胎間忍 作:内府
アサギはこの任務にあたって成功率を上げるために4人のくノ一を招集した。
一人目は自分の後輩達の中でも一二を争う実力の持ち主で厳格な ムラサキ
二人目は自分の実の妹でムラサキに引けを取らない実力の持ち主だがマイペースな サ クラ
三人目は自分の弟子の中でも特に優秀でしっかり者な 凛子
四人目は凛子の妹弟子にあたり才能はあるがどこか抜けている ユキカゼ
以上の四人組である。
ムラサキ「アサギ様から呼び出されたが何の用だろうか?」
サクラ「さあ?それよりも綱手様がまた子供を産んでいるそうよ。」
ムラサキ「サクラ、お前という奴はもっとこの状況について真面目に考えろ!」
サクラ「えーいいじゃない別に、姉様のことだから依頼かなにかでしょ。」
凛子「まあまあ、お二人とも用件については師匠から説明があるのでそれを待ちましょう。しかし、里長というのも難儀なものですね。もう五十路に近いというのに毎月のようにお子を産まれるとは。」
ユキカゼ「えっ?!綱手様って三十路の若い方じゃないんですか?」
ムラサキ「何を言っている、里長は忍法・若体回帰で若さを維持しているのだ。」
ユキカゼ「へー、知りませんでした。でもその年ではもはやおば…」
サクラ「それ以上は禁句だから言わないでねー」
ユキカゼ「…気を付けます。」
四人が綱手の噂をしているとそこにアサギがやってきた。
アサギは4人が全員揃っていることを確認すると任務の内容を伝えた。
アサギ「今回の依頼は浅井家の子種を残すこと。現在、浅井家は織田家と合戦中よ。浅井家は最後の拠点である小谷城に籠もっているから小谷城に潜入する必要があるわね。子種を受けたら城から脱出して織田家からの追撃を躱し赤子を産む。以上が今回の計画よ。何か質問はある?」
ムラサキ達は任務についての確認事項を尋ねた。
ムラサキ「生まれた子は何方がひきとられるのですか?」
アサギ「反織田家の大名家よ。本願寺毛利武田朝倉といった大名家が保護する手筈になっているわ。」
サクラ「浅井家の当主ってどんな人?顔は?年は?」
アサギ「はぁ、サクラあなたって子は…浅井家の当主は長政といって年は三十頃で顔は美男子という噂よ。」
凜子「浅井長政は子供はいるのですか?種無しということは?」
アサギ「正室との間に3人の姫がいるから種無しということはないんじゃない。」
ユキカゼ「よーし、分かったわ!このユキカゼ様にかかれば楽勝よ!」
ユキカゼが威勢の良いことを言い残りの3人も依頼を受けることを決めた。
アサギは4人に任務の準備をして1時間後に里から出発すると告げて解散した。5人はそれぞれ自宅に戻り任務の支度を整えて1時間後に里の出入り口に集合した。
仲間達に計画を伝えたアサギは里長に出立の報告をするため里の産小屋に向かった。産小屋の中では綱手のお産が進んでいる。綱手は産小屋の天井の梁から垂れ下がっている2本の綱を左右の手に握り、仰向けの状態で大きく股を開いていきんでいる。綱手の顔はかなり赤くなっており汗もかなり流れているのか着ている襦袢が透けて見えた。産小屋の中にいる、里長の付き人のくノ一にアサギは声を掛けた。
アサギ「シズネさん、今から依頼のために出立します。里長によろしくお伝えください。」
シズネ「ええ、アサギ気をつけて行ってらっしゃい。里の不入の掟は忘れていないわね?」
アサギ「勿論です。」
里の不入の掟とは外敵の侵入を防ぐための掟である。この里は朝廷から武家や各忍び里といったあらゆる組織と秘密の盟約を結んでいる。その盟約とはこの里やくノ一に対して攻撃を加えないというものであった。この盟約により里は守られていたが敵対した大名家を根絶やしにしたい大名家としては、産まれてくる赤子はなんとしても亡き者にしたいと思っていた。そこで大名家は盟約を認めるかわりにある条件を付けた。大名家の子を孕んだくノ一は里に入ることができず、その間のくノ一に対しては堕胎や殺害をしても許されるといった内容であった。
アサギ「1年近く里を離れますが、里や長のことをよろしく頼みます。」
シズネ「任せて、あっ綱手様が一人目をお産みになるわ。」
産小屋の中を見ると綱手の股間から胎児の頭が見えている。ただ、これで綱手のお産が終わるわけではなく事前の診察で少なくとも3つの心音が聞こえていた。