---江戸川コナン---
父さんの葬儀に、俺は立ち会えなかった。こんな姿だから。灰原と共に焼香だけを済ませた。やつれた顔の母さん。俺と目が合うと笑顔になったが、目が完全に死んでいた。
ネットでのニュースでも、話題になった。あのナイトバロンの作者、謎の自殺と…世界的なヒットメーカーだった父さん、海外のニュースでも取り上げられてた。
葬儀が終わり、母さんと家で喪に服す俺。なんで、父さんがやられたんだ?いつ、術に嵌められたんだ?そこがわからない。
アイツは本当に魔法使いなのか?いや、マインド系の超能力者か?
呼び鈴が鳴った。うん?お客さんのようだ。母さんは応対に出られない。自分の部屋で、ぼぉ~っとしている。
俺が応対に向かい、扉を開けると、頭にチョコンと帽子を載せ、赤いワンピースにジャケットを羽織った少女が立っていた。
「初めまして、カトリーエイル・レイトンと申します。カトリーとお呼びください」
流暢な英国式の英語で挨拶する少女。
「工藤優作氏の家は、ここで良いですか?」
頷く俺。すると、少女は家の中に入った。
「私はかの名探偵にして考古学者であるプロフェッサー・レイトンの娘です。幼く見えますが、一応21歳ですよ」
レイトン教授?あぁ、謎解きの第一人者だったな。行方不明になったらしいけど。
「で、御用件は?」
「工藤優作氏は殺されたって、本当ですか?スコットランドヤードから、情報を貰いました」
コイツ、謎に挑むつもりか?
「そうか…だが、相手が悪い。帰った方がいいぞ」
「相手が悪い?犯人は特定されているのですか?」
「あぁ…魔法使いだよ」
「魔法使い?いるんですか?」
目を輝かしているようだ。更に興味を抱いてしまったのか。
「魔法使いで無いと、説明が付かない謎なんだよ」
「ふ~ん、ではワトソン君、調査へ行こうでは無いですか。現場に案内してください」
俺がワトソンだって?まぁ、かわいいから、いいか。
◇
父さんの部屋へ案内した。
「ここで、死んでいたんだよ。床一面血で染めてね」
「凶器は何ですか?」
「ストローニードルだ」
「え!拷問死させる、アレですか?」
「あぁ」
「そうなると、ここで拷問…違うか。ソレを刺すように仕向けられたのか?」
仕向ける?
「どうやって?」
「それには情報が足りませんね」
そうか…違う物と思わせたのか…何に思わせたんだ?
「ワトソン君、甘いものが食べたいです。脳みそが栄養を欲しています」
ケーキが食いたいのか?
◇
安室さんのお店に来た。美味しそうにケーキセットをパクつくカトリー。
「どうしたんです?そんな難しい顔をして」
お気楽そうな顔のカトリー。
「うん?何に思わせたのかだ。それが分かれば、どこで接触したかも分かる筈だし」
「そうですね。血管に貼る物…血流を良くする磁気治療器具とか…」
赤井さんは使わなそうだ。
「新しい彼女かな?」
安室さんが寄って来た。店内には、俺達3名しかいない。
「いや、レイトン教授の娘だそうだ」
「あの謎解きで有名な?で、今回の事件に興味を持ったのか」
日本語で会話しているので、カトリーには内容は分からないだろう。って、ケーキに夢中であるけど。
「どうやって、ストローニードルを自ら付けたと思う?」
「まぁ、現場の状況からした、自ら装着したと判断するのは正しいが…あの赤井が躊躇もせずに使用するとなると難しいな」
そこが難問である。
「そもそも、いつ術中に嵌まったかだ。それが分からないと、足取りが追えない」
そうだよな。いつだ?
「あぁ、美味しかった~」
カトリーが食い終わったようだ。
「何か書き置きとか、メモは無いの?」
「無い。捜査機関が調べたが、見付からなかった」
「そうなると、ごく自然な行為だったのか…」
ごく自然かぁ…
「で、容疑者の職業は?」
「イリュージョニストだ」
「う~ん、大掛かりなタネを使う手品師ですか…この犯人は寧ろ、クローズアップ系だと思うのですけど」
確かに、誤認とか思い込みを利用しているかもな。いや、アイツの種は小規模なはずだ。大規模な装置は使っていない気がする。
「次の問題は動機ですね」
「動機…そうだな。父さんが何かに気づき、赤井さんに調査をしてもらったから…その何かは何かだな」
謎が多いなぁ…
---工藤有希子---
英里が訪ねて来た。彼女と抱き合う。貝合わせ…気持ち良い。悲しみに満ちあふれた心が蕩けていく。
「ねぇ、有希子…どうして、手を差し伸べなかったの?」
誰に?
「彼があんな風になるまで手を差し伸べずに、寧ろ敵対するって…」
誰のこと?
「あなた達夫婦のお気に入りの手品師だったそうじゃない?向こうでは、生活の世話も手助けしていたって」
あぁ…当麻君のことか…
「彼の心を癒やそうとしたわ。闇に染まっていたから」
「癒やすだけ?なんで、手を差し伸べて挙げなかったの?優作さんなら、可能だったでしょ?」
彼は問題を抱えていた。愛する女性と子供が失踪していた。だけど…既に彼らは…そんなことを言えなかった。少し明るさを取り戻して来た彼に…そう…あの人は彼に対して、本当の息子の様に接していた。
「彼に会いたい。会って、想いを伝えたい…」
「私が伝えてあげるわ。さぁ、言ってごらんなさい」
直接、言いたい…
---宗方当麻---
中々、新しいマジックが浮かばない。新作を徐々に出さないと、飽きられてしまう。う~ん、どうするかな。
「根を詰めすぎると、顔が恐いわよ」
珈琲を俺の前に差し出した美和子。
「新作が浮かばないんだよ」
「クローズアップの新作?」
「あっちは、種を進化させればいいだけだよ。ショーの方だ。そうだ、向こうへ帰る時、美和子も蘭も付いて来てくれるかな?」
「断れば、消す?」
睨むような視線を投げる美和子。
「女性は手に掛けたくない」
「勿論、私も蘭ちゃんも一緒に行くわよ」
一転して笑顔で抱きついて来た。あぁ、珈琲が零れそうだよ。
「そうか…ありがとう。単身赴任だと、また失ってしまいそうで恐いんだ」
仄と子供のように…後、探偵だが…蘭の父親だしなぁ。いや、失踪届を受理した警察官がいるか…
---目暮警部---
また、佐藤刑事から封書が届いた。消印は都内かぁ…小まめに移動しているのか?前回は千葉だったし。
「内容はどんな感じなんですか?」
白鳥刑事に訊かれた。
「元気だそうだよ。で、2度死んだ事になっている、女子高生の生命保険の支払状況を、確認してくれとある。まさか、保険金詐欺も絡んでいるのか?」
高木刑事が保険会社に確認をしている。
「警部…二度払われているそうです。1億ずつ…」
「何?女子高生に1億の生命保険だと…」
有り得ない額である。保険金絡みなのか。あの事件の本質がわからない。強盗はフェイクだと、宝石店も保険金絡みなるし。うん?
「なぁ、あのスタンドの現場の遺留物に、盗まれた宝石はあったのか?」
「燃えて灰になったと、科捜研から情報が届いています」
燃えた?石だぞ。それに貴金属は溶けるだけでは無いのか?
「おい!科捜研に再確認してくれ」
千葉刑事が確認をし始めた。
「警部…妙なことなんですが、科捜研では鑑定をしていないそうです」
「なんだとぉぉぉぉ~」
刑事部部長は、鑑定まででっち上げたのか?
「おい!残っている資料をかき集めて、再捜査だ。あの事件には裏がありそうだ」
◇
しかし、残っている捜査資料は、我々の手元に残っている物だけで、後は廃棄されたそうだ。
「保管が原則なのに…」
部長決裁で破棄って何だ?
「関係者の職業と背後関係を調べてくれ。もう、これしか無い」
そう、手詰まりすぎた。佐藤刑事の直感通り、あの時点で再調査していれば…
---江戸川コナン---
阿笠博士に、当麻のイリュージョンの解析を頼んだ。どんな種が潜んでいるのかが、知りたくてだ。
「工藤君、あの彼女が新しい彼女かしら?」
灰原に訊かれた。
「彼女はカトリーだ。あのレイトン教授の娘さんだよ」
「謎に取り憑かれて行方不明の?」
頷く俺。
「新一、これは…う~ん…」
ラスベガスでのショーがDVDで売られていたので、ソレを見ながら解析をしてくれている。
「義手を仕込んで、炎を出している可能性が大じゃな」
義手?
「博士、それは無いわよ。彼、イギリスでクローズアップしているし」
灰原がネットで情報を見つけ出した。アイツは、イギリスではクローズアップで有名な手品師で、アメリカではイリュージョニストとして有名であった。
「クローズアップかい。そうじゃな、義手では無理だな」
頭を抱える阿笠博士。それほど難問のようだ。
「そうだ、灰原。初代宗方なんたらって、どんな手品師なんだ?」
「えぇっと…手品の種師みたいよ。温泉地での営業メインの売れ無い手品師って感じ。だけど、最後は脱出マジックで事故死って…なんで、こんな無謀なことを?」
水中脱出…失敗をし、観客が見ている前で、溺死したようだ。
「その脱出マジックをする経緯はわかるか?」
「ちょっと待ってね」
パソコンを操作して、データを検索する灰原。
「あったわ。これは…公開処刑…無理ヤリのようよ」
公開処刑?
「見事脱出出来たら、借金をチャラにするって、嫌がる初代を後手に手錠をして、足には重りを付けて、水槽に沈めたらしわ…で、観客は小芝居と思っていたようだけど…警察が来た時には、すでにソイツらは消えていたって…これって…」
うん?灰原が何かを見て固まっていた。何を見たんだ?
「処刑を実行した奴らって、分かるか?」
「ジンとウォッカ…」
「黒ずくめの組織か…」
モニタにはアイツらの似顔絵が映し出されていた。
◇
翌日、安室さんから連絡を受けた。安室さんの元へ向かうと、どこかの施設に連れて行かれた。そこには、台の上に横たわる全裸のジンとウォッカがいた。全身が青白いし、これって…
「一昨日死んだようだ。死因は失血死、凶器はストローニードルだ」
アイツ、初代の復讐を始めたのか…
「彼の師匠を殺したのは、この二人だよ。コイツらがやられて、捜査をしたら、そんな結果がわかった」
アイツはどうやって、調べているのか…いや、自白させたのか?
「もしかして、赤井さんって…」
「あぁ、その可能性はある。黒の組織の一員と知り、自白させられたのかもしれない。そして、工藤優作氏もまた黒の組織のメンバーと誤認されたのかもしれない」
「催眠術?」
「あぁ、逆行催眠かもな。問題は、ジンとウォッカから、何を自白させたのかだ。それにより、次のターゲットが決まる」
安室さんは、思い詰めているようだ。まさか、次は安室さんか?
「うん?あぁ、俺は大丈夫だよ。赤井のようなヘマはしない」
だけど…
---宗方当麻---
蘭と二人で、世良真純とい少女を調教している。蘭がナイフを手にして、彼女を殺そう賭したのだが、それは阻止した。蘭が汚れるのは好ましく無いから。
「どうしたの、世良ちゃん。舌が休んでいるわよ」
俺のモノを舐めさせている蘭。蘭は俺の背中に抱き付き、俺の前身を撫で回している。
「私もラスベガスに連れて行って貰えるんですね」
「あぁ。向こうでは助手をしてもらうよ」
「はい、喜んで。あぁ、準備は出来たわね。じゃ、世良ちゃん、ご褒美よ」
真純の股間にバターを塗り付け、犬達に舐めさせていく。そして、俺は蘭に導かれるようにして、ベッドに横になり、蘭と愛し合う。
次のターゲットは強敵だ。どうするかな。どう仕掛けるかな。
「もう、ベッドの上で難しい顔は無しですよ」
頬を膨らませた蘭。かわいい怒り方だ。蘭の腰に手を掛けて、力一杯に突き上げていく。
「あ、あ、あ、いい…あ、あ、あ、あ…」
刺激を愉しむ為、言葉が少なめの蘭。突きに合わせて、俺の胸板で蘭の乳首が踊っている。
「イク…」
アヘ顔で蘭が果て、出そうなので、蘭から抜いて、真純の頭へと噴射した。
---シャロン・ヴィンヤード---
珍しい知り合いに呼び出された。どうやって、この連絡先を仕入れたのやら。
「ねぇ、旦那が死んだのに、こんな処に呼び出すって、どういうこと?」
「シャロン…」
工藤有希子はどこか壊れているようだ。まぁ、最愛な者が殺されたんですものね。有希子が意外な行動に出た。私に抱き付き、唇を重ねて来た。どういう趣向だ?
有希子の手は、私の服を脱がしている。こんな場所でするのか?ここは撮影所にある倉庫の1つである。夜間は利用者がいないので、密会には便利らしいが…
「うっ…」
有希子の舌が入って来た。私を食すのか?旦那が死んで、ここまで壊れたのか。有希子に気を取られ、背後への警戒が薄れていたのかもしれない。首筋に針を刺すような刺激が…
「ゲームセットだよ、ベルモットさん」
知らない男性の声…意識が朦朧としていく。この私を…どうするんだ。
「有希子さん、こいつを薬漬けにしよう」
「はい…」
薬漬けだと…身体が動かない。何を注入されたんだ?有希子が私の股間に何かを塗り込み、膣に何かを流しこんだ。そっち系の薬漬けだと…口元にヨダレが垂れる感触を感じる。腰が勝手に動く。マズい…薬に飲み込まれる。
「ホラ、お舐め」
目の前に肉棒。それを口に頬張る。口の中で大きくなっていく肉棒。コイツ、どんだけデカいんだ。
「うごっ」
喉の奥を突かれる感覚。苦しい。息が…
◇
何時の間に意識が飛んだのだ。ここはどこだ。
「お目覚めですか。今、あなたは濃縮した媚薬を凍らせた氷にサンドされています。あぁ、大切な穴には棒状の氷が差し込まれています。そこから脱出出来たら、見逃してあげますよ」
まさか…あの時の手品師の関係者か…身体の芯が冷たい。氷の重さで、身動きが取れない上、冷たさで全身の感覚が薄れていく。なのに、体内では悶悶とした刺激が産み出されていく。ここ地獄か…
「お前、あの手品師の関係者か?」
「えぇ、弟子ですよ。演芸程度の手品しか出来ない師匠に、脱出マジックを強要って、有り得ないでしょ?黒ずくめの3人の男女が無理ヤリ、やらせたことは分かっている。どうして、師匠にあんなことを?」
「簡単に口を割ると思うなよ」
「えぇ、簡単に割らないでくださいよ。つまらないですから」
コイツ、ドエスか…腰が…
「あぁ、氷が全部溶けると、媚薬に満たされた水槽に落ちますからね」
この状態で水槽に落ちたら、助からない。身体が麻痺してきている。マズい…