【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
正午になった。
「はあ、はあ、はあ……。で、では、準備はよろしいですか? わたしとスクルドさんの身体にふたりずつ掴まってください……」
ガドニエルがまだ整わない荒い息をしながら言った。
一郎はほくそ笑んだ。
ガドニエルにしても、スクルドにしても、呼吸を荒しているし、かなりの汗をかいている。なによりも漂わせている女の匂いと色香がすごい。
なにしろ、ついさっきまで、そのふたりを性的にいたぶっていたのである。
これから始まるのは、ラスカリーナとショーン将軍がそれぞれ指揮する隊同士がぶつかり合う対抗演習であるが、それまでの準備時間を利用して、一郎はガドニエルとスクルドをさんざんに弄んで愉しんでいたというわけだ。
すなわち、ふたりに口だけを使って一郎の靴を脱がさせて足の指を舐めさせ、次いで、やはり口だけで一郎のズボンから男根を露出させて奉仕をさせた。その間、粘性体を飛ばした股間愛撫によって絶頂寸前までの性感刺激を幾度も繰り返して翻弄してもやった。
その時、精を砂時計が落ち切るまでに放出できなければ罰だと言い渡し、わざと精を出さず、罰に移行した。
ふたりに与えた罰は、天幕の外における野外性交だ。
収納術で一気に全裸にすると、後手に手錠をかけて、さらに施している赤チョーカーに鎖を繋いで外に連れ出した。
ブルイネンが慌てて、親衛隊を集めて人間の壁を作ったところで、ふたりを膝立ちでうつ伏せにして後背位で犯し、五回ずつ連続絶頂させたところで、やっと精を放った。
まあ、やったのはそれだけだ。
ふたりとも、なんだかんだで相好をだらしなく崩して涎まで垂らしていたので、かなり満足したのだろう。
しばらく足腰に力が入らないような感じだったが、ちょっと前にやっと立ちあがったところである。
しかし、後手の手錠もチョーカーに繋いだ鎖もそのままであり、身体を覆うことを許したのはケープだけだ。だから、ふたりは、いわゆる「全裸コート」ならず、「全裸ケープ」という恰好だ。
ケープの裾が太腿の半分にも届かず、生脚が露出しているので、かなり扇情的である。
一郎は嗜虐欲を刺激されて、大いに満足している。
「ロウ様、このまま連れていくのですか……? 認識阻害もかかっていて、正体不明の魔道遣いということになっているスクルドはともかく、ガドのこんな格好を見られたら……」
エリカがちょっと遠慮がちな口調で言った。
ラスカリーナたちの遭遇戦演習は、ここではなく、丘陵ふたつほど離れた場所が予想される接触線になりそうな感じだった。
それでいまからそこに縮地術で移動しようとしているのだが、一郎がガドニエルたちの格好を戻さないので、たしなめの気持ちだろう。
向かうのは演習場内のひとつの丘陵の頂上だが、そこから眼下を見下ろせるということは、見ようと思えば下から上も見ることができるということだからだ。
だが、一郎としては、たったいままで続けた嗜虐の余韻が残っていて、もう少しふたりへの辱めを続けたい気持ちだ。
「そ、そうです。ロウ殿、どうか女王陛下のこの格好については、お許しを……」
ブルイネンも控えめに口を挟んできた。
「な、なにを言うのですか、ブルイネン。わ、わたしは構いません。わたしは徹頭徹尾、ご主人様の雌犬なのです。それはもう、心の底から……」
だが、ガドニエルが抗議の声を口にする。
「わたしのことも、もっと辱めてください。ご主人様が大好きな筆頭雌犬のスクルドでございますので」
「筆頭雌犬ねえ……。まあ、神官時代からよくそう言って、うちに入り浸ってたけど……」
スクルドの言葉に、コゼが半分呆れたような口調で揶揄いの言葉を口にして笑う。
「まあ、本人が問題ないと言うんだからいいだろう。だけど、ガドも認識阻害だけはかけさせてやろう。魔道は禁止とは命令したが、それだけはかけていい。でも、その代わり、ちょっとばかり羞恥責めがエスカレートするかもしれないぞ」
一郎は笑いながら言った。
すると、ガドニエルが首を横に振る。
「ふ、不要です。ガドがご主人様の雌犬だと知られて困ることはなにひとつありません。もっと過激なことをも大丈夫です。おそばに置いてくださりさえすれば、わたしはどう扱っていただいてもいいのです」
「いえ、困るんです、陛下──」
ガドニエルの満面の笑みを浮かべた言葉に対して、ブルイネンが慌てて反応する。
「ははは、こんな感じだ。エリカ、どう思う?」
「まあ、だったら、ご勝手にというところです。お好きにどうぞ、ロウ様」
「話がわかるな、うちの正妻様は」
一郎は笑った。
そして、しばらく悶着があったものの、結局、なんだかんだでこのままいくことになった。
やっと、縮地術による移動の準備が整う。
ガドニエルには一郎とエリカ、スクルドにはコゼとアネルザがつく。ブルイネンを含めたほかの親衛隊については自力で縮地移動だ。ただし、一郎たちが乗ってきた馬については、親衛隊の幾人かが馬を曳いて、地上を歩いて連れてくることになった。
「お前は相変わらずだねえ……。ショーン相手に独裁官らしく、堂々とふるまっていたかと思うと、嗜虐好きの好色は変化なしかい。お前も、そろそろ慎みというのを覚えた方がいいんじゃないかい?」
アネルザだ。
まったく本気ではない冗談口調である。
一郎は苦笑した。
「好色であることはやめられそうにないさ。俺ではなく、淫魔師というスキルがそうさせるんだと言い訳しておくよ……。ところで、今更だが、移動術や縮地術はお腹の子供には大丈夫なのか、アネルザ」
「問題ないよ。むしろ、地上を進むよりも安全さ」
アネルザのお腹の中に一郎とのあいだの子供がいるということを告げられたのは、少し前のことだ。
一郎との子ということに間違いはないのだが、アネルザは兇王ルードルフの元王妃なので、対外的にはその子がルードルフの子になるということを心配していた。いまや、ルードルフは希代の悪王としての悪評を得てしまった。その子ということが、生まれてくる子の立場を悪くしないだろうかと心配をしているようなのだ。
しかし、それに対して、一郎はそれほどの問題にはならないだろうと諭した。
ルードルフの血を引いていることが問題になり得るのであれば、そもそも、イザベラがそうだし、アンもエルザもそうだ。
だいたい、アネルザはかなり前から一郎を愛人にしていると知られていた。ならば、むしろ、一郎との子だと喧伝すればいい。
もっとも、イザベラ、アン、アネルザと王家の女たちが次々に子供を産むということで、王位継承権は複雑にはなりそうなので、それは早急に整理させる必要があるとは思っている。
なにしろ、一郎の魔眼では、アネルザのお腹にいるのが、男であることがわかったのだ。それに対して、イザベラとアンの子は女だ。女であることで王位を継承することに妨げはないのだが、この王国の慣習では、男の王位継承者が優先されるということなのだ。
しかも、アネルザのお腹の子には、なにかの強い力を感じた。それがなにであるかまではわからなかったが、同時期に生まれてくる子の中では抜きんでたなにかの力を持っている。
だからこそ、後継者選定が複雑になる前に、整理させなければならないと思った。
まあ、無事に生まれてからのことではあるが……。
「では、向かいます。陛下やロウ殿たちは、第一陣の到着後に跳躍してください」
ブルイネンが言って、親衛隊の半分ほどの姿が消える。
そして、かなり離れた丘陵の頂上に、まとまった集団が出現するのが小さく見えた。
距離があっても、視界に捉えた場所に瞬間移動するのが「縮地術」という魔道らしい。
「では、行きます」
ガドニエルの言葉とともに、一瞬にして景色が変わった。
あっという間に跳躍が終わって、目的に丘陵の頂上に立つ。すぐに、スクルド以下もやってきた。
最後に、馬を曳いてくる者を除いた残っていた親衛隊の残りが跳躍してきて、全員の移動が完了する。
「始まっているな」
眼下の地上側で、すでにラスカリーナとショーンの両陣営が動き回っているのがわかった。お互いに激しく騎馬で斥候を送り合っているようだ。
両軍のあいだには、まだ幾つかの丘陵がある。
ここからは両方の本隊の動きまで視界に入るのだが、どうやら、ショーンは自隊を小さく分けて、少しずつ前に出すことにしたみたいだ。
それに比べて、ラスカリーナ側については、全体が離れることなくまとまって動いている。
そのため、ショーン側の動きは比較的速く、ラスカリーナ側は鈍重の印象だ。
「どちらが優勢なんですか?」
エリカが目を凝らしながら訊ねてきた。
一郎としては肩を竦めるしかない。
「まだ、なんとも言えないな。ただ、ラスカリーナ側には、すでに騎兵がほとんどいないな」
一郎の魔眼でも、これだけ距離があれば、詳しい情報を得ることは難しいものの、大きな概要であればわかるのだ。
すでに、ラスカリーナ側の本隊にはまとまった騎馬集団がいない。それに比べて、ショーン側については、まだショーンの本陣付近に騎馬兵がまとまっている。
「へえ、そうなのかい?」
アネルザだ。
一郎はガドニエルが身にまとっているケープの下から垂れている鎖を手に取った。悪戯心を発揮して、その鎖をガドニエルの股間に通して背中側に持っていき、ケープごと引き上げた。
「ひゃん」
ガドニエルが後手手錠の身体を竦みあげた。
股に通った鎖は一瞬にして、ガドニエルの股に喰い込んでいる。一郎はゆっくりとそれを前後に動かしてやる。
「ひゃっ、ひゃああっ、ああっ」
ガドニエルが艶めかしく身体をくねらせる。
また、鎖が引きあがっているので、ケープの裾は股間それそれまでまくれ上がり、ガドニエルの美しい脚が完全に露出している。
「わっ、だ、第一小隊、壁──」
ブルイネンが慌てて叫ぶ。
たちまちに、前を阻む親衛隊たちの壁ができあがる。
「あっ、ああっ、あっ」
一方で、一郎に悪戯をされ続けるガドニエルは切なそうに腰をくねらせている。一郎は淫魔術で確認しながら、ガドニエルの急所を確実に鎖で責めるとともに、さらにケープの上から乳房を無造作に掴んだ。
布越しに揉んでいく。
「あん、き、気持ちいいです……。ああっ」
ガドニエルが甘い声をあげた。
「ふふふ、今日はガドの日ですね。でも、ほかのあたしたちも構って欲しいです」
横にやってきたコゼが半分拗ねたように身体を寄せてきた。
「いいぞ。いつでも。ほらっ」
一郎は顔をコゼに向けて曲げ、口づけをしてやる。
コゼが両手で一郎に首にしがみついてきた。舌を挿し込み、コゼの口の中を蹂躙する。
「んんっ、んっ、んっ」
次第にコゼの身体から力が抜けていくのがわかる。
しばらくコゼの口の中を舌で愛撫し続けてから、やっと一郎はコゼから口を離す。
繋がっていた涎の線が糸を引いたが、それがぱちんと弾けて消える。
「もう濡れたのか。ズボンに染みができてるぞ」
一郎は口を離すと、内腿をすぼめて立っているコゼにささやいた。
コゼはいつも半ズボンなのだが、その股間のところに小さな丸い染みが新しくできていたのだ。
下着とズボンを通り越して愛液が染みを作るのだから、かなりの蜜を噴き出させたに違いない。
「んんっ、ぬ、濡れ濡れです。あたしもご主人様にもっと苛められたいです」
コゼが甘えた声で一郎の腕にしがみついていた。
「あっ、あっ、ご、ご主人様、そ、そ、そろそろ、ガ、ガドは……」
また、コゼと口づけを交わしているあいだも、ずっとガドを責める股の鎖や乳房の愛撫は続けていた。
そろそろガドニエルもまた、絶頂に向かって快感を昂らせているのがわかる。
「あっ、なにか来ます」
そのとき、エリカが慌てたように声をあげた。
一郎も気がついた。
背中側からなにかが近づき、この丘陵の地面が揺れているのだ。
一郎はとりあえず、ガドニエルへの悪戯を中止し、ケープを元に戻した。
「あんっ」
すると、ガドニエルが残念そうな声を出して、一郎に身体を寄せてきた。
「わたしも構っていただきたいですわ。雌犬のスクルドです」
背中にどんと乳房のようなものが当たる。
ガドニエル同様に後手手錠で全裸ケープのスクルドだ。
勝手に一郎の背中に乳房をこすりつけてきて揺すり、すぐに甘い声をあげ始めた。
「この淫乱巫女……」
一郎の腕にしがみついているコゼが舌打ちしている。
「全員密集隊形──」
ブルイネンが叫んだ。
ある程度拡がっていた親衛隊が一気に密着する。
地面の揺れが大きくなり、あっという間に周囲を騎兵に囲まれてしまった。
「おう、ロウたちはここにいたのか。ラスカリーナの指示で迂回して、この丘陵にあがったが、もしかして、ここは想定外の場所か?」
驚いたことに、やって来たのは、シャングリアとその指揮下らしい二百騎ほどの騎馬集団だ。
シャングリアは部下を散開させ、自分だけロウたちのところにやってきた。
騎乗のままだ。
「別に禁止はしてない。だが、いい場所を占拠させたな。ここなら全体が見渡せる」
一郎はシャングリアを見上げながら言った。
「そのようだな。多分、あっという間に終わると思うぞ。ラスカリーナの指示は実に的確だ。ベアトリーチェも別の丘陵を占拠している」
シャングリアが応じた。
なる程なと思った。
だが、こんなにもあっという間に、ここを占拠したということは、おそらく斥候を送ると同時に、騎馬集団を迂回させて動かしたのだろう。
そして、シャングリアにしても、別の丘陵を確保したというベアトリーチェにしても、騎馬隊の指揮官としてかなりの有能ぶりを発揮している。
率いる騎馬隊を実によくまとめている。
「そうか。とにかく、俺たちはいないと思ってくれ」
「わかった」
シャングリアは離れていった。
だが、ほかのシャングリアの部下もこの丘陵に展開したままだ。さすがに、露骨な女たちへの悪戯は自制した。
しばらく模擬戦場に意識を戻す。
ゆっくりと動くラスカリーナ本隊に対して、ショーンの率いる軍の動きは速い。小さく分けた分だけ動きが軽いのだ。
まとまったままのラスカリーナ隊を上手に包囲するように展開していく。
もう少しで、ショーン将軍側によるラスカリーナ隊への包囲態勢が完了するかもしれない……。
そんな風に考え始めたときだ。
シャングリアの声が周囲に響き、本隊と本隊がぶつかりそうな場所に向かって駆け下りていった。
別の場所からベアトリーチェらしき者が率いる騎馬集団も突進していく。
あっという間にふたつの隊が、側背からショーン隊を襲撃した。
まとまりかけてきたショーン隊が分断し、その分断された集団が突進してくるシャングリアとベアトリーチェのふたつの騎兵隊にさらに分断される。
突き抜けたふたつの騎馬隊が再突入を繰り返す。
ショーン隊は、どんどん散り散りになっていく。それが続く。
「ほう、すごいですね。さすがに、あたしにもどっちが勝ったかわかりますね」
コゼだ。
「本当です」
エリカも言った。
「あれで決着だな」
一郎は言った。
鈍重のように見えていたラスカリーナの本隊が走り始める。
速い──。
そして、あっという間にショーン隊を蹂躙する。
混乱の中、ショーン将軍についても、シャングリアに打ち倒されてしまった。
「終わりだ。スクルド、信号をあげてくれ」
「はい」
空に赤い火炎弾が連発で発射される。
演習修了の合図だ。
夕方まで待つことなく、決着はついたようだ。