【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
963 戻ってきた女冒険者
マイムの城郭は、王都ハロルドの副都市とも呼ばれていて、王都とは徒歩で半日、騎馬なら数ノスの距離だ。
王都に向けたシズたちの旅も、ほぼ終わりである。
ここまでくれば、王都は目と鼻の先だし、追跡の心配はないと思う。ハロンドール王国内だからといって油断はできないものの、ここまでくればさすがにもう安全圏だ。
しかし、ここまで大変だった。
万が一にも、同行者のことを知られるわけにはいかないし、ちょっとでも情報が洩れれば、タリオ公国──いまは、新ローム帝国らしいが──、帝国は国境を越えようとなにしようと、必ず大規模な追っ手を送り込むことは予想された。
だから、絶対に情報が洩れないということを重視して、ここまで旅をしてきたのである。
なにしろ、ここまで連れ来てたのは、カロリック公国の少女大公だったロクサーヌなのだ。
すでにカロリック公国はタリオに併合されて、公国はなくなっているが、公都失陥の直前にロクサーヌは公国を見捨てて逃亡し、行方不明になっていた。
しかし、カロリックの公都近くの娼館で偶然にロクサーヌとその獣人戦士のルカリナと出会ったシズたちは、縁があり彼女をここまで護衛して連れてくることになり、やっと王都近くまで辿り着いたというわけだ。
逃亡した元カロリック大公のロクサーヌのことを、新ローム帝国となったタリオ公国は、最重要手配者として、信じられないような賞金をかけて探しており、そのロクサーヌをここまで無事に連れてくるのは、片時も気を緩めることができない苦労だった。
いずれにしても、ここまでくれば、もう安心だと判断して、シズとゼノビアは、マイムの冒険者ギルドを通じて、王都のミランダに連絡をした。
カロリックからの逃避行を開始してから、ギルドに連絡をしたのも初めてだ。
万が一にも、情報が洩れることを懸念して、用心に用心を重ねていたのである。
それに対して、王都の冒険者ギルドからの返事は、マイムの城郭で待てということだった。
シズたちは、マイムの冒険者ギルドに紹介してもらった中級規模の宿屋に移動して、そこで待機することにした。
冒険者ギルドの息のかかった宿屋であり、安全は保障されるということだったので、シズたちは久しぶりに緊張感を緩めて休めることに安堵した。
「へえ、ここがギルド紹介の宿屋なのね。結構小奇麗な場所じゃないの」
宿屋は商人用の体裁を整えた建物だった。一階は食堂になっていて、二階と三階が宿泊用の部屋になっているらしい。
ゼノビアが宿屋と部屋の交渉をしているあいだ、シズは同行のロクサーヌと彼女の護衛のルカリナという獣人戦士とともに離れて待っていたが、宿屋の周りの雰囲気も穏やかでありながら、感じのよさそうな商店や食べ物やがある賑やかさもあり、シズはちょっと嬉しくなった。
もっとも、マイムの城郭そのものは、かなり騒然としていた。
耳にしたところ、数日前にマイムの神殿に王軍の捕縛隊が入ったということであり、しかも、神殿の地下で闇奴隷集めをしていたことがわかったらしく、城郭の民衆はまだ動揺しているみたいだ。
しかも、それを取り締まらせたのは、あのロウということだ。
ただし、市民は、かなりそのロウに好意的であり、一方でこの城郭に限れば、神殿への信頼は最低になっている。
しかし、シズとしては、とにかく、あのロウには可能な限り関わりたくないので、ロウ関係の事件だと知ったところで、もう情報を得ることを避けている。だから、それ以上のことはわからない。
「お待たせえ」
ゼノビアは鍵を二つ持って戻ってきて、そのうちのひとつを獣人のルカリナに渡した。
なお、ルカリナはシズたちと同じ冒険者のいでたちをしていて、ロクサーヌについては、三人の冒険者パーティに雇われた雑役婦の格好をしている。身なりも四人の中では一番質素で、顔の半分には火傷の偽装もしている。
「部屋は三階に二部屋とった。ひとつは、あたしとシズで使うから、もうひと部屋はルカリナたちだ。部屋には、厠もあれば、身体を洗える魔道設備も備わっているそうだ。食事は宿屋に言ってあるので、ここに滞在しているあいだは、好きなものを注文して部屋まで運ばせるといい」
ゼノビアがロクサーヌたちに言った。
「わ、わかり、ました」
ルカリナが頷く。
あまり喋るのは得意ではないらしく、いまでも会話はたどたどしい。
すると、ゼノビアがさらに距離を詰めて、宿屋の者に聞こえないように声を潜める。
「……それと、酒でも何でも好きなものを注文していいけど、できるだけ部屋から出ないようにしてください。どうしても必要なものがあれば、隣室にあたしらがいるので声をかけてくれれば、買いに行きます」
ゼノビアはロクサーヌたちに言った。
「なにからなにまで感謝します。それと、これからのことよろしくお願いします」
すると、ロクサーヌが頭をさげた。
この逃亡大公であるロクサーヌの希望はハロンドール王国への亡命だ。
もちろん、それについて、シズたちはミランダを通じて、王家に彼女の存在と要望を伝えるだけであり、それを王都にいるはずのミランダが王家に告げれば、事実上のシズたちの任務は終わる。
もっとも、本来のクエストは、偽者と入れ替わるために、誘拐されて娼館に売り飛ばされたテレーズ女伯爵とその娘の令嬢を探すことだったのだ。だが紆余曲折あり、女伯爵たちは連れ帰れず、その代わりに、目の前の逃亡大公を護衛して連れてくることになったのである。
これだけの重要人物を連れて戻ったのだから、もともとのクエストについては失敗扱いにはしないように、ゼノビアとともに交渉はするつもりである。
「なあに、路銀については世話になりましたし、持ちつ持たれつですよ。よければ、さっきの話ですけど、夕食の注文と運搬の依頼もあたしでやっときましょうか?」
「あっ、はい。なら、お願いします」
「じゃあ、お任せを。二ノス後くらいに持ってこさせます。とにかく、あとは王都からの連絡待ちになります。もしかしたら、数日はかかるかもしれません」
「わかりました。よろしくお願いします」
「了解──」
ゼノビアが元気に返事をする。
そして、ロクサーヌとルカリナは、ゼノビアに促されて、先に三階にあがっていった。
だが、随分とゼノビアは上機嫌そうだ。
「なにか嬉しいことがあったの、ゼノビア?」
二人だけになったところで、シズはゼノビアに言った。
「マイムの冒険者ギルドから、とりあえず、ミランダに連絡が通じたんだけど、ここでの支払いは、全部ギルド持ちだそうだ。酒も食事も、飲み放題、食い放題だって。さすがに、通信魔具を使った連絡なんで、細かいやり取りはできなかったけど、この待遇なら、クエスト失敗扱いにはならないさ。よかったよ」
すると、ゼノビアがにこにこ顔で応じた。
なるほど、それで機嫌がよかったのだと悟った。とりあえず、シズもほっとした。
「本当? なら、しばらく連絡が来ないくらいで丁度いいわ。うんと、対応にもめてくれないかしら。野宿も多かったし、久しぶりにふわふわの寝台でゆっくりと寝れるわね」
シズは笑った。
すると、ゼノビアは意味ありげに微笑む。
「ゆっくりと寝れる?」
そして、いきなりシズの胸を服の上から右の乳房を握りしめてきたのだ。
「んふっ」
びっくりして悲鳴をあげそうになったが、必死に声を呑み込む。
だが、一階部分の食堂の壁際で、シズたちの近くに誰もいないとはいえ、同じ一階に宿屋の者もいるし、早めの夕食をとるためにすでに食事をしている者も数名いる。
ゼノビアの身体でやや隠れているものの、こっちに視線を向ければ、おかしなことをしているのは、彼らには丸わかりだろう。
さすがに、シズはゼノビアの不穏な手をどけようとした。
「えっ、なに? シズはあたしに逆らおうとしているのかなあ? そんなことしていいのかなあ?」
ゼノビアがシズの胸を揉み続けながら言った。
それは、完全に嗜虐の情欲に火がついたときのゼノビアの物言いだった。
どきりとした。
そして、抵抗の手が途中でとまる。
こうなってしまったら、シズはもうゼノビアに逆らうことができないようにすっかりと躾けられてしまっているのた。
抵抗しようと一度あげかけた手を再び身体の横に垂らしてしまう。
「ふふ、いい子ね。それで、さっきの話……。ゆっくり寝れるなんて、とんでもないよ……。多分、まんじりともできないと思うわ」
ゼノビアがシズの乳房を持ったまま、身体を抱くようにして、二階にあがる階段の横に連れていく。
ほかの場所とは死角になった場所だ。
すると、今度は手をシズのスカートの中に入れてきた。
しかも、下着の横から指を入れてきて、シズの股間を軽く撫で始めてきた。
「あんっ」
鼻から抜けるような息を洩らして、シズはがくんと膝を折りかけた。
こんなところでとは思うのだが、緊張感のある旅をしてきたことによる反動もあるだろうし、ゼノビアからすれば、別にシズとゼノビアの関係がここで暴露したところで、どうということはないと思っているのかもしれない。
いつになく、ゼノビアは大胆だ。
「あれ? 声を出していいの? 恥ずかしくないのな、あたしのシズは?」
ゼノビアが愛撫を続けながらシズの耳元でささやく。
シズは、必死に声を押し殺した。
「……お、お姉さま……。こ、ここでは……」
シズは身体を固くして必死に哀願した。
だが、すっかりとゼノビアに調教されてしまっているシズの身体は、ゼノビアの愛撫であっという間に反応をさせてしまった。
また、他人のいる場所で隠れて股間を愛撫される恥ずかしさとは裏腹に、シズは抑えきれない情欲をすっかり目覚めさせしまう。
ゼノビアの指がシズの股間をさらに激しく出たり入ったりする。もしかしたら、指になにかを塗っているのかもしれない。
とにかく、なんの抵抗もなく奥の奥まで指に侵入を許してしまっている。
ねちゃねちゃと水音をさせつつ、ゼノビアの淫らな指の刺激が続く。
「んふうっ」
そして、大きな甘美感が突き抜けた。
この旅のあいだ、ロクサーヌたちと離れて宿屋の部屋を取ったこともない。当然に、ゼノビアからのシズの責めも久しぶりだ。
それもあり、シズはちょっと敏感になりすぎている自分の身体を感じていた。
「じゃあ、やめてあげるわ」
ゼノビアが小さく笑いながらシズの股間から指を抜く。
ほっとした。
「えっ?」
だが、すぐに指が再び入ってきた。しかも、なにか小さくで丸みを感じる異物を奥まで押し込まれたと思った。
その異物を残して、ゼノビアの指が出ていった。
抱きつかれていたゼノビアの手も完全に離れる。
「あっ、なに……? あんっ」
当惑したシズがゼノビアに声を掛けようとしたところで、いきなりその異物がシズの股間の中で激しく振動を始めたのだ。
「うんっ」
思わず全身がよろけそうになる。
シズは声が出ないように懸命に歯を噛みしめた。
だが、なんだかおかしい。
あまりにも感覚が鋭すぎる。
「お、お姉さま……」
シズはゼノビアを見る。
すると、ゼノビアがまたもやシズの耳元に口を寄せた。
「ふふ、もう効いてきた? 結構強い媚薬だしね。それと、だんだん痒くなるわよ……。じゃあ、一緒に来て。ロクサーヌ様たちの食事を頼みにいかなきゃ」
ゼノビアが愉しそうに笑って、シズの肩を押して、宿屋の者のいる場所に誘導していった。
シズの股間で淫具を激しく振動させたまま……。