【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「わたしと取引きしようか? あんたたちは、あれを蹴落としたいんでしょう? 少なくとも自由になりたい。そうなんじゃない? 実を言うと、わたしの目的も同じところにあるんだよね」
エルヴェラが言った。
しかし、もうロクサーヌはのっぴきならない状況に追い込まれている。
涙目で首を横に振る。
「あ、あの……。お話は、あとでお聞きしますから、か、厠に……」
尿意の限界に陥っていた。
もう、数瞬の猶予もない。
利尿剤まで混ぜられていたらしい大量の水を飲んだ影響は、一気にロクサーヌに襲い掛かってきていた。
「ふふふ、本当に、あなたの困った顔は可愛いわねえ。あの獣人護衛が気に入るのはわかるわね。でも、だめよ。勝手に厠に行っても、我慢できなくておもらしをしても、あれに奴隷じゃないとばらすからね」
「そんなあ……。ああ、だめ……」
ロクサーヌは必死に内腿を締めつけて尿意に耐えようとした。
だが、そんなものでは、とてもじゃないがもちそうにないのは明白だ。
とりあえず、ずっと後ろで握っていた両手を股間に持っていった。そこを押さえれば、少しは長く我慢できるかもしれないと思ったのだ。
エルヴェラは、ロクサーヌの手が解かれたのを見て意味ありげに微笑んだ。
後ろ手にしろという「命令」はまだ解除されていない。それにもかかわらず、ロクサーヌが勝手に後手を解いたことは、隷属がかかっていないというエルヴェラの言葉を認めたのも同じになるからだろう。
だが、もう、ロクサーヌも嘘をつき通すのは断念した。
「やっと隷属がかかってないことを認めたわね。じゃあ、それがあれにばれたら、大変なことになることも理解してるわね? とにかく、あれも、最近は情緒不安定だし、あんたごとルカリナを激しく拷問するでしょうねえ。今度こそ、隷属をさせようと思ってね。まあ、奴隷解放主義をうそぶくわりには、身の周りを奴隷で固めようとするのは、理解できないけどねえ」
「お、お願いします……。見逃してください」
「取引に応じるわね?」
「と、取引きというのは……?」
「まだ、それを知る必要はないわ。あんたが知る必要があるのは、取引きに応じると答えなければ、あれに、わたしがあんたらが隷属にかかっていないことを暴露するということよ。それで十分でしょう? さあ、答えは、“はい”? それとも、“いいえ”?」
エルヴェラが椅子の背に背もたれるようにして脚を組んだ。
尿意がいよいよ迫ってきていた。
ロクサーヌは、全ての気力を注ぎ込んで耐える。
「お、応じます……」
それしか答えようがない。
なにを要求されるかわからないが、確かにほかに選択肢はない。
「じゃあ、その場で服を脱ぎなさい。下着を含めて全てよ」
「えっ?」
思わず問い返してしまった。
「おしっこしたくないの?」
「で、でも、それと裸になるのと、なんの関係が……。んふうっ」
ロクサーヌは背中を弓なりにして全身を硬直させた。
いきなり、しばらく静止していた股間の革帯が激しく振動を開始したのである。しかも、クリトリスに当たる部分だ。
「ひあああっ」
ロクサーヌは、激しくよがってしまった。
その瞬間、股間から放尿が迸る。
みるみるうちに、スカートを濡らし、座っていた椅子を尿で汚してしまう。
「あああっ、いやああっ」
必死でスカートの上から股間を手で押えるが、一度開始した放尿を途中で止めることなど不可能だ。
スカートの中では激しい奔流となって、おしっこがまき散らされている。
しかも、そのあいだも、股間の振動は続いている。
放尿の解放感と、股間を刺激される甘美感が混ざり合い、ロクサーヌは酔いしれたような快感に襲われてしまった。
「あーあ、どうしてくれるの? 勝手に粗相して。わたしの部屋なんだけどねえ」
エルヴェラが呆れたように言った。
しかし、これまでに経験したこともないような勢いの失禁に、ロクサーヌはただただ、すすり泣き、そして、喘ぎ声をあげるしかなかった。
そして、やっとおしっこが終わった。
同時に、やっと振動もとまる。
「服を脱ぎなさい。二度と同じことは言わないわよ。まずは、自分の服でそこらへんを拭いてちょうだい。本当にだらしのないマゾ娘ねえ」
エルヴェラが腕組みをして言った。
同時に、スカートの中でかちゃんと金属音が鳴った。ずっと装着させられていた股間の革帯が外れたのだ。
エルヴェラが持っている操作具は、革帯の内側の突起を遠隔で自在に動かせるが、外すこともできるようだ。これまでは、「命令」に従い、自分で着脱をしていた。
「あんっ」
それともかく、ずっと受け続けていた股間の刺激がなくなることで、ロクサーヌは逆に疼くような甘美感に襲われてしまった。また、革帯が外れることで、帯の内側から外に出きれなかった尿とともに、どろりとした愛液が内腿にこぼれ出るのもわかった。
「やっぱり、淫乱ねえ。早くしなさい。あんたに逆らう余地なんてないのよ」
エルヴェラがぴしゃりと言った。
この人には逆らえない。
ロクサーヌは心から思った。
諦めて、その場で服を脱いでいく。ロクサーヌも貴族令嬢だが、世話をする者がほとんどないので、自分で着脱できる服を身に着けるようにしていた。
急かされるまま、下着まで脱いで全裸になる。革帯の淫具はエルヴェラが回収した。
ロクサーヌは、腕で身体を隠すようにしながら、汚れた椅子や床を服で拭きはじめた。
惨めだった。
だが、同時にぞくぞくするような身体の疼きも覚える。
エルヴェラの揶揄のとおりである自分の中の被虐癖が恨めしい。
「もういいわ。じゃあ、この中に全部入れなさい」
蹲っている身体の前に麻袋を放り投げられた、
エルヴェラは、亜空間から荷を自由自在に出し入れできる魔道袋を持っている。そこから出したのだろう。
言われるまま、身につけていたものを麻袋に丸めて入れた。すると、袋ごと取りあげられて、エルヴェラが腰かけている椅子の横に置かれる。
「わかったわね、ロクサーヌ」
すると、エルヴェラが勝ち誇ったかのように言った。
ロクサーヌについては、床にしゃがんだまま、両手で身体を隠している。
「わ、わかったとは……?」
顔をエルヴェラに向けた。
それはともかく、さっき終わったばかりなのに、再び尿意が迫ってきていた。ロクサーヌは自分の身体を疑った。
まだ、ちょっとした経ってないのに……。
しかも、残りの尿意という感じではない。
さっきの放尿がすべての尿意のほんの一部でしかないかのように、あっという間に差し迫ったものに襲われてしまっていた。
「あんたがマゾということよ。こんなことがあんたは嬉しいのよね。間違いなく、お前は、いま侮辱されて、恥ずかしい仕打ちを受けて、股間を濡らしている。嘘は言わないのよ」
「そ、そんなことは……」
だが、ロクサーヌは首を横に振る。
そうかもしれないが、そんなことは口に出して認められない。
「そうだと言っているじゃないのよ──。そもそも、普通は、どんなに脅迫されたって、こんなところで全裸にはなったりしないわ。隷属の魔道をかけられているわけでもないのよ。それなのに、お前は自分で裸になったんだから。一体全体、どうするつもりなのよ。服を渡してしまった、お前はどうやって、自分の部屋に帰るつもりなの?」
エルヴェラが嘲笑した。
「そ、そんな……。だ、だって、エルヴェラ様がそうしないと、わたしとルカリナを……」
「なあに? そうしないと、あれに隷属がかかってないことを教えるって脅したから? だけどねえ。それでも、普通の感覚の娘は、人前で全裸になったりはしないわ」
エルヴェラがロクサーヌの言葉を遮って言った。
そうなのだろうか……。
ロクサーヌは、ぎゅっと自分を抱き締める手の力を強くした。
「まあいいわ。じゃあ、次はこれよ」
床にどさりとなにかが投げ出された。
今度は金属の手錠だった。短い鎖で繋がっていて、手首に嵌める金属環は開いている。力をかけて閉じれば、それで錠がかかり、今度は鍵がなければ外れなくなるタイプのものみたいだ。
「背中で両手首に嵌めなさい」
「えっ? だって……」
こんな格好で後手に手錠を嵌めてしまえば、なにをされるかわからなくて怖い。
それに、またもた尿意が切迫している。
「口答えはなしと教えたはずよ。マゾのロクサーヌちゃん」
エルヴェラが立ちあがってロクサーヌの前に立ち、閉じた扇でロクサーヌの顎をしゃくった。
「あの……で、でも、また、したくなってしまって……」
ロクサーヌは内腿を締めつけて訴えた。
本当に、また漏れそうだ。
「ああ、おしっこ? まあそうでしょうね。かなり大量に利尿剤を水に混ぜたものねえ。一ノスくらいは、おしっこは止まらないわよ。厠のあるところに連れて行くから、命令に従いなさい」
そして、エルヴェラがロクサーヌの首にがちゃりとなにかを嵌めた。
首輪?
首に嵌った首輪のようなものから細い鎖が繋がって、その端末をエルヴェラが握っている。
「早く、おし──」
エルヴェラは鎖を握ったまま、扉に向かって歩いていき、いきなり廊下に繋がる扉を全開にした。
「あっ、やっ」
驚いて、椅子の陰に隠れようようとする。
しかし、エルヴェラはぐいぐいと引いて、ロクサーヌにそれを許さない。
「お、お願いです……。か、隠して──。扉を閉めてください」
ロクサーヌは半泣きで言った。
廊下には誰もいないみたいだが、ここは客間の前であり、結構人の出入りも多い。
しかも、数名の者が廊下を近づいてくる気配がした。
「じゃあ、早く、手錠をかけなさい。もうすぐ前を通るわよ」
エルヴェラがくすくすと笑った。
ロクサーヌは慌てて腕を伸ばして、手錠を掴むと、すぐに自分で後手に手錠をかける。
「はい、よくできました。じゃあ、声を出すんじゃないわよ」
エルヴェラがロクサーヌの耳元に顔を近づけてささやく。
そして、さらに鎖を引っ張って、ロクサーヌを無理矢理に、廊下に近い場所まで連れて行った。
「くっ」
ロクサーヌは必死で身体を丸めて身体を手で隠す。
すると、なにを思ったのか、ぱちんと指を鳴らして、突然に大きな鈴の音を周囲に響かせた。
召使いを呼ぶときに使う合図だ。
だから、ロクサーヌは驚愕してしまった。
「エ、エルヴェラ様、お願いでございます──」
必死に小さな声で訴える。
だが、廊下からの足音が大きくなり、部屋に大公宮で働く女の小間使いが入ってきた。
ロクサーヌは床の上で丸くなって、恐怖で身体を震わせた。
その小間使いとロクサーヌのあいだを遮るものはなにもないのだ。
「お呼びでしょうか、エルヴェラ様」
小間使いだ。顔をあげてないので足しか見えないがすぐそばだ。
「ここにある袋の中のものを洗濯係に出してくれる。実は、ロクサーヌ様のものなの。ここだけの話だけど、あの子、おしっこを漏らしたのよ」
エルヴェラが笑っている。
「え、ええ? あっ、いえ、かしこまりました」
小間使いはびっくりしていたようだが、すぐに態度を繕い、エルヴェラが示した麻袋を拾いあげた。
さっき、ロクサーヌが服を丸めて放り込んだものだ。
だが、それはともかく、ロクサーヌが見えないのか?
すぐ目の前に、後手手錠の全裸の女がいるのに、小間使いにはそんなに動じた様子はない。
そして、小間使いが部屋を出ていく。
エルヴェラが笑いながら、扉を閉めた。
「ふふふ、肝が冷えたでしょう? まあ、マゾのロクサーヌちゃんなら、興奮したかしら?」
「あ、あのう……、どういうこと……?」
顔をあげる。
あの小間使いは明らかに、ロクサーヌが見えなかった感じだ。
もしかして、なにかの魔道?
「その首輪よ。ハロンドールから輸入したものなんだけどね。ちょっと変わったものだったから、かなり値が張ったけど
「カ、カモフラージュ・リング……?」
なんだろう、それ?
だから、小間使いが気がつかなかった?
「それを嵌めた者の姿が一時的にほかの者には認識できなくなる魔道具だそうよ。もちろん、わたしには見えるわよ。嵌めたのがわたしだからね。それと、最初に見えなくても、触られたり、声をあげたりしたことで認識されてしまうと、リングの効果が消滅するということのようね。面白いでしょう?」
エルヴェラがくすくすと笑った。
認識阻害──?
だから、小間使いはロクサーヌに気がつかなかったのかと納得したが、とんでもない魔道具だと思った。
いずれにしても、見られていなかったことにはほっとした。
「交易人の話によると、開発したのは、ハロンドールの王都第三神殿の筆頭巫女様だという話だったわ。本当かどうか知らないけどね。まあ、いずれにしても、こんな風に、国境を越えて、マゾ娘の露出趣味を満足させるために使われるだなんて、このリングの開発者の筆頭巫女様は思いもよらないと思うわ」
エルヴェラがけらけらと笑った。
ハロンドール王国の第三神殿の筆頭巫女……。
それで、ロクサーヌは思い出したことがあった。
ハロンドールの第三神殿といえば、大魔道遣いに覚醒したというスクルズという巫女だ。
少し前に、彼女の噂を耳にする予知夢を見たことがあり、そのときには、彼女は筆頭巫女ではなく、あの国で最も若い神殿長になっていた。そんなことがちょっと頭をよぎった。
それはともかく、そのハロンドールについての予知夢は、このところ大きく変化している。
少し前までは、ハロンドールの次期国王はキシダインという王族系の上級貴族だった。しかし、半年ほど前から、予知夢の内容は変化し、キシダインは失脚して命を失い、第三王女のイザベラ姫が王太女につく未来になっていた。
ロクサーヌは、その予知夢を伝え、そのとおりに、キシダイン卿は失脚した。
十日ほど前に、こっちにも伝わってきたことだった。
ハロンドール王国のキシダイン卿の権勢は、こちらでも有名だったので、彼の突然の失脚は、カロリック国内でも衝撃として捉えられたみたいだ。
どういう背景で、突然に未来が変わりだしたのか……。
それについて、もしかしたら関わりがあると、ロクサーヌが感じているのは、最近の予知夢にかなり頻繁に出てくるようになったロウ=ボルグという人物である──。
いまはカロリックでも、まったく無名の人物だが、ロクサーヌの予知夢の中では、彼が将来における重要人物であることをロクサーヌに教えてくれている。
キシダイン卿の失脚についても、ロクサーヌの予知夢の中では、彼が中心的役割をしていた。まあ、これに関する情報は、現段階ではカロリックにはなにも入っていないようだが……。
そして、これはゼルには伝えなかったことであり、当時はわからなかったが、ゼルの愛人だったチムルがロクサーヌの予知夢の中で性の相手をしたのは、そのロウに間違いない。
彼に関する予知夢を何度か繰り返したことでそれがわかった。
また、そのとき、ロクサーヌの性の相手をしていたのも、ロウだ。
予知夢の中では、いまのロクサーヌがルカリナに向けている感情のようなものを、そのロウにも向けていた。
どういうことでそうなるのかについては、まださっぱりとわからない。
「さて、じゃあ、立ちなさい──」
すると、いきなり首輪を引っ張られて、強引に立たされた。
そして、ロクサーヌの股間にエルヴェラの手がすっと伸びる。
「ひゃん」
敏感な場所に触れられて、ロクサーヌは思わず声をあげてしまう。
「まあ、呆れたわねえ。びしょびしょじゃないのよ。これは、おしっこじゃないわよねえ。どうして、こんなに濡れてるの? 説明しなさい。それとも、このまま廊下に放り出されたい?」
エルヴェラがロクサーヌの股間に触れていた指をロクサーヌの頬に擦りつけた。
ねっとりとした粘性の体液の感触が頬に当たる
指摘されるまでもなく、ロクサーヌは自分の股間がびしょびしょになっているのはわかっている。
認めたくはないが、苛められたり、恥ずかしい仕打ちを受けると、どうしてもロクサーヌははしたなく股間を濡らしてしまうのだ。
ルカリナ以外で感じたくはないのに、どうしようもないのである。
「も、申し訳ありません……。わ、わたしが、マ、マゾの性癖だから……です……」
「謝る必要はないけどね。わたしは、そういうローヌちゃんが可愛いと思っているから。ふふふ、意地悪してごめんね。あんたがあんまり、可愛いから悪乗りしたかもね……。ところで、これに、していいわ」
エルヴェラが、さっきロクサーヌが水を飲まされたときに使った大きなボウルを床に置いた。
飲み掛けの水が半分ほどは残っている。
鼻白んだが、もう我慢できない。
ロクサーヌは床に置かれたボウルの上にしゃがみ込もうとした。
「あぐっ」
しかし、首輪が思い切り上に引っ張られた。
エルヴェラが鎖の根元を握って、ロクサーヌがしゃがむのを阻止したのだ。
「立ったままよ。これから長い付き合いになるんだし、しっかりと調教してあげるわね。大丈夫よ。マゾのあんたを満足させてあげることを約束するわ。ルカリナとも話はついているのよ」
「ええっ? ルカリナ?」
急に名が出てびっくりした。
ルカリナと話がついているというのはどういうこと──?
「いいから、おしっこしなさい。ほらっ」
ロクサーヌの股間にエルヴェラの手が伸びる。
生え始めたばかりの薄い陰毛を引っ張られた。
「やっ、だめえ──」
陰毛を引っ張られた痛みで、耐えていたものが崩壊してしまった。
ゆばりが太腿の内側を濡らしだす。
さっきのおしっこを上回るおびただしい量が股の下のボウルの中に飛び散る。
じょろじょろとなる水音も恥ずかしい。
しばらくして、放尿はとまったが、恐ろしいことに、すぐに次の尿意が襲い掛かってきた。
「あっ、ま、また、させてください──」
ロクサーヌは股間の力を緩めようとした。
「利尿剤が効いているのね。だけど、だめよ。きりがないもの。彼女のところに行くわよ。そろそろ、取引きのことを話し合わないとね」
「んぎっ」
首輪を強引に引っ張られる。
慌てて、緩めかけていた尿道の力を入れ直す。
「ど、どこに……?」
無理矢理に、廊下への扉に向かわせられる。
もしかして、このまま廊下に?
ロクサーヌは恐怖した。
「あんたのご主人様よ。面倒なんで、あの獣人娘も交えて話をするわよ。ゼルにはうまく言って連れ出すから、あんたも来なさい」
「で、でも、このままなんて……? あっ、ゆ、許して──」
ロクサーヌは全くの全裸で、後手手錠なのだ。
こんな格好で廊下を歩くなどあり得ない──。
たとえ、カモフラージュ・リングとかいう認識阻害の魔道具を装着していたとしてもだ。
「心配ないことは教えたでしょう。口をきかずに、黙って歩けば誰にもばれないわ。ああ、それと失禁もだめよ。体外に放出されるおしっこは見えてしまうんだから、それこそ、あっという間に周囲の認識阻害が解けるわよ」
エルヴェラが再び扉を開く。そして、鎖を握ったまま外に出ていく。
そして、ロクサーヌは首輪の鎖を引っ張られて、無理矢理に廊下に出されてしまった。