---シャロン・ヴィンヤード---
「身体が冷え切っていますね。お風呂で暖まってください」
冷水責めの次は蒸し風呂か…高濃度な催淫効果のあるガスで満たされた、蒸し風呂。催淫効果のある液体の蒸気で、濃度が更に濃くなっていく。自分で性欲がコントロール出来なくなっていく。この私がだ…
身体が自由に動けない。指で自慰をしてしまう。相手の思うツボであるが、ガマンが出来ない。さすがの私も、このままでは体力が保たない。息も苦しい…全身が痙攣していく。頭の中が真っ白になっていく。
脱水状態で頭がクラクラする。今度は手足を縛られ、芋虫のように前進しか出来ない。媚薬のみぞれの上を…股間にジワジワと媚薬が浸透していく。喉を潤すため、みぞれを口にして、体内に媚薬を摂取してしまう。まさに薬漬けである。欲しい…性的刺激が…
「ソロソロ限界ですか?真相を話してくれれば、楽にしてあげますよ」
「はぁ?言える訳無いだろ」
私にも意地がある。強がって見せる。次はどんな責めだ。ゾクゾクする心。
円柱状の器に入れられた。手足は拘束されていないが、私の肩幅が直径のようで、身動きが出来ない。膝を曲げることも難しい。自慰すら出来ない。上から何かが降ってきた。これは?
肌に触れると熱い…蝋のようだ。乳首に垂れると激痛の後に、快楽が忍び寄る。媚薬効果のある蝋のようだ。甘い香りが微かにする。媚薬が気化しているようだ。まだ、媚薬を摂取させるのか。身体の芯が熱い。太股に暖かい液体が伝わって落ちていく。
随分と時間が経つと、肩まで蝋に埋まっていた。口元までもうすぐである。顔にも垂れていて、鼻の穴以外ほぼ蝋でコーティングされている。鼻の穴が埋まれば…死が身近に迫っている。身体の芯が冷えていく。体外に出せなくなった体液が、体内で冷えているようだ。こんな惨め姿で死にたくは無い。プライドが高い私が…精神はズタズタで、いつ狂ってもおかしく無いくらいに、責め立てられていた。
「その蝋を溶かします。体内に液体となった蝋が入り込みますよ」
「待て…言う…から」
それは避けないと…体内で蝋が固まったら、取り出す事は困難になる。流石に相手の責めに降参した私。だが…
「どの道溶かさないと、救助出来ませんから」
非情な言葉…体内に入るだろうに…呼吸をする度に、蝋が溶けた際に気化した媚薬成分が、更に体内へと浸透していく。まだ責めが続くのか?もうカンベンしてください。こんなに徹底的に私を壊すとは、それだけ彼の恨みは凄まじいのだろうか。
---水無 怜奈---
元日売テレビのアナウンサーとして、仕事が入った。現場に向かうと、ベルモットが拷問を受けていた。これは一体。あのベルモットが命乞いをしていた。信じられない光景に固まる私。
「さぁ、実況をしてください。憐れな女の苦しむ姿を、そしてプライド高き女の命乞いの姿を」
「これは一体…」
「仲間が苦しむところを実況できませんか?」
コイツ…私の正体に気づいているのか。
「ねぇ、キールさん。あなたのことは、ベルモットさんから訊いていますよ」
え…何を言ったの?って、ベルモットが口を割ったのか…
一瞬、頭がクラッとすると、場面が変わっていた。そのベルモットと交わっていた。股間には二股のバイブが刺さっていて、私と彼女をつなぎ止めていた。
「プレイ中の事故って、どうですか?」
え…私が…NOCだと告白して、彼は大丈夫な相手なのか?それとも、ベルモットの演技だろうか?
「ここは、半年くらい、誰も来ないです。では、お楽しみください」
「待って!お願い…ねぇ、置いて行かないでぇ~」
次の瞬間、全身に電流が流れた。
---安室透----
また、組織の者がやられた。コルンとキャンティだ。アイツは何を聞き出したのだ?アイツの目的は組織なのか?
「いらっしゃ…」
店に、アイツがやって来た。どうして、ここが…
「バーボン、あるかな」
「ここは喫茶店です。アルコールはビールくらいしか無いですよ」
「ベルモットが、ここを紹介してくれたんだが」
まさか、ベルモットまでやられたのか?
「目的はなんだ?」
「師匠を殺した理由だよ。仄の方は、真相が見えて来た。後は黒幕が誰かだけだ」
「何故、赤井を殺した!」
「赤井?誰だそれは?」
「お前は、手に掛けた相手の名前を知らないのか?」
「知りたく無い。俺は真相が知りたいだけだ。名前に興味は無い。うん?ジャマが入りそうだ。場所を変えるか」
何?
---江戸川コナン---
カトリーと安室さんの店に来た。また、ケーキセットが食べたいって…コイツ、どんだけ喰うんだ?
店内の雰囲気がどこか、いつもと違う。どこが違うんだ?
「安室さん…」
あれ?今さっきまでいたのに、どこへ行ったんだ?
「新一君。注意して」
カトリーが警告を発した。彼女も何かを感じたようだ。何があるんだ?
「ゆっくりと、店内を出るのよ」
俺とカトリーは店外へと出る扉に近づいて行く。
ドッカーン!
大音響の爆発音。俺とカトリーは店外に叩き出された。なっ、爆発だと。
「カトリー、大丈夫か?」
相棒の心配をした。
「えぇ…どうして、爆発したんだろう…」
確かに、スイッチ類は無かった。まさか時限装置か?安室さんが仕掛けたのか?
消防が来て、火を消し止めた。焼け跡から遺体は出なかった。幸い、おっちゃんは、まだ拘置所の中だったのが、幸いした。それにしても安室さんはどこへ行ったんだ?店に入る前は、店内にいたのが見えたのだが。
---シャロン・ヴィンヤード---
まだ私を殺さないで、いたぶる気だ。目の前には、キールとバーボンが、ベッドの上で重なっていた。
「腹上死って、設定だよ。ほら、口で奉仕しろよ」
アイツのモノを口に頬張り、舌で転がしていく。片手で、自分の股間の準備をしていく。準備が出来たら、直ぐに出来る様にだ。
「よし!四つん這いになれ」
四つん這いになり、アイツへ腰を向けると、直ぐに体内に波動が打ち込まれてきた。身体が軋むくらいの波動だ。脳まで揺れている。いい…幸せである。
「さてと、真相を話して貰おうか」
目の前の二人は、ピクりとも動かない。バーボンは濃い薬物で心臓麻痺を起こし、バーボンが覆い被さったことで、キールは窒息したようだ。
「俺の師匠は、なんで殺されたんだ?」
「あぁ、取引現場を目撃されたからだ…」
「そんな理由で、あんな拷問のような殺し方なのか…」
「ジンはサディストだからな」
「次に、仄はなんで殺されたんだ?」
「あの男の娘だからだ」
「なんだ、その理由は」
突きが激しくなっていく。痛い…避けてしまう…が、突然突きが止まった。
「もう、止めて!お願いだから」
この声はエンジェルか…そうか、エンジェルが傍にいたのか。だから…私は助かったのだろうな。
---江戸川コナン---
安室さんが死んだそうだ。それも薬物中毒による心臓麻痺で、腹上死だったそうだ。有り得ない。あの安室さんが…相手の女性はキールらしい。
組織にNOCと疑われたのかもしれない。ジン達が消えて、組織も慌ただしいのだろう。
「工藤君、訊いている?」
灰原の声。
「なんだっけ?」
「あぁ、都合の悪い情報は耳に入らないのかしら?来る物が来ないのよ」
って、出来たのか?!おいおい…
「責任をとりなさいね。男の子なんだから」
「何を言っているんだよ。スタンガンで無理ヤリだろ?」
「無理ヤリって、証拠があるの?」
そうだ、証拠だ。アイツのやった証拠も、組織がやった証拠も無い。どちらも完全犯罪に精通しているもんな。
「工藤君、また耳が日曜日かしら?」
「灰原、サンキュー。ヒントをありがとうな!」
俺は現場へ向かった。国際免許を持っているカトリーの運転で…
◇
二人で現場になった貸別荘に侵入した。
「う~ん、鍵は閉まっていたのよね」
「あぁ、鍵はあてにならない。脱出マジックが出来るヤツなら、無いのも一緒だ」
ベッドルーム。あのベッドで、安室さんと水無 怜奈が抱き合って死んでいた。うん?床が湿っている。これって…臭いを嗅ぐ。女性の体液か?床の上でやったのか?ベッドがあるのに…いや、ベッドが使えないから。犯人はここで異性とプレイをした。死体を前にして興奮してか?
組織で残っているのは、ベルモットとラムとあの方か。まぁ、俺の知らないメンバーもいるだろうけど。
---鈴木園子---
叔父から宗方当麻の具合を見てきてくれと言われた。彼に連絡をすると新宿の安いホテルにいるという。そこへ向かった。なんで、鈴木財閥で予約したホテルに泊まらないんだよ。
「あれ?園子じゃない」
って、蘭がいるし…
「どこに行くの?」
「宗方当麻氏の元よ」
「そうなんだ。じゃ、一緒に行こうっと。あぁ、そっちじゃないよ、こっちよ」
って、なんで蘭が知っているんだ?
着いた先はホテルでは無く、ウィクリーマンションだった。はぁ?
「この部屋よ」
インターフォンを押す蘭。
「蘭です。鈴木園子さんをお連れしました」
ガチャ
ドアが開き、彼が出て来た。
「うん?二人は知り合い?まぁ入ってくれ」
室内に入れた。蘭は、台所に消えていく。
「どうして、ホテルでは無いんですか?」
「あぁ、家庭料理が食べたくてね。蘭に毎日作って貰っているんだよ」
って、蘭と同棲しているのか。蘭は工藤君と破局したのか?
「で、御用件は?」
「あぁ、ショーの開催の目処をお聞きしに来ました」
「身体の方は問題無いんだけど、警察に壊された小道具が、まだ出来上がって来ないんだよ」
「なるほど…で、いつ出来上がりそうですか?」
「後1ヶ月なら確実だそうだ。で、出来上がってきて、正常に作動するか確かめて、それからじゃないと、不完全なショーではお客さんに申し訳無いし」
「では、1ヶ月半あれば、大丈夫ですか?」
「それは、納品された小道具次第だよ。まず、問題は無いと思うけど。日本の警察は惨いよね。手品師の種を壊しても、謝罪しないんだから」
なるほど、警察が元凶なのだな。
「園子も食べていく?」
台所から蘭の声がした。
「そうね、食べていこうかな。たまには蘭の手料理も悪く無いし」
「そうだ。イリュージョンは無理でも、クローズアップだったら、プレイは出来るよ。まぁ、もって30分くらいだけど…」
トランプの手品をしてくれた。う~ん、種がわからない。選らんだカードが次々に当てられていく。
コインの手品をしてくれた。コップの底を通貨するコイン。これも不思議である。
「で、今練習中なのは、人体の透過だよ」
人体の透過?実演してくれた。私の手の甲からコインが入って、手の平に抜けると言うものだった。
「どうかな?演じるには4~5人が限界だけどね」
不思議過ぎる。私の手である。種も仕掛けも無い私の手を透過したコイン…
「後、こんなのもあるんだけど、見せ方が難しくて、今思案中なんだよ」
って、頭の天辺から入ったコインが、パンツの中にいるし…これは、演目には入れられない。
「股間まで通貨も出来るんだけど、背中の後を通したとか言われそうでしょ。左右上下前後からカメラワークで取れば、オーケーだけど、舞台上では難しいよね?」
イリュージョンが出来ない代わりに、演目を模索してくれていた。
「では帰って叔父に相談してみます。って、おトイレどこですか。パンツの中のコインを取りだしたいです」
「あぁ、こっちです」
しかし、これの種ってなんだ?不思議過ぎる。
---佐藤美和子---
久しぶりに職場に向かった。踏ん切りを付ける為である。
「佐藤刑事…」
「警部、お久しぶりです」
上司に挨拶をすると、高木君、白鳥君が、私のことを触り捲る。
「おい!セクハラだぞ!」
「あぁ、すみません。久しぶりだから…」
って、高木君。
「で、警部。私の送付した疑問は調べてくれましたか?」
「あぁ、その件かぁ」
歯切れが悪い。まぁ、展開の予想は着くけど。
「捜査するにも、情報が少なすぎるんだよ。女子高生の生命保険の件は1億が2回支払われていた程度だ」
「で、奪われた貴金属は?」
「見付かっていない。現場に残っていないかったのだろう」
「敵は警察内部にいるんですよ」
「そのようだな」
「で、私、警察を辞めます」
「なんでだね?極秘にアレコレ調べ上げた、君の捜査能力は買っているんだぞ」
「今の相棒…一緒に事件を調べているんですけど、近い将来アメリカに引っ越すんです。だから、付いて行こうと思っています」
「えぇぇ~!」
って、高木君が、縋り付いてきた。ウザいなぁ~。
「その相棒って誰ですか?」
「離れなさいよ。ウザいよ~、高木!」
「あっ!すみません」
やっと離れてくれた。
「目暮班に於ける第一容疑者である宗方当麻です」
「何?彼はダメだ」
「ダメ?彼を追い込んだのは、警察組織ですよ。何を言っているんですか。初動捜査をしっかりやり、刑事部部長の介入が無ければ、彼は追い込まれなかった。捜査の素人である彼が独自に調査して、真相に辿り着けたのに、なんで警察は辿り着けないんですか?」
あっ、涙が出て来た。
「それは…彼の調査は、ストローニードルによる自白強要も含まれているのかな?」
「私が知る限り、含まれていません」
「そうなのか…で、どんな真相に辿り着けたのだね?」
辿り着いた真相をみんなに話した。
「なんだって…違法物の取引現場を目撃して、衆人環視の前で死刑にされたのか。初代は…」
「えぇ、組織の者を懐柔して訊きだしました。私もその場にいて、その者は生きています。組織から護る為に、隠れて貰ってますが」
「仄さんは火あぶりの挙げ句に爆死って…」
「刑事部部長が、その組織と取引をした当人だそうです」
「なんてことだ…」
頭を抱える目暮警部。それだけの激震であった。
「じゃ、一連のストローニードル殺人は、組織内の粛清ってことですか?」
白鳥君が訊いてきた。
「そうなるわね」
---宗方当麻---
終幕は近いかな…後は、黒幕だけだ。