【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「きゃああああ」
ロクサーヌは獣人女性の腕の中で悲鳴をあげていた。
たったいままで喋っていたばあやが、一瞬にして首を切断されたのだ。
周りの獣人たちも騒然としている。
「全員、動くな──。命令だ。お前たちの主人は、この
剣を抜いたままのシーンが勝ち誇ったように言った。
ばあやの首を一閃で切断したのは、シーンだ。
ロクサーヌの目の前でばあやを殺したのだ。
また、ロクサーヌは状況も理解した。
おそらくだが、この家庭教師のシーンは、ロクサーヌが暮らしていた屋敷を襲った賊の一味なのだろう。もしかしたら、この男そのものが賊を呼び寄せたのかもしれない。
そして、機会を待って、ロクサーヌを護衛するとともに育てていたばあややじいやと切り離すことに成功したということだ。油断させたところを後ろから殺したのだ。
さっきの会話から考えると、正妻という人が差し向けた手の者ということになるが、それを知らずに、死ねば周りの奴隷たちの隷属権をシーンに譲渡する手続きをしてしまったばあやは、そのシーンに殺されて、ロクサーヌの周りの奴隷たちも、シーンの支配下である。
ロクサーヌは、自分が生命の危機に陥っていることを正確に悟った。
そして、獣人女奴隷に抱かれているロクサーヌの首に、シーンの手がすっと伸びる。
ロクサーヌを抱いている獣人女は、シーンの動くなという「命令」が効いているので動くことはできない。
「ひっ」
ロクサーヌは恐怖で息を呑んだ。
シーンの片手がロクサーヌの首にかかる。
ぎゅっと首を絞められて、息が詰まった。
苦しい──。
「ひぐうっ、ぐっ」
両手でシーンの腕を掴んだが、当たり前だがびくともしない。
じわじわと首が絞められて、意識が遠のいていく。
死ぬ──。
ロクサーヌは絶望に陥った。
しかし、急に喉に呼吸が戻った。
シーンが手を緩めたのだ。
「かはっ、がはっ、げほ、げほっ」
ロクサーヌは派手に咳き込んだ。
「ははは、まだ殺さないよ。このまま殺せば終わりの話なんだが、徹底的に辱めてから死骸を城郭の賑やかな場所に晒せという依頼でね。欲深い依頼人は、ただお嬢ちゃんを殺すだけじゃあ不満だそうだ」
すると、そのシーンの顔に不意に気持ちの悪い笑みが浮かんだ。
あとになって、ロクサーヌは、それが好色による卑猥なものであることを悟ったが、当時のロクサーヌには、ただただ気持ちの悪い怖気しか感じなかった。
それにしても、わずか十歳の童女に性欲を向けるものなのか──。いまでも、そのときのシーンの行動には唖然とするしかない。
いずれにしても、当時のロクサーヌには、これからシーンがロクサーヌにしようとしていることは理解はしていなかった。ただ、なにをされるかわからないが、おそらく、酷い目に遭いそうだということは悟っていた。
そして、その後で殺されるのだ。
逃げるしかないと思った──。
「いやあああ──」
ロクサーヌは暴れて、獣人女の手から身体を振りほどいて、地面に転がり落ちた。とにかく逃げよう──。必死に駆けだす。
「動くな」という命令を受けている獣人たちは、それを阻止しなかったが、それは、シーンがロクサーヌを捕まえろという「命令」を出し直すまでの話だ。
体幹の優れる獣人たちにあっという間に捕まったロクサーヌは、シーンの前に連れ戻された。
「助けてええ──。誰か、助けてええ──」
獣人奴隷たちの強い力でシーンの前に連れてこられたロクサーヌは、力の限り悲鳴をあげた。
次の瞬間、凄まじい衝撃が頬に加わった。
「ひぶうっ」
一発で頭が真っ白になるようなシーンの平手だった。
反対方向からもう一発殴られる。
それだけで、ロクサーヌは脱力して動けなくなってしまった。
「そうやって大人しくしていることだ」
シーンがロクサーヌの寝間着の襟を掴む。
一気に引き破った。
「ひいいっ」
ロクサーヌはまたもや悲鳴をあげてしまった。
その頬を再びとてつもない力で張られる。
口の中に血の味がした。
「学習しない
シーンが笑いながら、無理矢理にロクサーヌの上半身から上衣を剥ぎ取った。
素肌にひんやりと夜の風が当たる。
口の中にロクサーヌの寝間着を破って作った布切れを突っ込まれて、別の切れ端で猿轡をされた。
また両手首もまとめて余った切れ端で縛られる。
「丁度いい空き家のようだな。連れて来い。俺が終わった後で希望する者には犯させてやるぞ。十歳の子供だが、人間族の女には変わりあるまい」
シーンが言った。
すると、周りの獣人たちがざわめいた。
「えっ、いいんですか?」
「お嬢様を、本当に?」
一緒にきた獣人奴隷たちは五人である、そのうちの三人が獣人男だった。彼らが嬉しがっているような気配を感じる。
「ああ、どうせ殺すからな。使うだけ使ってから殺す。凌辱してから処分すれば、報酬の上乗せということになっている。お前らも、日頃の鬱憤をこの童女ではらすといい。いい仕事だろう?」
シーンが笑い声をあげた。
ロクサーヌは叩かれて
「へっ、そりゃあ、もう……」
「ありがとうございます」
獣人男たちがシーンにお礼を言った。
もうどうでもいい……。
ロクサーヌは観念した。できれば苦しまないで死にたい。思ったのはそれだけだ。
「よし、なら、そこの廃家に連れていけ。獣人女ふたりは外で見張りだ。なにかあれば、対処しろ。そして、異変があれば知らせろ。命令だ」
シーンと獣人男三人がロクサーヌを連れて、そばの建物の中に入っていく。
中は家具などなにもなく、大きな部屋になっていて、瓦礫の残骸のようなものがその半分を占めていた。
ロクサーヌはその床に押し倒された。
「さすがに、なにもなしじゃあ、大人のちんぽは受け入れられないだろうから、薬を使ってやろう。あとはできるだけ抵抗しないことだ。そうすれば少しは楽になる」
まだ残っていた下半身の寝間着も破り取られる。
下着もだ。
そして、素っ裸になったロクサーヌの幼い性器に、シーンが懐から取り出した小さな平たい缶に入っていた油剤を指に載せ、ロクサーヌの性器にそれを塗り始める。まずはロクサーヌの性器の周りにたっぷりと塗りたくってから、さらに指に油剤を足して、強引に股間の中に油剤を塗り込んできた。
「んぐうううっ、んぎいいいっ」
あまりもの激痛に、ロクサーヌは涙を流して絶叫した。
全力で暴れるが、獣人三人がかりで押えられているので、びくともしない。
さらに油剤が塗りこめられる。
ロクサーヌは号泣してもがいた。
「お前のような童女でも泡を吹いて悶え狂うほどの強い媚薬だぞ。これを準備したのは俺の情けだ。感謝して欲しいね」
シーンがロクサーヌの股間に油剤をどんどんと塗り足していく。
だが、なにかがおかしかった。
すぐに異常な感覚が襲い掛かってきたのだ。
身体がかっと火照ってきた。
特に油剤を塗られた場所が熱い。
こんな感覚は生まれて初めてだ。
「んんんん──」
「ほう、さすがに値段だけのことはあるな。濡れてきやがった。赤ん坊でも、老女でも、女である限り異常なほどに発情すると言った薬屋は嘘はつかなかったようだ」
シーンが油剤を塗りながら笑っている。
最初のときよりも痛くはない。
それどころか、指が股間に出入りするたびに、得体のしれない感覚が襲い掛かってくる。
ロクサーヌは首を振って、その感覚を追い払おうとした。
だが、暴れようとすると、さらに身体が熱くなる。
視界が歪む。
なにが起きているのか、なにを、誰にされようとしているのか、わからなくなってきた。
わかるのは、股間で動く指の気持ちよさだ。
「んっ、ふうううう──」
ロクサーヌは突き抜けてい来る衝撃に身を委ねて、ぴんと身体を突っ張らせてしまった。
なにが起きたのかまったくわからない。
ただ、途轍もないものが襲い掛かり、全身を貫き、そして、それがロクサーヌの頭を真っ白にさせた。
「ははは、気をやったか。驚いたが、これほどの薬とは知らなかったな。なら、もういいだろう。説明に偽りなしか」
なにが起きているのかわからない。
わかるのは、身体の異常な感覚だ。
そして、熱くて、疼いて、身体を触られると気持ちいい──。
だが、次の瞬間だった。
股間になにかが入ってきた。
身体が裂ける──。
千切れる──。
「んごおおおお──。んぎいいいい──。んぐうううう──」
布を押し込まれている口から絶叫した。
痛いなんてものじゃない。
めりめりと身体が引き破られる感じだ。
股に太い丸太を入れられて動かされているような感覚に、ロクサーヌは悲鳴をあげ続ける。
「おおお、締まりやがる。こりゃあ、気持ちいいぜ。十歳の童女を凌辱する依頼なんて、どうなるかと思ったが、思ったよりもいいなあ。おかしな性癖に目覚めそうだ」
ロクサーヌの股間に下半身を密着させている男が愉しそうに喚くのが耳に入ってくる。
犯されている──。
辛うじて、それだけが知覚できる。
ほかはわからない。
とにかく、全身が熱くて、そして股間が千切れそうなくらいに痛かった。
そして、意識が保てなくなり……。
すっと身体が軽くなって……。
なにかが見えた。
ロクサーヌに向かって頭をさげている大勢の大人たち……。
大きな街のあちこちが燃えている廃墟の光景……。
街の広場に首だけでぶら下げられているたくさんの獣人の死体……。
ロクサーヌの横に立つ誰か。
その人のことを大好きになっていて……。
あれ?
動けない?
枷?
なんだこれ──?
そんな光景が次々に表れては消えていく。
ロクサーヌは声にならない悲鳴をあげた。
覚醒する。
「んぐううっ、んぐうう──」
現実に引き戻される。
死んでしまうような股間の痛み。
それなのに、身体の上の大人の男は、ロクサーヌの股間に性器を貫かせて動かし続ける。
痛い──。
痛い──。
痛い──。
「んぐううう」
ロクサーヌは号泣してもがいた。
「ふごおっ」
だが、次の瞬間だった。
突如として、股間の異物がなくなり、ロクサーヌに覆いかぶさっていた存在がなくなる。
「わああっ」
「なんだ、こいつ──?」
「いつの間に──」
また、押さえつけられていた力もなくなり、ロクサーヌから離れた。
ロクサーヌは眼を開いて、異変のする方向を見る.
みすぼらしい格好をした背の高い獣人の女が男をぶん殴っているのが視界に入った。
ちょっとだけ頭が正常になる。
殴り倒されたのはシーンだ。ロクサーヌを捕えて犯した家庭教師である。思い出した。
一方で、シーンを殴ったのは、やはり見知らぬ獣人の女である。だが、大人ではないだろう。ロクサーヌよりはずっと背が高いが、大人ほどではない。獣人の少女だ。
お尻には長細い尾があり、髪は獅子の鬣を思わせるぼさぼさの茶色だ。
「ち、畜生──。な、なんなんだ、お前──」
シーンが激怒して、起きあがりながら腰の剣を抜くのが見えた。
だが、その顔面に獣人女の足がめり込む。
「ふぶええ」
シーンは転倒して起きあがらなくなった。
「わっ」
「た、倒せ──」
「ご主人様を守るんだ──」
三人の獣人男も、我に返ったように一斉に獣人女に跳びかかった。
しかし、気がついたときには、その三人は倒れ、立っているのは獣人少女だけになっている。
すると、その獣人少女が倒れているシーンの頭を掴んだ。
ごんと音がして、シーンの首があり得ない方向に曲がった。
ロクサーヌは眼を見張った。
さらに、その獣人少女は、やはり倒れている三人の獣人男にも近づき、次々に首の骨を折っていく。
やがて、生きているのがその獣人少女とロクサーヌだけになると、彼女はロクサーヌに近づいてきた。
早口でなにかを喋りかけてきた。
しかし、意味はわからなかった。
媚薬の影響でまだ朦朧としているというのもあるが、聞いたことのない言葉だったのだ。
「……あまり、共通語は……うまく、ない。大丈夫、か? 人間?」
喋りかけてきた。
そして、手首を縛っていた布切れが外され、さるぐつわも取り除かれる。
「はあ、はあ、はあ……。だ、誰……? た、助けてくれたの……? はあ、はあ、はあ……た、助けて……お、お願い……」
ロクサーヌは必死で言った。
彼女が何者なのかはわからない。
だが、もしも、生き残れる可能性があるとすれば、それは彼女がロクサーヌを助けてくれるときのみだというのはわかる。
いずれにしても、身体が熱いのだ。
股間がどうになりそうだ。
犯された激痛は残っているが、それ以上に身体が火照りきって苦しい。
「助ける……のか? まあいい。可哀想だしな……。ここで隠れて寝てたらおかしなこと、するから、殺して奪うことにした、だけ。あたしは、ルカリナ。じゃあ、こいつらの……服、剥ぐから、待ってろ。それから、あたしの別のねぐら、連れていく」
彼女は、ルカリナという名前らしい。
そして、最初に剥ぎ取った男の上衣をロクサーヌに放り投げると、当たり前のように、死んでいるらしい周りの男たちから身ぐるみを剥ぎだした。