遊会と称して王都貴族の令夫人と令嬢から集めて監禁していた約百人に対して、一度家族と連絡をさせ、本当に教団に残るのか、それとも、家族のもとに戻るのかを選択させろということだ。
この際、絶対に教団に残ることを強要するなと厳命した。
スクルドのおかしな言霊のせいで、軽い洗脳状態にあるとはいえ、自発的に集まったのではなく、強制的に連行された者たちばかりだ。騒動のときには、ひとりも家族のところに帰りたいと口にする者はなかったが、しばらく時間が経って冷静になれば、かなりの者たちは離れると踏んでいた。
だから、その我に返る時間を作ることを指示していたのだ。
一度抱けば、一郎の淫魔術が作用して、心が縛りつけられる。
だから、あれから、一郎も一度も教団とは接触しなかった。
顔を見せることもしてない。
その代わり、自分の意思で教団に残ると決めた者については、令嬢であろうと、令夫人であろうと全員を性奴隷にすると約束をした。
ただし、まだ抱いてはいない。
抱くのは、教団に残る決心をした者だけだ。
例外はフラントワーズであり、すでに一郎の精の刻みを受けている彼女は、淫魔師の恩恵によって能力が跳ね上がったのみならず、顔の皺やたるみが消滅して、若々しい外観になっている。
年齢も二十代にしか見えない。
だが、本当は五十歳に近い年齢なのである。
そして、今日だ──。
あの「奴隷宮の反乱」の時点において、赤組というらしい令嬢たちが七十三名。黄色と青組という教団の管理者側になる令夫人たちが約三十名──。
併せて、約百人の人数のうち、残ったのは百五十名ということだった。
「いやいやいや、増えてるだろう。減ってないじゃないか。なんで、百五十なんだよ」
一郎は唖然として言った。
「言われる通りにいたしましたわ。全員を家族のもとに一度帰し、あるいは、教団内に家族を呼んで、意思確認をさせました。離縁手続きについては、若干、手間取ったところもございましたが、アネルザ様のお力も借りて、全員の縁切りが終わっております。赤組については、純粋に話し合いの結果です。少し増えて赤組百二十人です」
フラントワーズが淡々と説明する。
一郎は眉をひそめた。
「だから、なんで増えるんだ? 確かに、残留を希望する者を性奴隷とするとは約束したが、増えるとはどういうことなんだ?」
「家族との話し合いの結果を尊重せよというお言葉でしたので……。結論から言えば、家族の元に戻ることになった者はおりません。全員が天道様の性奴隷になることを強く希望していましたので……。増えた分は、新たな入信希望者です。家族を含めた貴族たちが、どうしても更に教団に入れて欲しいと熱望してきた者たちです。厳しく審査しましたが、どうしても百二十人よりも減らせませんでした」
「減らせませんでしたじゃないだろう──。おかしいだろう。なんで増えるんだよ。なんだかんだで、俺の後宮だぞ。そういう扱いになるんだ。一生日の目を見ない立場になるんだ。ちゃんと説明してくれたのか?」
すると、ずっと黙っていたアネルザがくすくすと笑った。
「ロウ殿、それが貴族というものさ。階級に対する自尊心が高くて、血の濃さを重んじるのが貴族の一性質であれば、利に敏感で賢く行動するのも貴族だ。独裁官のロウ殿は、いまや、もっとも重要な王国の権力者だ。取り入れるものなら、なんとしても取り入りたいと考えるのは当然のことさ。その状況で、お前の事実上の後宮入りの話だ。しかも、お手付きになれば、新王宮の重要官僚の席につくという話まである。常識的な貴族なら、とりあえず、家族の中からひとりやふたりくらいは、保険として入れておこうかとなるさ」
「それで、自分の娘を一介の冒険者上がりの成り上がりの慰み者に差し出すのか。貴族が?」
「一介の冒険者なら見向きもしないよ。だけど、成り上がりでも最高権力者の独裁官だから目の色変えて取り入るんだよ。フラントワーズからもあったけど、これでも厳選したんだ。だけど、増える分は連中に恩を売っておいて得だとわたしが考えた者たちだ。これからの政策運営が楽になるから、どうか受け入れておくれ」
アネルザだ。
一郎は呆気にとられた。
「令嬢を俺の後宮に受け入れることが恩を売ることになるのか? 逆じゃなくて」
「お前に得することなどなにもないだろう。今更、女には不自由はしてないしね。それは向こうもわかっている。だけど、それを受け入れるんだ。恩に違いないさ」
「まあいいけど、これ以上はやめておこうな。際限がない。そもそも、俺のところに、こんなに集めまくったら、この王国の婚姻環境が滅茶苦茶になるんじゃないか」
「そんなのは気にしなくていい。貴族同士で婚姻相手を見つけられなければ、平民から養女でも確保したりするだろうさ。その分、血が混じり、王国の活力になる。まあ、百人や二百人程度なら気にする人数でもないよ。とにかく、受け入れてくれてよかった。助かるよ」
アネルザが笑った。
「感謝いたします」
フラントワーズたちも頭をさげる。
「この教団内に百五十人、隣のケイラさんたちのところの公使館の親衛隊が三十人、イザベラの侍女が十人──。そのほかにも、屋敷内の居候が大勢になったし、正妻様の後宮管理も大変ね」
コゼが軽口を叩いた。
「他人事みたいに言わないのよ。しっかり、補佐してもらうからね」
エリカがぴしゃりと言った。
「この教団施設に三箇所、王宮内に十箇所、ナタル国公使館に一箇所、もちろん、これまで通りに、シルキーさんの屋敷を繋ぐ移動術のスポットを準備しましたわ。ご主人様とご主人様に支配されている女にしか使用できず、場所を視認することもできません」
スクルドだ。
「ミランダのところの冒険者ギルドは?」
一郎は言った。
「あれは、ミランダが嫌がりまして」
「なら繋げよう。ミランダが一番嫌がりそうなところにつけてくれ。本人には内緒でな」
「寝室と厠に取り付けます」
スクルドがにこやかに言った。
「歴代の王で二百人超えの後宮を持った王もいたようだけど、それくらいになると、最後までお手付きにならなかった女も大勢いたようさ。だけど、お前は全員を抱いてくれるんだろう?」
アネルザが再び口を挟む。
「こうなったら抱くよ──。それだけじゃない。しっかりと遊ばせてもらう。その覚悟がここに残った女たちにないとは言わせないからな──」
一郎は開き直った。
「お好きなように扱ってください。全員が喜びます」
フラントワーズが嬉しそうな顔になる。
「本当か? 俺の遊びは意地悪かもしれないぞ。とりあえず、これから三日間、この教団の女を抱き続けるが、教祖様にはその三日間、ずっと貞操帯をしてもらおうかな。股ぐらと尻の穴をディルドで刺激され続け、しかも一度も絶頂させない。小便も大便もなしだ。いや、小便は垂れ流しかな。なんだかんだで、全員がそんな仕打ちを受け続ける。本当にいいんだな?」
一郎はわざと意地悪を言った。
「ご調教ですね。嬉しいです。ありがたき幸せです」
だが、フラントワーズが顔を真っ赤にして、ちょっと期待するような表情になった。
*
なぜか、午後の教団内のお勤めが中止となり、全員に自室待機の命令が出された。
アドリーヌもほかの奴隷たちと同様に、赤組の令嬢たちにあてがわれている部屋に入った。
与えられている私室は、個室もあれば、ふたり部屋もあり、三人部屋もある。それ以上の人数の部屋はない。奴隷宮では最初はそれに近いかたちだったものの、最後の方ではまとまった集団部屋になり、しかも、まるで家畜かのようなひどい扱いになったので、こうやって普通の部屋で暮らすのは新鮮だ。
アドリーヌは、赤組筆頭ということで、個室をあてがわれていた。
ただ、ずっと誰かと一緒に生活がしばらくだったので、少しばかり寂しいかもしれない。
伯爵令嬢として暮らしていたのは、随分と昔のことのように思う。
「入るぞ」
部屋がノックなしに開いた。
驚愕することに、入ってきたのは天道様のロウ様だった。
随行する者はいない。
天道様だけだ。
とにかく、アドリーヌは、その場に跪こうとした。
しかし、それを制されて、立ったままでいることを命じられた。
「天道様、アドリーヌでございます」
とりあえず、スカートを軽くあげてカーテシーをとる。
アドリーヌが身に着けているのは、天道教の教団の一員として与えられた修道服であり、黒と白の生地に赤い模様が入っている可愛らしい服だ。
天道様の好みということで、スカート丈は腿の半分くらいまでしかない。
それをぎりぎりまであげる。
本当のカーテシーとは違うが、天道様が喜ぶのではないかと思って、みんなで考えたものだ。
天道様がにっこりと好色そうに微笑まれた。
アドリーヌは全身が嬉しさで満たされるのがわかった。
「知っている。赤組筆頭だったな。敬意を表して最初に来たぞ……。さて、最初に訊いておく。ただし、拒否できるのは、今回の一度だけだ。もしも、迷いがあれば、覚悟ができてからでいい。俺に抱かれる覚悟はあるか?」
アドリーヌは目を丸くしてしまった。
天道様に抱かれる──?
覚悟があるか、ないかではない。
待ち望んでいた。
それがいつなのかはわからなかったが、きっといつかは抱いてもらえると、みんなで励まし合っていた。
まさか、それが今日などとは……。
「どうなんだ?」
天道様が畳み込むように言った。
アドリーヌは感動のあまりに言葉が出ないまま黙ってしまったようだ。
慌てて口を開く。
「か、覚悟はあります──。もちろんです。喜んで──」
すると、天道様がにっこりと相好を崩した。
よかった。
気を悪くはされなかったみたいだ。
「もうひとつ言っておくが、これまでに味わったことのない辱めを受けるぞ。それが俺という男の愛し方だしね」
「恥ずかしいことは勉強しました。みんなと一緒にです。もちろん、性奴隷としてはまだまだと思いますが、足りないところは一生懸命に覚えます。よろしくお願いいたします」
「そうだったな。サキのもとで性奴隷の調練をしたんだったな……。わかった。じゃあ調教の開始だ。まずは、両手を頭の後ろで組むんだ。手首をしっかりと交差させろ。足は肩幅に開け」
言われた通りにする。
胸が反りかえり、乳房をやや前に出すような恰好になった。
アドリーヌの首には、与えてもらった赤いチョーカーがあり、手首にも同じような腕輪がある。
頭の後ろで腕を組むと、がちゃんと音がして手首の腕輪と首のチョーカーが繋がってしまった。
ちょっとびっくりした。
「教団の女用の性奴隷のポーズのその一だ。“その一”と言われたら、どんな場所でもその恰好になれ。街の真ん中であろうと、王宮だろうとどこでもだ。いいな」
「は、はい」
「いい返事だ。じゃあ、そのまま動くな」
天道様が近づきていて、アドリーヌの腰の横に手を伸ばす。
アドリーヌたちに与えられている性奴隷用の修道服は、上半身と下半身部分が分かれるセパレートタイプのものだったが、そのスカート部分が一瞬にして消滅した。
「あっ」
腰から下が下着だけになり、アドリーヌは思わず、脚を閉じ合わせようとした。
だが、天道様から動くなと命令されていたことを思い出して、すぐに元に戻す。
「ちゃんと命令に従えたな。下着は着替えたばかりか? それとも、朝からはいているものか?」
天道様の手に一瞬にして細い差し棒が出現する。
その先端でアドリーヌの下着の股間をすっと撫ぜられた。
「あんっ。も、申し訳ありません。き、着替えてませんでした。天道様のご調教を受けることを知りませんでした」
「謝る必要はない。朝から身に着けていた汚れたものなのか、それとも清潔なものなのかを訊ねただけだ。確かに、朝から身につけていたもののようだな。股に小さな染みがある。小便の痕か? それとも、自慰でもしたか?」
天道様がくすくすと笑って、差し棒を下着の上から撫でるように動かしていく。
そこがくすぐったくて、そして、疼いてしまって、アドリーヌは必死に悶えそうになるのを我慢した。
それに恥ずかしい。
天道様に下着の汚れを見られるなんて……。
アドリーヌは羞恥で足が震えてしまった。
「質問に答えろ? その下着をはいているあいだに、自慰をしたか?」
突然に差し棒の先が振動した。
「ひゃん──」
布の上からクリトリスを刺激され、アドリーヌは悲鳴とともに腰を落としそうになってしまった。
天道様が差し棒を一度引き、横殴りでアドリーヌの太腿をぴしゃりと叩く。
「いぎいっ」
激痛が走る。
「質問には返事だ──。これまでに三回、質問に答えなかったぞ──。性奴隷の調教を受けるつもりがあるのか──。それとも、覚悟があると言ったのは嘘だったのか──」
怒鳴られた。
アドリーヌは目の前が真っ暗になりそうになった。
絶望が全身を包みそうになる。
失望させてしまった──。
そんなつもりはなかったのに──。
目の前の景色が歪む。
「も、申し訳ありません。ちゃんとします。嘘ではありません。申し訳ありません──。自慰はしていません。勝手にはしません」
アドリーヌは慌てて叫んだ。
すると、天道様がちょっと困った顔になった。
「参ったなあ。泣くんじゃないよ。ちょっと苛めすぎたか? だけど、意地悪はこんなものじゃないぞ。もっともっと意地悪をされる。その命令の中には、とてもじゃないが服従できないこともあるだろう。だけど、無理矢理に従わせられる。それが俺の性奴隷だ。本当にいいんだな?」
「は、はいっ。服従します。性奴隷になります。お願いします」
「いいだろう。だけど、もう後戻りはできないぞ、アドリーヌ」
「はい、アドリーヌは、天道様であるロウ様に服従を誓います。お仕えする性奴隷になります──。ならせてください──」
必死に言った。
天道様が頷いた。
よかった……。
まだ、見捨てられてない。
アドリーヌはほっとした。
「だが、罰は受けてもらうぞ。すぐに答えられなかった罰だ」
「は、はい。アドリーヌは罰を受けます。よろしくお願いします」
「わかった。その言葉を忘れるなよ」
天道様がそう言って、部屋の中を見回した。
そして、アドリーヌが紅茶を飲んでいたマグカップを手にお取りになる。
飲みかけだったので、ちょっとだけ中身が残っていた。
カップに残っているのは、二分目くらいだろう。
天道様がそれをアドリーヌの開いている脚の下の床に置いた。
「そのカップの中に小便をしろ。下着を身に着けたままだから難しいぞ。ちゃんと狙うんだ。じゃあ、やれ──」
天道様が言った。
アドリーヌは耳を疑った。