※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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987 美妃凌辱(1)-言葉なぶり

 選んだのは森の中の家だ。

 なんの変哲もない平屋の屋敷だが。一番近い集落から歩いて一ノスほどの距離があり、その集落についても、住んでいるのはビンスが使っている手の者たちだ。

 つまりは、ビンス派の工作員の隠れ処一帯ということだ。

 その森の中の小屋敷に、ビンスは、派閥の重鎮のひとりである第二将軍のルクセンと一緒にいる。

 さらに平屋には、十数人の手下がいて、ひっきりなしに部屋に出入りしては報告を伝えていた。

 

「シャルル妃は、ひとりでこっちに向かっております。尾行している者がいないのは確認しています」

 

 部下の報告にビンスは頷いた。

 

「大丈夫ですかな? 仮にも、世子(せいし)妃を護衛もつけずに向かわせるなど。われらが手を付ける前にごろつきにでも襲われたら勿体ない。あれだけの美貌ですからなあ」

 

「問題ない。ひとりで歩いていると見せかけて、実際には俺の手の者が周囲をひそかに囲んでいる。ごろつきどころか、野犬一匹も近づけん」

 

 ビンスはテーブルの上の酒に手を伸ばしながら笑った。

 ついに、あの小生意気なシャルルを好きなように凌辱することができるのだ。そう思うだけで、すでに股間は固くなっていた。

 ビンスが大公になるのを邪魔する甥のカートンだが、実際に連中の派閥の中心にいるのは、カートンの正妃のシャルルなのだ。

 あの女に幾度煮え湯を飲まされたかかわらない。

 しかし、今日はついに、そのシャルルを手に入れることができた。しかも、自ら歩いて、こっちに向かっているという。

 

 到着したら、どんな風に犯してやろう。

 裸にして、縛りあげて、凌辱の限りを尽くす──。

 本当に愉しみだ。

 

「なるほど。それにしても、あの男も念の入ったことですなあ。あのシャルルに自ら移動術の魔道紋に乗らせて跳躍させたのはあっぱれですが、その跳躍地をここではなく、離れた森の場所に設定するとは」

 

「まあ、あの“カゲト”という男がそれだけ用心深いのだろうなあ。直接に、ここに跳躍地を設定していたのでは、シャルルが脅迫に屈しない場合、魔道紋を使って、ここに兵を送られる可能性もあった。だが、ああやって、森の中の違う場所に設定していれば、シャルルがひとりでない場合に、十分に姿をくらませられる。よく考えたものよ」

 

「全くです」

 

 ルクセンが感心するように頷いたので、ビンスは大笑いしてしまった。

 また、カゲトというのは、今回の工作でカートンとシャルルの子を誘拐し、さらにシャルルを連れ出すことに成功した諜者が名乗った名だ。

 

「なにを言う。お前の余の前に連れてきた男であろうが──。ロクサーヌというギストンの娘を使った陽動。攪乱によって警備が緩んだとはいっても、あの大公宮に単身潜入できる間者としての技能。そして、見事にシャルルをさらってきた腕前──。どれをとっても、あれは超一流の工作員よ。今回は試しということであったが、余は気に入った。あのカゲトを余はこれからも使うであろうよ」

 

「そう申して頂ければ、紹介したかいがありました……。と、言いたいのはやまやまなのですが、実のところ、あの男を紹介してきたのは、ビンス公殿下のご嫡男のゼル様でございましてな。是非に使ってみてくれと話がありましたので、今回、殿下に引き合わさせていただいたというわけでありまして……」

 

 ルクセンが言った。

 ビンスは意外な名前を聞いて驚いてしまった。

 

「あれは、ゼルの手配であったのか? 本当か?」

 

 ゼルはビンスの息子ではあるものの、優しすぎるところがあり、ビンスは軟弱者とみなしていた。

 大公の後継者争いの闘争にもゼルは消極的であり、あまり、積極的に加わったことはない。

 まあ、頭がいいのは認めるが、人を傷つけたり、殺したりするのが苦手な小心者であって、カートン派との戦いには役には立たないと思っていた。

 そのゼルがルクセンを通じて、シャルルをさらう手段を提供したということか?

 

 いずれにしても、今回の成功の功績が、ルクセンが紹介してきたあのカゲトにあるのは確かだ。

 得体のしれない諜者を扱うのは躊躇ったが、話をすれば策は確かなものだったし、ルクセンとのあいだに、「破ることができない盟約」を魔道で結んでいた。

 それで任せてみることにした。

 また、今回の策であれば、失敗したとしても、ギストンのところの妾娘を蜥蜴の尻尾のように切り離せば、ビンスたちまで手が伸びることはないからだ。

 しかし、あのカゲトという途方もない能力者をゼルがなあ……。

 

「まことです。よきお子に恵まれてうらやましいことですな。いずれにしても、今回、あの男を取り入れて、シャルルの誘拐に成功したのは、ゼル様の功績が大きいでしょう。後日、改めて、声をかけてあげてください。ゼル様は、いつも殿下を尊敬していると口に漏らしておりましたぞ。だが、なかなか認めてもらえないとも」

 

「認めないことは……ないがなあ。ほう、ゼルがか……」

 

 ビンスの息子のゼルは、事もあれば、獣人奴隷の開放などと(のたま)い、およそ、カロリックの貴族層が受け入れられない施策ばかりを口にしたりしていた。ビンスとしては、このままでは、とてもではないが自分の後継者にはできないと思っていたが、心を入れ替えてくれるのであれば、それにまさるものはない。

 ゼルの知能が高く、また人を見る目が高くて、なかなかに有能な部下を大勢集めているのは知っている。

 また、あのような軟弱者でありながら、下級以下の貴族や庶民には意外な信望を得ていたりもするのだ。

 

「シャルル妃が到着しました」

 

 すると、部下が報告をしてきた。

 ビンスは、身体検査をしてから、ここに通すように指示した。

 果たして、シャルルは本当にたったひとりだけでやってきたようだ。

 

 しばらくすると、そのシャルルが部下たちによって部屋に連れてこられた。

 森の中をしばらくひとりで歩いてきたせいか、装束は汚れていて、顔にも汗が浮かんでいたが、それはシャルルの美しさを少しも損なってはいなかった。

 あのカートンには勿体ない美妃だと思っていたが、こうやって面と向かって会ってみると、秀麗で神々しささえ感じるほどだ。

 男まさりの武芸もあり、事実上の首領として、ビンスたちと激しく派閥争いをしてきただけの度胸もある。

 まあ、大した女なのだ。

 

 その女がいま、ビンスに弱みを握られて、まさに窮鼠となった。

 実に小気味いい。

 また、いつもは編んでいる髪は真っすぐにおろしていて、髪留めのひとつもない。装飾具もすべて身に着けていない。

 あらかじめ部下に指示していたので、魔道具になりそうなものをすべて排除させた結果だ。

 

「よく来たな、シャルル。親族というのに、なかなかに会う機会もなかったが、今日は、わざわざ、余にそなたから会いに来てくれたのだ。歓迎するぞ」

 

 ビンスは持っていた盃を目の高さまで持ってくると、ぐびりと酒を口にした。

 テーブルを挟んで立っているシャルルが怒りで身体を震わせるのがわかった。

 

「な、なにを白々しい……。卑怯な手を使いおって……。子供たちはどこじゃ? 返せ──」

 

「これが戦いというものよ、シャルル。卑劣もなにもない。手段に卑劣などない。あるのは勝つか、負けるかだ。お前も、そうやって、これまで余と戦ってきたのであろう?」

 

「わかっておる。降伏する。カートン公を説得して、そなたを後継者として身を引かせる。盟約を結んでもいい。だから、子は返してくれ」

 

 シャルルが言った。

 盟約というのは、ルクセンが連れてきたあの諜者とルクセンとのあいだにも結ばれていたものでもあり、お互いに裏切らないという魔道を魂で誓い合うものだ。

 甥のカートンがシャルルの尻に敷かれているのは有名だから、このシャルルがビンスに降伏する盟約を結べば、それで事実上、後継者争いは終わりだ。

 ビンスはほくそ笑んだ。

 

「子供ふたりについては返してもいい。余にとっても、甥の子だ。無碍に殺したいわけではない」

 

 ビンスは言った。

 「殺す」という言葉で、シャルルが美しい顔を引きつらせて、一瞬にして顔を蒼くするのがわかった。

 

「な、ならば……」

 

 シャルルがビンスにすがるように哀願の表情を向けてくる。

 しかし、ビンスは、シャルルが言葉を続けるのを手で制した。

 そして、口を開いて、シャルルを遮る。

 

「だが、そなたが余に誠意を見せるのであればな──」

 

「誠意? あっ、いや、もちろん、誠意を示す。次の大公はそなただ。わらわが責任をもって、カートン公をはじめとして派閥の領袖たちを納得させる。さっきも言ったが、盟約も結ぼう」

 

「いや、そんなことではないのですよ、シャルル妃」

 

 口を挟んだのはルクセンだ。

 シャルルは、鋭い視線をルクセンに向けた。

 

「な、なにを言いたい、ルクセン──。そもそも、子供をさらわせるなど、それでも武人か──。ああ、そういえば、陽動として茶会で魔石具を持ち込んだのは、お前の婚約者のロクサーヌだったな──。あれも、お前の命令か──?」

 

 シャルルがルクセンに向かって怒鳴った。

 

「あの子供とは婚約破棄するつもりですよ。十三歳の童女をどうしても女とは思えませんのでな。ところで、そんなことより、誠意について教えて欲しいのではないのですかな? ここは殿下に、誠意を示した方がいいのではないですかな。殿下は、シャルル殿が誠意さえ示せば、お子は返すとおっしゃっているのですよ」

 

「せ、誠意とはなんじゃ?」

 

「スカートをめくってください。殿下に下着をお見せするのです。それが誠意の示し方です」

 

「な、なんじゃと──」

 

 シャルルが顔を真っ赤にして怒鳴った。

 いまにも、ルクセンに飛びかかるかるかのような仕草もする。

 

「ならば、帰ることだな──。ここがどこかもわからんだろうが、一生懸命に歩けば、どこかには着くだろう。大公宮に戻ることだ。そのときには、子供も帰ってるはずだ。死骸としてな」

 

 ビンスは吠えるように大声をあげた。

 シャルルが口惜しそうに歯噛みし、しばらくのあいだ、ビンスをすごい形相でにらみ続けたが、やがて、がくりと脱力した。

 

「わ、わかった……。そなたに抱かれよう……。寝室に案内をしてくれ」

 

 諦めたのだろう。

 シャルルは意気消沈している。

 しかし、まだまだだ。

 

「二度も、三度も同じことを言わされるのは、余は好かんな。ルクセンが伝えたであろう。誠意を見せよ。誠意の見せ方は理解できたのだろう?」

 

「なっ、わ、わらわに、ここで恥を晒せと申すのか──。ここで、スカートをまくって太腿まで覗かせろと──?」

 

「子供を助けたければね」

 

 ルクセンだ。

 屈辱のためか、羞恥のためか、怒りのためか……。とにかく、シャルルがぶるぶると激しく手を震わせる。

 

「な、ならば、人払いを……。周りの者をさげてくれ」

 

 部屋には、ビンスやルクセンのほかにも、五名ほどの部下がいる。給仕をする女も幾度も出入りをしている。

 

「こいつらは路傍の石とでも思うがいい。それで、誠意を見せる気になったか、シャルル?」

 

「くっ」

 

 シャルルが両手をスカートの上に置き、くるぶしまであるスカートを少しずつたくしあげていく。

 そして、膝上まで上がったスカートの裾を丸めるように持ち、さらに布があがる。

 シャルルの白くて豊かな太腿が露出した。

 そして、わずかに白い下着が見えたところで、シャルルの手がとまった。

 シャルルの眼は閉じられている。歯も喰いしばっていて、シャルルが抱いているであろう恥辱を垣間見ることができる。

 

「もっと上までですよ、シャルル妃」

 

 少し興奮したようなルクセンのしゃがれ声が響いた。

 ぎしりとシャルルが歯を強く噛む音が聞こえた。

 さらにスカートがあがる。

 シャルルは臍近くまでスカートをまくり上げた。

 白くて小さな下着が露わになっている。

 男好きするような匂うばかりの官能美だと思った。

 この気の強い女の服の下に、これだけの艶やかさが隠れていたのだと思うと、思わず感嘆の息を吐きそうになる。

 そして、そのシャルルをここまで追いつめている。

 ビンスは心の底からの歓喜を感じた。

 もはや、この女は思いのままだ。

 

「スカートをおろしていい」

 

 ビンスは声をかけた。

 シャルルははっとしたように目を開け、素早くスカートをおろした。

 

「じゃあ、次は全部脱いでもらいましょうか。全裸になってテーブルの上で土下座をして、殿下にお願いをしてください。どうか犯してくださいとね」

 

 ルクセンがい大笑いした。

 ビンスも嗜虐趣味だが、ルクセンはとことん女を追い詰めて恥辱を与えるのが性癖だ。

 なかなかなものだ。

 ビンスは苦笑してしまった。

 

「そ、そんな──。あ、あんな恥辱を与えておいて、まだわらわをいたぶるのか──」

 

「嫌なら帰ることですよ。子供を殺していいのであればね」

 

 ルクセンが言った。

 シャルルが口惜しそうな顔になった。

 

「わ、わかった、脱ぐ……。だが、わらわの服はひとりでは脱げん。自分で脱げというなら、切るものを貸してくれ。服を切断する」

 

 シャルルが言った。

 ビンスは大笑いした。

 

「ほう、貴族女の服というのは、難儀なものだのう──。ルクセン、切るものを与えてやれ。自ら服を切り刻ませるというのも、よい余興よ」

 

「わかりました」

 

 ルクセンが立ちあがって、懐から小さなナイフを出して、シャルルに手渡しにいく。

 そして、シャルルがそれを受け取った。

 次の瞬間、ルクセンの身体が横転した。

 

「なに──?」

 

 びっくりして声を上げたときには、シャルルは跳躍してテーブルの上に乗っていた。

 そのまま駆け出して、ルクセンから受け取ったナイフを握ったまま、ビンスに向かってくる。

 すでに鞘を払っている。

 

「うわあっ」

 

 ビンスは椅子ごと後ろに倒れて床にひっくり返った。

 そのビンスに上から刃物を持ったシャルルが襲い掛かってくる。

 護衛はまだ対応できてない。

 喉に刃物が突き立てられるのがわかった。

 だが、寸前で刃がとまる。

 

「動くな──。一瞬にしてこいつは死ぬぞ──。ビンス、すぐにわらわの子を開放するように命令せよ──。それとも死ぬか──。そなたが死ねば、わざわざ子殺しをするものはおるまい。わらわはどっちでもいいぞ──」

 

 シャルルが仰向けに倒れたビンスに馬乗りになって、刃の先をわずかにビンスの喉に喰い込ませた。

 

「ひいいっ」

 

 痛みが襲い、ビンスは悲鳴をあげてしまった。

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