【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「あんたを強姦してやろうと思ってね。このまま、まったく濡れていないまま、股間を貫かれるのがいいか。それとも、しっかりと愛撫をしてから犯してほしいか。好きな方を選びな」
ロウは言った。
「あ、あたしを犯す? ふ、ふざけるなよ」
ノルズが恐怖の表情で身体を跳ねあげようとした。
しかし、すかさず、ベルズが魔道でノルズの身体を押さえつける。
「ベ、ベルズ、あ、あんた、あたしをこの男に犯させようというのかい? そ、そんなことをすれば、あんたらの……。あれっ?」
ノルズが険しい表情で、ベルズをにらみつけたが、すぐに当惑の表情になった。ベルズだけでなく、少し離れた場所でコゼの治療をしているスクルズの身体にも魔瘴石が存在しないことに、やっと気がついたのだろう。
「どの口でそんなことを言うのだ、ノルズ? よくも、好き勝手やってくれたな」
ベルズが怒りの声をノルズにぶつけた。
「彼女たちの身体に、あんたが植えつけた魔瘴石は、俺が取り外させてもらったよ。ついでに言えば、のこのことやってきた、ウルズのものもね」
「そ、そんなこと、どうやって……? ひうっ、な、なにすんのよ──」
ノルズが引きつったような声をあげた。
一郎が魔道で拘束されているノルズの胸にすっと手を伸ばして、左右の乳首を根元からこすりあげるようになぞってやったからだ。
ほんのりと桃色に光るもやのおかげで、ノルズがなかなかに敏感な乳首をしていることがわかっていた。
「なにするって、あんたを犯すと言っただろう。それとも、やっぱり、愛撫なしに突き挿して欲しいのか? まあ、だけど、それだと、俺も痛いしな。少しくらいは濡れていた方がいい。残酷に扱われるのが趣味なら付き合ってもいいけどね」
一郎は笑いながら、左手を破った服の下に潜り込ませて、脇の下をくすぐるように動かす。もちろん、右手は片側の乳首を責め続けたままだ。
「ううっ」
ノルズの身体が弓なりにのけぞって、ノルズの顔が歪んだ。
一郎の愛撫に手も無く反応を示してしまう自分が口惜しいようだ。
しかし、一郎の性の責めから逃れることは不可能だ。
一郎は赤と桃色のもやの道しるべに従って、ノルズの裸身のあちこちに手を動かす。
すると、一郎に次々に快楽のつぼを暴かれるノルズが激しい反応を示しだす。
そして、ノルズの快感値の数字が、一気に二百以上もさがった。
一郎は再び脇の下の柔らかい部分に添って指を這わせ、くるくると円を描いては下がるということを繰り返した。
最初にノルズにくすぐりと愛撫の両方を与えたとき、強い反応を示したからだ。
「いやあっ」
ノルズが声をあげた。
どうやら、くすぐりのような刺激にノルズは弱いようだ。
ノルズがいよいよ感じ始めた。
一郎の責めで、ノルズが性感をすっかりと目覚めさせてしまったのは明らかだ。
一郎はノルズに覆いかぶさると、今度は空いている乳首を口に含んで吸いあげる。
「うふううっ」
ノルズの食い縛った口から甘い声が迸った。
そのまま、舌でねっとりと舐めあげる。
ノルズの乳房全体に真っ赤なもやが拡がる。
それを追って、一郎は舌の愛撫を拡大していく。
「あうっ」
狼狽の声がノルズが洩れる。
一郎は一度口を離して、ノルズの身体を改めて確認した。
いまや、すっかりと全身が赤い靄で包まれている。
こうなってしまえば、もう、ノルズをどうするのも一郎の自在だ。
そろそろいいだろう……。
一郎はしっとりと濡れてきているノルズの恥毛の中の亀裂に指を動かした。
「ああっ」
ノルズが激しく反応する。
しかし、一郎はあえて性急にすることなく、あえて、まだ薄い桃色のもやでしかない太腿に手を移動させた。
すると、面白いことに、性感帯を示すもやがぱっと内腿全体に拡大した。
「ああ……な、なんで、あたしが男なんかに……」
ノルズが屈辱の表情で左右に顔を激しく振る。
望まぬ快感を与えられて、心の底からノルズが口惜しがっているのが肌を通してわかる。
一郎は片側の手で太腿への愛撫を続け、反対の手でどんどんと新しく増える性感帯のもやを追うように動かしていった。
しばらくすると、ノルズの脚は小刻みな痙攣のようなものを始めた。
全身のもやは、いまや身体全体を覆っている。
快感値は“28”──。
すでに挿入可能な状態だ。
「ご、ご主人様……」
そのとき、後ろからコゼの声がした。
一郎はノルズの愛撫をやめて振り返った。
素裸のコゼがシャングリアに支えられて歩いてきていた。
さっきまで、コゼの身体は全身のあちこちの皮膚が破れて、そこから滴る血で包まれていたが、いまは、スクルズの治癒魔道により、まだ血の痕はあるものの傷は塞がっている。
まあ、よく見れば、まだ傷のあった部位に薄っすらと残っているが、これくらいなら、一郎の淫魔術だけでも元のきれいな肌に戻すことができるだろう。
一郎は、性奴隷にした女との関係が深まるにつれて、その女体の身体を自在に操ることができるようになる。
その能力を駆使すれば、自分の性奴隷に限り、一郎にはスクルズが遣ったような治癒術も施すことができるのだ。
「コゼ殿、まだ動いてはなりません。治癒術はまだ終わっていませんよ」
スクルズがコゼに声をかけている。
「いや、もう十分です、スクルズ殿。そこまで治療してもらえれば、残りは俺がやります。俺がコゼの傷という傷を全部舐めてやります。それでコゼは完全に元通りに元気になりますから」
「ほ、本当ですか、ご主人様」
すると、コゼが破顔した。
「ああ──。俺の読みが甘くて、エリカとコゼには迷惑をかけたからな。罪滅ぼしに、コゼとエリカについては、風呂にでも浸かりながら全身を舐め尽くしてやろう。もちろん、それだけで終わりじゃないぞ。今夜は腰が抜けるまで可愛がってやる。疲れているだろうが眠れると思うなよ」
「へ、へへ……。愉しみだな……へへ……」
コゼが嬉しそうに顔を真っ赤にする。
「あっ、いいなあ……。わ、わたしはどうなのだ、ロウ?」
横のシャングリアが声をあげた。
「もちろん一緒に抱いてやる。ただ、最初はコゼとエリカだ。だから、コゼ──。夜までに少しは体力を戻しておけよ。風呂では脚のつま先から頭までの舐め地獄だ。結構つらいかもしれないぞ」
「だ、大丈夫です。ご主人様に愛されるなら、どんなことでも……」
コゼがにこにこと微笑んで言った。
「そ、そうだ。ウルズは──? あの女はどうなったのですか、ロウ様? わたしたちは、ウルズの魔道でやられてしまったのです。ミランダに化けて、ロウ様を襲いに行ったと思いますが……」
そのとき、いままで、ロウがノルズを責めるのを圧倒されたように押し黙って眺めていたエリカが、思い出したように口を開いた。
「ああ、ウルズなら問題ない。俺がすっかりと支配した。ちょっとばかり困った状態になったけど、まあ、あれはあれで……。とにかく、それから、ウルズに白状させた情報で、今頃は、ギルドを通じて王軍と神殿が動いている。手始めは第一神殿のリーナスだな」
「リーナスって、あのリーナス神官ですか?」
エリカが目を丸くした。
よくはわからんが、少しは有名のようだ。
「どのリーナスかは知らんが、そいつはノルズの命令で、ウルズの調教をしたノルズの部下だそうだ。すでに捕縛の手が動いている。ほかにもいるとは思うが、今度はリーナスが仲間のことを白状するだろうさ。徹底的に拷問で情報を搾り取られるだろうしな」
一郎は言った。
「な、なんだって──。あたしの手の者たちに手が回っている? なんで、そんなことが──」
一郎の前にいるノルズが驚きの声をあげた。
「なんでって、当たり前だろう。ウルズが知っていることは、全部口にさせた。俺は、その内容をすべてギルドに伝えてからこっちに来たんだ。今頃は、あんたの身柄も血眼になって王軍は探しているはずだ──。お仕置きとして、犯すだけ犯したら、引き渡してやるよ──。さて、じゃあ、続きをするか。そろそろ、犯してやるぞ、ノルズ」
一郎はノルズに向き直った。
「ま、待って、ウルズは……。ウルズも王軍に捕らえられたのかい?」
すると、ノルズが必死そうな声をあげた。
一郎は首を横に振った。
「いや、今回のことに、ウルズもまた絡んでいたことは話していない。第一神殿の筆頭巫女様自らが、得体の知れない組織を神殿に呼び込んだなどというのは、神殿も喜ばんだろうしな」
一郎はにやりと笑った。
「く、くそう……。そもそも、どうして、ウルズがそんなにあっさりと情報を……。拷問されても情報を洩らさないように強い暗示をかけていたのに……。あ、あんた、何者?」
「さあ、何者かなあ。まあ、ウルズがあんたを売って俺の命令に従ったのは、俺に抱かれて気持ちがよかったせいじゃないか……。さて、とにかく、これでお喋りは終わりだ」
一郎はそううそぶくと、また両手をノルズの身体に伸ばした。
すぐにノルズが喘ぎだす。
愛撫の中断で、ノルズの全身は少しだけ淫情から回復したようになっていたが、さっきのように全身を真っ赤なもやで覆わせるのに、それほどの時間が必要なかった。
快感値がもう一度“30”を下回ったところで、一郎はズボンをおろして怒張をむき出しにし、ノルズの身体を腰に引き寄せた。
ノルズの全身は、ベルズの魔道により金縛り状態になっている。
抵抗することもできずに、ノルズが大きく開脚した股間の中心に一郎の性器の先端を当てられた体勢になる。
「い、いやあ──。男になんて……。た、助けて……いやあっ、いやよお」
ノルズが初めて泣き声のようなものをあげた。
かつての親友を冷酷に性調教するノルズだが、男はこれが最初なのは、ステータスでわかっている。
しかし、構わず、一郎はずぶずぶと肉棒を貫かせていく。
「あふうっ、なんで、なんで、なんで……」
ノルズの口から嬌声が洩れ続ける。
身体を震わせるノルズが信じられないという表情で顔をしかめた。
一郎の責めに感じすぎる自分の肉体に当惑しているのだろう。
そして、襲い掛かる愉悦から逃れようとするかのように、眉間をひそめた顔をしきりに横に振り続ける。
「昔の女友達に、男と関係することを強要するような性悪女のわりには、ここは使い込んではいないようだね。だけど、気持ちいいだろう? ほら、こことか……。それともこことか……」
一郎はノルズの膣の中にある性感帯のあちこちの赤いもやを肉棒の先で強く刺激するようにしてやった。
すると、ノルズの股間の中で大量の蜜が一郎の性器の傘の先端にまとわりついてくる。
「い、いやあ、いやあ、誰か……誰か──」
ノルズは悲鳴をあげた。
もちろん、ここには、ノルズを助けようとする者はいない。
スクルズもベルズも、いまやノルズを憎々しげに眺めて、一郎に犯されるノルズを見守っている。
一郎はノルズの尻たぶを下から支えるようにして腰を引きつけ、本格的な律動を開始した。一方で指先をノルズの肛門に何気ないしぐさであてがう。
「おふううっ、はああっ」
ノルズが走り抜ける衝撃に驚くかのように身体を反応させる。
その瞬間に、一郎の怒張を締めつけてくる強烈な膣の収縮感に、一郎の身体にも緊張が走る。
一郎はしばらく抽送を続けた。
「い、いい、い、い、いい……」
ついに、ノルズが大きな声を放った。
そして、全身をのけぞらせて、ぶるぶると身体を震わせる。
達したのだ。
一郎はおもむろに、ノルズの子宮に向かって精を放った。
「このまま妊娠させてやろうか? 俺にはそういうことも自在にできるんだぞ。俺の子を孕むというのはどうだ?」
一郎は二射、三射と精を放ちながら言った。
「いやあ、そんなことはやめて──。お願い──お願いします──」
ノルズが泣き叫んだ。
一郎はすっかりとノルズが屈服したのに満足すると、淫魔術を駆使して、ノルズに性奴隷の刻みを施した。
「な、なに……? なにが起きたの……? なに、なに、これ……?」
いまだ一郎に貫かれたままのノルズが困惑の声をあげた。
一郎の強い支配に陥る心の刻みが入り込んできたからだろう。
それに対する恐怖にノルズが怯えているのだ。
だが、それも、すぐに一郎に対する強い情念と思慕の感覚に置き換わるはずだ。
一郎はそれを知っている。
その通り、ノルズの顔に急に安堵の色が浮かびだす。
ノルズの中に、一郎に対する恋愛の感情が作りあげられたのだ。
「……さあ、じゃあ、さっき口走ったことを教えてもらおうか……。あんたは、あのアスカと同じ主に仕えるとかいうことを口にしたね。一体全体、それは誰のこと? あのアスカが仕える者がいるということか?」
ノルズがアスカのことを知っているというのは驚きでしかないが、どうやら複雑な事情がありそうな気がする。
あの傍若無人のアスカに、仕える主が存在するというのは驚愕すべきだが、ノルズはなにかの秘密を知っているという気がするのだ。
ただの勘だが……。
「……そ、それは……」
「それは?」
しかし、ノルズはなかなか口にしようとはしない。
焦れったくなった一郎は、ありったけの淫魔師の力を遣いながら、ノルズに知っていることを白状するように強く命じた。
すると、ノルズがぶるぶると震えだす。
やがて、やっとその口が開いた。
「……め、冥王を……パ、パリスが……」
そして、ノルズがぼそりと口にした。
パリス?
「冥王?」
「冥王?」
しかし、パリスという名よりも、冥王という言葉にスクルズとエリカが大きな声をあげた。
一郎は振り返る。
ふたりだけでなく、ほかの女も「冥王」の名に、恐怖と驚愕の表情をしている。
「あがっ、が、が、が、が……がああ──」
そのとき、ノルズがいきなり苦悶の声をあげだした。
一郎はびっくりしてノルズに視線を戻す。
すると、さっきまでの欲情の色はすっかりとなくなり、ノルズの顔は血の気がなくなったかのように真っ蒼になっている。
しかも、全身が痙攣のような震えを始めだす。
一郎は訝しんだ。
だが、性奴隷にしたばかりのノルズの身体の変化を一郎ははっきりと感じることができた。
ノルズの身体に異常なことが起きようとしている。
それは間違いない。
「ロ、ロウ殿、これは死の呪文です──。ノルズには、なにかをきっかけに、全身に毒が充満するように、身体を改造されているようです。早く、ノルズから離れて──。さもないと、ロウ殿にも毒が──」
スクルズが狼狽の声をあげた。
一郎は慌てて、ノルズから一物を抜いた。
*
全身に怖気が襲った。
心臓の鼓動が信じられないくらいに激しくなり、同時に目の前が暗くなった。
「ロ、ロウ殿、これは死の呪文です──。ノルズには、なにかをきっかけに、全身に毒が充満するように、身体を改造されていたようです。早くノルズから離れて──。さもないと、ロウ殿にも毒が──」
スクルズが声が聞こえた。
死の呪文──?
そんな馬鹿な……。
口に出そうとした。
だが、なぜか言葉が発せられなかった。
洩れたのは咳のような息だった。
そして、その息さえも満足にできなくなった。
死──?
死ぬのか──?
自分の身体に、なにかのきっかけで死に瀕するような刻みが与えられていた……?
そんな……。
だが、それは確かのようだ。
自分は死にかけている……。
それをはっきりとノルズは悟った。
「ええっ?」
ロウが驚いたようにノルズから離れるのがわかった。
ロウの怒張が抜かれる。
そして、たったいままでノルズを犯していたロウがノルズの身体を放り出したことで、ノルズは地面に投げ出されるかたちになった。
薄暗い視界が歪んだ。
歪んだ視界の中に、心配そうにノルズを見下ろすロウの顔があった。
だが、それはすぐに消えた。
まるで闇夜に引き込まれたかのように、ますますなにも見えなくなった。
それにしても、なぜ死の呪文など……?
なにが起きているのか……?
ノルズは懸命に記憶を探った。
まさか、パリスがノルズに……?
だが、そうであるのだと思うしかなかった。
ノルズを「同志」と呼んで、覇道の成就に協力させることにした彼らは、ノルズに危険な任務を遂行させながら、一方で容赦なく切る捨てることも考えていたのだ。
つまり、任務に失敗した場合は、ノルズの命が失われるように、あらかじめ細工をしていたのだろう。
そう考えるしかない。
おそらく、死の呪文の発動のきっかけは、他者への屈服──。
間違いないと思う……。
ロウに抱かれたとき、なぜかノルズはロウに対する強い思慕の感情に襲われた。あるいは、それはこの得体の知れない力を持つ男の特殊な能力なのかもしれないが、ノルズは、あの一瞬、「同志」のことよりも、ロウのことを想った。
ノルズは紛れもなく、このロウに対して逆らえないという強い屈服の気持ちに襲われ、ロウに訊ねられるままに、口にしてはならなかったはずの質問に答えようとした。
その瞬間に、異常な身体の変調に襲われた。
理由はわかった。
だが、愕然とした。
ノルズは、「同志」のために、全身全霊を尽くしていたつもりだ。
それは、任務に失敗したからには、死も免れないのかもしれない。
だが、命をかけた任務に送り出す「同志」に対して、あらかじめ勝手に「死の呪文」を刻むなど、まるで道具に対する扱いではないか……。
立場と身分は違えど、志が同じである限り、同志は同志──。
彼らはそう言った。
だから、ノルズは裏切ってはならぬ者たちを裏切ってまで、彼らの野望に尽くそうとしたのに……。
だが、彼らにとって、ノルズは単なる道具……。
同志などではない……。
道具……。
死ぬ……。
人としてではなく……。
役に立たなかった道具として……。
死……。
死ぬんだ……。
そう思った。
ノルズは諦めの境地に達した。
「ノルズ、死ぬな──」
そのとき、ふわりと誰かに再び抱き起されたのがわかった。
誰──?
確かめようとしたが、相変わらず目の前が暗くてわからない。
「危険です、ロウ殿──。ノルズの身体には死の呪文により、毒が急速に蔓延しています。そんなことをすれば、ロウ殿にも毒がうつる危険が……」
スクルズ?
喋っているのはスクルズ……?
そして、抱いているのは……?
「わかっている──。だが、俺にはノルズに刻まれているのがなんであろうと、それを打ち消して、俺の支配に陥らせる力があるんだ。俺の支配が強くなれば、多分、ノルズを覆っている別の支配は取り払える。死の呪文だって、ある意味では支配魔道だろう──」
ロウが叫んだのが聞こえた。
ロウ──?
いま、ノルズを抱いているはロウ……?
ロウはなにをしようと……?
「あっ、ああっ」
声が出た。
いきなり、固いものに股間を貫かれたのだ。
そして、うねる情感と喜悦に飲み込まれた。
ロウ──。
この快感はロウ……。
確信した。
男に抱かれるのは初めてだったが、この途方もない快感を瞬時にノルズに与えることができる者など、ロウ以外にあり得ない。
しかし、なんでロウが……?
そんなことをすれば、ロウが危険に違いない。
さっき、スクルズが言った。
死の呪文による毒が身体に回っているノルズを抱けば、ロウに死が及ぶかもしれないと……。
ロウが死ぬ。
この男が何をしようとしているか判然としないが、ロウが死ぬなど許せない。
ノルズ自身の死よりも、ロウが死ぬということに対して、大きな憤怒の感情がノルズを包み込んだ。
駄目だ……。
そんなことはさせられない。
そんなことは……。
「ロ、ロウ……駄目……あ、あなたが……ああっ」
ノルズは最後の力を振り絞るようにして言葉を口にした。
「そうだ。戻って来い──。俺の支配をもっと受け入れろ。進んで受け入れるんだ。それで支配が強まる。多分、死から免れる──」
ロウが言った。
そのあいだも、ロウの怒張はノルズを犯し続けている。
この世の最期にロウに抱かれて死ぬのか……。
それも悪くない……。
そう思った。
だが、ロウが……。
「戻れ。戻って来い」
ロウがまた叫んだ。
熱い精の迸りを子宮に感じた。
「ああっ、あああっ」
強い声が口から迸った。
なぜか、少しだけ、力が身体に戻った気がする。
「また、出すぞ──。受け入れろ。俺の性奴隷になるんだ。いまだけでいい。それを受け入れるんだ」
精を放ったばかりのはずのロウがなおも激しく、ノルズを抱き続ける。
性奴隷──。
ロウの──。
屈辱的な言葉のはずなのに、なぜか少しもそれを嫌悪するようなものとは感じなかった。
それよりも、説明のしようのない妖しい魂の揺らめき──。
それを自分自身の中に感じる。
ロウの性奴隷……。
悪くない……。
いや、まったく悪くない……。
「せ、性……奴隷……。悪く……ない……まったく……悪く……ない……」
「そうだ──。俺をもっと受け入れろ。死の呪文を跳ね返せる──」
ロウが律動を続けながら言った。
そのあいだにも、ロウは次々にノルズに精を放っている。
信じられないようなことだが、ロウは数擦りで射精をし、休むことなく律動し、また射精をするということを繰り返している。
何回連続で出すんだ?
男のことは、よくは知らないけど、こんなに続けて出せるもの?
とにかく、次々に子宮に精が与えられる。あまりの量に、ぷっくらと下腹部が膨らむほど……。
ロウの心が少しずつノルズの心に入ってくるのを感じる。
その都度、ノルズの全身に力がだんだんと漲る。
受け入れる……。
ノルズはそう口にしようとした。
そのとき、突然に目の前が明るくなった。
ロウ……。
ロウが見えた。
ノルズを抱いていた。
必死の形相だ。
痺れるような喜悦が股間から全身に拡がる。
ロウがあんなにも一生懸命にノルズのことを……。
ノルズを助けようとする理由など、なにひとつないのに…。
ああ、世の中には、こんな男もいたのか……。
大して未練のない人生だったが、こんな男もいることを知れてよかったかもしれない……。
この男の性奴隷か……。
悪くないな……。少なくとも、人としての扱いだろう。道具じゃないな。たかが道具に命をかける男はいない……。
ロウの奴隷になると決心したとき、なにもかも新しくなった感じになった。
性奴隷になる。
ロウに支配されよう……。
そうすると、この快美感は、どんな風に、さらなる濃密な深淵を見せるだろうか……?
ロウの性奴隷になるのだ……。
ロウの支配を受けるのだ。
ロウを受け入れるのだ。
凄まじい力がノルズを包み込む。
圧倒的なものがノルズを席巻する──。
「きゃああああ──」
なぜかノルズは悲鳴をあげていた。
急激に途方もない快感が襲った。
昇り詰めるという言葉ではとても表現できない。
快感の刃が──。
ノルズを……。
襲った……。
気持ちよさが頂点に達し……。
木っ端微塵に弾け……。
粉々になる……。
苛烈な喜悦の炎に……。
包まれる……。
目の前が白くなる……。
どうやら、気を失おうとしているようだ……。
だが、それは死などではない……。
もっと……。
もっと。
*
「ふうっ……」
一郎はすっかりと脱力したノルズの身体から手を離すと、貫いたままだった肉棒を抜いた。
性器を抜くと、ノルズの股間から夥しい白濁液が一緒に垂れ流れてきた。
無理もない……。
短い時間でノルズを強い支配に陥らせるために、まるで機関銃のように精を放ちまくった。
さすがに疲れた。
だが、これで大丈夫だ。
ノルズの心に完全にロウの支配が刻み込まれた。
それを感じる。
その結果として、それ以前にノルズの心にあったほかの支配は、すべて消失した。
死の呪文という「呪い」も同様だ。
それ以前にあった他者の「支配」を退けさせて、そこに一郎の「支配」を新たに置く──。
それにより、ノルズに刻まれていた死の呪文を打ち払う……。
とっさの機転だったが、うまくいったようだ。
一郎はノルズを見た。
ノルズは度の越した快感で意識を失っただけだ。
息は止まっていない。
安心した。
「な、なんてことを──」
そのとき、突然に誰かに強い力で身体を揺らぶられた。
「スクルズ様が毒がうつるかもしれないから危険とおっしゃったのに、なんであんなことをしたのですか、ロウ様──? ねえ、お身体に変調は? どこか痛いところは? 苦しくはないですか──?」
一郎の身体を強く引き寄せながら、まさぐるようにあちこちを触ってきたのは、素っ裸のエリカだ。
「そ、そうだ、ロウ──。エリカの言うとおりだ。なんで、ノルズを助けようとしたのだ──? あいつはコゼたちをひどい目に遭わせた女なのだぞ」
「そうですよ、ご主人様。どうせ、王軍に突き出せば、死罪は免れない女なのです。さっきのように、命を危険にしてまで助ける価値などあったのですか?」
シャングリアとコゼも迫ってきた。
エリカだけではなく、このふたりも怒っているようだ。
「わっ、ま、待てよ。服を整えるから……」
一郎は慌てて言った。
いまだ、ズボンをおろして下半身をむき出しにしたままだったのだ。
あまりにもみっともない。
「と、とにかく、落ち着けよ……。まあ、なんでと言われてもなあ……。とっさのことだったから……。つい、夢中になって……」
一郎はぶつぶつと言った。
どうしてノルズを救おうとしたかなど、一郎にもわからない。
ただ、スクルズがノルズには死の呪文が刻まれていたと口にした。
そのとき、なぜか、一郎には、どうすればノルズを助けられるかという知恵が突然に沸いたのだ。
急にその唯一の方法が思い浮かんだ。
あとは夢中だった。
目の前に死のうとしている女がいた。
そして、一郎には、それを防ぐ方法がわかった。
だから、それをした。
それだけだ。
「……大丈夫です。ロウ様には、どこにも異常は見られません。それとノルズにも……」
そのとき、スクルズがそばに寄ってきて言った。
スクルズはうっとりとした視線を一郎に向けている。
表情に一郎に対する感嘆の気持ちがあふれていた。
「そうだ。わたしにも、ロウ殿が問題ないというのはわかる。どんな力を遣ったのかはわからないが、ロウ殿は凄いのだな……。それと、ノルズを救ってくれてありがとう……。こんな女でも、かつてはわたしたちの親友だったのだ。救えるものなら救いたい。この通りだ……。感謝する」
そして、ベルズも一郎の前までやってきて頭を下げた。
「本当です。ありがとうございました」
スクルズもベルズに倣って頭をさげる。
一郎には、頭を下げる美人巫女ふたりに、一郎に対する強い畏敬の念がこもっているのがわかった。
スクルズ、ベルズといえば、本来で言えば、一介の冒険者である一郎には、まともに会話することも許されない身分の高い巫女だ。
そして、とびきりの美女だ。
そのふたりに、こんな風に接されるのは、悪い気分ではない。
「まあ、助かってよかったです……。ノルズは、罪は償うべきなのかもしれないが、あなた方もノルズには訊きたいことも、言いたいこともあるのでしょう。死ぬのは、それが終わってからでも遅くない」
一郎は言った。
「よ、よくなどありません──。いまのは許せない行為です。ロウ様に万が一のことがあったら、わたしたちは、どうすればよかったのです。死の呪文など、スクルズ様にも、ベルズ様にも手が負えないに違いないのですよ。死んで当然の敵を救うために、危ない真似をするなど──。わたしには絶対に許せません」
エリカが再び怒鳴った。
とにかく、びっくりするような権幕だ。
ロウはたじろいでしまった。
「わっ、わっ……。まあ、落ち着けよ、エリカ……。とにかく、屋敷に戻ろう、みんな……。じゃあ、スクルズ殿、俺たちを送ってください。とりあえず、ノルズの身は預けます。まだ、呪いの刻みの影響も出るかもしれないし、しっかりと観察した方がいいでしょう……。それと、ノルズにはまだ、問いたださないとならないことがあるので、逃がさないでくださいね──。それまでは王軍にも引き渡さないでください……。さあ、エリカ、屋敷に戻るぞ──。しっかりと可愛がってやるからな。とりあえず、戻ろう。なっ?」
一郎はなだめるように言った。
「誤魔化されませんからね──。わたしは怒っているんです──。ノルズを助けるのは結構ですけど、ご自分の命を危険に晒すなど……」
しかし、素っ裸のエリカがさらに一郎に詰め寄ってきた。
一郎は面倒になり、目の前のエリカの裸身に手を伸ばすと、股間の亀裂と背中の筋をすっと同時になぞりおろした。
「ひゃん」
すると、エリカが甲高い悲鳴をあげて、その場に座り込んだ。