※この作品はR-18です。

初恋と忘れられない想い   作:南雲悠介

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もう一度恋に向き合う覚悟を決めた時

 辛くて苦しい気持ちが湧き起こってくる……。

 私はその感情に押しつぶされそうになる、何度も何度も後悔をする。

 もう酷いくらいに泣いた──顔は見せられないくらいになっちゃってそれでも泣き足りないくらい。

 涙が枯れる事ってあるんだねって思う。私は今それがわかる。

 

 初めての「恋」は想像していたよりも悲しい結果に終わっちゃった十年前のあの日、私は雅也君の告白の返事を断った、それが今になって私自身の恋愛の障害になった。

 人を好きになったのは初めての体験だった、胸元に輝く白銀のネックレスが気付かせてくれた儚い想い。

 恋に落ちた私はこれまでに感じた事がない感情が湧き上がる。

 彼の事を考えてベッドを軋ませた日、自分の本当も気持ちに気づくのがこんなにも遅くなっちゃった……。

 

 人生は一度きりだからこそ選択肢は間違える事ができない、やり直しが効かない時間を生きているというのを改めて分らされた。

 

 もしも、篠宮さん(あのこ)よりも先に彼に私の想いを伝えていたのなら──違った結果になってたのかな? 

 何度も後悔する……。私を好きだと言ってくれた彼、恋愛に微塵も興味を持たなかった自分が初めて好きになった人。

 ううん、好きなんて言葉じゃ軽い気がする、私の雅也君への想いはそんな軽い気持ちなんかじゃない。

 

 自分でもそう分かるの。彼と触れ合った時、堪らないほどに愛おしくてずっと側にいてほしいと思った。

 自分がこんなに独占欲が強い子なんて知らなかった。それは「恋」をして初めて理解する事ができた。

 

 恋愛小説は読んだ事があったけれど、まさか自分が物語の中の人物みたいな恋愛をするなんてピンと来なかった。

 

 雅也君にプレゼントされたネックレスはいつも通りの綺麗な色を見せてくれる

 それを見ていると私は更に彼への想いが強くなる。

 

 もしもやり直す事ができるのなら──中学生の頃に戻って彼の告白に応える。

 

『私を雅也君の恋人にしてください』って言う。そこから私たちは今と違う未来を歩いて行くんだろうなあ。

 私は雅也君の彼女で彼はいつだって自分の事よりも私のことを優先してくれて、そうやってゆっくりと二人は仲を深めて行くの。

 そしてお互いに将来の事を語り合いながら関係を結んでいく。

 

 そんな違った形の未来を想像する。だけど、今の私の側に彼はいない……。

 

「咲希ちゃんの笑顔が好きなんだ」

 

 雅也君は私の顔が好きだと言ってくれた。彼に笑顔を見せたことなんて数えるほどあるわけじゃないのに一度見せた笑顔をずっと覚えていてくれた。

 

 大雨が降った日、何も言わずに傘を貸してくれた事、文化祭の時、重いもの運んでいた時に声をかけて手伝ってくれた事。

 今思いだすと彼は私にすごく優しくしてくれた。それでも雅也君の好意に気づかないばかりか彼の事を振った。

 

 取り返しがつかない事をしたんだなって分かったのは最近になってから。

 

 手を伸ばしても届かない恋──私はもう一度雅也君に好きなってほしい。

 音楽プレイヤーから流れてくる静かなメロディが暗い部屋の中で一人ぼっちの私の心に響く。

 大好きな曲をかけてるのにちっとも良い気分になれない。

 

 恋愛をするってことは簡単なことじゃない──好きになった人ができて初めて理解する。

 片思いの不安さや告白した後のもどかしさ、色々な感情が湧き起こってくるの。

 

 他の子はどうなんだろう? 初恋は実らないものなのかな? 諦めて他の相手を探したりしてるのかな? 

 

 けれど、私には雅也君以上に好きになれそうな相手はできないと思う。

 だからこそ、例えどんなに辛い結末だとしても諦めたくない。

 

 自分の気持ちに正直に生きようって決めたから──そんなに割り切れるほど私の彼への想いは易くない。

 

 もうじき三月になろうとしている中、私は気持ち新たにもう一度「恋」 に向き合う覚悟を決めるのでした。

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