【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「わっ、お客様、どうされました?」
女店員が慌てたようにゼノビアに手を伸ばしてきた。
ゼノビアはがくりと膝を折ったものの、慌てて背筋を伸ばして平静を装う。
ロウが、ゼノビアが店の外に出ようとするのを狙って、股間に挿入されているディルドを振動させたのは間違いない。
しかし、その当人は、ゼノビアを置いて、さっさと店の外に出てしまっている。
その意地悪さに、腹が煮える。
「な、なんでもないよ──」
ゼノビアは店員を振り払って、急いで店の外に出た。
そのあいだも、ずっと股間に挿入されているディルドの振動は続いている。
「い、悪戯はやめろよ」
外でにやにやしながら待っていたロウに、ゼノビアは噛みついた。
「だが、時々動かさないと、痒みで耐えられないだろう。かなり効いていると思うけどね。そんなに汗びっしょりじゃないか」
「く、くだらないものを嵌めさせるからだろう。しかも、えげつない媚薬まで塗りやがって……。さっさと外してくれればいいんだよ」
「まあ、そう言うな。外すのは夜だ。それまでは嵌めっぱなしだから、動かさないと狂ってしまうぞ。言っておくけど、その革帯は特別製で、外からの刺激を内側に伝えない術が練り込んである。うちの魔道師に作らせたものだ。嘘だと思うなら自慰でもなんでもしてみろ」
「お、お前たち、本当にくだらないものを……。と、とにかく、とめてくれよ」
「わかったよ」
すると、やっと股間の振動がとまった。
ゼノビアは一気に脱力してしまった。
「じゃあ、行くか」
「どこにだよ?」
「デートだろ。さっきの衣料品の店が気に入らないなら、次の衣料品店に行くだけだ」
「い、いらない。女の服なんて着ない。あたしは冒険者だ。宿屋暮らしだし、貰っても邪魔になるだけだ」
「そうかあ。なら、あれにするか。シズとゼノビアがもっと仲良くなれるものだ。多分、喜んでくれるだろうしね」
「あれってなんだよ?」
「あれはあれだ」
ロウが惚ける。
ゼノビアは舌打ちした。
「お、お前のことだから、さぞや、くだらないものなんだろうねえ?」
「まあ、お愉しみだ。だったら適当に歩くか。いずれにしても、ほかに欲しいものがあれば、声をかけてくれ。デートの記念にそれも贈っていい」
「いらないよ。あたしたちは、極力、あんたたちに関わりたくないんだ。あんたらの淫靡な性遊びに巻き込まないでくれ」
「そう言うなよ。腕を組むか?」
「いらないよ──」
ゼノビアはロウがお道化たように腕を出したのを手で払った。
「そうか? 脚が震えているぞ。ちゃんと歩けるか?」
「お、お前のせいだろう──」
ゼノビアはロウを睨みつけた。
ロウの指摘のとおり、ゼノビアの脚はいつの間にか、耐えきれない苦悶によって、震えがとまらないようになってしまっていた。
ディルドを挿入されている股間やアナル、そして、乳首が痒くて痒くて堪らないのだ。
さっきまでは、まだ平静を装うほどには我慢できた。
しかし、店の中で動かされたことで、股間だけとはいえ一瞬痒みが癒された。
すると、刺激が停止すると、今度は桁違いの痒みが襲い掛かってきたのである。
意識すると、もうだめだ。
あまりもの痒さで、ゼノビアは無意識のうちに股間を小刻みに擦り合わせてしまっていた。
「まあいい。じゃあ、ついて来い」
「くっ」
とにかく、歩き出したロウについていく。
懸命に表情をつくろい、通りの雑踏の中に身を進める。
しかし、そのロウはどこに行くというわけでもなく、ゆっくりと商店の並ぶ通りを歩いていく。
そして、ときおり立ち止まっては、店の外から中を覗いたと思うと、また歩き出したり、あるいは、思い出したように引き返しては、また戻ったりもする。
ゼノビアへのいやがらせにほかならないが、限界を越えた掻痒の苦悶に陥っているゼノビアにとっては、目的を知らされないこの散策は、地獄のようなものだった。
「あっ」
やがて、ロウが何度目かの方向変換をしたとき、ゼノビアはついていけなくて、体勢を崩しそうになってしまった。
脚が震えて力が入らなかったのだ。
「おっと、大丈夫か?」
転びかけたゼノビアの腕をロウが掴んで支える。
しかし、もう限界だ。
これ以上は、無理だと思った。
「も、もう……許してよ……。ど、どこかで犯して……。それが目的なんだろう……?」
ロウの腕にもたれかかるようにしながら、ゼノビアはロウの耳元でささやいた。
これ以上、街中で翻弄されるくらいなら、犯された方がいい。
「さて、どうかな。さっきも言ったが、その貞操帯を外すのは夜だ。それまでは我慢してもらう。だから、ディルドを動かしてやろうかと言っただろう」
ロウが笑った。
ゼノビアは歯噛みした。
汗びっしょりの顔をあげて、ロウを睨む。
しかし、とてもじゃないが耐えられない。
ゼノビアの身体は、振動による刺激が欲しくてたまらない飢餓状態に陥っている。
「だ、だったら、また路地に……」
「どこに行くかは俺の勝手だ。動かして欲しければ、ここでだ。いやなら、二度と頼むな。何度も繰り返すけど、外すのは夜だ」
ロウが平然と言う。
ゼノビアは悩んだ。
いまいる場所は、かなり賑わっている大通りに面した場所であり、中央の通りはひっきりなしに馬車が往来しているし、歩く者でも賑わっている。
人の歩く通りに突っ立っているゼノビアとロウのことを、さっきから邪魔そうに左右に分かれて人が過ぎていってもいる。
こんなところで、股間を振動されたりすれば、どんな醜態を晒すかわからないが、しかし、それは備えればいいことでもある。
振動を受けることを予期していれば、多分、平静を装えると思う。
ロウの施す淫具による刺激なしに、夜まで過ごす自信は、もうゼノビアにはなくなっていた。
「わ、わかった。頼む。また、前を刺激して……」
「お願いしますだな」
ロウが愉しそうに微笑んだ。
ゼノビアは歯噛みした。
「くっ、お、お願いします」
「それと、ごめんなさいもだ。さっきは俺の折角の親切を拒否したしな」
「な、なにが親切だよ──。あ、あんなのお前が愉しんだだけだろう──」
「いやならいいさ。夜まで我慢しろ」
ロウが散策を再開する素振りを見せる。
ゼノビアは慌てて、ロウの腕に手を伸ばして、それを留めた。
「わ、わかった……。す、すみませんでした。だから、振動を……。んぐうっ」
その瞬間、突然に股間が激しく振動を開始し、ゼノビアは股間に両手を当てたまま腰を抜かしそうになってしまった。
いきなり振動を開始したのは、ディルドではなく、クリトリスを圧迫している突起部分だったのだ。
そこも、ディルドと同じように振動するとは思わなかった。
「ああっ、あっ、や、やめて……」
ゼノビアは両手で股間を押えて膝を崩したまま、ロウに涙目で訴えた。
一瞬にして、痒みが癒える気持ちよさは、天にも昇るほどの快感でもあった。しかし、クリトリスへの振動の直撃は、ゼノビアの備えを簡単にぶち破ってしまっていた。
一方で、突然に淫らな体勢になって悶えるゼノビアの姿に周囲が奇異の視線を向けている。
「だ、だめ……。お、お願い……」
喰いしばる歯のあいだから、ゼノビアは必死に言った。
クリトリスを刺激されることで飛翔する快感は、異常なほどの甘美な激情だった。
「だって、要望は前だったろう?」
ロウが微笑む。
また、クリトリスに当たっている突起の振動は続いている。
ゼノビアは立っていられなくなり、腰を引いたまま、片手でロウの腕を掴んだ。
「ち、違う……」
もうそれだけ口にするのがやっとだった。
これ以上の刺激は、賑やかな繁華街の真ん中でゼノビアに嬌声をあげさせそうだ。
「違ったか? なら、こっちか」
前の振動が停止し、今度はアナルに挿入されているディルドが蠕動運動とともに振動を開始した。
「ほごっ」
ゼノビアはお尻をスカートの上から手で押えて、全身を突っ張らせた。
「こっちも違うのか?」
ロウが笑いながら、さらに前側のディルドを動かした。
お尻への刺激を続けたまま……。
「ひううううっ」
ゼノビアはロウを掴んでいた手を離してしまい、その場に蹲った。
「んぐうううううっ──」
周囲が騒然となるのがわかった。
痒みが癒える気持ちよさとともに、ゼノビアはしゃがみ込んだまま、三箇所責めによって、絶頂を極めてしまったのだ。
全身を硬直させたまま、がくがくと身体を震わせる。
「うわっ」
「なんだ?」
「きゃあああ」
そして、辺りが悲鳴に包まれた。
ゼノビアは股間から脳天を貫く快感とともに、失禁をしてしまったのだ。
革帯の隙間から垂れ流れる小便がゼノビアの足元に水たまりを作っていく。
次の瞬間、急に腹が捩じれるような感覚が襲い、気がつくと雑踏のど真ん中ではなく、再び路地の中にいた。
周りには誰もいなくなり、じょろじょろと垂れ流れる水音が地面に落ちる音が耳に届いた。
「あれ以上は、支えきれないと思って、移動術で逃亡しました。お許しください、ご主人様」
声はスクルドだ。
そばに立っていて、ロウに話しかけている。
「いい判断だ。ありがとう、スクルド……。ところで、人前で絶頂しただけでなく、失禁までやってのけた気分はどうだ、ゼノビア? なかなかの体験だったろう」
ロウが笑いながらしゃがんでいるゼノビアの頭に手を置く。
「はあ、はあ、はあ……。う、うっさいよ──」
やっと放尿がとまったゼノビアは、怒りのまま、ロウの手を手で思い切り払った。
*
雑踏の中で絶頂と失禁をするという恥辱を味わったゼノビアだったが、ロウの悪戯は、勿論それでは終わらなかった。
濡れたスカートも、失禁で汚れた貞操帯も綺麗にすることを許されないまま、ゼノビアは、すぐに再び雑踏の中に戻され、幾度も股間とアナルの三箇所の振動の責めを受けた。
絶頂したとはいえ、股間の掻痒感が癒えることがあるはずもなく、すぐにゼノビアはまたもや痒み地獄の中に引き戻されていた。
また、二度目の絶頂はなく、一度振動を開始すれば、限りなく絶頂に近いところまで快感が飛翔させられるが、ぎりぎりで刺激が停止するということが多くもなった。
それこそ、何度も何度も、何度も寸止めをされた。
……そうかと思えば、しばらく刺激がとめられるということもされる。
どのくらい街の中を歩かされただろうか。
限りない翻弄により、ゼノビアは意識を保つのがやっとの状態にまで陥ってしまい、股間から伝えおちる愛液は内腿から膝に達し、そこからさらにくるぶしにまで到達するほどになっていた。
噛みしめる歯には力が入らず、脚はとめることができなくなって痙攣が続いた。
そして、なによりも苦しいのは、振動を受けているときよりも、止められているときだ。
振動を受けているときには、必死に平静を装えばいいだけなのだが──それが可能かどうかはともかく──、振動がなくなると、すぐに死ぬほどの痒みが股間に襲い掛かり、ゼノビアができるのは、股間をアナルの中のディルドを必死に締め上げるということだけになるのだ。
陽が中天を過ぎたころ、やっとゼノビアは、羞恥歩行から解放されて、再び食堂に連れていかれた。
そこは個室ではなく、冒険者としてよく立ち寄るような大衆食堂であったが、見知らぬ男女連れと相席になり、ゼノビアはロウとともに、そこで食事をとらされた。
食堂の中でも、淫具による翻弄はなくならず、股間とアナルとクリトリスの三箇所を、それこそ、何十回も短い時間振動を繰り返された。
しかも、この男はゼノビアが定食を全部食べ終わるまで許さず、股間への刺激を続けながら、ゼノビアに食事をさせたのである。
普通の三倍以上の時間がかかった。
振動を受けるたびに、びくんびくんと動くゼノビアのことを、横の客が不思議そうに眺めていたのを思い出す。
そして、午後になって連れていかれたのは、大きな劇場だった。
ロウは、「桟敷席」と呼ばれる高級客用の個室席を予約していて、ゼノビアはそのボックス席の中の椅子に座らされ、両手を左右に手すりに縛りつけられた。
すると、ロウはゼノビアのシャツのボタンを外して、乳房を剥き出しにすると、再び出現したスクルドとともに、左右から鳥の羽根で、ぞれまで一度も刺激してもらえなかった乳首をくすぐり始めたのだ。
ゼノビアは、懸命に声を抑えながら、文字通りのたうち回った。
ロウとスクルドは、鳥の羽根によるくすぐりを延々とやり続け、演劇が終わる頃には、ゼノビアは完全に自分の脚では立てない程に脱力しきってしまっていた。
「いつの間にか夕方だな」
再び劇場の外に連れ出されたときには、陽は空からなくなっていて、そろそろ夜がやってこようという時間だった。
また、劇場から出るときには、後手の指縛りをさせられていて、ゼノビアはふらつく脚で必死にロウの横を歩き進んだ。
すでに、ゼノビアには、ロウに逆らう気力も、悪態をつく元気も消滅している。
「はあ、はあ、はあ……。も、もういいだろう……。い、いい怪訝に開放……し、してよ……」
ゼノビアは十数回目の哀願をした。
「馬鹿いえ。お愉しみはこれからだろう。一日かけて、練りに練りあげたゼノビアを犯してくれる“男”がこの先のホテルで待っている。それがデートの最後だ」
ロウが言った。
「男? お前のことか?」
「俺は脇役だ。主役の“男”は、多分、お待ちかねだぞ」
「も、もう、なんでもいい……。好きにして……」
もうゼノビアはすっかりと観念しきっている。
ロウに言われるままに、ついていくだけだ。
そして、やってきたのは、貴族用のかなりの高級宿屋の前だった。
五階建てになっていて、ゼノビアはそこに連れ込まれた。だが、導かれたのは、客用の表口ではなく、従業員用と思われる裏側の入口だ。
裏口から建物の中に入ると、建物の上にのぼる階段があった。
「さて、じゃあ、目的地は五階だ。そこで待っているぞ。お前を犯す男を紹介してやる」
「はあ?」
これまでの散々の責めで、ゼノビアは半ば意識が朦朧としていた。
だから、なにを言われたのか、よくわからなかった。
「じゃあな」
次の瞬間、またもやスカートがゼノビアの身体から消滅した。ロウの術だ。
それだけでなく、シャツのボタンを全部外されて、乳房も剥き出しにされる。
「ひゃああ──。な、なにすんだよ──」
ゼノビアはその場に蹲った。
両手は後手で指縛りになっていて、身体を隠すこともできない。
「一応は従業員用の階段だから客は来ないが、もうすぐ昼と夜の従業員の入れ替えだそうだ。そうなると、その恰好は目立つから、早く上がってくることだ。それと、客用の階段に向かうのはやめておけ。その姿じゃあ、なにをされるかわからなからな」
ロウが笑った。
すると、貞操帯の中の二本のディルドとクリトリスに当たる突起がゆっくりと振動を開始する。
「んぐうっ」
ゼノビアは歯を喰いしばった。
「じゃあ、頑張れよ」
ロウがぽんぽんとゼノビアの頭を軽く叩くとともに、姿を消滅させた。
ゼノビアはたったひとりで残された。
前が開いたシャツと振動を続ける貞操帯だけの姿で、後手に拘束されたまま……。