【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「じゃあ、隷属の譲渡を口にしてくれ、ロクサーヌ」
ゼルはいささかの疲労感を覚えながら言った。
奴隷でない者を隷属にするのときとは異なり、隷属の譲渡はただ口にするだけでいい。
これに対し、誰にも隷属していないものを隷属する場合は、口だけではだめであり、心からも屈服が必要とする。しかも、隷属の魔道を扱える者が注いだ隷属の首輪のような媒体が必要だ。
すると、ロクサーヌが口を開いた。
「……ただし、条件が……。破ることのできない盟約を……」
「盟約──? あんた、そんな条件をつけられる立場だと思ってんの──?」
呆れた大声をあげたのは、モイラだ。
だが、ゼルはそれを制した。
「どんな盟約を結ぶんだい、ロクサーヌ?」
ゼルは訊ねた。
場合によっては条件を呑んでもいいと思ったのだ。
破ることのできない盟約というのは、様々な物言いがあるが、つまりは魔道による盟約だ。
魔道を遣ってお互いの魂による結びつきをするものであり、これを結べば破ることはできない。破った場合は、魂の破壊、即ち、死が代償となる。これはどんな高位魔導師でも覆せないし、むしろ、高位魔導師ほど強い心の縛りになる。
「わ、わたしを……ルカリナの奴隷に……。ルカリナをあなたに渡します……。その代わりに、わたしをルカリナの奴隷にして、譲渡できない盟約をしてください……。そうすれば、ルカリナを譲渡します……」
「はあ?」
ゼルは思わず問い返してしまった。
もともと、いずれはふたりとも奴隷にして、ロクサーヌの予知夢の能力を完璧に手に入れるつもりだったのだ。
だが、隷属の譲渡の方が簡単なので、それを優先しようと思ったにすぎない。
もっとも、こんなにも苦労するとは思いもしなかったが……。
「ルカリナを誰にも譲渡できない盟約で縛ってください……。わたしを奴隷にして手放せないように……。そうすれば、譲渡します。ルカリナはわたしのものです」
ロクサーヌが限界寸前の身体を必死で鼓舞するように、逆さ吊りの状態で肩で息をしながら言った。
ゼルにそれを拒否する理由はない。
ルカリナがゼルの奴隷になれば、ロクサーヌに嘘をつくなと命令をさせればいいだけだ。労せずして、最終的な目的だったロクサーヌまで隷属できることになる。
「条件を呑もう。ただし、表向きには、君は僕の養女になるからね。隷属の首輪はつけられないよ」
「紋様を……。紋様奴隷にしてください」
ロクサーヌが言った。
紋様奴隷というのは、隷属の首輪ではなく、身体のどこかに隷属の紋様を入れることによって隷属化するものだ。隷属の首輪による、いわゆる「首輪奴隷」の場合は、首輪を外せば、隷属は解除されるが、紋様奴隷の場合は、奴隷の譲渡もし難いし、事実上、隷属を解除できない。
一生誰かの奴隷として過ごさなければならない。
そこまでして、ルカリナと離れたくないのかと思った。
「条件を呑むよ」
ゼルはロクサーヌの股間とアナルに挿入していた蝋燭を無造作に抜いた。
「ひゃんっ、ああっ」
ロクサーヌの声が悲鳴というよりは喘ぎ声に近かった。
やっぱり、「マゾ」という性癖なのかと、ゼルは苦笑した。
部屋の隅に置いてある台から高級ポーションを手に取る。
手で大量についている蝋を払ってから、そのポーションを股間や尻穴にぶっかけた。
真っ赤なっていたたくさんの火傷の痕がみるみると消滅する。
とりあえず、逆さ吊りの身体をおろして、ロクサーヌを床に横たえた。
「モイラ、魔道盟約の仲介をしてくれるかい。この場合、僕とロクサーヌ、そして、ルカリナの三人の盟約になるねえ……。ルカリナは、ロクサーヌの隷属を誰にも譲渡できない。僕もそれを命令することはできない、という盟約だ」
ゼルは言った。
「わかりました……。ルカリナもいいわね?」
ルカリナの同意も必要だが、そのルカリナはちょっと考える様子を示した後で、大きく頷いた。
「盟約を実現化します──」
モイラが声をあげた。
ゼルとロクサーヌ、そして、ルカリナのあいだに魔道の結びつきができるのを感じた。
「お互いに誓いを」
モイラだ。
「盟約に同意する」
まずは、ゼルが言った。
「……同意します」
ロクサーヌ──。
そして、モイラがルカリナからボールギャグを外す。
「同意、する」
ルカリナだ。
その瞬間、心臓が締めつけられるような感覚が襲い、すぐに消える。
盟約魔道が実効化されたのだ。
「ル、ルカリナの隷属を譲渡します」
ロクサーヌが言った。
ルカリナへの隷属がゼルに流れたのがわかった。
「これで、ルカリナは僕の奴隷だね。そして、ルカリナを通じて、ロクサーヌもだ。まあ、心配はいらないよ。君たちを奴隷扱いするつもりはない。僕に従順である限りね……。僕は誰も奴隷扱いしない。奴隷解放主義者なんだ」
ゼルは微笑んだ。
「げ、下衆め……」
ルカリナが呟くのが聞こえた。
ゼルはにっこりと微笑んだ。
「ルカリナ──。今後、僕の言葉には絶対服従。どんなことでも嘘をついてはならない。自殺と自傷を禁止──。逃亡を禁止する。僕の命を脅かしてはならない。もしも、僕の危険を感じたら、身を挺して守ること──。これは絶対の命令だよ。加えて、ロクサーヌも同じ命令をすること。僕に絶対に服従をね。それを僕のことは、ご主人様と呼ぶんだ。これも命令だ」
素早く奴隷の縛りをしてしまう。
これで、ゼルが隷属を手放すまで、ルカリナとともにロクサーヌもゼルに逆らえないし、嘘もつけない。
彼女の予知夢は完全にゼルのものだ。
「わ、わかった……、ご主人様……。ローヌ様……、命令……。ゼルご主人様に、絶対服従……。自殺、自傷、禁止……。逃亡、禁止。嘘、禁止……。そして……」
ルカリナが忠実にロクサーヌに対して、さっきのゼルの命令を反復している。
ふと、ロクサーヌを見ると、下腹部にこぶし大の隷属の紋様が浮かんでいる。すでに隷属の魔道が刻まれたようだが、これもまた、魔道盟約の影響だろう。
また、すでにロクサーヌは、隷属を受け入れるくらいには、屈服状態だったということか……。
それなのに、ルカリナの隷属譲渡だけには応じないのだから、まあ、大した気力なのだろう。
「わかりました……。ルカリナ……様……。これからは、あなたがわたしのご主人様ね……」
すると、ロクサーヌが満足そうに微笑んで、そして、力尽きたように目を閉じ、そして、寝息をかきだした。
「お前たちの部屋に案内しよう。それと、一日一回、ルカリナはロクサーヌを愛せ。お前たちが見た予知夢は、事細かく、僕かモイラも伝えるんだ。命令だ」
「で、でも、ローヌ様は弱って、いる……。今日は、身体を、休めるべき……」
「命令だ、ルカリナ──。回復薬でも、治療ポーションでもいくらでも使え。言われたことに従え」
ゼルは強く繰り返した。まさか、隷属した者に与える“命令”に口答えするとは思わなかったが、それだけ、ルカリナのロクサーヌに対する想いが強いのだろう。
だが、知ったことではない。
「わ、わかりました……。ご主人様……」
すると、ルカリナが不本意そうに返事をした。
*
眼が覚めた。
ロクサーヌは、柔らかな寝台に横になっている自分に気がついた。
ぼんやりとしていて、自分がどういう状況であるのか、すぐに認知できなかったが、だんだんと記憶が結びついてくる。
そうだ……。
数日間にかけて、モイラ、そして、ゼルの拷問を受け……。
そして、ルカリナの隷属を譲渡させられ……。
ああ、どうしても、拒否できなくて……。
それで、咄嗟にロクサーヌ自身がルカリナの奴隷になることを要求し……。
「大丈夫、か? 数日、食べてない……。とりあえず、温かいスープを胃に……。水でも、なんでも……ある」
すると、ルカリナに声を掛けられた。
視線を向けると、素肌に胸巻きと半ズボンだけのルカリナが、盆に載せたスープ皿を運んできた。
寝台の横の台に置き、ロクサーヌが寝台の上で食事ができるように、寝台用のテーブルを整えてくれた。
上体をあげようとした。
すると、ルカリナが背中に手を回して、身体を起こしてくれた。
上半身にかかっていた掛け布が剥がれ、ロクサーヌの肌が露出する。
どうやら、なにも身につけてなかったみたいだ。まだ、掛け布の下にある下半身についても、下着一枚身につけてない気配である。
いずれにしても、身体が怠い。
この数日で何十本のポーションを飲んだのだろう。
傷ついた身体も直っているし、体力も戻っているはずなのだが、無理矢理に回復させられた後遺症なのか、異常に身体が怠い。
「とにかく、食べる……。考えるのは、その後……」
ルカリナがロクサーヌの前に湯気の出ているスープを置いてくれた。
スプーンを手に取ろうとして、ロクサーヌは思い出して、くすくす笑ってしまった。
「思い出したけど、どうして、あなたがわたしの世話をしているの、ルカリナ……? あっ、いえ、ルカリナご主人様」
ロクサーヌはちょっとお道化て言った。
拒みきれずに、ゼルにルカリナの隷属を譲渡したものの、ロクサーヌをルカリナに隷属させることで、結びつきを確保することができた。
咄嗟の思いつきだったが、魂の契約とも称する破ることのできない盟約でロクサーヌとルカリナの関係は、以前よりも堅固に保持されることになったといっていい。
隷属関係は逆転したが、ロクサーヌにはそれに不満はない。
大切なのは、ロクサーヌとルカリナが離れない関係であることであり、どちらが主人で、どちらが奴隷かということについては、なんのこだわりもない。
それはともかく、あのゼル……。
奴隷扱いしないと口にしながら、ルカリナに与えた“命令”は、一般的な奴隷縛りそのものだった。
あれは、あの男の心の中で矛盾をしたりしないのだろうか……。
「いいから、飲む。その後、説明、する」
ルカリナがロクサーヌにスプーンを持たせた。
ロクサーヌは、ルカリナの言葉に従い、大人しくスープを口に入れていく。とても美味しいだけでなく、ひと口、ひと口とどんどんと身体の芯に力が入っていく感覚も襲う。もしかしたら、薬草のようなものも混ざっているのかもしれない。
スープだけの食事をしながら、改めて部屋を観察する。
部屋には、寝台がふたつあり、左右の壁につけるように、それぞれ置かれていて、ロクサーヌはその一方に横になっていた。
寝台と寝台の真ん中には、ソファーセットとテーブルもある。
扉はひとつ。また、扉から見て奥側には、小部屋が幾つか連接されていて、そのひとつは小さな厨房みたいだ。
このスープもそこで作ってくれたのだろう。
スープを口にしながら、ルカリナに訊ねると、ほかの小部屋には衣装室と浴室だという。
排便用の壺も浴室側にあり、至れり尽くせりみたいだ。
この部屋だけで、ロクサーヌたちの生活は完結するようになっているといっていい。
「欲しいもの、一日一度、モイラか、その部下に、頼む機会、ある……。翌日までに大抵、持ってくると、言ってた。だけど、ここから出ない、命令、受けてる」
ルカリナが言った。
つまりは、豪華ではあるが、ここもまた牢のようなものということだろう、ロクサーヌとルカリナがここから出ないように命令をされているということは、つまりは、監禁されているのと、まったく同じ意味になる。
「ごちそうさま、ご主人様」
ロクサーヌは空になった皿をルカリナに手渡す。
正直、ぞくぞくする。
ルカリナがご主人様……。
悪くない。
ゼルの思惑に嵌まってしまったのは気に入らないが、ロクサーヌとしては、ルカリナさえいてくれれば、それでいい。
もう、それだけでいい……。
すると、皿を横の台に移動させ、ルカリナがロクサーヌの顔に、密着するように自分の顔を寄せた。
「……多分、見張られてない……。隷属で縛ってると……思い込んでいる。廊下に見張りさえ、いない。鍵もない……。逃げられる」
ルカリナは耳元でささやいた。
ロクサーヌは怪訝に思った。
「なに言ってるの、ルカリナ……。わたしはあなたの奴隷で、あなたはゼル様の奴隷になって、逃亡禁止の命令を受けて……」
「いや……。違う」
ロクサーヌの言葉を遮って、ルカリナがロクサーヌの下半身にかかっていた掛け布を引き剥がす。
ロクサーヌの下腹部が露わになり、そこには隷属の紋様がくっきりと存在していた。
だが、それにルカリナが手をかざした。
次の瞬間、紋様が消滅して、なにもない肌になった。
ロクサーヌは目を丸くした。
しかし、すぐに紋様は元通りになった。でも、どうして、一瞬消滅? そういうことがあるの?
驚いて、ルカリナを見る。
すると、ルカリナがにんまりと微笑んだ。
「……誰にも教えてない……。あたしの固有魔道……。魔道がかかっていると……見せかけること、できる。ばれたことない。元々、隷属にかかってない……。そう思い込んでいただけ。そういう固有魔道。だから、あの盟約は無意味……。実際に結ばれてない……。それも、あたしの、固有魔道による、思い込み……」
「ええっ?」
ロクサーヌは大きな声をあげかけ、ルカリナに口を手で塞がれる。
とにかく、改めて訊ねた。
それによれば、このルカリナには、実際にかかっていない魔道をかかっているように見せかける固有能力があるらしく、それを使って、これまでずっと隷属魔道がかかっているように見せかけていたということだ。
しかも、どんな高位魔道遣いでも、あるいは、鑑定術でも、鑑定用の魔道具でも、誤魔化せるのだという。
その能力を遣って、ずっとロクサーヌに隷属しているように見せかけていたが、実際には奴隷ではなかったそうだ。
従って、ロクサーヌがルカリナの隷属をゼルにうつしたのは、そもそも成り立たず、それを前提にした魔道盟約も無効なのだという。
ロクサーヌは、あのとき、確かに心臓を締めつけられるような感覚を覚えたが、あの現象自体も、ルカリナの固有能力の一種という説明だ。
ロクサーヌは唖然としてしまった。
「つ、つまり、もしかして、あなたって、一度もわたしの奴隷じゃなかったの?」
「ローヌの責めなんかで、屈服なんて、しない。可愛い責め、だった。もっと苛められても、いい」
ルカリナが悪戯っぽく笑った。
ロクサーヌは呆れてしまった。
ずっと、騙されていたのか……。まあ、騙すというのとは違うとか……。隷属にかかっている素振りで、ずっと命令に従っていただけか……。
まあ、実際、ロクサーヌがルカリナに隷属効果を使って、なにかをさせたことなどほとんどないのだが……。
「……だから、逃げられる……」
そして、ルカリナが真剣な顔に戻った。
なるほど、そういうことか……。
だが、ロクサーヌは首を横に振った。
「だったら、これからも、ずっと嘘を……。決してばれないように……。そして、機会を待ちましょう。もしも、逃げても必ず、ゼル様には捕まる……。捕まれば、今度こそ、本物の隷属を掛けられるわ」
ロクサーヌは言った。
それが最善策だと思う。
ゼルは、ロクサーヌの予知夢に執着している。逃がすわけがない。
あのモイラひとりでさえ、ロクサーヌとルカリナでは出し抜けないだろう。ほかにもゼルには、多くの能力者の部下を抱えている気配だ。
そして、ロクサーヌは、まだゼルに教えてない、これからの未来を考えた。
カートン公とビンス公で争っていた次期後継者争いは、そのいずれでもなく、ゼルが後継者の地位を得ることになる。
しかし、そのゼルの大公としての期間は短く、ロクサーヌが次ぐことになる。
そして、ロクサーヌは民衆に殺されるのだ。
ロクサーヌの見る予知夢は、いままでのところ、ロクサーヌがなにもしなければ、予知夢の通りになり、予知夢の通りの未来を回避するようにロクサーヌが動けば、未来は変わることが多い。
つまりは、なにもしなければ、少なくとも二年以内には、ゼルもまた失脚する。
そのときには、ロクサーヌも、ルカリナも、誰の奴隷でもなかった。それだけは確かだ。
だったら、まずはゼルの支配から脱出できるのを大人しく待つ……。
これがもっとも確実だ。
その後、ロクサーヌとルカリナの不幸な未来を回避するように動けばいい……。
「ロ-ヌに、従う」
ルカリナが頷いた。
「ごめんなさい。あなたにも我慢させることになるわ。だけど、しばらくの辛抱よ。だから、ルカリナも、ゼル様の命令には従う振りをして。わたしに容赦なく命令してちょうだい。わたしも逆らえない振りをするから……」
ロクサーヌは言った。
すると、ルカリナがちょっと思い出すような表情になった。
「ああ、だったら、命令、受けてる。ローヌを一日以上、愛する。絶頂させて予知夢を見させる……。今日中にも一回……。だけど、そろそろ夜明け。命令の一日が終わる」
「えっ?」
ロクサーヌは訝しんだ。
そして、もう一度説明してもらう。
ルカリナの説明は辿々しいが、やっと理解できた。
ロクサーヌがルカリナの隷属に入ったことになった後、ロクサーヌは気絶したようだが、ルカリナはゼルから、ロクサーヌと一日一回以上愛し合い、予知夢を見させて、その内容を伝えるように“命令”されているという。
しかも、その一日一回には、ロクサーヌは気を失ったときから数えるため、その日も含まれるのだそうだ。
だが、ずっとロクサーヌが起きなかったので無視してたが、もうすぐ、次の一日が開始されるらしい。
一日の終わりと、次の一日の始まりは、通常、日の出をもって数える。
窓がないのでわからないが、もうすぐ日の出の時間という。
ロクサーヌは、半日近くも眠っていたようだ。
適当な出任せを教えることもできるかもしれないが、それは実現しなかった場合に悪手だろう。
「だ、だったら、すぐに……。お願い、ルカリナ」
ロクサーヌは慌てて言った。
すると、ルカリナが笑った。
「わかった。じゃあ、股を開いて。自分の足首をそれぞれ持つ。離しちゃだめ。命令」
ルカリナがほくそ笑むような表情で言った。
そして、寝台にあがってくる。
「命令……ね」
本当に隷属していれば、ロクサーヌの意思に関係なく、身体が動く。
だが、それはなかった。
本当に、ルカリナの固有能力で見せかけているだけみたいだ。
ロクサーヌは、自分の意思で、左右の足首をそれぞれの手で掴んだ。
すると、ルカリナに軽く肩を押されて、仰向けにされた。ロクサーヌは大きく股を開いて上を向く体勢になる。
「あんっ」
思わず身悶えた。
「ふふふ、もう濡れてる……。ローヌはマゾ……だな」
ルカリナがロクサーヌの股間に顔を密着させた。
そして、舌を這わせてきた。
「あ、ああっ、ル、ルカリナ……、そ、そんなこと……。あっ、おかしくなる──」
「おかしく、なっていい。ローヌはただ悶えるだけ」
ルカリナが顔を離して言った。
だが、局部に密着しているので、ロクサーヌの敏感な場所にルカリナの息がかかる。
それさえも感じてしまう。
ルカリナは、すぐに舌責めを再開する。
「ひあっ、あっ、きあっ、ああっ、お、おかしく、なる──。ああ──」
ルカリナは執拗にロクサーヌのクリトリスを舐めあげてくる。
あっという間に快感がせり上がり、電撃が走ったかのように、ロクサーヌはがくがくと全身を痙攣させた。
だが、いきそうだと思ったところで、急に焦らすようにルカリナの舌が緩慢な動きに変化した。
「ひあああっ、それだめええ──。焦らしちゃやああっ」
ロクサーヌは悲鳴をあげて、身体をのたうたせた。
すると、ルカリナがゆっくりとロクサーヌのクリトリスに舌を動かしながら、くすくすと笑い声をあげた。
(第17話『ある少女公主の物語(2)』終わり、『3』に続く)
*
【作者より】
ルカリナの固有能力の描写は、「654 顔を隠す女(その2)」に登場済みです。
一応念のため……。