【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「こ、困ります、エルヴェラ様──」
首を曳かれる格好で全裸で廊下に連れ出されてしまい、ロクサーヌは尻ごみしながら哀願した。
カモフラージュ・リングという認識阻害の魔道具を装着しているとはいえ、全裸なのだ。しかも、両手を後手で手錠をかけており、身体を隠すことさえできない。
「困らないわよ。お前が口を開かず、誰にも触られないように歩けば、お前の姿を認める者はいないわ。それとも、お前のお尻でも思い切り叩いて欲しい? そうすれば、肉が叩かれる大きな音で認識阻害の効果が切れて、お前の姿が露わになるだろうけどね」
エルヴェラはロクサーヌの耳元でささやいた。
それだけで、抵抗できなくなってしまう。
すでに、部屋を出て廊下にいるのである。
「お、お許しを……」
「だったら、大人しくついておいで……。ああ、そうそう、忘れていたわ」
エルヴェラが魔道の収納袋から布を出して、ロクサーヌの眼の上を覆って、頭の後ろで縛った。
「ひっ」
いきなり目隠しを施され、一切の視界がなくなって、ロクサーヌは恐怖に悲鳴をあげそうになった。
だが、慌てて口をつぐむ。
すると、片側の耳になにかを入れられた。
『ふふふ、聞こえる? お前の姿が見えないから、ひとりごとを喋りながら歩く、おかしな女だと思われかねないものね。これなら、扇で口元を隠しながら不自然でないわ』
耳に入れられたものから、エルヴェラの声が聞こえてきた。
これも魔道具なのだろう。
「くっ」
また首輪を曳かれた。
とにかく、引っ張られるまま足を進める。
だが、怖い。
それに、またもや猛烈な尿意が襲い掛かってきている。しかし、もしも、漏らしてしまえば、リングの認識阻害の効果が消滅するのだろう。
ロクサーヌは必死に股間に全力を込めた。
幸いなことに、いままでいた客室は大公宮の中でも奥まった一角であり、最初のうちは人通りの気配はなかった。
しかし、鎖で引っ張れるまま足を進めて角を曲がったことろで、急に人の気配の多い廊下になる。
立ちすくんで止まりそうになった。
でも、もしも、それで転びでもしたら、大きな音でリングの効果が消滅する──。
そう思ってしまうと、もう大人しく歩くこと以外には、なにもできなかった。
窒息しそうな緊張感とともに、明らかに人通りのある廊下を進んでいく。
前を進んでいるのが、ゼルの寵姫にして、ゼルが婚約者にすると宣言をしたエルヴェラであることから、通りすがる者たちが脇によけたり、挨拶をする声がひっきりなしにかかってくる。
人の気配に襲われるたびに、ロクサーヌは身体が震えるほどの恐怖を覚えた。
しかも、どんどんと尿意が迫ってくる。
もう、いつ漏れてもおかしくないくらいに切迫していた。
『止まりなさい。静かにするのよ』
すると、突然に耳からエルヴェラの声が響いた。
慌ててその場にとまる。
しかし、すでに、もう大公宮のどこを歩いているのかわからなくなっていた。立ち止まる場所がここでいいのかも判断はつかない。
いまは、エルヴェラの「声」と曳かれる鎖だけが頼りなのだ。
「これはこれは、エルヴェラ様。おひとりですか?」
男と声だ。
おそらく、兵部卿だと思う。
向こうは、彼だけでなく、数名の随行者がいる気配だ。
「ええ、ちょっとロクサーヌ様に話がありましてね。いらっしゃるかしら?」
「いや、確か、入口に不在の札がかかっていたと思いますね。わしも先程行ったのですが」
「あら、そう。じゃあ、ちょっと寄り道して出直そうかしら。一応は、事前に手紙で連絡はして、面談の許可は頂いているのよ」
そんなものは貰ってはいないが、もしかして、ロクサーヌの執務室に向かっているのかと思った。
あそこは、業務の中枢でもあるだけに、それなりに人通りがある。
それにしても、もうおしっこが漏れそうだ。
ロクサーヌは、内腿を締めつけながら、懸命に歯を噛みしめる。
しかし、エルヴェラは嫌味のように、なかなか世間話のような会話をやめてくれない。
追い詰められる──。
それを感じる。
しかし、同時にロクサーヌは想像を絶する苦悶と羞恥の中で、全身の毛穴という毛穴から痺れるような甘美な疼きのさざ波が沸き立つのも感じていた。
やっぱり、こんなことに性の悦びを覚えるマゾなのだろうか。
尿意に耐えるために締めつけている股間からは、とまることなくにじみ出ている愛液が内腿を潤わせている。
「……それでは」
兵部卿たちが離れていく。
『ふふふ、汗びっしょりかいて……。しかも、そんなに、震えちゃって可愛いわねえ……。でも、よく我慢したわね。だけど、そろそろ限界よね。おいで、おしっこをさせてあげるわ』
耳に声が届く。
声を出せないロクサーヌは、ただ頷く。
『来なさい』
首をぐんと曳かれる。
それで身体がつんのめりそうになっただけで、おしっこが迸りそうになった。懸命に股に力を入れた。
だが、すぐにその場所に連れて行ってもらえるのかと思ったら、なかなか移動をやめない。
十回以上も曲がり角を目隠しをしたまま歩かされて、わけがわからなくなってしまった。
やがて、脂汗にまみれている身体がひんやりと冷えるとともに、外気を感じた。
もしかして、渡り廊下か、中庭にでも出たのだろうか?
すでに、完全に方向感覚がなくなってしまって、どのあたりにいるのかも不明だ。
大公宮の建物内から中庭などの外に出る場所には、十箇所くらいは心当たりがあるが、それのどこなのかはわからなかった。
もともと、ロクサーヌは執務室にこもってばかりで、ほとんど部屋の外に出ることもないからだ。
また、足は素足だったが、これまでの廊下に敷かれている絨毯の感触から、草の上を歩いている感覚に変化していた。
そして、耳に入れられていた音声具のようなものを取られた。
「大きな声でなければ、話しても大丈夫よ。でも、ただ樹木で視界を遮られているだけで、渡り向こうの廊下には人が歩ているから、大声をあげたり、激しく反応したりして、リングの効果を解除してしまわないようにしてね」
エルヴェラが小さな声で笑った。
そして、首から鎖を外す気配がして、首輪の繋がりがなくなる。
「あっ、エルヴェラ様……?」
ほんの小さな声でささやく。
目隠しをされているので、鎖を外されてしまうことで、まるで置き去りにされるような心細さを感じたのだ。
「おしっこしなさい。限界なんでしょう?」
声は背中側からかけられた。
いずれにしても、もう数瞬の猶予もない。
ロクサーヌはその場にしゃがみ込んで肢を開く。今度は立ったまましろとは言われなかった。
股間の力を緩める。
しゅっと激しくゆばりが股から飛び出すのがわかった。
「ほああ……」
知らず、大きな息を吐いてしまった。
狂うような尿意をやっと解放できるのは、とてつもなく気持ちよかった。
かなりの時間、勢いよく放尿が迸り続けた。
そして、やっとおしっこが終わる。
「そんな惨めそうな顔しちゃって。本当に、あなたって、苛められるのが似合うわねえ」
すると、しゃがんでいるロクサーヌに背中から覆いかぶさるようにして、エルヴェラが胸と股間に指を這わせてきた。
「きゃああ」
思わず高らかな悲鳴をあげてしまって、ロクサーヌは身体が竦んだ。
慌てて口をつぐむ。
しかし、エルヴェラはくすくすと小さく笑いながら、淫らな愛撫をやめてくれない。
それだけでなく、なにか潤滑油のようなものを塗っている。
さらに、その得体の知れない油剤とともに、指をロクサーヌの股間の奥まで打ち入れてきた。
「んんっ、んっ、んっ」
激しく抽送と胸揉みを続けられる。
ロクサーヌは必死に声を我慢した。
そして、あっという間に絶頂感が襲ってきた。
「んんっ、んんっ、んんんっ」
悶えたり暴れたりすると、その激しい仕草にどこからか気づかれてしまうかもしれないので、ロクサーヌはただ耐えるだけだ。
そして、とてつもない大波がやってきた。
「んああっ」
我慢できなかった嬌声が口から噴きこぼれる。
がくがくと身体が痙攣をして、後ろから抱かれている身体を突っ張らせた。
「ふふふ、いきそうね……? でも、駄目よ。あなたにとどめを刺すのは、彼って決まってるのよ。その約束なのよね」
しかし、ぎりぎりのところで、エルヴェラがロクサーヌへの愛撫をやめて、離れてしまった。
ロクサーヌはがくり脱力する。
「じゃあ、彼を呼んでくるわ。あなたは、大人しくしてなさい。それとも、逃げる? まあ、好きにするといいわ」
エルヴェラが立ち去っていく気配がした。
ロクサーヌは仰天した。
「ま、待って──」
本当に置き去りにされる?
ここがどこなのかもわからないのに──。
咄嗟に追いかけようとも思ったが、目隠しをされているので、どの方向に追えばいいかもわからない。
声をかけることはできない。
そして、本当に人の気配を感じなくなってしまった。
ロクサーヌは途方に暮れた。
「う、うう……」
仕方がない。
このまま待つことにした。
それしかない……。
それはともかく、さっきエルヴェラは、彼を呼んでくると口にした?
彼とは誰だろう……。
泣きそうになってきた。
とにかく、じっとして、エルヴェラが戻ってくるのをひたすらに待った。
だが、やがて、胸と股間の周辺が急に熱を帯びてきたと思った。
もしかして、痒い──?
自覚してしまえば、苦しくなったのはあっという間だ。
猛烈な痒みが襲い掛かってきた。
さっき愛撫を受けながら、エルヴェラがロクサーヌに塗っていた油剤のせいだと思ったが、わかったところでどうしようもない。
「く、くくっ……」
声を出すまいと思うのだが、呻き声が漏れ出てしまうくらいの痒さだ。
ロクサーヌは、歯を喰いしばり、しゃがんだまま内腿を激しく擦り合わせる。既に全身にはかなりの脂汗が流れている。
しばらくのあいだ、ロクサーヌはその状態で苦悶し続けた。
また、掻痒感の地獄に陥っているあいだも、尿意も繰り返し襲ってきた。
ロクサーヌは、その場にしゃがんだまま、そのたびに放尿を繰り返した。
どのくらいの時間が経っただろうか。
気絶しそうなくらいの痒みに耐え続け、やっと人が近づく気配を感じた。
エルヴェラか──?
だが、わからない。
怖い──。
もしかしたら、ただ偶然に近づいてきただけかもしれない。そうだとすれば、ロクサーヌの存在に気がつかれると、カモフラージュ・リングの効果が消滅してしまう。
ロクサーヌは息を殺した。
「静かに……。ゆっくりと前に出なさい。ロクサーヌがいるわ……。まあ、それにしても、なにこれ? お前、何回おしっこしたのよ。いくらなんでも、慎みというものはないの?」
はっとした。
エルヴェラだ──。
心の底からの安堵感に包まれるが、同時に恐怖も襲う。
エルヴェラ以外の誰かがいるのだ。
その人物に、ロクサーヌを認識させようとしている?
「エ、エルヴェラ様……」
意を決して声をかけた。
「静かにしなさい、ロクサーヌ……。ほら、前に出て。声は出さないで、黙って犯しなさい。それが条件よ」
エルヴェラだ。
言葉の後半は、一緒に連れてきた人物に告げた言葉のようだ。
それが誰なのかわからない。
その人物が後ろから近づくのがわかった。
ロクサーヌは身体を竦めた。
「んっ」
思わずびくりとなった。
両肩に手が当たったのだ。手袋のようなものをしている。
その人物がロクサーヌの両肩に手を置いたまま、ちょっと当惑するような息を吐く。
誰──?
「ほら、見えたでしょう、ロクサーヌよ。いいから犯しなさい。まずは、それが条件よ」
エルヴェラが叱咤するような口調で言った。
なにがどうなっているのかわからない。
ただ、後ろからロクサーヌの肩を抑えていた人物は、少しのあいだ躊躇したように静止していたが、やがて、強く両肩を押して、しゃがんでいたロクサーヌの肩を草の上に押しつけるような姿勢にした。
「あっ」
ロクサーヌは小さく声をあげてしまった。
「前戯なんていらないわ。一気に貫いてやってよ。露出歩きで興奮する変態娘だから、もう十分に濡れているわ」
エルヴェラが笑い声をあげる、
一方で、ロクサーヌは地面にうつ伏せになって、お尻だけを高くあげたような恰好にされている。
そこに、後ろの人物がぐっと身体を密着してきた。
「はああっ」
喰いしばっていた歯から声がこぼれ出た。
お尻側から男根のようなものが股間の入口に当たったのだ。
ずぶずぶと股間を貫かれる。
「んふううっ、ふううっ」
経験がなかったくらいの巨大で峻烈な快感が駆け抜けた。
油剤による掻痒感が癒されたからだけではない。
カモフラージュ・リングで認識阻害であったとはいえ、全裸で大公宮内を歩かされ、しかも、激しい尿意の苦悶と付け加えられた掻痒感という二重、三重の苦悶を受けて、ロクサーヌの体内は異常なほどの昂ぶりに襲われていた。
それが貫かれる快感を激しくした。
認めたくはないが、他人に見られるかもしれないという恐怖がロクサーヌの性感を鋭く反応させてしまっていたのだ。
自分はマゾだ──。
いまこそ、ロクサーヌははっきりと自覚した。
「んんっ、んっ、んんっ」
後背位での律動が続く。
ロクサーヌは懸命に声を殺した。
だが、無理だった。
あっという間に頭が真っ白になるような快感が襲い掛かってきた。
そして、後ろからロクサーヌを犯している人物が身体を突っ伏しかけた身体を乳房を掴んで支える。
そして、揉み引っ張られる。
「あううっ、んぐうううっ」
ロクサーヌはがくがくと身体を痙攣させて絶頂した。
そして、なにもかもわからなくなり、真っ白な世界に包まれていった。