これは、来年のバレンタインの前乗りだ!(超絶言い訳)
「それじゃ解散っ。皆お疲れっ!」
極小特異点の修正を終えた私らサーヴァントとマスターのこいつ。帰還した奴らは互いをねぎらうとそれぞれの場所へと向かっていった。その場からサーヴァントが去っていく中、私―ジャンヌ・オルタだけがその場にとどまっていた。
軽く拳を握り、ふぅ……と息を漏らす。重々しい甲冑を鳴らしながら私は、背伸びをするマスター―藤丸立香―へと歩み寄り、くいっと服を引っ張った。
「ねぇ……」
「ん? どうしたの、オルタ?」
「……」
マスターちゃんは振り返るも、私は何も言わず黙ってこいつを見つめるだけ。会話などない。しかし自分でもわかるほどに潤み、熱を滲ませたその瞳が、私の意図を察しさせた。
「……わかった。マイルームで待っている」
「……」
ふっとそうほほ笑むとマスターは私にそう告げ、その場を後にした。私は何もこいつに言っていない。それでもこいつは私の要求を察してくれたことだけはわかった。私はぎゅっと自身の身体を抱くと、まずは自分の部屋に向かうべく歩みだした。だってこんな重苦しい甲冑じゃあ風情がないもの――
◇
コン コン
イカすあの私服(新宿で私が着ていたヤツ)に着替え、私はあいつの部屋のドアをノックする。すると「いいよ」との返事。以前寝床に潜り込まれただかなんだかで、魔術的ロックが施されたこの部屋。サーヴァントと言えど、無断で侵入はしにくくなったんだとか。まぁそのほうがこちらとしても好都合だけど。私はすぐさま開いたドアに身体を滑り込ませると後ろ手でドアをロックした。
「っ……!」
正面を向くと、すぐ目と鼻の先にあいつの姿。どくん、どくんと鼓動が早鐘のように打つ。身体が狂おしいほどの熱を帯びる。互いに顔を上気させ、言葉を一つも交わさずに、こいつの熱を帯びた視線と私の視線だけが交わる。
「……」
「……」
鼓動と互いの息使いのみが支配する部屋。そして――
「んちゅぅっっ!! んちゅっ! ぢゅるぅっ! ぶちゅるっぱっ、んぢゅぅぅっぅっ!!」
――いきなり抱き合い、濃密なキスを交わした。息する暇もないほどのディープキス、互いの肉体を強く掻き抱きながら、グイグイと舌を伸ばして、激しく絡めあう。こいつの体臭が、漏れる声が、吐息が、私の身体をきつく抱きしめる腕が、私の下腹部に切なくて甘い熱を帯びさせる。そのままキスを交わしながら、私を下にするようにベッドに倒れ込んだ。
「ぢゅるっ! ちゅっ! んぢゅるるっ! んぶっ! んちゅぅぅっ!!」
唇を離さずに私とこいつは、互いに服を脱がし、脱いでいく。一枚、一枚と脱いでいき、下着さえも脱ぎ捨て、キスを交わしたまま、私たちは生まれたままの姿になる。……私は生まれた時はこの姿だったけど。
「んぶっ! んぢゅるっ! んぢゅるぅっ! ぶちゅぅっ! ぶっぢゅううぅぅぅっっ!!」
激しい接吻を交わしながら、私はこいつの肩をぎゅっと掴む。するとこいつの動きが止まる。これは合図だ。私はゆっくりと脚を開くと、こいつはちんぽを手で支えつつ、私のまんこに押し当てた。くちゅりっと水音が聞こえる……当たり前じゃない。あんなに濃密なキスをされて、濡れないはずがない。なにより――あんたが相手だから。
膣口の周りを焦らすようになぞるちんぽの動きに、私は四肢を動かしてゆっくりとこいつの身体に回す。両腕はこいつの首に、両脚はこいつの腰に軽く巻き付く。先端が埋没し、私の口から微かな嬌声が漏れると、こいつは私の身体を撫でつつ、両手を私の頬に添えた。私の手とは違う、無骨な手。その手に包まれるだけで体温が更に上がった気がする。そして――
ぶちゅぅっ!
「んんんぅっっ!!」
一気にこいつが腰を突き出し、ちんぽが根元までねじ込まれた。精々細マッチョレベルの身体に不相応な巨大肉棒。カリ高なカサが、膣壁を擦り、子宮を潰すほどの強烈な突き。その一突きだけでも軽い絶頂を味合わせる。こいつのちんぽが全部入ったと同時に軽イキしながらも、私は巻き付けていた腕と脚で、私をプレスするように覆いかぶさったこいつの身体を強く挟み込む。
――強く
――きつく
――こいつが離れないように
――こいつと離れないように
「んぢゅっ! ぢゅるっ! ぶちゅぢゅっ! ぢゅるるぉぅっ! んぶるっ! んじゅるうぅっ!」
胸がこいつの胸板に押しつぶされ、卑猥に形を変える。乳首が擦れで快感がビリビリと身体へと流れていく。どちゅっ、どちゅっとコイツが腰を打ち付ける度に、腹部が盛り上がるのがわかる。……ったく、どんだけデカいのよ、こいつのナニは。こいつの猛然とした突き込みは、膣穴からさらに愛液を噴出させ、水音をより大きくしていく。
「んふぅぅっ! んぶぅっ! ぶっふぅぅっ! ふぅ、ふぅぅっ! んぢゅぅぅぅっっ!!」
突き込みの度に膣壁を削るように擦られ、私の思考も削られていく。でも唇は離さない、絶対に離さない。無駄なことなど考えられず――私はただただこいつに媚び、こいつの愛を欲し、こいつを愛し、子種を強請る卑しい女へと成り下がる。それが――なんとも心地よい。復讐を行っているときよりも、心が満たされていく。そんなことをあってはならないと、復讐心が恋愛感情如きに負けてはいけない主張するも、それらはすぐさまに霧散した。それほどまでに、私がこいつに向ける想いが強さを増しているのだ。
「ぢゅるっ、ぢゅぢゅぢゅぅぅぅっっっ!!! ぢゅるうううぅぅぅっっ!!」
唇がこいつの唇にプレスされるかのように押し付けられ、私はそれにより強く吸い付いた。唇との隙間からは飲み切れなかった唾液が溢れ、零れ落ちていく。もう互いの唇は唾液でベトベトになっていた。膣壁の強烈な締め付けに反発するようにちんぽが脈打つのが膣越しにわかってしまう。やがて突き込みが激しくなっていく。これはもう手に取るようにわかってしまった、こいつの射精の予兆。スパートがかかり、私への快感もそれに準じて一気に増す。射精が近いことを感じ取った私はさらにこいつの身体を締め付けた。
ぎゅぅぅぅぅっっっ!!!!
――そして
どびゅぅぅうぅぅぅっっ!! びゅびゅぅぅぅっっっ!!! どびゅびゅるるるっっ!!
「んんんっっっっ!!!!!」
子宮口に亀頭を密着させての零距離射精。それが生み出す至極の快楽に私はキスをしたままくぐもった嬌声を漏らす。こんな強烈な快感を得て、絶頂できないなんて筈はなく、私は盛大にイった。脳内思考回路がすべて焼き切れてしまいそうな、強烈なオーガズム。背を弓形に反らし、それを享受する。
「んっ……ふっ……ふぅ、ふぅ、んふぅ……」
その強烈なオーガズムもやがてその波を穏やかにしていく。絶頂の余韻とキスを味わいながら、心地よさに浸る。
(気持ちいい……)
もうこいつとのSEXに病みつきになっていた。勿論私が気持ち良くなれるというのもあるけど、こいつは私を絶対に物扱いしない。使い魔としてでもなく、性欲処理用のダッチワイフとしてでもなく、ましてや聖女としてでもなく、一人の女と扱う。それもただの女としてじゃない。最愛の女として、こいつは私を愛してくれている。声に出さなくてもわかる、こいつの行為も、手もすべて優しさが伝わってくるから。獣欲に塗れながらも、その中には確かな深愛が籠っている。
本来は存在しない私。復讐を願ったジャンヌ・ダルクという極小の可能性から生まれたのがこの私。言い換えれば誰にも必要とされなかったとも言えるだろう。ジルが望まなかったら、そもそもあいつらとも敵対してすらいなかった。そんな私がこいつと縁を結び、こうしてこの場所にいる。
心のどこかで承認欲求を持っていたのかもしれない。だから、こいつに
――だから、だから仕方ないことだ。私の目から滂沱の涙が流れてしまうのは。
もうこうして、愛することに言葉はいらないというまでになった繋がり――それでも
(――声に出して欲しい)
言わなくてもわかる。でも、それであっても直接こいつの、立香の言葉で聞きたい。私を繋ぎとめる言葉を。そう思っていると、ゆっくりと、優しく唇が離れた。離れたこいつの目の中には、復讐の魔女という殻を取っ払った一人の女としての私。涙をはらはらと流す弱い女の泣き顔。そんな私に、こいつは微笑んで慈愛の表情で、
「――ジャンヌ・オルタ、好きだ。俺は君が、君のことが好きだよ」
「っ~~~~~!!」
(あぁぁっ! もう、こいつはっ……!)
どうして、どうしてそこまで私の想いを察してしまうんだこいつはっ……!。私が望んだその言葉は、言霊となって私の心を撃ち抜く。撃たれた私は、流血するが如く大粒の涙を流す。私はもうどうしようもないほどに、こいつに、立香に心奪われていた。涙を指で拭うと、立香は結合したまま私の唇を奪う。
胸を掻きむしりたくなるほどの、こんなエーテルで出来た肉体には収まらないこいつへの想いを爆発させて、私は必死に舌を伸ばして口をこじ開け、中の舌に絡めて吸い付く。
「んじゅるっ! ぢゅるるぅっ! ぢゅぞろろろぉぉっっ!! じゅじゅるっ! んふっ! んふぅうぅっ! ふぅぅっっ!」
息をつく暇なんて与えない。私の想いはこいつよりも強いんだってわからせる為に。あんたがそうであるように、私も、誰よりも、誰にも負けないくらいに
その思いを伝えようとしている私に同調するように、身体もそれを表す動きをし始める。腕と脚はより強くこいつを抱き締め、膣壁はより強く膣圧を増して締め付け、ヒダの一つ一つが絡みつき、脈動して未だに硬さを保ったまま膣内に存在しているこいつのちんぽを刺激する。孕まない身体とはいえ、立香に生殖の相手と認識されている以上、子種を求めるのは女の性だ。
だから今度は私がイカせる番。腰を打ち付けず、互いに密着したまま動かずに、私の膣壁の蠢きだけてこいつを絶頂へと導く。なんども身体を重ねて見に付けた性技。互いにさっきの絶頂が完全に引いていないから一層鋭敏になっている生殖器。敏感になっているそれを強烈に刺激してやれば、絶頂はすぐにやってくる。
「ぐっ……!」
ぶびゅぅぅぅぅぅっっっ!!! びゅるるるるぅぅっっ!! どびゅびゅっ! びゅぅぅぅっ!
「む"ぅ"っ……!」
唇を互いに押し付けたまま、抜かずの二度目の射精が開始した。量も濃さも一切変わらぬ吐精に、身体が焼かれていく。孕むないことはないけれども、まるで受精しているような錯覚さえしてくる。甘美な感覚が脳みそがグズグズに蕩かされていった。
「んふぅぅぅっ……! ふぅぅぅっっ……!」
どくん、どくんと私の鼓動と、こいつの鼓動、そして膣の中から伝わるちんぽの脈動がすべてシンクロしていく。その一体となった大きな鼓動が、私と立香が一つの個体になったかのような感覚に陥る。それにとても幸福感を覚えてしまうんだ。
強烈な快楽波にさらわれた後は、徐々に波が引いていく。何度味わってもこの甘美な心地よさは堪らない。余韻を味わいながら、私はこいつに身体を擦り合わせる。
「んちゅっ……ちゅぅ……れろ、れろぉぅろ、ちゅぅ……」
熱い舌と舌が絡み合うのが最高に気持ちいい。しっとりとした熱い肌を撫でるのが心地よい。そして一際舌を吸うと、ぐちゅっぐちゅっと再びピストンが開始される。こいつは抜かずの二桁など余裕だ。無論私はこいつの性欲が尽きるまで付き合う。なんたってあんたは私の男なのよ。あんたの性欲くらい受け止められて当たり前でしょ――?
◇
「あ"~……シーツがぐっしょぐしょじゃない……」
「いつものことじゃん……」
あれほどの激しかった性交も終わり、暗い部屋で抱き合いつつ、二人してシーツに包まる。……まだ繋がったままだけど。こいつのちんぽが思う存分吐き出した精液は、私の子宮内に溜りに溜まって腹部を膨らませていた。無論、妊娠なんてしていないわ。
行為中、一度も会話らしい会話をすることなく、ずっとキスをし続けるのがいつの間にか出来上がった私達のSEX。会話なんてしなくても、目を見れば互いの気持ちがわかるほどに想いあってるんだもの。鈍感な癖してこういう時だけは察しがいいのが妙に腹立つ。
――と、こんなくだらないバ会話をしながらも、心はとても晴々としている。復讐に心を燃やしていたのが嘘のよう。――もう私は邪竜の魔女を、復讐者のサーヴァントを名乗ることはできない。復讐か、こいつかを選ばなければならなくなったときは迷わずに後者を選ぶからだ。あぁもうっ……随分と毒されて丸くなったものね、私も。
「感謝しなさいよ。魔女様を抱き枕にできるんだもの、それくらいはしなさい」
「わかってるって」
声に出さなくてもわかることもあるけど、こうやってくだらないやり取りもなにかと楽しい。そういって互いの額をこつんと合わせると、疲れた意識を闇に落としていく。サーヴァントである私は夢を見ないけど、こいつの夢の中で私が出てきて、幸せな夢を見てくれるといい――なんて願ってしまう。
例え世界が立香の敵に回ったとしても、私はこいつの味方であり続ける。そして世界が私の敵に回ったとしても、こいつは私の味方であり続ける。何があろうともこいつを離さない。
覚悟しなさいよ、藤丸立香。あんたは悪い魔女に魅入られたのだから。すべてを終わらせて私を受肉させてバカみたいに子供を作って幸せな家庭を持って、最後は子供や孫ひ孫たちに囲まれて、『来世でも一緒になろう』って言って一緒に笑って逝くくらいの気概は見せなさいよね? マイ・マスター――?
清少納言……大きな犠牲と引き換えに……どうにか迎えられました(泣)