「お前たちの中で、一番感じやすい淫乱な身体をしているのは誰かねえ?」
歩きながら宝玄仙がそんなことを言い始めた。
沙那は、嫌な話題だなと思いながら、それを聞き流した。
城郭らしい城郭もなく、それぞれに自治をする村が集まった地域の集団という感じで、軍という体裁の組織もなく、支配組織には官吏という組織もないという国家群だ。
いや、国ともいえないだろう。
それぞれに、自治の機能を持った集落群というところか。
そのため、教団が諸王国中にばらまいた宝玄仙一行の手配書も有効には発揮せず、それほど追い回されるのを意識せずに旅ができる。
関所はかなりあちこちにあるのだが、通行手形などあってないようなもので、大抵は関税と呼ばれる一定の金を支払えば通過できる。
ただ、道は険しい。
街道らしい街道もないので、西に向かう道は、小さな村と村を結ぶ険しい山岳道を巡りながら進むという感じだ。
ただ、これまでも整備された街道は、避けながら進んでいたので、これについては、状況に変化はない。
「一番は、沙那姉さんですよ」
朱姫が言った。
わざわざ、話題を掘り起こさなくてもいいのにと思いながら、自分の名前が出たので、仕方なく耳を傾ける。
「沙那姉さんは、とても淫乱な身体をしています。身体中、どこを刺激してもしっかりと、しかも、あっという間に反応してくれるのは、面白くて仕方ありません」
すると、朱姫が聞き捨てならないことを口にした。
これには、むっとした。
「淫乱なだなんて酷いわよ、朱姫。わたしはねえ、随分と長く、『女淫輪』を嵌められて、ご主人様によって、どこを触られても敏感に反応してしまうような身体にされてしまったのよ。感じやすいのは認めるけど、淫乱というのは酷いわ」
すかさず言い返す。
沙那たちは、かなり狭い山道を歩いていて、四人で一列になっていた。
道は、奥深い山道だ。
ただ、まったく人の気配が感じられないというわけでもないので、近傍に山村でもあるのかもしれない。
朱姫は、宝玄仙の前を進んでいるので、宝玄仙越しに話しかけるかたちだ。その朱姫は、宝玄仙のすぐ後ろをひとつの葛籠を背負って進んでいる。
中身は路銀だ。
旅の金銭管理は朱姫の役目になっているからだ。
朱姫は、ひとりで旅をしていた時代に、商家で働いた経験もあり、意外にお金にしっかりしているのだ。
いま、歩いている先頭は、孫空女だ。
道を進むとき、ほとんどの場合の先頭は孫空女なのだ。
孫空女は、余分な荷は持たないが、かなり神経を研ぎ澄ませて、前方に隠れる襲撃者の存在や道術を遣った罠の存在を探りながら進んでいる。
真ん中は朱姫と宝玄仙だ。朱姫が宝玄仙の前を行くか、後ろを行くかは状況による。
朱姫は荷を持つが、もちろん、宝玄仙が持つことはない。
宝玄仙は、ただ、木の杖を片手に黒い巫女服を着て進むだけだ。
そして、大抵の最後尾は沙那になる。
沙那も二個の葛籠を背負子に括り、さらにその上に、野宿用の毛布と食事の支度のための鉄鍋を載せて進んでいる。
腰には細剣だ。
以前は、もっと荷は多かったのだが、
「でも、その淫具は、宝玉様に外してもらったんですよね。それでも感じやすさは変わらなかったんでしょう、沙那姉さん?」
この小型の宝玄仙のような半妖の娘は、愉しそうにそう言った。
反論したいが、実際にそうなので、仕方なく口を閉ざす。
沙那は、一年半前に宝玄仙と出遭って以来、『女淫輪』をいう淫具を乳首と肉芽の根元に嵌められていた。
それは、宝玄仙の魔力で、いつどこでも好きなように振動させることができるというだけではなく、淫具として、常に沙那を発情状態にする効果があった。
沙那は、それを自分の“気”を操作することで淫情を抑えていた。
やっと半月ほど前に、宝玄仙の中のもうひとつの人格である宝玉という人格が現れたとき、その騒動の中で、宝玉が外してくれた。
お陰で四六時中淫具に苛まれるということからは脱却できたのだが、淫具をしている前と外す前と、感じやすさは変わらない。
むしろ、それまでは、淫具を嵌められた部分だけに集中していた性感が,なぜか、身体中に分散してしまった気さえする。
淫具によって快感を集めやすくなってしまった身体が、淫具がなくなることで、さらに、その淫情の気を、身体の特定の部分ではなく、全身に回してしまったのかもしれない。
とにかく、朱姫の言うとおり、沙那自身、身体中どこを触られても、気持ちがいいといまは感じる。
沙那は、宝玄仙に作られたこの身体を、正直、持て余してしまう気分だ。
以前、『女淫輪』を嵌められていたときは、その部分だけが弱かったのだが、いまは、全身が性感帯になっている。
「じゃあ、一番、淫乱なのは沙那ということでいいかい、朱姫?」
宝玄仙が笑った。
「そうです。沙那姉さんが一番です。とても、とても、感じやすい淫乱な身体の持ち主です」
朱姫が断言した。なんとなく悔しい。
「一番、感じやすいの、わたしじゃないわよ。感じやすいなんて、ご主人様の供三人、同じようなものじゃないの。朱姫、お前だって、ちょっと、お尻触っただけで、真っ赤になって腰を震わせるくせに」
沙那も反撃した。
朱姫が真っ赤になった。
「そ、それは、あんなに、お尻ばっかりで、毎日、毎日、自慰をさせられれば、そうなりますよ。仕方ないじゃないですか、沙那姉さん」
朱姫もまた、宝玄仙の霊具を使って身体の開発を行われた「犠牲者」のひとりだ。
宝玄仙が朱姫に施したのは、徹底的な尻穴調教だ。
強制的に供にされてすぐに、朱姫は革の首輪のかたちをした霊具を嵌められた。
それは身体を媚薬漬けになったような欲情をさせてしまう効果があり、それを防ぐには、日に三度、お尻でいかなければならないという道術力が込められていた。
朱姫は、首輪をされている期間、ずっと、日に三度、お尻で自慰をするか、ここにいる仲間の誰かにお尻を責めてもらい気をやり続けさせられていた。
随分とその霊具に悩まされていた朱姫も、宝玄仙の中に現れた宝玉という人格により、その首輪の淫具を外してもらった。
だが、開発の終わったお尻の敏感さは、当然そのままだ。
孫空女を含めた三人の中で、お尻ということにかけては、朱姫が一番弱いのは間違いない。
「そうよね、仕方ないのよね、朱姫。でも、そんなことは、三人とも同じよ。みんな、ご主人様の調教を受けているのよ。同じなのよ。人のことばかり言うと、あんたが隠したがっていること、ばらすわよ――。というか、みんな知っていることなんだけど、知っているということをあんたに教えるわよ」
「な、なんですか、その意味ありげな言い方? あたしが隠したがっていることって、なんですか、沙那姉さん」
朱姫が赤い顔をしたまま言った。
「じゃあ、言うわ。あんた、いまでも時々、みんなが寝てから、こっそり、お尻で自慰をするのよね。口に布を咥えて。本当に、可愛いったらありゃしないわ。こんなに毎日、ご主人様に身体を苛められるのに、それでも足りなくなると、自分でしちゃうのよね」
「ちょ、ちょっと待って――」
朱姫が真っ赤になり、狼狽えた声をあげたが、黙るつもりはない。
沙那は続ける。
「驚いたものだけど、それこそ、お前が一番の淫乱じゃないの。さすがに、わたしは、ご主人様の毎日のお情けが足りないなんて思ったこともないわ。でも、お前は足りなくて、自慰をするんでしょう? お、し、り、で」
「ひっ」
朱姫の顔が真っ赤なまま凍りついた。
半年以上、ずっと毎日、日に三度もお尻で自慰をさせられていたのだ。
霊具が外されても、お尻が疼くのだということはわかる。
正常な反応だ。
だから、どうしても疼きに我慢できなくなるとお尻で自慰をするのだ。
だが、こっそりとしているのが知られていないと思っていたのだろう。
朱姫は泣きそうな表情になった。
なんだか、逆に可愛そうになった。
「馬鹿だねえ、朱姫。沙那が感じやすいなんて、沙那が一番嫌がることを言うから言い返されるんだよ。まあ、気にしなくてもいいよ。自慰なんて普通だよ。この四人の前だから言うけど、朱姫の年齢の頃は、毎日みたいに自慰もしていたよ」
先頭を歩く孫空女が言った。
朱姫は、俯いていた顔をあげた。
「そうですか、孫姉さん?」
「うん。朱姫は、十七だっけ? そのくらいの歳のときは、一番性欲も激しくなるんだよ。あたしもそうだった。その時代は、あたしも旅芸人の一座に身を寄せていてさあ、そこでは、座員の男女が夜になるとお互いの身体を求め合うのが儀式でね。まあ、乱交さ」
「えっ、乱交?」
「そうさ。無理に参加させられることはないんだけど、みんな、身体を求め合っていたよ。その一座では、座員同士の信頼関係の向上のために、そういうことをするのは奨励されていたんだよ。だから、毎晩毎晩、乱交が始まるんだよ。あたしは、それを見ながら、こっそり自慰をしていたよ」
もともと八歳で人減らしのために捨てられた子供だった孫空女は、生き延びるためにあらゆることをして生きてきた。
旅芸人の一座に身を寄せていたのはかなり長かったらしい。
そして、その前後の期間は、盗賊のようなこともしていたようだ。
事実、孫空女が宝玄仙の供になったのは、帝国の西側の五行山という山で、盗賊団の頭領だった孫空女が、宝玄仙と、まだ、宝玄仙の供になりかけだった沙那を襲おうとしたためだ。
それで、逆に、変態巫女の宝玄仙に捕えられて、供という名の性奴隷にさせられた。
最初は、反抗していた孫空女も、いまでは、すっかりとこの旅に適応して、宝玄仙の護衛も、性の相手も積極的に務めている。
もともと、現状に対する順応のよさと素直さは、孫空女のいいところだ。
「それよりも、朱姫、この宝玄仙の相手で足りないというのは聞き捨てならないね。まあ、これからは、毎日、忘れずに、お前の尻をほじってやるよ。心配するんじゃない」
宝玄仙が嬉しそうに言った。
朱姫は複雑な表情をして、小さく感謝の言葉を口にした。
朱姫には、気の毒だが、これでしばらくは、この変態女の性欲解消の対象は、朱姫ということになるだろう。
この変態女法師は、供の女の恥辱や淫情にまみえる姿になによりの愉悦を感じるという嗜虐性の持ち主で、被虐される供にとっては堪らない変態だ。
それさえなければ、供想いでもあり、悪い主人ではないのにとは思う。
いずれにしても、沙那は、宝玄仙の性の相手は、できれば避けたい。
宝玄仙の与える際限のない快楽地獄は、ある意味、拷問と同じなのだ。
「……考えてみれば、お尻が感じやすいということにかけては、朱姫もそうだけど、沙那も孫空女も同じだろう?」
宝玄仙が歩きながら言った。
「……まあ、そうかもしれません。でも、それはご主人様のせいですよ」
沙那は言った。
この変態女法師は、尻で受ける快楽の開発に執着し、三人とも激しい調教を尻に受けた。
だから、お尻は三人の共通の弱点だ。
もっとも、宝玄仙が、供の尻孔の調教にこだわったのは、宝玄仙が帝都で「奴隷」同然の生活をしていたときに、自分の尻を徹底的に開発されてしまったからだと思う。
尻の調教は、宝玄仙にとっては、奴隷の象徴でもあり、自分の「奴隷」として仕立て上げた三人の供に、宝玄仙が尻の調教するのは、宝玄仙にとっては当然のことだったのだ。
従って、宝玄仙もまたお尻が弱い。
考えてみれば、お尻が弱点の女四人が、こうやって、揃って危険な旅を続けているということになる。
「だったら、いずれ、尻比べをしようじゃないか。この中で誰の尻が一番弱点か競争するんだ。こりゃあ、面白いねえ。もちろん、負けたひとりは、罰がつくよ」
また、始まったと沙那は思った。
こういう宝玄仙の気まぐれの嗜虐に、沙那も含めた供はずっと悩まされ、そして、苦しめられていた。
もう、諦めの境地でもある。
「ええ? 四人で尻比べ? やだよう」
孫空女が大きな声をあげた。
四人?
沙那は驚いて顔をあげたが、すでに宝玄仙が真っ赤な顔しているのが後ろから見てもわかった。
それが、怒りのためだとわかったとき、沙那はこれ以上黙ることをすぐに決めた。
「な、なんで四人なんだよ、孫空女? 尻比べは、お前たち三人だよ。決まっているだろう」
「えっ? だって、お尻が一番弱いのを見つけるんだろう? ご主人様に決まっているじゃないか」
孫空女は言った。
彼女は、悪意が少なく、正直者なのはよいことでもあるが、時にそれは彼女の不幸にも通じる。
いまがそうだろう。
「な、なんだとう、孫空女」
宝玄仙の声は震えている。
孫空女が、ただならぬ宝玄仙の気配に振り返った。
すぐにその顔が蒼くなる。
「ご、ごめんさない、ご主人様……。で、でも、だって……」
「だって、なんだい、孫空女――? さて、どうしてやろうかねえ。前にもやったけど、あれにするか。『淫夢の綿』を鼻に詰めて、手を拘束して放置の刑だ。そういえば、あの時は五日の実験の予定だったが、途中で鎮元の邪魔が入ったから三日で終わったからね……。それとも、『尻の魔具』がいいかい? 今度は半年ほど、全員の前で毎日三回、尻の自慰をするのを日課にさせてやろうか? それか、やっぱり『溜め袋の護符』がいいかい? 受けた快楽を発散できなくて、本当に発狂するまで溜めてみようか? どれがいい、孫空女? お前に選ばせてやろうか……。いや、選ぶ必要はないか。全部やればいいしね」
「ひいっ。か、勘忍してよ、ご主人様。わ、悪気はなかったんだよ。この中でって、言ったから、宝玉様も入るのかと思っただけだよ……」
孫空女は、ますます真っ蒼になった。
「宝玉?」
宝玄仙の怒りの勢いが少し緩んだ気がした。
「そ、そうだよ、宝玉様だよ。ご主人様じゃなく」
孫空女は言った。
「ああ、わたしじゃなく、宝玉なんだね、孫空女。つまり、わたしと宝玉は違うということがわかっているんだね、お前は」
宝玄仙の機嫌がよくなってきた。
宝玉というのは、この嗜虐癖の強い宝玄仙の意識の中でずっと静かにしていた宝玄仙の別人格だ。
帝都で奴隷時代に、本来の宝玄仙からそれぞれに分裂し、「宝玄仙」という戒名をもらう前の宝玄仙の本名である「宝玉」を名乗っているもうひとつの人格である。
宝玄仙の激しい性格と嗜虐癖に当たるものを失っているので、性質は穏やか。
そして、被虐の性癖を持つ。
快楽にも弱く、確かに、三人の供に宝玉を加えれば、お尻に限らず、彼女が一番快楽に弱い。
それは、三人で宝玉の人格のときの宝玄仙の身体を責めたときにわかった。
嗜虐の宝玄仙は、ある程度、自分の性感を制御できるのだが、宝玉の人格に変わると、それはまったくできなくなる。
性愛に関してすべてに無防備になり、相手の玩具に成り下がる。
「そうかい、宝玉という意味で言ったのかい。なら、お仕置きは勘弁してやるよ、孫空女」
宝玄仙は言った。
孫空女がほっとした表情をした。
しかし、孫空女は、“ご主人様は一番お尻が弱い”という表現をしたと思ったが、それは黙っていた。三人とも、宝玉のときの人格を“ご主人様”とは呼ばない。
一方で、山道は、なんとなく人里を思わせる感じになってきた。
もっとも、行き交う人間はまだ誰もいない。
「ご主人様、この先からなにか聞こえるよ。女の泣き声のような……」
「女の泣き声?」
宝玄仙が視線を先に向けた。
しかし、沙那には、なにも聞こえない。
孫空女の耳は怖ろしくいい。
だから、他人には聞こえない声や音も聞きとることができる。
耳だけではなく、眼のよさも人並み外れている。
しばらく進むと、沙那の耳にも、女がすすり泣く声が聞こえてきた。
道から外れた高い草の中から声が聞こえる。
沙那は、孫空女とともに、そこに草の中に分け入った。
若い娘が裸で草の中にしゃがんで泣いていた。歳は朱姫と同じくらいだろう。着ていた服が娘の周りに散らばっていて、娘の股間からは破瓜の血が流れている。
なにが起きたかは一目瞭然だ。
「……大丈夫? なにがあったの?」
沙那は、娘に近づいて声をかけた。
「待って、沙那姉さん、妖魔の匂いがする……」
朱姫が後ろから言った。
沙那は驚いた。
「よ、妖魔に襲われました……」
娘は、すすり泣きながら言った。
孫空女が、なにかに気がついて、娘をそのままにして、さらに深く草の中に分け入っていく。
「……朱姫、彼女をお願い」
沙那も娘から離れて、孫空女についていった。
孫空女が気がついたものに、沙那も気がついたからだ。
血の匂いがする。しかも、大量の……。
そして、それはすぐに見つかった。
五、六人の人間の男の死骸が散らばっていた。
手や足が引き千切られて投げ捨てられた惨たらしい死骸だ。
共通するのは、破られた腹と胸の穴だ。
身体の前側が斬り裂かれて開き、中の内臓がなくなっている。
「これは……酷いね」
孫空女が死骸を前にして言った。
「惨たらしいやり方ね。でも、なんで内臓が……?」
「妖魔の食事の痕ですよ、沙那姉さん」
いつの間にか背後にいた朱姫が言った。
「あら? さっきの娘さんはどうしたの、朱姫?」
「ご主人様が看ています、沙那姉さん。念のために、ご主人様は、結界を刻みました」
「そう」
小さな結界なら宝玄仙は、あっという間に刻んで、それそこ無敵の防護壁を作る。
結界の中なら宝玄仙は無敵だ。
大丈夫だろう。
「この人たちは、さっきの娘さんの連れかしら?」
沙那は言った。
こんな山道を若い娘がひとりで進むわけはないから、ここで死んでいる男たちと一緒に歩いていたのかもしれない。
そこで妖魔に襲われて、男たちは喰われ、娘は犯されたということだろうか。
「……だとしたら、娘さんも犯されるだけで済んでよかったというところかな。破瓜を妖魔に散らされたら、そりゃあ、心は痛むだろうけど、喰われなくて済んでよかったよ」
孫空女が言った。
「まあね」
沙那は、男たちの死骸を調べようと近づこうと思った。
そのとき、なにかの殺気を感じた。
思考よりも先に身体が反応していた。
次の瞬間、沙那は、朱姫の手首を掴んで、腕を捩じりあげていた。
捩じりあげた朱姫の手には、針が握られている。
「ち、畜生」
朱姫の声が発する。その顔が苦痛に歪んでいる。
「沙那、針の先に毒がついているよ」
孫空女が横で叫んだ。
沙那は、さらに力を入れて、手首をねじった。
朱姫の手から毒針が落ちた。
「お前、沙那を毒針で刺そうとしたのか、朱姫?」
孫空女が朱姫の襟首を掴んだ。
「こいつ、朱姫じゃないわ……。お前、誰?」
朱姫ではない。直感でそう思った。
「えっ? そう言えば、妖魔の魔力が強すぎるな、お前」
孫空女が朱姫の反対の腕を背中に捩じりあげた。
沙那は、朱姫の身体を孫空女に預けて、その手首を離した。
孫空女が、その手もまとめて背中で掴み、首を腕で締める。
「い、痛てえっ――。な、なんて、馬鹿力だよ。離しやがれ、このう――」
孫空女に掴まれている朱姫が、赤い肌をした鱗のある妖魔に変わった。
まだ、若い妖魔だ。
人間で言えば、少年に当たるだろう。
「なんだ、小妖かい」
孫空女が、その妖魔の身体を掴んだまま言った。
「こ、小妖だと。ふ、ふざけんな」
「だって、お前、まだ大人じゃないだろう?」
「子供でもねえよ。それよりも、離せよ」
子供ではないが大人でもない。
大人になりかけた少年というところだろうと沙那は思った。
その妖魔の少年は暴れている。
だが、孫空女に背中に腕を回されている。
逃げることなどできるわけがない。
「お前の名は?」
沙那は言った。
「きゅ、
「じゃあ、急如火、これをやったのはお前ね?」
沙那は、惨たらしい屍体を示して言った。
「ああそうだよ。俺だけじゃないけどな」
「俺だけじゃない?」
「仲間と一緒だ。へっ――。今頃、本物の半妖の娘とあの人間の女法師がどうなってるかな」
急如火が馬鹿笑いした。
「沙那――」
孫空女が沙那を見た。
「戻ろう、孫空女。そいつをそのまま連れてきて」
「じゃあ、大人しく、歩け。さもないと首をもっと絞めるよ」
「ひいっ」
急如火が苦しそうな声をあげた。
そのまま、急如火を連れたまま、さっきの場所に戻った。
「あっ――」
沙那は声をあげた。
宝玄仙が、薄透明の大きな丸い袋に入って眠っている。
そのそばには、さっきの娘が裸のまま立っていて、不敵な笑みを浮かべている。
さらに、その横には、ほかにふたりの妖魔の少年がいて、地面に猿ぐつわをされて手足を縛られている朱姫が地面に寝かされていた。
「おう、急如火、失敗したか。まあいい――。沙那と孫空女、急如火を離せ、この女が死ぬぞ」
娘が言った。
次の瞬間、裸の娘は、牛を思わせる容貌の妖魔の少年に変化した。
胴体に巻いている金色の革の鎧に、宝石を砕いて描いた美しい紋章がある。
ほかにもかなりの豪華な装飾品が飾られている。
沙那は、帝国貴族の子息を想像した。
「お前こそ、ご主人様になにをしたの? そこから離れなさい。さもないと、孫空女が、こいつを絞め殺すわよ」
沙那は叫んだ。
孫空女が急如火を締めている腕に力を加えたようだ。
急如火が悲鳴をあげた。
「だらしねえなあ、急如火。人間の女ふたりくらい、どうということは、ないんじゃなかったのかよ」
宝玄仙のそばの妖魔が愉快そうに言った。
その妖魔は、宝玄仙の作った結界の中にいるみたい。
娘だと油断した宝玄仙が、その娘を中に入れたまま結界を刻んだのだ。
宝玄仙は、妖魔の魔力を感じることができるはずだが、娘が妖魔に犯されたと考えていた直後だっただけに、妖魔の気が娘の身体の中に残っていたと見誤ったのだろう。
そこを襲われたのだ。
それにしても、宝玄仙を包んでいる大きな透明の球体はなんだろう。
とにかく、地面に寝かされている朱姫に寄って、その拘束を沙那は解こうとした。
孫空女は、まだ、急如火を押さえたままだ。
そばにいる二匹の妖魔は、ただ見ているだけで、沙那が朱姫の縄を解くのを阻止しようとしない。
「大丈夫、朱姫?」
「ご、ごめんなさい、沙那姉さん。突然、襲われちゃって……」
猿ぐつわを外すと、朱姫は沙那に言った。
ふたりで立ちあがり、孫空女のいる場所に戻る。
「それよりも、そろそろ、急如火を離せよ、沙那、孫空女。宝玄仙は、俺の手の中にあるんだぜ」
宝玄仙のそばの妖魔の少年が言った。
それにしても、こいつらは、沙那たちの名を知っている。
つまりは、どういう手段かわからないが、こいつらは、宝玄仙や沙那たちのことを調べたうえで、罠をかけて襲ったのだ。
「あんたの名は?」
「
「お前が、この四人の大将ね?」
一匹だけ抜きん出て絢爛な具足を身に着けている。
間違いないだろう。
「そうだ。孫空女に捕まえられているのが、急如火。そこにいる二匹が
「ふ、ふざけないでよ。ご主人様を離しなさい、紅孩児――」
沙那は声をあげた。
「なんでだよ? お前らは助けてやると言っているんだぜ。言っておくが、俺がそんな慈悲をかけるのは珍しいんだ。本当なら、皆殺しにしているところだ」
「できるものなら、やってごらん、紅孩児。お前程度の小妖が、わたしたちに勝てるわけがないでしょう」
沙那は言った。
ここは、挑発をして暴発をさせることだ。
怒りを爆発させて、沙那に襲い掛かってでもしてくれれば、都合がいい。
「な、なんだとう。おい、雲裡霧、興烘桀。この沙那を黙らせろ」
紅孩児は怒りで真っ赤になり叫んだ。
沙那は、心の中でほくそ笑んだ。
「おいで、雲裡霧、興烘桀とやら。素手で相手をしてあげるわ――。紅孩児、戦っている間に、ご主人様になにもしないでしょうね」
「心配するな、沙那。宝玄仙は、毒で眠っているだけだ。ただ、強力な眠り毒を使ったから、二日は起きねえだろうけどな」
紅孩児は白い透明の膜を手で叩いた。
「その丸い入れ物はなに、紅孩児?」
沙那は、雲裡霧と興烘桀に向かって身構えながら紅孩児に言った。
雲裡霧と興烘桀は、沙那を左右から挟むようににじり寄ってくる。
「これは、『
そんなことをさせるわけにはいかない。
なんとかして護り抜かなくては……。
左の妖魔が動いた。
沙那は、それに向かう振りをしながら、動き遅れた右の妖魔に飛びかかった。
沙那の左の手刀が、右の妖魔の首の後ろに決まり、呻き声をあげて地面に倒れた。
飛びかかろうとしていた左の妖魔が躊躇した。
沙那は、その懐に飛び込んで下腹に拳を叩き込んだ。
妖魔は崩れ落ちた。
「弱いわね。次はあんたね。おいで、紅孩児」
沙那は、頬にわざと小馬鹿にしたような笑みを浮かべて、紅孩児に向き直った。
「……いや、それよりも、これを見ろ、沙那」
紅孩児は、懐から黒色の小瓶を出した。
それを大きな袋の中の宝玄仙にかざす。
「こいつは猛毒だ。『如意袋』の中にこれを注ぎ込む。この毒から出る空気を吸えば、すぐにこいつは死ぬ」
紅孩児は、透明の『如意袋』の中に腕を伸ばした。
吸い込まれるように、黒色の小瓶を持った腕が『如意袋』の膜の内側に入っていく。
「や、やめて――」
沙那は叫んだ。
「だったら、急如火を離せ。おい、雲裡霧、興烘桀、もういい。こっちに来い」
まだ、苦しそうな声を出しながら、沙那に倒された二匹の妖魔が、紅孩児と宝玄仙のいる場所に移動する。
「急如火は離すわ。でも、ご主人様も解放しなさい、紅孩児」
「できねえ。こいつは、もう捕えた」
「だったら、わたしと交換して」
「それも、駄目だ。俺は、この女法師が喰いたいんだっ」
紅孩児は、興奮して顔を真っ赤にしている。
手下がこの程度だから、紅孩児自身も大したものじゃないだろう。
宝玄仙も油断さえしなければ、敵ではなかったはずだ。
おそらく、意識が戻れば、宝玄仙なら、この妖魔を全部抑えられる。
だから、なんと宝玄仙が眼を覚ますまで耐えれば……。
「だったら、取引きしましょう、紅孩児」
沙那は言った。
「取引き?」
紅孩児の手は、まだ、『如意袋』の内側だ。
「わたしも虜になる。その代わり、ご主人様の安全を保障しなさい。それで、どう?」
「ほう、お前が俺たちに降伏するということか? そっちのふたりもか?」
紅孩児が興味を示した。
そして、孫空女と朱姫に視線を向けた。
「いいよ、あたしも」
「沙那姉さんに従います」
孫空女と朱姫がそれぞれ頷きながら言った。
「わかった。それも面白え。お前たちが、大人しく俺たちに降伏するなら、この女法師は殺さないでいてやるよ」
紅孩児は不敵な笑みを浮かべた。あの顔は、約束を守るような顔ではない。沙那にはわかった。
「『真言の誓約』をわたしたちと結んで貰うわ」
「『真言の誓約』? ああ、契約術か」
紅孩児は意外だという顔をした。
「わたしたちと、その契約術を結んでよ。妖魔の端くれなら、その術は遣えるのでしょう? ご主人様を殺さないと刻めば、わたしたちは、あなたたちの虜囚を受け入れるわ」
宝玄仙が眠っているのは最大二日だ。
二日耐えればいい。
こんな大人になりきっていないような妖魔が、宝玄仙の道術を吸い取って、無力化することなどできるわけがない。沙那の頭にはその計算がある。
「……ねえ、沙那。あたしたち、契約術なんてできるの? 本物の術遣いじゃないんだよ」
孫空女が耳元でささやいた。
「……出たこと勝負よ。あいつがなにかに誓えばそれでいいのよ。多分、それで、あいつは契約術に縛られる。それに、少なくとも、朱姫には有効でしょう?」
「あたしとの盟約は間違いありません。あたしも、あの術は遣えますから」
朱姫が小さな声で言った。
「いいだろう。沙那、孫空女、朱姫――。この紅孩児は、お前たちの許可なく、この女法師は殺さねえことを盟約を刻む。誓おう――」
紅孩児が叫んだ。
なにかが入ってきた。
「まだよ。ご主人様を傷つけさせないで。約束しなさい――」
沙那は絶叫した。
紅孩児が舌打ちした。
[ちっ、傷つかせねえ。これでいいか?]
「誓う――。沙那姉さん、孫姉さん、誓うと言ってください」
朱姫が声をあげる。
「誓う」
「誓うよ」
沙那と孫空女は慌てて言った。
なにかが身体の中に入ってきたのはわかった。
「さて、じゃあ、お前らも約束は守れ。その代わり、女法師の命は保証する」
紅孩児が言った。
沙那が頷くと、孫空女は急如火を離し、腰の細剣を外して地面に投げる。
「お前もだ、孫空女。お前が耳に武器を隠しているのは知っている」
紅孩児は言った。
孫空女は舌打ちをして、耳から『如意棒』を出して、大きくしてから地面に置いた。
「急如火、武器を持って来い。雲裡霧、興烘桀、三人に手枷と足枷をしろ。そして、三人を繋げ。いつものやり方でな」
紅孩児が卑猥な笑みを浮かべた。
沙那は嫌な予感がした。
雲裡霧、興烘桀が近づいて、沙那たちの手を背中に回させると後ろ手に金属の手錠をかけた。
脚にも足幅の鎖が繋がっている足枷を両足首につけた。
武器を紅孩児に渡した急如火が、なにか長い鎖の束を持ってやってきた。
「へへへ、さっきはよくもやってくれたな」
急如火が、孫空女の腰に手をかけた。
沙那と朱姫の服にもそれぞれの妖魔が手を伸ばす。
「な、なにするつもりだよ」
「ちょ、ちょっと」
孫空女と朱姫が、それぞれに叫んだ。
沙那の
「や、やめてよ。い、嫌だったら――」
沙那は腰を振って、手を振りほどこうとした。しかし、後手に拘束をされている身では、抵抗らしい抵抗もできない。
あっという間に下袴をさげられて、足首に降ろされた。
下着まで足首にさげられて、股間を剝き出しにされた。
東帝国では、下着といえば、布を股間に巻く様相だったが、諸王国に入ってから、薄い布をぴったりと包んだかたちではくものを見つけて重宝して、そればかり身につけている。
それを足枷のある足首までおろされた。
思わずしゃがみ込みそうになったが、それを妖魔の腕に阻まれる。
「紅孩児、こいつら、三人揃って、前の毛を剃られているぜ。見てみろ」
三人の妖魔が大笑いしている。沙那は唇を噛んだ。
孫空女と朱姫も、沙那と同じように下半身を剝き出しにされて悔しそうな表情だ。
孫空女の下袴と下着は、沙那と同じように、足首でとまっている。
朱姫は、女物の
「さあ、繋ぐぜ。先頭は、その一番小さい半妖の娘でいいか」
朱姫が押し出された。
急如火が、朱姫の身体を押さえて、お尻になにかを近づける。
「あっ」
沙那は叫んだ。
急如火が持っているのは、男根を模した張形だ。
その張形の末端には細い鎖が繋がっていて、鎖の反対側の先にも同じような張形がある。
それが朱姫の肛門に吸い込まれた。
霊具だろう。
なんの抵抗もなしに、その張形が朱姫の肛門に埋まってしまった。
「ひ、ひんっ」
朱姫が仰け反った。
そして、苦しそうに腰を震わせる。
苦しいのではない。
感じているのだと沙那にはわかる。
三人揃って、お尻は最大の弱点だ。
宝玄仙に調教されつくした場所で、そこを責められるともうなにも考えられなくなる。
朱姫のお尻に繋がった鎖の反対側の張形が沙那の股間に近づく。
「な、なんてことを……」
沙那は抗議したが、急如火の持つ張形は、沙那の膣にあっさりを突き挿さった。
膣の中で肉襞と一体化したように張り付き取れなくなった感じだ。
「ああっ」
沙那は思わず声をあげると、腰を揺らした。
感じまいとしても、どうしても、責められると快楽を貪ってしまう。
そういう浅ましい自分の身体が恨めしい。
背後から、孫空女の甘い悲鳴が聞こえた。
振り返ると、孫空女も沙那と同じように、鎖のついた張形を前に挿入されている。
下半身を剝き出しにして、腰を引いてみっともない恰好になっている孫空女の顔はすでに上気して、色っぽい吐息を出している。
宝玄仙の供である三人は、三人が三人とも感じやすい淫乱な身体をしているのだ。
宝玄仙に、あの手この手で開発されて、仕込まれたもので、自分ではどうしようもないのだ。
「そんなに気持ちいいかい、沙那?」
そう言いながら、妖魔が沙那の股間に孫空女から繋がった張形を沙那の肛門に差した。
やはり、沙那の肛門の中で張形がぴったりと密着する。
「こ、こんなの……」
沙那は腰を落としかけた。
頭の先からつま先まで重い快感に貫かれたような衝撃に、沙那は立っていることができなくなったのだ。
それとともに、だんだんと張形が震えはじめた。
思わず甘い声が漏れてしまう。
前後の朱姫と孫空女も同じ振動を感じているらしく、それぞれ小さな嬌声を洩らしている。
「これで、仕上げだ」
急如火が先頭の朱姫の股間に同じような鎖付きの張形を差した。
その末端を持って、朱姫を引っ張る。
肛門と膣で鎖付きの張形で繋がれた沙那と孫空女も一緒に歩くしかない。
「い、嫌ああ――」
朱姫が泣き声をあげた。
振動が激しくなったのだ。
沙那もだんだんと高まる官能の嵐に、たった数歩の歩みでもう音をあげそうになった。
「言っておくが、その張形は湿り気を与えれば与えるほど、振動が激しくなる。全部の張形が連動しているから、みんなあんまりほとを濡らすんじゃねえぞ。ほかのふたりに迷惑をかけるからな」
紅孩児が笑った。
ほかの三人の妖魔も沙那たちのみっともない姿に破顔している。
「そ、そんなあ、濡らすなって言われても……」
孫空女が苦痛のこもった声をあげた。
沙那にも無理だと思った。
三人のうち、誰のせいかわからないが、どんどん張形の振動は強くなっていく。
それは沙那のせいかもしれない。
下半身を剝き出しにして、張形を前後の孔に入れられて歩かされるという行為に、沙那はもうすっかりと淫汁が溢れ始めているのに気がついていた。
「おい、お前ら、俺は宝玄仙を連れて、ひと足先に『移動術』で
「ふ、ふざけんなよ、紅孩児――。う、うう……、あっ、ああ……」
叫んだのは孫空女だ。
だが、その声は苦しそうだ。
それで、孫空女もそろそろ感極まっているのだということが沙那にはわかった。
「……じゃあな」
紅孩児が、宝玄仙の眠っている『如意袋』をふわりと片手で空中に浮かばせた。
反対の手には、沙那の細剣と『如意棒』が握られている。
宝玄仙は相変わらず、『如意袋』の中で横たわって眠っている。
紅孩児と宝玄仙が消えた。
「さて、行くぞ。火雲洞には、たくさんの娘もいるからな。お前たちは、その仲間入りだ。もっとも、お前らは、特別待遇だろうから、あっという間に喰われることはねえだろうよ」
そばに寄ってきた雲裡霧が、さっきの腹いせのように沙那の張形の根元を乱暴に揺すった。
「だ、駄目えええっ」
沙那はその衝撃で一気に官能を爆発させてしまった。
それに加えて、激しい振動が前後の張形から与えられる。
「いやあああっ、ん、んんっ、んふうううっ」
さすがに沙那も溜まらず、気をやりながら腰を落としてしまった。
「あっ、あひいいっ」
「ひんっ、あうううっ」
前後の朱姫と孫空女も、鎖を引っ張られて、一緒に座り込んだ。
それとともに、ふたりとも気をやったような声をあげた。
「お前ら、たった一間(十メートル)くらいで気をやったら、火雲洞に到着するまでに大変なことになるぞ。それにしても、いままでの最短記録だ」
三人の妖魔が大きな声ではやし立てた。
沙那は、まずます激しくなる前後の張形を感じながら、あまりの悔しさに唇を強く噛んだ。
口の中に、血の味がした。