※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

946 / 1059
 第13話  ……娼婦に淑女
946 副女王の苛立ち


「午前中に決裁していただく必要のある書類は以上でございます、陛下」

 

 「政務官」のカサンドラがラザニエルが決裁済みの書類が積んである盆をラザニエルの執務机から受け取ろうと手を伸ばした。

 だが、まだ昼食の頃合いには若干の余裕がある。

 ラザニエルは、カサンドラを制して、姿勢を直して真っ直ぐに背中を伸ばすように命令した。

 水晶宮におけるラザニエルの執務室だ。

 部屋には二人きりであり、ちょっとばかり、ラザニエルはこのカサンドラで遊ぶことに決めた。

 

「は、はい」

 

 カサンドラは戸惑ったように腕を体側に浸けて身体を真っ直ぐにして立つ。

 だが、その顔には、ちょっと期待するような表情もあり、上気して赤くもなっていく。

 ラザニエルは、にやりと微笑んだ。

 そして、カサンドラを目の前に立たせたまま、通信球を放つ。

 

「昼食は、執務室でとるよ。きっちりと、四半ノス後に持ってくるんだ。そして。準備ができたら、男のエルフ兵に運ばせといで。できるだけ若い衛兵がいいねえ。じゃあ、頼むよ」

 

 ラザニエルの指示を載せた通信球が消滅する。

 通信球の行き先は、身の回りの世話をする役目の侍女たちのところだ。もともとは、ガドニエルの侍女だった女たちであり、サンデル、エーデル、マリレンド、イザベリアン、ロルリンドという名のいずれもエルフ族の貴族の中でも最上級の名家出身の女たちだ。

 だが、ラザニエル自身が作らされた魔道防止具を装着させられたガドニエルがパリスの罠にかかって遭難に遭い、それにより魔獣になりかかったのをロウが助けたとき、そのロウに悪意を抱いたため、ガドニエルから職を追われ、ラザニエルが預かるかたちになっている。

 その彼女たちと、ノルズと一緒に人格改変をして、すっかりとラザニエルたちの愛すべき「玩具」に成り果てているエマがラザニエルの日常を支える者たちである。

 とりあえず、ラザニエルが通信球を送達したのは、そのサンデルたちがいる侍女室だ。

 

 いずれにしても、ラザニエルは、このところ、ずっとつきまとっている苛立ち中にいた。

 苛立ちの原因は幾つかある。

 

 まずは、施政者としての重圧──。

 かつては、大陸中に悪名を轟かせていた「魔女」のアスカは、いまや、ナタル森林大公国の「副王」として、事実上の施政者としての暮らしをしているのだが、そのナタル森林大王国の副王ともなれば、判断しなければならないことは当然に重大なことばかりだ。

 

 もっとも、あがってくる決裁書類の数が多すぎるということではない。それぞれの職務で判断しなければならないことは任せていて、なにもかもラザニエルにまで上がってくるというわけでもないのだ。

 だが、副王まであがってくる案件ともなれば、かなりの重要事項であるのは明白だ。それをおざなりにして決心を誤れば、それにより被害を被るのは王国そのものであり、森林に拡がるエルフ族の里であり、森林内の住民たちだ。

 だから、気は抜くことはできない。

 当然、反動による苛立ちも大きくなる。

 しかし、これは本当は、女王になるべきだった立場から逃げ出し、女王の器も覚悟もなかった妹のガドニエルに、百年もそれを押し付けてしまったラザニエルが負うべき贖罪とも思っている。

 だから、それについては不満を抱くべきではないと思っている。

 

 苛立ちの二つ目は、戻ってこない、あいつら……。

 午前中に終わった決裁待ち書類の処理だが、これが延々と日々続く。

 今日は、午後からは幾人かの面会希望者との面談が待っているので、それに対応しなければならないが、それにより明日に回される案件は明日の多忙を生むのだろう。

 

 それに加えて、女王名代として参加しなければならない公式行事の多いこと──。

 ガドニエルがいさえすれば、あの残念女王にも仕事を回せるのだが、あの馬鹿垂れは、何度催促しても、まったくロウのところから離れて、水晶宮に戻ってくる気配がない。

 最近では、それに対する連絡の受け取りさえ拒否される始末だ。

 仕方なく、ブルイネンやケイラに言付けを通信で送るのだが、いまのところ、のれんに腕押し状態だ。

 

 そもそも、ケイラ=ハイエル──。

 あの大叔母は、ガドニエルと一緒になって、ロウのところに侍ったまま、まったく帰ってこない。それどころか、ハロンドール常駐大使となって、向こうに留まるという一方的な連絡まで来た。

 仕方なく承認したものの、それにより、エルフ王族たちの根回しや、上級エルフ族への調整などの面倒な苦労までラザニエルに被さってくるのだ。

 ラザニエルが、ふたりの不在間に肩代わりしている苦悶のあいだ、あのふたりが、ロウのところで心行くまで性癖を解放しているのかと思うと、怒りで爆発しそうだ。

 

 そして、なによりもの苛立ちは、ずっと疼き続ける身体だ。

 おそらく、これはロウという希代の淫魔師の支配を受け、能力が爆上がりした代償なのだろう。

 ロウに精を注がれない期間が長くなればなるほど、身体の疼きが苦しくなる。

 もはや、痛みにすら等しい。

 悶々とする性欲への飢餓感は、自慰などではまったく癒されない。

 仕方なく、目の前のカサンドラや、サンデルたち五人の侍女や、エマなどで発散しようとするのだが、それも付け焼刃程度のことにしかならない。

 

 犯して欲しい──。

 

 狂わせて欲しい──。

 

 思い切り、辱めて欲しい──。

 

 ラザニエルを襲っている被虐の飢餓感は、ずっとラザニエルを苦しめ続けていた。  

 だが、我慢するしかない。

 ここには、ロウはいないのだ。

 とんでもない身体にしてくれたものだという恨みも抱きたくなるが、とにかく、いまは、少しでもこの情欲をほかのもので代替するしかない。

 

「カサンドラ、服を脱ぎな。さっき聞いていたと思うけど、わたしの食事時間までいくらかある。そのあいだ遊んでやるよ」

 

「えっ?」

 

 カサンドラが戸惑った表情になる。

 もともとは、イムドリスの隠し宮にこもって執務をしないガドニエルの代わりに、このカサンドラが水晶宮の最高地位である太守だった。

 だか、パリスに操られ、ガドニエルに罠をかけ、さらにナタル森林そのものを魔族に侵食させる手助けをした罰として、その地位が全て剥奪されている。

 貴族の地位も取り上げられて、いまは平民どころか、「奴隷」身分だ。

 もっとも、それは温情だ。

 本来であれば、一族まとめて処刑すべきところであるものの、そもそも、パリスがあそこまで力を得てしまったのは、若い時代の間抜けなラザニエル自身の罪だ。

 ラザニエルが罪を負わないのに、ほかの者の罪を問う気にはまったくなれなかった。

 だから、あのパリスの陰謀に関する罪は、一切と問わないと決めた。

 従って、このカサンドラさえも許されて、ラザニエルがこき使う政務官のひとりとして使っている。

 ラザニエルの嗜虐欲を癒す「性奴隷」としてでもあるが……。

 

「ひがああああ──」

 

 カサンドラが絶叫してひっくり返った。

 彼女の股間には、いつも施しているディルド付きの貞操帯が装着されている。そのディルド部分は金属製であり、ラザニエルがそこに電撃を魔道で流したのだ。

 失神するほどの強さじゃないが、のたうち回るには十分な威力はある。

 とにかく、電撃を股間に打ち込まれるのだから、その苦悶はとんでもないのは間違いない。

 カサンドラがその場に横転して、めくれたスカートから白い脚が露出している。

 ラザニエルとガドニエルがまだ幼いころに、乳母をしていたほどの年齢なのだが、長命のエルフ族らしく、その身体や顔には老齢を思わせるものはなにもない。

 人間族であれば、このカサンドラは、まだ三十にもならない小娘だと思わせるかもしれない。

 だが、実際には結構な年齢なのだ。

 ラザニエルは、電撃を中止した。

 

「いつから、わたしの命令を疑うような声で返す立場になったんだい──? まだ女太守の気分でいるんじゃないだろうねえ。いまのお前は、わたしのお情けで生かしている奴隷だ。わたしは、このあと食事をする。ご主人様が食事をするときには、奴隷は裸だよ──」

 

 ラザニエルは怒鳴った。

 カサンドラが恐怖に顔を引きつらせて慌てて立ちあがる。

 

「も、申し訳ありません、副王陛下──。すぐにご命令に従います」

 

 カサンドラが執務室を見渡す。

 ここには、ラザニエルが使う仮眠室もあれば、侍女がここで軽食や飲み物を準備するための茶器室もある。衝立もあるし、身を隠すような調度品もたくさんある。

 おそらく、それを使おうと思っているのだろう。

 

「きょろきょろするんじゃないよ。さっさと脱ぐんだ」

 

「で、でも、先程、男兵が食事を持ってくると……」

 

 カサンドラが狼狽えたように言った。

 このカサンドラを「躾」という名目で辱めた機会は、ラザニエルが副王になって、こいつを預かることになって数限りない。

 だが、いまのいままで、実は「他人」の前でそれをしたことはない。

 仮にも太守でもあった彼女をかつての部下たちの前では辱めなかったのだ。

 もっとも、それはラザニエルが気を使っていたからではない。

 そのうち、徹底的に尊厳を奪ってやるために、自重していただけだ。

 だが、そろそろいいだろう。

 ラザニエルは、今日はこの身体を疼かせる苛立ちのまま、カサンドラをいたぶるつもりだ。

 

 また、ラザニエルの自重は、アスカであったことを隠して、副王を演じているラザニエルの本当の姿を隠すということでもあった。

 しかし、もうやめた。

 ガドニエルもケイラも、ロウのところで好き勝手しているのに、なんでラザニエルだけ、なにもかも我慢しなければならないのだ──?

 

「それがどうしたんだい──? 口じゃなくて、手を動かしな。とにかく、罰は後だ、カサンドラ。さっさと脱ぐんだ」

 

「は、はい」

 

 カサンドラが装束に手をかける。

 脱衣に他人の手が必要となる服は許していない。カサンドラが上衣を脱ぎ、次いで下半身からスカートを取り去る。

 服の下には、一切の下着はない。ラザニエルが許してないのだ。服の下に身に着けていいのは貞操帯だけだ。

 あっという間に、カサンドラは装着させている貞操帯だけの姿になった。細い革帯がカサンドラの股間に喰い込んでいる。

 欲情しているようだ。その革帯の横からはかなりの淫汁が染み出て、それがカサンドラの内腿を濡らしている。

 

「ぬ、脱ぎました」

 

 カサンドラが改めて、身体を真っ直ぐにする。

 脱いだ服は足元だ。

 ラザニエルは、立ちあがると、カサンドラに脚を開くように命じ、わざとらしく踏みにじって、履き物の汚れを擦り付けてから、カサンドラの足の下に服を蹴って置き直した。

 

「そこに小便をしな」

 

 ラザニエルは言った。

 貞操帯は大便の穴はないが、小便だけはできるように尿道部分に小さな穴が開いている。

 だから、そのまま放尿はできるのだ。

 

「えっ?」

 

 ラザニエルの理不尽な命令に、カサンドラが目を丸くしたのがわかった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。