---カトリー---
う~ん、謎だらけだわ。あの少年は誰だろう。工藤家に工藤新一以外に息子はいない。でも新一は高校生、あの少年は小学生である。この歳の開きが、一番の謎である。
あのおいしいケーキ屋は何故、爆破されたのかが、二番目の謎である。私達を狙うんなら、もっと確実な方法があったはず。う~ん…
現場100回…あの爆破されたお店に向かった。店内は見事に焼け焦げていた。これでは、手がかりは無理かな。上の階のテナントも被害にあったようだ。うん?上の階?早速行ってみた。爆破の衝撃で爆心地部分は抜け落ちているようだ。この配置だと書類の本棚があったのかな?天井は無事であるから、被害は2階部分までのようだ。
「カトリー、何をしているんだ?」
あの少年の声だ。
「目的は2階かなって」
「2階?被害は、応接間か…誰か来る予定だったのか?」
少年は勝手知ったるように、窓際のデスクの上の予定表を調べ始めた。
「う~ん、どういうことだ?そうなると、随分前から仕掛けていたのか?」
「何かわかったの?」
「あぁ、その日は、鈴木財閥の会長が来る日だった。鈴木財閥の末席の親族の素行調査の依頼の為にね」
少年はスマホを取りだし、変声機を使い、どこかに掛けた。
「あぁ、園子か。俺だよ、新一だ。ちょっと訊きたいんだけど、鈴木米三って知っているか?」
『あぁ、素行不良の男だよ。鈴木財閥に泥を塗りまくっているの。で、それが何か?』
「サンキュー。黒幕がわかったよ」
通話を切った。この少年が工藤新一を演じているのか?
「黒幕は鈴木米三だ。コイツの最終ターゲットは、たぶん宗方当麻だよ」
「どうして、そう言い切れるの?」
「鈴木財閥が宗方当麻を招聘したんだ。当然、米三にも情報が入るだろ。で、思いだしたんだよ。強盗に襲われた貴金属店の経営者はその米三ってね」
きっと、組織と当麻の共倒れを狙ったんだろう。鍵は、米三の駒が誰かだな。父さんはミスリードされて、誤殺されたのだろう。赤井さん繋がりで…ストローニードル殺人の犯人は当麻だと思う。どこで最終決戦をするんだ?
---カトリー---
当麻へ連絡をした。
「黒幕は鈴木米三よ」
通話を切ると、
「そうか、カトリーの役周りは、俺の監視か」
「え?!」
「当麻と繋がっているとはなぁ」
「当麻は…優しいお兄さん…いつだって、優しかった。なのに…私は当麻を助けたいのよ!」
「いくら良い人でも、罪を犯せば、罪人だぞ」
「本当の罪人を野放しにしているのに?」
「あぁ、そうだよ。罪は罪だ。それに、俺はアイツに父さんを殺されているんだ。多分、ミスリードによる誤殺だろうけどな。誤殺だって、罪は罪だ。探偵なら、分かるだろう」
「それは…」
当麻…助けられないよ…ゴメン…
---宗方当麻---
黒幕が分かった。なるほど、俺を招聘したサイドにいたのか。鈴木園子に連絡をした。次の公演日の相談の為だ。俺の最後の舞台かもしれないけどな…
「どうしたの、嬉しそうね」
蘭に声を掛けられた。
「あぁ、アメリカに帰る予定が見えて来たよ」
「そう…約束だよ。一緒に連れて行ってよ」
「勿論だよ」
蘭が唇を重ね、甘えるように身を委ねてきた。
「約束だよ」
「分かっているよ」
◇
シャロンと真純を飼っている部屋に入った。
「お前達に最後の指示を出す。今後、俺がいなくなったら、蘭と美和子を護ってくれ」
「お前、死ぬつもりか?」
シャロンに訊かれた。
「死ぬつもりは無いよ。だけど、相手が巨悪過ぎる。俺程度では勝て無い戦だよ」
二人の拘束を解き、彼女達への新しい衣服と、当面の生活費を置いた。
「裏切るもの自由だ。頼むぞ」
俺は部屋を後にした。後は…
◇
泣き崩れるカトリーを前にして、コナンが正論をぶち上げていた。
「おい!そこまでにしてくれるか。彼女、俺の妹みたいな者なんだよ」
「何?いつの間に来たんだ?」
コイツはスルーだ。
「カトリー、大丈夫か?」
「ごめんなさい。当麻を救えない」
「俺はいいんだよ。気がかりだったのは、カトリーを一度日本に招待するって、約束だけだよ」
「それで、カトリーが来たのか」
コナンに訊かれた。
「あぁ、そうだよ。英国に修行に行っていた時、知り合ってね。その時に約束したんだ。いつか一流のマジシャンになって、カトリーを日本へ招待するってね」
「英国で修行…クローズアップか?」
「そうさ。俺はイリュージョンをしたくて、この世界に入ったんだけど、師匠にクローズアップも出来る様になれって、言われてね。修行をしたんだよ。その最中、師匠が事故死をし、ラスベガスで契約をして帰国した日に彼女が失踪だよ。誰の手品だよ。誰のイリュージョンで、俺の前から大切な者達が消えたんだ?おい、小僧!わかるか?」
「だからって、なんで、お前、父さんを殺したんだよ」
「父さん?あぁ、工藤優作か?後、赤井秀一だっけ?その二人の件は、俺は関与していない。組織サイドの模倣犯だよ」
「模倣犯?」
「あぁ、声色と変装の上手な模倣犯だ。たぶん、工藤有希子に化けたのだろうな。気を許すだろ?二人共さぁ。それで、疲れを取る為の針を勉強中で、試していいかって。きっと、あの二人は、断らないだろ?」
「まさか…」
「まぁ、俺の言葉は信用されないかっ。まぁ、いいさ。その罪も俺が被る。それでいいんだろ?警察庁の刑事局長の思い通りだよ」
「何…そんな上の人物が、敵なのか?」
「俺の殺した刑事部部長の実兄だよ。養子に行ったので、苗字が違うけど。君は、まだ、そこに辿り着いていなかったようだな」
「なんで、お前、そんなに調査が速いんだ?」
「俺はカトリーの父親の弟子だよ。謎研究者としてのノウハウを教わった。教授の知り合いのスコットランドヤードのチェルミー警視に捜査のイロハも学んだんだよ。手品師で大成しなかったら、しがない探偵になって、カトリーと暮らす事も考えてね」
「なるほど…」
「カトリーは返してもらう。カトリー、空港まで送るよ」
「うん…ごめんね、役立て無くて」
「充分に役立ったよ。次に仕掛けてくる日が分かったからね」
---目暮警部---
音信不通だった工藤新一君から、情報がもたらされた。黒幕は鈴木米三で、後盾は刑事局長だという。工藤君が当麻と接触をして、情報を引き出してくれたそうだ。
「警部、情報通り刑事局長は刑事部部長の実兄で、鈴木米三はあの宝飾店の経営者でした」
と、白鳥刑事。
「う~ん、厄介な相手だな。警視庁の一部署だけでは、対処が出来ない相手だ」
「宗方当麻が、ショーをするそうです。10日後に、鈴木記念ホールでです」
「そうか…いいか、宗方当麻をショー閉幕後に逮捕する。閉幕するまで、彼を護り切ってくれ」
「「はい」」
「後、佐藤刑事が無茶しないように、監視をつけてくれ」
勝負は10日後だな。
---妃英里---
彼が部屋に来た。私の部屋に来るなんて、初めてだ。
「どうしたの?」
「仕事の話だ。俺が日本に持っている家の権利書だ。もし、俺が死んだら、英里にやる」
死ぬ気なのか…
「場所が場所だから、売れ無いと思うが、手品の種は売れる物があるから、ソレを売って英里と蘭で分けてくれ」
「蘭をアメリカに、連れて行ってくれる件は?」
「生きていたらな。約束は総て叶えてあげたい」
「私で力になれない?」
「身体を愉しませてくれ」
二人でシャワーを浴び、愛し合う。彼が私の中に侵入し、力強く突き上げてくれる。その度に足の裏は。浴室の床から離れる。
そして、ベッドルームへキスの応酬をして、彼の味を覚え込んでいく。これが最後かもしれないから。
「ショーの構成は組めたの?」
「概ねね。一人で、2時間コースはキツいなぁ。舞台の半分に巨大モニタを置き、クローズアップしても大丈夫らしいけど」
「そうなんだ。楽しみだな」
学生の頃の遠足並に楽しみである。気分は少女に戻っていく。身体はメスであり、彼を貪欲に求めているけど。
「みんなが楽しめるショーにしたいなぁ」
子供のような瞳で天井を見つめている彼…本当に手品が好きなんだろう。なのに…
---江戸川コナン---
くそっ!模倣犯が見付からない。母さんに化けた人物は誰だ?変装と言えばクリスだけど…あんな時間のかかる殺し方はしないだろうな。うん?時間が掛かる。アリバイ工作かな。そうなると、あの時間フリーだった人物だ。いや、待てよ、喫茶ポアロに爆弾を仕掛けた人物でもある筈だ。安室さんの目を盗んで…まさか…ポアロのウェイトレスである榎本 梓さんの家を目指した。ダメ元である。
部屋の鍵は掛かっていた。ドアの隙間からは、微かであるが腐敗臭がした。これはマズい事態だ。新一の声で、目暮警部へ連絡をした。
結果…梓さんは死後3ヶ月と判定された腐乱死体で発見され、梓さんに化けた女は、ストローニードルで死んでいた。押し入れには大量の未使用であるストローニードルが発見されたそうだ。
「この女が真犯人だな。爆弾の図面と火薬もあるし」
彼女のスマホに、度々連絡をした番号は、飛ばしのスマホだった為、連絡相手は特定出来なかったそうだ。
「3ヶ月も前からか…そうなると、宗方当麻狙いでは無いのか?」
『招聘元なら、彼の来日の日程がわかりますよ』
新一の声で、警部と会話をする。
「そうなると、鈴木財閥の人間の指示だな。工藤君、ありがとうな」
『いえ、父の仇討ちですから』
と、締めくくった。
---宗方当麻---
会場を下見する。案内は鈴木園子だった。舞台は奥行きもある。奈落もあるようだ。って、昇降装置を使う予定は無いけど。
「ここにモニターを置きます。カメラ位置はどうしますか?」
「まぁ、この辺りでクローズアップするとして、壇上には5名ほど上げて下さい。人選はお任せします」
「今日は蘭が一緒では無いんですか?」
「あぁ、アシスタントをして貰うので、手順をマスターして貰っているんだよ」
手順を間違えると、マジックは失敗である。まぁ、それも一興であるけど。アクシデントの後のフォローが出来るかどうかが、勝負であるから。
「あの上段にあるガラス貼りの部屋は?」
「あれは、照明のコントロールと、音声のコントロールです。当日は映像のコントロールも出来る様にします」
なるほど。
奈落も案内してもらった。昇降機が中央にあるだけで、広いスペースである。舞台からここまで10メートルくらいか。
「あぁ、会場のリクエストがあれば、何でも行ってくださいね」
「いや、非の付け所が無いかな」
見学も終わり、帰ろうとすると、
「食事を一緒にどうですか?ここの食事、美味しいんですよ」
って、ホールにあるレストランに連れて行かれた。ランチなのに、コースメニューとは。スゴいなぁ。
「あの…私も食べてみませんか?」
って、真っ赤な顔で園子に訊かれた。
「俺なんか、やめておけよ」
「蘭が愛した男…気になるんですよ」
帰りにホテルへ…軽く催眠術を掛けた。
「身体が自分の意志で動かなくなる」
「え?!マジで…嘘…動かない…」
「触らないで、イカせてあげようか?」
「え?!」
5分程で立ったまま、意識が飛んだようだ。そして、服を脱いで貰い、下着を脱いで貰い。身体を観賞する。下腹部は既にビショビショである。感じ易いのか?指を入れてみると、締まりが良さそうである。乳首は綺麗な薄ピンク色だ。汚すのがもったい無いなぁ。そのまま放置して、ソファーでうたた寝。
目が覚めると、園子が俺のモノをズボンから取りだし、口に頬張っていた。おいおい、寝込みを襲うのか。
「そのまま、動けなくなる」
口に咥えたまま、動けなくなった園子。もう少しうたた寝だな。
◇
「どうして、何もしてくれないんですか!」
何もしないことに怒る園子。
「そんなに、おいしそうな身体では無いですか?」
「おいしそうだと思うよ」
指を股間に這わすだけで、湿り気を増して行く。
「感じ易いようだから、無理はダメだよ」
「一緒にホテルまで来たんですよ。1回だけでいいですから」
って、懇願されて…3こすり半で、昇天してしまった。まだ、序の口なんですが、そのままプレイを続ける俺。何でも昇天を繰り返す園子。気持ち良さはあまりない。帰ったら、蘭でプレイだな。