「いやー、楽しかったなぁマスター!」
「ふぅ……モーさんは元気一杯だね……」
――特異点 新宿
この特異点に藤丸立香はモードレッドと遊びにレイシフトしていた。正確には単に腕が鈍ってるから暴れたいと言ったモードレットに連れてこられたというのが正しいか。バイクでの疾走、ゲーセンでのゲーム対決、ビリヤードにダーツなど、彼女との多くの遊びについ先ほどまで時間を費やして今に至る。少々遊び疲れが出ている立香に対し、モードレットはまったく疲れを見せていない。
「――なんだよ? もうへばったのか?」
「ちょっと疲れただけだって……」
随分とタフだなぁ……と立香は思わず苦笑いし、彼女の姿を見やる。モードレッドはへそ出しのチューブトップに真っ赤なレザージャケット、ホットパンツと露出が高い服装だ。鎧姿か水着しか見たことがない為、この服装は新鮮に映る。
普段は女扱いすると怒るクセに、今の恰好はどう見ても女の子らしい。が、それを口に出すのはやめておこう。言ったら言ったで彼女を怒らせそうだ。
「はははっ! 貧弱だなぁっ! んで、次どうする? まだ遊び足んねぇぞ?」
「ひとまず移動しようか。ちょうどここは駅だし。休憩がてら電車で移動しよう」
二人が歩いていたのは偶然にも駅の前。モードレッドよりも立香の方がこの場所の地理に詳しい。なら案内を彼に任せた方がいい。
「お、いいぜ! 勿論移動先にも面白れぇモンがあんだろ!?」
「ま、まぁね……」
まだまだこれからだと言うモードレッドに苦笑いをしながら、立香は彼女を連れて切符を買う。ホームへ行くと、こんな特異点でも人がいるのかというほどの結構な人の波だ。モードレッドはその人波にげんなりしながらも、立香と共に電車へと乗り込んだ。
――それが自身と立香の関係を大きく変えるとは知らず
◇
――ホテル街
電車を降りた二人が向かったのはネオンが光り輝くホテル街だ。余韻で未だに身体が火照るモードレッドは彼と腕を組んで歩くのが精一杯。そんな彼女を連れた立香はバーやいかがわしい店もある中、ある建物の前で止まった。その建物は、
「ここに入ろうか」
「ちょっ……! お、おいここって……!?」
「? 見てわかるでしょ?
ラブホ。またの名をラブホテル。恋人や知合ってばかりの男女が一夜の熱い時間を過ごすにはうってつけの場所。そこに今、自分は足を踏み入れようとしている。先ほどはここに来ることを了承したものの、実際に目の前にすると心が竦む。なぜならここに入ることはつまり自分はこの後彼と――。そう思うと顔の熱が更に増しそうだ。
受付を済まし、選んだ部屋へと向かう間、モードレッドの心情は穏やかではなかった。恋人でもなかった彼とまさか一日でこんなところに来る仲になるとは、想像すらできなかったのだから仕方がない。
(ま、マジか……!? こ、ここに来るってことは、そ、そういうことだよな……? ってことはお、オレ……これからコイツと……)
「さあついた。この部屋だよ」
これから起こることを思い浮かべ、モードレッドは悶々としているのに、立香は普段通りの顔。それに納得がいかず、むすっとしながら彼と共に部屋に入る。外観からも安っぽいホテルではないとは思っていたが、部屋の内装を見てそれを改めて実感した。高級そうな装飾品や家具に美しい夜景の見える部屋。スイートルームでも取ったのかと思ってしまうほどの質の良さだ。これでも上から三番目というのだから、驚きしかない。
「モードレッド、
「……」
その言葉に肩を跳ねさせながら、モードレッドは立香から離れ、一歩、また一歩とシャワールームへと歩いていく。部屋に入ろうとしたところで、チラっと立香の方を振り返る。立香は彼女の視線に気づくと、ニコリと笑って手を振ってきた。
「っ……!」
(クソっ……!)
その顔が妙に腹立たしく、モードレッドは荒々しくシャワールームへと入っていった。
「畜生っ……な、なんだってオレがっ……」
シャワーヘッドから出る冷たい水を浴びながら、モードレッドは独り言ちる。つい先ほどまで自身が振り回していたのに、今や逆に振り回されっぱなしだ。それに自分でもこの状況を恥ずかしがりながらも、浮足立っているのがわかる。
(クソっ……身体が冷えねぇ……)
冷水を浴びても身体の火照りは収まらない。身体を冷やすのを諦めたモードレッドは身体を洗い始める。それも念入りに、普段の何倍も気を使って。
(なんでオレだけこんなに……。なんか納得いかねぇ……)
自分はこんなにドギマギしているのに、立香は恥ずかしがっている素振りすら見せない。これで何もなかったら期待していた自分がバカを見たようじゃないか――
「…………」
身体を清め終わり、バスローブに身を包んだモードレッド。彼女はベッドに腰かけながら、背後から奥から聞こえてくるシャワーの音に酷く緊張していた。普段結っている髪を解き、恥ずかしそうに視線をあちこちに向けるその姿は純情な乙女そのものだ。落ち着きなく視線を泳がせるも、一向に心臓の鼓動は静まらない。それどころか徐々に大きくなってきていた。
「お待たせ」
「っ!?」
ビクリっと身体を跳ねさせ、モードレッドは膝の上に置いたぎゅっと拳を握る。ピタピタと彼が歩く音と近づく気配に、心臓が破裂しそうなほどに脈打つ。そして立香は、モードレッドのすぐ横に腰かけた。
「っ……! い、いいのかよ、オレとこんなとこに来ちまってっ……」
「いいに決まってる。だからモーさんと来たんだ」
握っていた拳を解かれ、恋人繋ぎで握られる手。自身よりも大きく、人肌の熱を感じさせるその手に、心が温まっていくのがわかった。身体と心の両方が心地よい熱に包まれていく。
(コイツの手……あったけぇな……)
「モーさん、いや
「……っ!」
その問いはこれから彼が自身の身体を抱くというモノ。それを了承するということは、つまりはそういうことだ。彼のことだ。自身がここではっきりと拒絶すれば、立香は自身に手を出さないだろう。ただここで二人して寝るだけで終わる。だがもし受け入れれば……。モードレッドは意を決して、彼の問いに答えた。
「ば、馬鹿っ! き、聞くんじゃねぇよ……。ここに来た時点で、答えはし、知ってんだろ……?」
――それは承諾。彼とこの建物に入った時点で、答えは明白。それを言葉にするのは流石に憚れるのか、羞恥に顔を赤くしながら顔を背けて彼女はそう言った。期待していなかったと言えば嘘になる。こうなってほしいと願わなかったと言えばそれは偽りである。モードレッドは心の片隅で、立香とこういう関係になりたいと思っていたのだ。
頬に添えられた手が顔を立香のほうを向けられ、彼の顔が近づいてくる。モードレッドは観念し、目を閉じ――数秒して唇に触れる感覚が訪れた。
「んっ……ふぅ……」
口から漏れる吐息が当たる。キスをされている――その事実がモードレッドの熱を強めていく。唇をくっ付けるだけのものは、やがて舌を出して絡ませるものへと変わっていった。熱を持った舌が互いに絡み合う。吸いあい、唾液を飲みあい、送り合い、激しい接吻にのめり込んでいく。
「んちゅっ、んはぁっ……ちゅぴっ、れろっ……」
たかがキスと侮っていたモードレッドは、その中毒性に気づく。想いを寄せる男との接吻は、心を温かくし、身体を幸福感が満たしていくのだ。蕩けた表情でモードレッドは立香とのキスに没頭する。飲み切れなかった唾液が顎を伝い、胸元へと落ちていく。
「脱がすよ……?」
モードレッドは顔を赤らめながらこくんと頷く。立香の手がバスローブに伸び解くと、白い肌のきれいな女体が立香の目に飛び込んできた。初めて見る女性の身体に、彼の呼吸が荒さを帯びていく。女性特有の胸の膨らみに、くびれた腰、すらっとした脚が立香の興奮を煽る。
「お、お前も脱げよ……。オレだけなんて不公平だろ……」
「……そうだね」
「――……!!」
立香は立ち上がると、自身のバスローブの結び目を解いて脱ぎ捨てた。身に纏っているものをすべて取り除き、露わになった彼の身体にモードレッドは息を飲む。サーヴァントとの鍛錬で筋肉質になった彼の身体。これからの強敵との闘いに備え、その手のサーヴァントたちから体術も学んでいるだけあって腹筋もバキバキに割れている。
そして何よりも目を引くのは、反り返る勃起した肉の槍。まるで黒人のソレを移植したのではないか、というくらい常識を逸脱したサイズの肉棒。それは牝を孕ませることのみに、堕とすことに特化した凶器のようにも見える。自身の顔よりもある30cm超えの長さ、指も回らないほどの太さを持つ黒々としたその逸物に、モードレッドは己の内にある"女"が強く刺激されていく。
「ぁ――」
立香の身体に魅入っていたモードレッドは、彼に優しくベッドへと倒される。戸惑う彼女に軽くキスをすると、立香の手が胸へと帯びていく。掌から僅かにはみ出るちょうどいい大きさ。同じサイズの中の胸でも格段に強い弾力とハリを持つモードレッドの胸。それをむにむにと優しく揉みほぐしていく。胸の頂点にある桃色の乳首は彼の愛撫に反応し、徐々に屹立してその存在を主張してくる。
「んっ……おま、えっ……胸ぇっ……」
「凄い弾力とハリ……乳首もこんなに固くして……感じてくれてるんだ」
立香の言葉に、モードレッドは顔を逸らして答える。モードレッドの様子を伺いながら、立香は片方の手を彼女の下半身へと伸ばす。
「っ……! そ、そこはっ……!?」
「熱いっ……トロトロだよ、モードレッド」
申し訳程度に生えている陰毛を掻き分け、膣穴へと指を這わせる。むわりと雄を誘うフェロモンを醸し出させるその穴に指をゆっくりと入れていく。強烈な締め付けをしてくる膣壁を指越しに感じながら、彼女の身体を着々と準備する。
「んっ……! あっ……、くぅっ……!」
身体の中に侵入してくる指に異物感を覚えながら、その動きに翻弄される。穏やかな速度でモードレッドの膣壁のヒダの感触を味わいながら、指を抜き差ししていく。その度に指にヌメッとした愛液がまとわりつき、より滑りが良くなる。彼女も確かに感じている――それがはっきりとわかり、立香は安堵しつつ指を動かす。
「そろそろ……いいかい?」
「ふぁっ……ふぅっ、ふぅ……お、ぉぅ……」
指が完全に抜かれ、その指は彼の肉棒へと添えられる。モードレッドが視線を下へズラすと、そこには巨大な肉の槍。その幹の部分が膣口を擦っていた。
「こ、こっちはいつでもい、いいぜ……」
(あ、あんなのが入るってのかよ……!?)
その大きさに恐怖が募る。明らかに臍の位置よりもあるソレ。そんなものを入れられて、自分は正気でいられるのか? だがモードレッドはそれを強勢を張って隠す。自分は藤丸立香のサーヴァントの中でもっとも寵愛を受ける者。この男を受け止められないようでは、それを名乗ることは許されない。
自分以外の女がこの巨根を易々と受け入れ、ドヤ顔で自分を見下すのだ。『彼を受け入れられないのなら、彼の寵愛を受ける価値はない』というように。それだけは嫌だ。それだけは許容できない。それだけは虫唾が奔る。
「ゆっくり……入れるよ……。モードレッド、力抜いてっ……」
立香はモードレッドに覆いかぶさりながら、ゆっくりと腰を突き出す。一際大きい亀頭が徐々に埋没していく。
「くっ……ふ、といっ……んだよっ……お前のっ……!」
「ごめんっ、でももうちょっとで先端が入るからっ……!」
肉棒の中で一番大きい部分が完全に彼女の膣に入る。途端に襲うは強烈な締め付けによる快感。その未知の快感に即イキしそうになるのを歯を食いしばって必死に耐える。まだ先が入っただけ。立香は少し進むだけで流れてくる快感の電流に抗いながら、少しずつ腰を推し進める。
「ぐっ……あぁうっ……!」
(へん、な……感じっ……!)
対するモードレッドは自身の中に侵入してくる巨大な異物感と、圧倒的圧迫感に苛まれる。膣壁はその異物を締め出そうとするかのように、ギュウギュウと立香に痛みさえ感じさせるほどに締め上げていく。その得体の知れない感覚を覚えながら、モードレッドは立香の肉棒が膣を掻き分けていくのに快感を得ていた。そして、その侵入がある地点に到達したところでその動きが止まる。
――それはモードレッドの処女膜。彼女の純潔の証。それが今、破られようとしていた。
「モードレッド……君の初めて……俺が貰う。だからってわけじゃないけど……俺の童貞を上げるよ」
「うぐっ……、しゃ、しゃあねぇなっ……。マスターの童貞でっ、手を打ってやるよっ……! だから、一思いにやってくれっ……!」
顔に汗を滲ませるモードレッド。軽口を叩きながら強気に笑う彼女に、いつも通りだなと立香も笑う。膣に入ったことで支えが不要になり、自由になった両手でモードレッドを抱きしめる。その体勢で呼吸を整えると、一気に腰を突き出した。
ぶちぶちぶちぃっ!
「痛ぅっ……!」
「くぁっ……凄い、締め付けっ……! 大丈夫……? モードレッドっ」
「大丈夫にっ、決まってんだろっ……! これよりデカイ傷負ったことだってあんだから、なっ……!」
痛みに顔を顰める彼女に、申し訳ない気持ちになる。確かに彼女はサーヴァント、どんな大きい傷を負ったとしてもそれを完治させることはそう難しくはない。それを考えれば破瓜の痛みなどどうということではないだろう。その気になれば摸だって再生可能だ。――しかし今はそんなことどうだっていい。
立香の初めての相手が自分。そして自分の初めてを立香に捧げられたという事実が、モードレッドに強烈な多幸感を与える。快楽が昇って来る中感情が高ぶり、それが両の眼から雫となって零れ落ちていく。
「へっ……光栄に、思えよっ……! なんせ、このモードレッド様の初めての男になったんだからなっ……」
「っ……! ああ、勿論だよっ……」
その美しい泣き顔に、立香は一瞬見惚れた。惚れた女の笑みながら流す涙とは、こうまでも美しいものなのか。芸術がイマイチわからない彼であっても、その芸術の最高峰に位置すべき笑みだ。そう断言できる。それほどまでに彼女の涙を伝わせながら笑む顔は、立香の心を震えさせた。
モードレッドの痛みが引くのを待ち、立香はゆっくりと腰をグラインドさせる。彼女の"全部入れろ"という希望に従い、肉棒をすべてねじ込んで行う凶悪なピストン。抜き差しの度にモードレッドの腹部がボコッボコッと盛り上がりを見せる。肉棒の大きなカリ首が彼女の膣を引っ掻き、また彼女の膣が立香の肉棒を強い膣圧を持って締め上げ、両者に強い快感を与えていく。
「あっ……あっ……んっ……! んぅっ……くはぁっ……」
(まるでっ、内臓がかき回されてるみてぇだっ……!)
その長大な肉棒が、子宮が潰れんばかりに突き込まれていく。その突き上げによって内蔵の位置が変わってしまうのではないかとさえ思えてくる。また、それによって内蔵が圧迫され、僅かに呼吸のし辛さを感じるも、彼から与えられる快感の前には些事と化す。そんな事よりも彼と愛し合うことの方がなにより優先すべきことなのだ。
両手両足を彼に絡み付かせ、ぎゅっと強く抱き寄せる。互いの身体を流れ落ちる汗の感覚が、ただただ心地よい肌の密着具合を感じさせる。
「んっ、あっ、ふぁっ、あぁっ……!」
ぐちゅっ、ぶちゅっ、ぬちゅっ……
突き込みの度に大量の愛液が掻き出され、卑猥な音を発てる。その圧倒的量に破瓜の血はすでに流された後。処女喪失の痛みはもうなく、あるのは思考が蕩けるほどの快楽と、彼に女として抱かれている幸福感。身体だけでなく、心までもが心地よい熱を帯びていく。
「モードレッドっ、少しっ、緩めてっ……! 締め付けが強すぎてっ……もう出そうっ……!」
「あっ、んっ、ふぁっ、し、らねぇっ、よっ! そんなのっ……! んあぁっ、はぁっ!」
立香はその膣の締め付けに、モードレッドに懇願する。彼女の膣はあまりにも具合が良すぎたのだ。常人の膣圧は5kg程度に対し、モードレッドの膣圧はその数倍。さらに幸か不幸か、立香とモードレッドの身体の相性は他にいないと言うくらいに良かったのだ。お互い初めての性交、これではそう長くはもたない。
互いの性器が感じるポイントいい具合に擦れ、強い性的快感を得る。違う相手ならばこうはいかない。まるで立香は彼女とこうなる為にこの世に生まれてカルデアを訪れ、モードレッドは彼とこうなる為にサーヴァントとして召喚されたのではないか、とさえ思えた。
これ以上とない身体の相性の良さ。この相手の身体を知ってしまえば、もう他の相手など考えられなかった。立香はもう未来永劫モードレッド以外の女性では満たされなくなり、モードレッドもまた未来永劫立香以外の男では満たされることはない。
「ごめっ……モードレッドっ、射精るっ……! あぁぁっ……!」
「出せっ……! オレの中にっ全部っ……! オレ、もっ……イクっ……! んっ、んちゅぅぅっ!」
込み上げる射精感に従ってより早く腰を打ち付ける。彼と同じく自身の絶頂を感じ取ったモードレッドはより強く彼を抱きしめ、無我夢中で唇を奪う。そして、
どびゅぅぅぅっっっ!!!! ぶびゅぅぅぅっっっ!!!! どびゅぅ! どびゅるるるるるぅっ!
「~~~~~~~!!!」
膣の最奥、子宮内に灼熱のマグマを思わせる白濁の奔流が押し寄せる。もしモードレッドが妊娠可能な人間であれば、たとえ安全日であろうとも妊娠していただろう。卵子は一瞬して無数の精子に蹂躙され、瞬く間に受精卵が出来上がる。多くの仮契約の副産物によって、何年も生き続けるであろう凶悪化した精子。それが卵子と結合すれば、一度で数十人の同じ顔の子を産ませることになるだろう。
立香の射精を受けて絶頂するモードレッド。二つの身体がビクンビクンと酷く痙攣する。ドッドッドッと巨大な心の臓の音を響かせ、その鼓動は、痙攣は空間すらも震わせていた。
「んふっ……あっ……んちゅっ……マスターぁ……」
全身汗だくな二つの肉体は、絶頂の余韻に浸りながら、深く熱い口付けを交わす。身体から溢れ出てしまうのではないか、というほどの強大な幸福感に二人は『このまま時が止まってしまえばいいのに』と願わずにはいられなかった――
◇
ぱんっ ぱんっ ぱんっ ぱんっ
「んっ、んっはぁっ! あぁっ! んっくぅっ……!」
――それから数時間。立香とモードレッドは依然として激しく愛し合っていた。上半身を密着させての騎乗位に駅弁といくつかの体位を経て、今二人は対面座位で抱き合っている。モードレッドは何かと上半身が密着し、尚且つキスが出来る体位を好んだ。SEX中も大半はキスをしたまま。SEXの時間を10割とすれば8、9割はしているだろう。唇が離れると立香の肩に顔を乗せ、彼を強く抱きしめた。
「くっ……ふぅっ……モードレッドっ……好きだっ……」
「んぅっ、くっぁぁっ……! だか、らっ……耳元で歯の浮くようなセリフっ、言うんじゃっ、ねぇってっ……!」
(そんなこと言われたらっ……どうにかなっちまうだろっ……!)
愛する者から愛を囁かれ、モードレッドは心身共に蕩けて彼の虜になっていた。彼女のちっぽけな身体に収まりはしない、身体の奥底から生み出され続けるその多幸感に脳はおろか、霊器まで狂ってしまいそうだった。
「またっ、一緒にっ……イこっ……
「っ……!」
「今、オレん中でビクってしたっ……。へへっ……お返しだ……」
モードレッドから初めての名前呼び。それに立香の雄が強い反応を示し、もう限界だと思われていたサイズがさらに大きさを増す。名前を呼ぶということが、こんなにも心を満たしてくれるとは。名前を呼ばれて悦ぶのは自分だけじゃなかったと、内心嬉しく思いながら彼女は蕩けた笑みを浮かべた。
「はぁっ、はぁっ……好きだっ、立香っ……! オレの身も心も捧げてやるっ……!」
「好きだっ、モードレッドっ……! 俺のっ、一番の最強で最良で、最愛のサーヴァントでっ……最愛の女性っ……!」
口から出る愛の言葉。感情のままに想いを口に出すことで、二人を包む多幸感はますます膨れ上がる。
「他の男になんて目を向かせないからなっ……! 俺から離れられないようにっ、してあげるからっ……!」
「誰がっ、離れてやるかっ、よっ……! 馬鹿マスターぁっ……! オレは立香のモノでっ、立香はオレのモノなんだっ、からなぁっ……!」
独占欲丸出しの言葉を口に出すと、胸の奥から親愛が込み上げてくる。汗だくの身体がこすれ合うのが心地よい。熱を帯びた相手の身体、その熱が、彼の早鐘のように脈打つ鼓動が、自身の身体に伝わってくるのがたまらない。耳元で名前を囁ければ、子宮が灼熱の如く燃え上がる。
「も、モードレッドっ……そろそろっ……!」
「うんっ……。オレもっ……げんっ、かいっ……!」
やがて二人にも限界が訪れる。身体をより密着させ、ラストスパートをかけて最後の絶頂へと昇っていく。結合部からは白みを帯びた愛液と膣内出された子種の混合液が漏れ出る。
「ぎゅってしろぉっ……! ぎゅってしてっ、キスしろよぉっ……!」
まるでごねる子供のように懇願するモードレッド。それに答えるようにより強く抱きしめ、深く口づける。熱い彼女の舌と吐息がより一層思考を狂わせていく。最愛のサーヴァントであるモードレッドの膣の奥深くに精を解き放つべく、己の剛直を突き上げる。
(くっ……出るっ……!)
(イっ……くぅっ……!)
ぼぶぶぶぶぅぅぅぅっっっっ!!!! びゅるるるっるるるぅっっ!! どびゅぅぅぅっっっ!!!
(~~~~~~!!)
人間の射精できる量と濃さを大きく超える立香の射精。幾度となくモードレッドの膣内に出したにも関わらず、一向に変わらぬ量と濃さの精を彼女の膣奥に解き放つ。許容量を遥かに超える子種に、彼女の腹部がまた更に膨らみを見せる。ビクンビクンと酷い痙攣する二つの肉体。やがてそれが収まると、モードレッドが下になるようにベッドへと倒れ込んだ。
仮契約の副産物として常識を酷く逸脱した男根と精液、性欲を得てしまった立香。男として彼に勝る者はあれど、彼に雄として勝る者はどの時空、どの世界を探してもいないだろう。そして雄の頂点に立つ彼に愛されるということは、雌として至上の名誉、女として、雌として最高の幸せだ。
溜まった疲労感が全身に回り、徐々に意識が薄れていく。その中で二人は、目を閉じて熱い接吻を交わす。その姿は"契約者と使い魔"の関係ではなく、"愛し合う男と女"そのものだった――
「んちゅっ、ちゅっ……好き……」
「好きだぞ、立香ぁ……」
「んっ……ちゅっ……もっと……」
◇
――数日後
「おや、マスター。これはタイミングが良い」
「ご一緒、よろしいですか?」
「ああ……なんという奇遇。普段の行いの良さの賜物ですね」
普段立香は必ずサーヴァントと共に食堂で食事するが日課だ。少ないときでニ騎、多い時で数十騎ととることだってある。その日も立香はガウェインとランスロット、トリスタンの三騎と共に朝食をとっていた。
「……」
そんな四人のテーブルに1人の女性が現れた。
「おや……?」
「貴女は……?」
「……?」
見たことない女性に?マークを浮かべるガウェイン達。そんな彼らを余所にツカツカと立香の脇へと歩いてき、空いている左隣にポスンと座った。白のブラウスに群青色の膝丈スカート、黒タイツ、茶色のレースアップショートブーツを身に付けた淑女のような恰好の彼女のようなサーヴァントはここにいただろうか?
「ま、マスター……、ど、どうだこの格好……。に、似合っているか?」
「うん。良く似合ってるよ、
「そ、そっか……。へへ……」
立香に褒められ、擽ったそうにはにかむ彼女。そして立香が読んだ名前は、まさかの反逆の騎士だった。
「なっ!? き、貴公が!?」
「そ、そんな馬鹿なっ……! あの乱暴者の、淑女という名から程遠いモードレッド卿だと……!?」
「これは……まやかしです。そうです。そうでなくては説明がつかない……」
彼女の正体に驚愕を隠せないガウェイン達。それもそのはずだ。彼らの中でのモードレッドは男勝りな性格で、ランスロットの言うように淑女という言葉からは遠い人物のはず。それが今、どこぞの御令嬢であるかのような恰好に振る舞い、まるで恋する乙女の如く笑んでいるではないか。しかも普段はハイポジションのポニーテールも、すっかり下ろしてしまっている。
「う、うるせぇな……。お、オレだってこういう恰好するんだよ……」
顔を赤らめ、ムッとするモードレッド。普段なら文句の一つや二つ出てきそうなのだが、今回はそれすらもない。まるで別人のようにすら思える。仲睦まじい立香とモードレッドを見て、ガウェイン達は目を丸くするのだった。
――モードレッドが着ているのは立香からのプレゼントだった。普段は動きやすさを重視する服装を好む彼女としては、真逆の恰好ではある。しかしそれでも似合うよと言って笑む立香に嫌だとは言えない。何より自身に合わないと思っているこの格好を見られるのが非常に恥ずかしかったのだ。
(にしても何故よりによってあの恰好なのだ……?)
そんなモードレッドを、厨房のエミヤは服の選出を疑う目で見ていた。何を隠そう今モードレッドが着ている服は、彼女の父上であるアルトリアが着ていた服と同じデザインなのだ。しかも色合いまで一緒。なぜよりによってあの組み合わせと色なのだ、と疑いたくなる。
エミヤの心情など露と知らず、立香とモードレッドは終始イチャ付くのだった――