※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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96  筆頭巫女の性奴隷志願

「おはようございます、ご主人様」

 

 まどろみを迎えたとき、柔らかいものが口に当たるのを感じた。

 まだ、夢心地の一郎の口の中に、舌が差し入れられてきたのがわかった。

 そして、その舌が一郎の舌にまとわりつき、唇全体で挟み付けるように吸いあげてくる。

 この積極的な口づけは、甘えん坊のコゼだろう。

 

 一郎は目を開いた。

 果たして、やはり、この朝の挨拶はコゼだった。

 視界を覆っているコゼの黒髪が目に映る。

 

「おはよう、ロウ。次はわたしだ」

 

 コゼが一郎から口を離すと、割り込むようにシャングリアが一郎に抱きついてきた。シャングリアの乳房が一郎の胸に乗り、その唇が一郎の唇に重なる。

 どうやら、今日の朝の挨拶は、コゼ、シャングリア、エリカという順番のようだ。

 四人で重なり合うようにして寝ることがほとんどの日々の中で、いつの間にか三人の女たちの決まり事のようになったのが、この朝の「挨拶」の順番だ。

 三人で誰が最初に一郎に口づけをするかというのを日替わりで決めているらしく、必ず毎日異なった順番で口づけをしてくる。ただ、どういう順番なのか、いつも不規則なので、一郎にもわからない。

 

 一郎は今度は、自分からシャングリアの口の中に舌を差し入れた。

 コゼもそうだったが、シャングリアも完全な素裸だ。

 昨夜は、四人でかなり遅くまで交合を繰り返し、三人の性奴隷たちは、ひとりひとり力尽きるようにして失神していった。

 三人が完全に意識を失って、寝息を立てるのを見届けてから、一郎もこの寝台で三人の裸女を肉布団にするようにして休んだので、一郎も裸だ。

 もっとも、四人どころか、屋敷の一階の奥にあるこの寝室の寝台は十人が同時に寝ても十分な広さのある特別製の寝台だ。

 四人で休んでも、十分に余裕がある。

 

「あ、ああ……」

 

 一郎がシャングリアの口の中に感じる桃色のもやを部分を余すことなく舐めまわしていると、シャングリアが我慢できなくなったかのように声をあげた。

 

「次はエリカだな」

 

 しばらくシャングリアの口腔を舌で愛撫してから、一郎はシャングリアの後ろで遠慮がちに待っているエルフ美女に声をかけた。

 三人の中で一番に感度がよくて、ひとたび抱けば、とても淫乱な反応を示すくせに、なぜかエリカは自分から求めるのは少し苦手のようだ。

 いまも、ふたりが一郎と口づけするのを物欲しそうな顔で、ちょっと距離をあけた感じで見守っていた。

 

「はい」

 

 一郎が声をかけると、エリカの顔がぱっと明るくなる。

 いそいそと裸身を近づけてきて、一郎の顔に顔を重ねた。

 一郎は、エリカとも、たっぷりと口づけを愉しんだ。

 

「さて、今日は、まずはギルドに行くぞ。クエストが成功したことになるのかどうかは、あやふやでわからないけど、一応は事件は解決したし、ミランダに正式に報告しないとな。それから、第三神殿だ。スクルズとベルズがノルズをどう扱うか知らんが、王軍などに身柄を引き渡される前に、あのアスカとの関係を聞き出さないといかんし」

 

 三人との「挨拶」が終わると、一郎は寝そべったままで、座った姿勢で一郎を取り囲んでいる裸身の三人に言った。

 すると、三人が怪訝な表情になった。

 

「クエストは成功だろう、ロウ。騒動の張本人のノルズは捕らえて無力化した。スクルズ殿とベルズ殿、それから、ウルズ殿の身体に植えつけられていた魔瘴石も取り除いた。魔瘴石を届けたとき、ギルドのミランダもロウを絶賛していたじゃないか。それなのに、成功したかどうかがあやふやとはどういう意味なのだ?」

 

 三人を代表するようなかたちで、シャングリアが疑問を口にした。

 今回の事件の張本人が、あのノルズという三人の幼馴染の女であり、王都で有名な三巫女のウルズ、ベルズ、スクルズは、ノルズによって魔瘴石を身体に挿入されて、脅迫されていたのだという「真相」は、すでに、昨日のうちにギルドに報告している。

 ノルズに捕らえられたエリカとコゼを救出に向かう直前のことであり、三人から取り除いた魔瘴石についても、そのときにギルドに渡した。

 

 ギルドのミランダは、すぐに対処してくれた。

 その結果、ギルドからの通報を受けた王軍が動き、三個の神殿には、次々に王軍の手入れが入った。

 ウルズの「証言」により、リーナスがノルズの手の者と発覚したことで、まずはリーナスを捕らえ、次いで、そのリーナスに後遺症が残るほどの強力な自白剤で仲間を喋らせ、それを次々に捕縛したのだ。

 これにより、王都がいつの間にか大きな危機に瀕していたというのが明らかになり、同時に、その危機が回避されたということにもなった。

 功績が大きすぎることは少し気になるが、ともかく、その功績は一郎たちのパーティによるものだ。

 

 ついでに、もうひとつの一郎の「処置」も成功したようだ。

 ノルズとともに、もうひとりの騒動の張本人の第一神殿のウルズには、「男狂い」の醜聞を負ってしまったスクルズの名誉を回復するために一役買ってもらった。あの男漁りをやったのは、実は変身の魔道でスクルズに変身していたウルズの仕業だということにすることにしたのだ。

 

 そのために、ミランダが偽情報を徹底的に王都に流すことになっている。世論操作は冒険者ギルドを統括するミランダの得意分野らしい。ミランダは自信を持った様子で引き受けてくれた。

 スクルズの醜聞を知るものは、それほど多くなかったようだが、それも、早晩、あれはウルズが変身してやった男漁りということに落ち着くはずだ。

 悪いが、ウルズにはスクルズの醜聞打ち消しにひと役買ってもらう。

 

 とにかく、すでにミランダの情報操作は始まっている。

 王都の市民にとっては、三大神殿に王軍の手入れがあったことよりも、ウルズが実は「色狂い」だったというのが、大きな話題になったようだ。

 それは、夜になって、事件の顛末を知らせてきたミランダからの伝言の手紙で知った。

 それによれば、市民の中では、スクルズについては、ただウルズを救うために「真相」を黙っていただけであり、最初の破廉恥な事件も、本当はウルズのやったことだという結論になってくれつつあるようだ。

 

 あのとき、神殿と王軍で問題となった、スクルズが身に着けていた瘴気のこもった淫具の存在についても問題はない。

 そもそも、それについては市民はよくは知らないし、事件がある程度の内密で終わった以上、権威を保持したい神殿側と王軍とのあいだで、適当な辻褄合わせが行われることになるだろう。

 

 まあ、それはもはや、一郎には大きな興味はない。

 スクルズの代わりに、「汚れた女」の醜聞を担うことになったウルズには悪いが、そもそもノルズを神殿に引き入れてしまったのは、ウルズ自身にも責任があることであるようだし、このくらいの「お仕置き」は仕方がないだろう。

 いずれにしても、すべてがうまく処理できた。

 それにも関わらず、一郎がクエストの成功がしたのかどうかわからないと主張したことで、三人は、一郎の言葉に疑問の表情を浮かべたのだ。

 

「忘れたのか、シャングリア。俺たちのクエストは、王都に迫っていた危険を回避することじゃなかったんだぞ。ウルズ殿とベルズ殿を助けることであり、依頼人はスクルズ殿だ。それなのに、ウルズ殿はあの調子だ。それでクエスト解決とみなせると思うか?」

 

 一郎は言った。

 すると、三人がはっとした顔になった。

 あのウルズについては、無理矢理に魔瘴石を剥がした後遺症により、幼児返りしてしまって、命令には背かないが、自分からなにかを他人に告げるということができないような状態になっている。

 まるで、大人の美女に幼女の心を入れたような感じだ。

 まあ、時間が経てば、少しずつ心も回復するだろうとは思うが、一郎の目から見ても、もうウルズは筆頭巫女は続けられないだろうし、当面はどこかにとじ込もってもらうしかない。だから、スクルズの代わりに醜聞を受け持ってもらうことにしたのだ。

 いずれにしても、あのとき焦った。

 幼女のようになってしまい、片言喋りになったウルズから、スクルズとベルズが催眠魔道を使いまくって、やっとのこと、リーナスのことと、粘性生物のウーズのことを聞き出したのだ。

 

 とにかく、スクルズとベルズは、責任をもって、ウルズの面倒を看るとは言っているが、とてもじゃないが、あれでは、「ウルズを助けた」とはみなせないような気がする。

 

「まあ、でも、功績には違いないと思いますよ、ご主人様。しかも、王都の危機を冒険者ギルドが事前に回避したということにもなるはずです。ギルド組織としても、今度のことは大きな組織の手柄になるはずです。きっと特別報酬も出ますよ」

 

 コゼだ。

 

「そうだろうか」

「そうです」

 

 コゼはきっぱりと言った。

 

「……それにしても、ノルズのことは気になりますね。あのアスカ様は、今回のことをどのくらいに知っているのでしょう……?」

 

 そのとき、心配そうな顔になったエリカがぼそりと口にした。

 それについては、一郎も気になることだ。

 

「そうだな。それが一番の問題かもな……。ノルズについては、完全支配に近いくらいに心を制御したから、もはや、俺に不利になるようなことをアスカに知らせることはないとは思うが……」

 

 一郎は言った。

 ノルズの身柄は、昨日については、第三神殿のスクルズが引き取っていった。死の呪文の影響から完全にノルズが逃れられたのかどうか、治癒魔道の能力もあるスクルズが監視する必要があったからだ。

 ともかく、ノルズについては、仕掛けられていた「死の呪文」から助けるために、連続射精という荒業で、かなりの深い精神支配をした。

 アスカに一郎たちの居場所を知らせれば、一郎にとって不幸なことになると知っているノルズが、もはや、アスカに一郎の情報を告げることはないという確信はある。

 

 ただ、問題は、すでにノルズがアスカにそれを告げ終わっているかどうかだ。

 もしも、アスカに、一郎とエリカの居場所が発覚しているのであれば、そのときは、身を隠すための逃避行を再び行わないとならないのかもしれない。

 昨日については、ノルズを訊問する状況ではなかったから、それらのことを今日、確認する必要がある。

 

「……この屋敷も、王都ハロルドの生活も気に入っているんだがな……」

 

「とにかく、ノルズに問いただせばわかるのだろう。くよくよするな、ロウ。旅をすることになっても、それはそれでいい……。いずれにしても、ノルズに訊ねればわかることだ。それに、ノルズが口にした“冥王”のことも訊かないとな。なんで、あんなことを言ったのかは知らないが」

 

 シャングリアが口を挟んだ。

 一郎は頷いた。

 

 「冥王」というのは、伝承の存在であり、かつて、この世界の人族が魔族と対立をしていたとき、人族の世界を征服するために、魔族軍を率いて侵略を企てた魔族の王のことのようだ。

 そのとき、お互いに分裂していた人族は、ロムルスという人間族の英雄のもとに一致団結し、魔族軍の侵略を防ぎ、ロムルスは冥王をその部下の魔族とともに、異世界に封印した。

 この世界では、知らぬ者のいない伝説だ。

 

 そして、ロムルスは、この人族の世界を束ねる最初の皇帝となり、ローム帝国が形成された。

 このハロンドール王国も、北方のエルニア王国も、元はと言えば、そのローム帝国が植民した開拓地だったそうだ。

 

 もっとも、いまでは、そのローム帝国も衰退し、属国扱いだったハロンドールとエルニアは、完全な独立国の体裁となっている。また、皇帝直轄領域だった地域もタリオ、デセオ、カロリックという三公国に分かれ、事実上の独立国となっている状況だ。

 ローム皇帝家は辛うじて、現在でも存在するものの、その末裔の老人がローム皇帝を名乗り、タリオ公国の一部に私領を認められるだけの存在になっているだけらしい。

 

 また、ノルズがもうひとつ口にした“パリス”はもっとわからなかった。

 エリカも、アスカに仕える近習の中に同名の少年がいたが、思い当たることはないという。

 

「そうだな。シャングリアの言うとおりだ。まだ情報がないのに、心配しても仕方がない。それよりも、朝の挨拶の続きをするか。エリカ、背中で腕を組め。淫魔術で離せないようしてやる。俺の性器を舐めろ。お前たちを犯して、そのままだから昨夜から汚れたままだ。舌で掃除しろ」

 

 一郎は言った。

 

「は、はい」

 

 エリカが慌てたように腕を背中に回した。

 一郎はすかさず、淫魔術でエリカの両手を拘束する。

 性奴隷に施す淫魔術の縛りは、縄や革紐で拘束する以上の絶対の緊縛だ。これで、一郎が解除するまで、エリカの腕が自由になることはない。

 

「あっ、エリカだけずるいぞ。わたしもする」

 

 するとシャングリアが自ら両手を背中に回して、不満そうにそう口にした。

 一郎は苦笑しながら、シャングリアの両手も淫魔術で拘束する。

 すぐに、エリカとシャングリアのふたりが、左右から一郎の股間に顔を伏せて、舌を這わせ始めた。

 

「コゼは、俺の身体を洗え。ただし、乳房でな。乳房を布代わりにして、俺の身体に擦りつけて洗うんだ」

 

 一郎は寝台の頭側にあった水差しを手に取ると、自分の胸から腹にかけて水をこぼした。

 そして、コゼについてもエリカとシャングリアと同じように後ろ手に拘束する。

 

「わ、わかりました、ご主人様。では、洗います……」

 

 コゼが真っ赤な顔になり、身体を押し倒して乳首を一郎の胸付近に押しつけてきた。

 すかさず、淫魔術でコゼの乳房の感度を数倍にまであげてやる。

 

「んんんっ」

 

 コゼの身体が弓なりになり、その端正な鼻から震えを帯びた溜息が洩れた。

 

「休むな、コゼ。もっと強く擦るんだ。エリカとシャングリアもな」

 

 一郎は今度はエリカとシャングリアの舌をそれぞれの肉芽の感覚と結びつける。

 

「あああっ」

「はううっ」

 

 たちまちにエリカとシャングリアのふたりも奇声をあげた。

 肉芽の感覚と舌の感覚を繋げられたことで、ふたりにとっては、一郎の怒張を舐めるということが、肉芽そのものを一郎の性器に自ら擦りつけるというのと同じことになったのだ。

 今回の事件が終わったことで、いつの間には一郎の淫魔師レベルは、“75”にまでなった。

 もはや、支配している女の身体を操ることなど、自由自在だ。

 胸で一郎の肌を擦っているコゼとともに、ふたりからも強い雌の香りが漂いだす。

 

「旦那様、お客様です。スクルズ様が屋敷にお越しになりました……。なにか、慌てているようです」

 

 そのとき、屋敷妖精のシルキーの声がした。

 

「スクルズ殿が?」

 

 一郎は訝しんだ。

 巫女の朝が早いというのは知っているが、まだ夜明けくらいの時間だ。他人の家を訪問するには非常識な刻限である。

 なんだろう……?

 

「ここに通せ」

 

 ちょっと考えてから、一郎は姿のないシルキーにそう返した。

 まあ、いいだろう。

 スクルズには、もう一郎の好色はばれてる。

 一郎の言葉に、一郎に奉仕を続けている三人の女たちがびくりと反応する。

 

「お前たちは、そのまま仕事を続けろ。これは絶対の命令だ」

 

 一郎はほくそ笑むと、強い口調でそう言った。

 支配者である淫魔師の命令には、絶対にエリカたちは逆らえない。

 スクルズがここにやってくるというのに、卑猥な奉仕をやめることのできなくなった三人がそれぞれに抵抗の声をあげた。

 特にエリカについては泣き声のようなものを出す。

 しかし、一郎はもう一度、同じことを強い口調で口にした。

 これで、三人は一郎への奉仕を続けるしかない。

 やがて、寝室の扉が外から叩かれた。

 

「どうぞ」

 

 一郎は返事をした。

 扉が開き、屋敷妖精のシルキーとともに、巫女服のスクルズが部屋に入ってきた。

 

「こ、これは」

 

 シルキーはまったく気にも留めていない顔だが、スクルズについては、部屋の中の光景を見て、絶句して立ち止まった。

 無理もない。

 

 寝台に寝そべっている一郎の裸身に、やはり裸身の三人の美女たちが喘ぎ声をあげながらまとわりついているのだ。しかも、ふたりが股間を、もうひとりが乳房で上半身に奉仕をしているという淫靡な光景だ。

 敬虔な巫女であれば、四人の男女がもつれ合う姿というのは、とても想像できないような卑猥な情景だろう。

 まだ、十分に若い女のスクルズは、すぐに顔を真っ赤にした。

 

「スクルズ殿、こっちのことは気にしないでください。それよりも、なにか用事があるのでは?」

 

 一郎はにやりと笑いながら言った。

 男女の恥態を恥ずかしがる高位巫女を眺めるのも愉しいものだ。

 我ながら意地悪で鬼畜とは思うが、どうにも歯止めが効かない。もしかしたら、どんどんと淫魔師レベルがあがり続けていることに関係がある気もするが、一郎は自分の鬼畜と好色の制御が難しくなっているのを自覚している。

 まあ、なんとかしようとも思わないが……。

 

「スクルズ殿」

 

 一郎はまだ呆然と一郎たちの恥態を凝視したままのスクルズに、もう一度声をかけた。

 スクルズがはっとしたように真顔になる。

 

「そ、そうでした。実は……。その、申しわけありません、ロウ殿。ノルズがいなくなってしまいました。しかも、預かっていたギルドの魔道具の変身リングも一緒です」

 

 スクルズがそう言って、がばりと頭を下げた。

 

「いなくなった?」

 

 一郎は驚いて声をあげた。

 淫魔術による命令で奉仕を中断できないエリカたちは、そのままの行為を続けているが、彼女たちもそれぞれに驚くような反応を示した。

 

「夜のあいだに……。探しましたが、神殿にはいません。どうやって逃げ出したのか……。見張りの目をかいくぐって、いつの間にか……。本当に、申しわけありません。しかも、記憶にある人物に好きなように変身のできる変身の魔道具を持って逃げたとあっては、どうやって探していいか……。本当に面目ないことです」

 

 スクルズが本当に申しわけなさそうな口調で言った。

 一郎は嘆息した。

 ノルズはスクルズの幼馴染だ。

 王軍に引き渡されて処刑されるくらいならと、故意にスクルズが逃がしたということも考えられるが、スクルズにはそんな気配はない。

 

 まあいい……。

 逃げてしまったものは仕方がないだろう……。

 そう思い直した。

 逃亡されたところで、これからについては、ノルズについては一郎の不利になるようなことはやらないという絶対の自信はある。

 ただ、アスカに一郎たちの居場所が知らされた可能性があることは気になるが、それは成り行きで対処するしかないだろう……。

 よくよく考えれば、ノルズが逃亡しようと、するまいと、それは変えられない事実だ。

 

「……わかりました、スクルズ様。ノルズのことは考えます。お前たち、そういうことらしい」

 

 一郎は淫魔術の縛りを解く。

 破廉恥な行為を強要されていた三人が脱力して座り込んだ。

 

「ロウ様、ノルズが逃亡したなら、もしやアスカ様にここが……」

 

 エリカが息を整えながら、心配そうに言った。

 しかし、一郎は首を横に振り、ノルズが逃げ出したのは、処刑されたくないからだろうが、一郎を裏切ることはないと断言した。

 エリカだけでなく、ほかのふたりも不審な表情になったが、一郎がもう一度問題はないと強く言うと、それ以上はもうなにも言わなくなった。

 

「とりあえず、状況はわかりました、スクルズ殿。もう、いいですよ」

 

 一郎は言った。

 すると、スクルズが顔を赤くして、もじもじと落ち着かない仕草を始めた。なにか言いたいことがありそうだ。

 一郎は首を捻った。

 

「どうかしましたか、スクルズ殿?」

 

「そ、そのう……。そのですね、ロウ様……。つ、つまり、わ、わたしとしては、ノルズを逃がしてしまったことを大変申し訳なく思ってます……。やはり、ば、罰を受けるべきかと……。あ、後で都合のよいときに罰を受けに参ります。だから、それを……」

 

 スクルズが真っ赤な顔のまま、おずおずと言った。

 一郎は少しびっくりしたが、どうやら、スクルズは一郎に罰せられたいみたいだ。

 あれから、スクルズたちへの淫魔術の縛りは解除してもないが、強くもしてない。

 スクルズの申し出は、完全にスクルズの自由意思によるものだ。

 

「えっ、罰か?」

 

 シャングリアは声をあげた。

 

「はあ? なに、この巫女様。ノルズを逃がしたうえに、ご主人様のお情けもらいたいの?」

 

 コゼなど遠慮のない口調で口を挟んできた。

 一郎は苦笑した。

 

「やめなさいよ、コゼ。失礼よ……」

 

 エリカがたしなめたが、ちらりとスクルズを見ている。なんだか、ちょっと心配そうな表情だ。

 いずれにしても、一郎は思わずにんまりしてしまった。

 最初にも感じたが、実はこのスクルズは結構好色かもしれない。

 外見は清楚で美しく、まったくそのようには見えないのだが……。

 

「なるほど、それもそうですね。確かに、責任を果たせなかった巫女様には罰が必要でしょう。だったら、すぐに服を脱いでもらいましょうか。そこでどうぞ」

 

「すぐ? あっ、ここで、いま? いえ、は、はい。も、もちろん、すぐに……」

 

 スクルズは最初面食らったようになったが、すぐに破顔した。

 とても嬉しそうだ。

 一郎もちょっと笑ってしまった。

 

「俺たちの秘密を知っているノルズを逃がしてしまった無能の巫女様には、まずは俺の足の指でも舐めてもらいましょう。素っ裸になって、寝台にあがってくるのです。みんなも再開だ。朝食前に一発ずつだ」

 

 一郎は笑った。

 地位も権力も、実力もある第三神殿の筆頭巫女のスクルズに、一郎の足の指を舐めさせる。

 考えれば、なかなかに鬼畜な仕打ちだ。

 想像しただけで、一郎の一物はますます固さを増す気がした。

 

「は、はい」

 

 スクルズは、戸惑いの表情を示すことなく、すぐに、その場で巫女服を脱ぎ始める。

 背後に立っているシルキーが、当然のようにスクルズの服を回収していく。

 また、三人娘は奉仕を再開した。

 今度は淫魔術による強要はないが、気のせいか、心なしか熱がさっきよりも入ったような気もする。

 

「シルキーはスクルズ殿の服を片付けたら、いつもの調教用の痒み剤の壺をもって来い……。スクルズ殿、ちょっとつらい責めになりますよ。だけど、決して抵抗してはいけませんよ。それは罰なんですから」

 

「は、はい。ロウ殿の気の済むようにおなぶりください。どうかよろしくお願いします」

 

 すでに最後の一枚になっているスクルズが、その一枚を腰からおろしながら言った。

 

 しかし、そのスクルズの顔に、なにかに期待するような妖艶な笑みが浮かんでいることに気づいて、一郎はふとほくそ笑んでしまった。

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