一人では解決できそうにない問題に直面した時に人はどんな行動を取るのだろうか?
悩み事を解決する為に自分ができる範囲で活動をするものだと思う。
今までの僕は誰かに頼ることなんてしてこなかった。
他人と距離を置いてきた自分の性でもあるんだけど……。不安の波に飲み込まれてしまいそうになる時がある。
僕は一人でずっと考えながらやってきたつもりだけど、それで困る事もなかった。
けれども今回は事情が違っている、僕だけの力ではどうすることもできない事象に遭遇した。
今までが些細なトラブルが少なかったと言えば嘘になるけど、ここまで大きな出来事には滅多に会うことはない。
仕事をしていると時々自分は何の為に働いているんだろうと考える──上司からの指摘を真摯に受けているのだけど、小さなミスで萎縮してそれがまた違うミスを呼び込む『負の連鎖』なんていう言葉を聞く機会があるのだけどれも、言い得て妙はフレーズだと感じる。
どちらかといえば僕は不器用な方だ、それは自分でも自覚しているし、改善しようと頑張ってみているけれどそれが周りに正しい形で伝わっているのかはわからない……。
ただ直向きに目の前の事に集中する。例えそれで成果が上がられなくても不器用な生き方しかできない僕には他に選ぶような選択肢すら残っていないのだから。
こんな自分でも変わっていこうというきっかけを与えてくれた彼女には感謝している。職場では湊ちゃんの目に僕がどう言うふうに映っているのかは知らないけれども、彼女の良い影響を受けて僕自身も成長する。
だからこそ、いい加減な気持ちは持てない──ふぅと大きく息を吐いて咲希ちゃんに教えてもらった電話番号へ電話する。
誰かの力を借りてもいい。これは僕たちが解決しなくちゃいけない。
「もしもし?」
ようやく繋がった敢えて知らない番号からの電話を取るのを躊躇ったのか久我山さんと通話ができるとうになるまで数秒ほど時間が経過していた。
「もしもし、これは久我山さんの携帯の番号で良いのかな? 僕は新堂です」
「良いわよ。あなたから電話をかけてくるなんてね。それであたしに何か用事?」
「一度会って話がしたい。僕一人じゃなく今度は恋人も一緒だ。君がやろうとしている事に僕たちは不快感を覚えている。その事も含めてもう一度話をしよう」
「良いわよ。あと一つ聞くけどそこに咲希は呼んでるの?」
「いいや……。咲希ちゃんは呼んでいない。僕と恋人だけだよ」
「そう、あたしはあの子も呼んで欲しいんだけど。一応咲希も登場人物の一人なわけだし、今どう言う状況なのかも確認しておきたいから」
「君が直接に呼び出せば良いんじゃない? 友達なんだろう? だったら遠慮する必要はないと思うんだけど」
「あたしあの子と色々あって顔を合わせづらいんだよね……」
「わかった咲希ちゃんには僕から連絡しておくよ」
久我山さんとの通話を終えた僕はすぐに湊ちゃんへ電話する、これは僕らの問題だから彼女にも付き合ってもらう、次で最後だ、久我山さんに言いたいことは山ほどある。それを言い切って彼女の計画を破綻させよう。
「これで最後にしよう」
会う日の予定を決めて僕はもう一度あの子へ連絡を取るのでした。