「ほ、宝玄仙でございます──。せ、誠心誠意、
何十回目──。
いや、もしかしたら、百回は叫んだかもしれない。
宝玄仙は強要されている言葉を力一杯に叫んでいた。
ただ、あまりにも大声をあげ続けているので、喉が痛くて声が枯れてしまっている。
宝玄仙の顔が鹿力の座る椅子の前の床に密着している。
両脚はきちんとした正座だ。
つまりは、宝玄仙は鹿力の前で土下座をして、奉仕の言葉を叫ばされ続けているのだ。
ここに連れて来られて、三日が過ぎていると思う。
「思う」というのは、もはや時間の感覚がよくわからないからだ。
最初の日には、「種別判定試験」という名の残酷で恥辱的な行為を強要され、その結果、宝玄仙は甲種奴隷という、この鹿力たちに言わせれば、この
だが、孫空女たちほかの甲種奴隷は、
そして、丸一日以上の肉芽吊りの洗礼を受けて、すっかりと反抗の意思を削がれてしまった。
逆らって悪態をついても、また、あの恐怖の肉芽吊りを味わわされるだけだ。
とにかく、口だけでも大人しくしてようと思わされてしまった。
そんなことをやらされたので、すでに日にちの感覚は消えてしまった。
また、宝玄仙の道術は、手首と足首に刻まれた紋様で封印されるとともに、一緒に捕らわれた孫空女とともに、さらに呪術をかけられて、逃亡の意思を奪われてしまっている。
しかも、首に連中の指ひとつで絞まっていく革の首輪を巻かれていて、逆らえば殺すと脅されている。
実際、この連中がまるで虫でも殺すように、無造作に女囚を殺していく光景をもう何度も目にした。
そして、甲種奴隷というのは、
ただ、乙種奴隷が一日中重労働を強いられるのに対して、甲種奴隷はこうやって、丸一日、それこそ、寝ても覚めても、この連中の気紛れで冷酷な鬼畜な遊びに耐えなければならない。
宝玄仙にいわせれば、どちらが本当に扱いがいいのがわからない。
いずれにせよ、甲種奴隷は、手のひらのかたちをした「下着」を両胸と股間の前後に貼りつけられて、四六時中、その手の指に苛まれながら過ごさなければならない。
しかも、呪術で逃亡の意思を思考できないのと同様に、その特別な「手の下着」には、奴隷は触れることができず、その手が開いて胸や股間を開放しない限り、自分の身体にも触れられないのだ。
とにかく、宝玄仙は、ここで甲種奴隷ということになり、その序列は五番目ということになった。
甲種奴隷の定員は五人らしいが、序列五番というのは、鹿力専門の「家具奴隷」ということになっているそうだ。
まったく意味不明だが、この男の座る椅子になり、机となるために、ずっとついて歩くのが仕事らしい。
ただ、いまは、そのための調教を受けている最中であり、まだ、この部屋から一歩も出されていない。
序列三番だという孫空女には、あの序列決めの屈辱の後から、一度も会っていない。
万が一にも殺されてはいないとは思うが、この部屋を出る術もない、宝玄仙には、生き残ってくれと祈るくらいしかできることはない。
「まだだな。邪念が残っている。本気で椅子になるつもりがないだろう。お前は椅子だ。それを自分に言い聞かせろ。そうしたら、椅子として使ってやる」
宝玄仙の頭に容赦のない鹿力の足が降ってきた。
「あぐうっ」
額が思い切り床に当たり、激痛が頭に走る。
すると、さらに土下座をしている後頭部にぐりぐりと鹿力の足に力が加わる。
なにが、椅子として使ってやるだと腹が煮え返るが、ぐっと我慢する。
「それとも、お前は真面目に椅子になるつもりがないのか? この駄目人間は……」
鹿力は容赦のない力を足裏に込めてくる。
椅子になんか真面目になるわけがあるかと思いながら、宝玄仙はその屈辱に耐えた。
「あ、あります……」
そして、やっとのこと声を絞り出す。
逆らうことに意味はないのだ。
口答えすれば、また怖ろしい肉芽吊りが待っている。
さすがに、あれだけはもう嫌だ。
「ならば、覚悟の心を示してもらおうか。どんな椅子になるのか言え」
「ど、どんな?」
言われたことがすぐには頭に入って来ずに、宝玄仙は思わず言葉を繰り返してしまった。
すると、股間の上に置かれている「手」がすっと動いて鈴を握った。
「あっ、や、やめて──」
宝玄仙は恐怖した。
実はあの肉芽吊りをされたときにぶらさげられた鈴は、いまだに宝玄仙の肉芽の根元に糸をまきつけて短い長さでぶらさげられていたのだ。
やはり、それは呪術で宝玄仙には触れることができないが、下着代わりの手がの指が弾いて、音が鳴ると、鈴の表面から大量の掻痒剤が滲んで、宝玄仙の肉芽にべっとりとまとわりつくことになっている。
だが、股間に手がある限り、宝玄仙にはどんなに痒くても、自分の手で股間に触れない。
従って、痒みでのたうち回るしかないということだ。
しかし、下手に暴れれば、それだけでも鈴が鳴り、また痒み剤を足すことになる。
乾いて痒みが収まるまで数刻はかかるので、それまでは狂うような痒みの地獄を味わうのだ。
痒みに七転八倒して、気絶するまで苦しめられるのは、まさに地獄だ。
肉芽吊り放置とともに、宝玄仙がこの鹿力に逆らうことができないのは、その仕打ちをこの三日ほどの時間で何度も味わわされたからでもある。
「お、お願いだよ。もう鳴らさないで──。か、家具です。家具のような椅子になります」
必死で言った。
だが、鹿力は鼻で笑っただけだ。
「家具のような椅子というのは当たり前だが、俺の望む答えではないな。ただの椅子なら、本物の椅子でいいのだ。よく考えよ。なんのために、お前の股には穴が開いている」
「手」の指が鈴を掴んでちりんちりんとなった。
すぐに油剤が肉芽に寄せ流れるのがわかった。
ほとんど無意識に、土下座の姿勢を崩し、宝玄仙は手を股間に伸ばして鈴が鳴るのを押さえて阻止しようとした。
だが、やはり、直前で手がとまる。
そのあいだも、指が鈴を鳴らし続けて、油剤を拡大させる。
「尻穴も弱かったな。そっちにも伸ばしてやろう」
鹿力が宝玄仙の頭からやっと足をおろして、酷薄に言った。
前後の「手」の指から指へ油剤が塗り渡されて、宝玄仙のお尻の穴に掻痒剤が伸ばされる。
「ああっ、あああっ、お、お尻だけは……」
宝玄仙は本気で哀願した。
すぐに死ぬような痒みが襲いかかってくる。
何度も味わった恐怖だ。
そして、すぐにそれを知覚してしまった。
「さて、ところで、さっきの続きだ。お前は椅子だが、忘れているかもしれんが、一応は俺用の性処理用の奴隷でもある。だから、椅子であり、性奴隷でもなければならん。だから、お前は椅子をしてすごしながら、俺が望むときに、いつでも俺を受け入れられるように、股を濡らしていなければならんということだ。わかるな?」
「は、はい……」
まったく、わからない。
それよりも、もう痒くなってきた。
宝玄仙は、土下座の視線のまま、腰を震わせ始めてしまった。
「わかったら、調練をしてやる──。もう一度言うが、お前は椅子になりながら、股間を濡らす。そういう椅子になるということだ。顔をあげろ。膝を立てて身体を真っ直ぐにしろ」
「はい」
なにも考えずに、立て膝にして上体を伸ばした。
いきなり、頬にものすごい平手打ちが飛んできた。
「ふべえっ」
予期してなかった暴力に、宝玄仙の身体はぐらりとよろけた。
倒れなかったのは、奇跡のようなものだ。
顎が外れたのかと思うような苛烈な打擲だった。
「しばらく、頬を打ってやる。そのあいだに股間を濡らせ。よいな。平手を受けて股間を濡らすほどになれば、俺に背中に座られていても、股間が濡れるようになる」
平手打ちで股間を濡らせ──?
なんという理不尽だと思ったが、次の言葉で宝玄仙の血は一瞬で冷えた。
「それと、まさか椅子の分際で平手で倒れでもしてみろ。肉芽吊りを丸一日やってやる。たっぷりと掻痒剤を糸から垂らしながらな」
ぞっとした。
なにが嫌だといって、あれだけはもういやだ。
あまりにも辛すぎる。
いずれにしても、この馬鹿は、宝玄仙に真性の被虐女になれと強要しているらしい。
残酷で非常に扱われれば、扱われるほどに、性的に興奮する女にだ。
こいつがさっきから言っているのは、そういうことなのだとやっと悟った。
「んぶうっ」
またいきなり頬を張られた。
今度は反対の頬だ。
宝玄仙は必死に腕で身体を支えて、倒れるのだけは回避した。
それにしても、なんという平手だ。
まるで厚い本で殴られたような衝撃だった。
宝玄仙は思わず、鹿力を睨んでしまった。
「なんだ? 文句があるのか?」
「い、いえ……、あ、ありません」
宝玄仙はとにかく歯を喰いしばった。
全身の血は怒りのために逆流している。
また、平手が飛んできた。
宝玄仙はまたしても、腕で倒れることに耐えた。
「まだ、濡れてはこんだろう。だが、痒み剤を塗っているから、痛みは快感にもなるはずだ。だから、こうやって殴り続けていれば、やがて、身体が痛みとは気持ちのいいものだと錯覚する。すると、そのうちに、痒みという刺激がなくても、痛みが快感だと頭が認識するようになる。そういう段階になれば、俺に背中に乗られる苦痛で、お前は股間を濡らせるようになる」
鹿力が淡々と言った。
なにを言っておるのだと思ったが、いまは耐えるしかない。
また、右の頬を殴りつけられた。
「んぐうっ」
「右だ」
「ふぶっ」
猛烈な殴打が繰り返される。
左──。
右──。
左──。
右──。
左──。
右──。
殴打を繰り返されるたびに、脳天が痺れる。
そして、いつの間にか、涙をぼろぼろと流していた。
苦しみや痛みのためではなく、屈辱の涙だ。
素っ裸で顔を差し出し、ただ殴られるためだけに、身体を膝立ちさせている。
なんという惨めさだろう。
何十発殴られたかわからない。
宝玄仙は必死で耐えたが、いつしか頭は朦朧として、上下の感覚が消滅してしまっていた。
気がつくと、宝玄仙は完全に横倒しになり、しかも、身体が痺れきって、どうしても身体を起こすことができなくなってしまっていた。
「倒れたな」
鹿力が冷たく言った。
ぞっとした。
その鹿力が立ちあがり、宝玄仙の股間に無造作に手を伸ばした。
「うっ」
股間を抓るような力で捏ねましてくる。
たまらず、宝玄仙は声を洩らした。
「濡れてないな。まったくなっておらん。もう一日、肉芽を吊ってやろう。早く、痛みを快感として覚えこめ。痒みに対する苦しみが足りんようだ」
鹿力が腕を振った。
数瞬後、近くに待機していたのか、十人ほどのやせ細った乙種奴隷の女たちが恐怖に顔を引きつらせながら部屋に入ってきた。
「この甲種奴隷を寝台に寝かせて、肉芽にぶら下がっている鈴を使って、天井から股間を吊りあげろ。一切の容赦をするな」
十人の女たちが一斉に宝玄仙に掴みかかってきた。
宝玄仙は悲鳴をあげたが、必死の十人の女にかかっては、どうしようもなく、宝玄仙はまたしても、寝台に革紐で拘束され、腰が吊りあがるほどに肉芽を天井方向にひきあげられてしまった。
*
部屋の真ん中で天井から床まで貫かされた太い角材に、宝玄仙は両手首を直柱を挟み込む格好で縄と金具で拘束されている。
爪先は床から離れていて、膝を曲げて足首を直柱側の後ろで束ねて縛られている。
つまりは、万歳をして、両腕と両脚を柱の後ろに回して、身体を前に突き出す格好だ。
かなりの長い時間、こうやって吊られていた。
全身から滴る脂汗は、柱の足元に大きな水たまりを作るほどになっている。
そのあいだ、鹿力は食事をし、書類のようなものを読み、あるいは時間を潰すように読書をしたりしていた。
宝玄仙は、そのあまりにも苦しい体勢で放置により、腕も脚も痺れ切っていて、苦悶の声も洩らせないほどに疲労困憊してしまっている。
いつまでこうしていなけれなならないのか…。
だが、質問する勇気は、もう宝玄仙にはない。
ここに連れて来られて、もう五日……?
いや、六日?
とにかく、宝玄仙の心を折るような苛酷な日々は、宝玄仙からこの鹿力に悪態をつくどころか、一斉の抵抗をする心を奪いきってしまっていた。
質問をするということは、鹿力に逆らうということだ。
そんなことをすれば、どんな目に遭わされるのか、もう宝玄仙には恐怖しか感じない。
すると、突然にずっと無言で本を読んでいた鹿力が本を置いて、こっちに歩み寄ってきたかと思うと、いきなり無造作に乳房を掴んで捻り潰すような力で捏ね回した。
鹿力の手が近づくと、ずっと乳房を覆っていた下着の「手」は、波が引くように、さっと両側に手を除けた。
「うぐうっ」
痛みに宝玄仙が顔をしかめると、乳房から手を離した鹿力が宝玄仙の頬を平手で打った。
「感じるか?」
鹿力が冷たく言った。
感じるどころか、苦痛で死にそうだ。
「……す、少しだけ……」
嘘だったが、こいつに要求されている痛みで股間を濡らすということがまったくできないと、すぐに肉芽吊りの放置を宝玄仙に与えてくる。
しかも、半日とか、丸一日とか信じられない長時間もだ。
あれだけは、いやで宝玄仙は、必死に股間を濡らそうと努力を続けている。
「少しだと? おまんこは濡れていないのか?」
「うう……。ま、まだです……」
「俺は苦痛で股間を濡らす雌になれと命じたはずだな。だが、何日すぎても、お前はそういうようにならない。それでは、まだ椅子として使えん」
「も、もう……申し訳ありません。ど、努力します……。んぶうっ」
さっきと反対側の頬を叩かれる。
「努力などどうでもいい。股間を濡らせ。結果を示せ──」
「はい……。んぎいいいいっ、ひぎいいいっ」
鹿力が宝玄仙の陰毛を思い切り、掴んで引っ張ったのだ。
まるで錐で刺されたかと思う激痛に、宝玄仙は悲鳴をあげた。
「俺が望むのは、俺が椅子として座る人間の雌だ。そして、その雌は、俺を背中に乗せる苦痛でおまんこを濡らすのだ。いつでもびっしょりと股を濡らして、俺がいつでも愉しめるようにな」
「わ、わかっております」
そのあいだ、鹿力はまたもや宝玄仙の乳房に伸びて、今度は乳首を握って、前後左右に滅茶苦茶に引っ張って動かす。
宝玄仙は歯を食いしばって苦痛を耐えた。
「おまんこは濡れたか?」
「ま、まだですが、もう少しで……」
多分、まったく濡れてないだろう。
だが、そんなことを口にすれば、肉芽吊りの地獄……。
しかし、感じるはずがない。
これは愛撫でもないし、嗜虐の責めとしての玩弄でもない。
ただの拷問なのだ。
それで、感じるのは流石に難しい。
鹿力には、快感を与えないし、痛みで感じろと言いながらも、それをさせる意思がまったく伝わらない。
こんなものでは、たとえ、被虐の癖があっても濡れてるわけがない。
それでも宝玄仙は、なんとかこの鹿力から快感をもぎ取ろうとした。
「まだか? やはり吊りをするか……。もう少し身体に肉芽吊りの恐怖を植えつけるべきか」
「い、いえ──。濡らします。もう少し時間を──」
宝玄仙は必死で叫んだ
「ならば股間を濡らせ。手に愛撫を命じれば、簡単に濡れるだろうが、そんなものではなく、ただの苦痛で快感を覚えるのだ」
「やります……。感じ始めてます。本当です」
なんとかこの屈辱と苦痛を快感に……。
真性の被虐癖になりきるのだ……。
そうすれば……。
やがて、微かな、身体のざわめきのようなものを感じたような気がした。
本当に微かな、ただの雑音のような痺れだが、宝玄仙には、あれこそが宝玄仙が捜していたものであることに気がついた。
あれを辿れば、きっとこの苦痛にも身体が反応する。
「少し打ってやろう。今日は鞭だ」
鹿力は腰の巻帯から乗馬鞭を抜いた。
「何発がいい?」
鹿力が宝玄仙の顎を乗馬鞭の先でしゃくりあげさせる。
宝玄仙は迷った。
多くの数を口にした方が受けはいいのだろう。
しかし、これだけの長時間の不自由な姿勢での吊り……。
数発以上の打擲に耐えられる気はしない。
「じゅ、十発……お願いします」
「わかった。二十発打ってやる」
「うっ」
「んっ、文句があるのか?」
「いえ……」
宝玄仙は首を横に振った。
「ならば、三十発だ。それまでにおまんこを濡らせ」
絶望に声も出ない。
身体がおかしいほどに恐怖で震えだした。
「んぎいいいっ」
脇腹に乗馬鞭が炸裂した。
疲労仕切っているはずの身体が生き返ったように暴れる。
鞭が飛ぶ──。
今度は太腿──。
衝撃が骨まで響く。
「あぐううっ」
乳房を鞭で横叩きされた
宝玄仙は悲鳴を迸らせた。
「大きな声を出すな。悲鳴は好かん。声を出す限り、回数は増えるぞ」
鹿力が鞭打ちをしてくる。
宝玄仙は歯を食いしばって声を耐えた。
また鞭──。
「くくっ」
悲鳴はでなかったが、呻き声は出てしまう。
そして、また鞭──。
鞭打ちが続く──。
三十発──?
いや、おそらく、もっと打たれている。
しかし、鹿力は終わる様子はない。
宝玄仙は激痛の嵐で、もはや身体を跳ねさせることもできなくなっていった。
頭が朦朧する。
あまりにも連続の鞭打ちで、痛みさえも知覚できなくなる。
ただ、身体が衝撃で翻弄される。
激痛が脳天を貫き、鋭い戦慄となって全身を突き抜ける。
一切の感覚が消えていく。
身体が痛みで痺れる。
それが脳髄にまでまとわりつく。
ぶるぶると身体が震えてくる。
未知の感覚が宝玄仙の身体を襲う。
そのとき、ふっと鹿力が宝玄仙に密着したと思った。
「俺の好む椅子になってきたな。やっとおまんこが濡れたぞ」
顔を肌に息がかかるほどの距離に近づけられて、耳元でささやかれた。
濡れている──?
そんなはずが……。
しかし、いつの間にか下半身を露出していた鹿力が宝玄仙の股間に怒張の先端を当ててた。
宝玄仙の身体は鹿力の腰よりも、腰がやや低い位置で直柱を後ろ抱きにするように吊られているので、貫けば、ぐっと宝玄仙の身体を鹿力により持ちあげられるかたちになる。
そのとおり、怒張を股間に一気に貫かれて、子宮を思い切り上に突きあげられた。
「ふううう、ふわあああ」
生き返ったように上体がおののく。
鹿力の言葉は本当のようだ。
宝玄仙の股間はなんの抵抗もなく、鹿力の怒張を完全に奥まで受け入れてしまっていた。
「おおおっ」
深い忽然とした息を吐き、宝玄仙は天井を仰いだ。
気持ちいい。
愛撫らしい愛撫もない。
前戯すらなかった。
それなのに、いつの間にか宝玄仙は、これほどの快感を覚えるほどに追い詰められていたのだ。
「感じているな、宝玄仙──」
鹿力が上下に律動をしながら言った。
「は、はい、感じます──。おおおっ、ああああっ」
「それが俺が命じる椅子だ。身体で覚えろ、心でもな」
口惜しいが、苦痛だけでこれだけ濡れてしまったという現実に加え、いま沸き起こっている快感のうねりに、宝玄仙も呆然と頷くしなかない。
「んぐううっ」
そして、怖ろしいほどに呆気なく宝玄仙は達した。
鹿力が達したのは、それから少ししてからだ。
宝玄仙はそれまでに二回達してしまっていたので、鹿力が終わったときには、完全に脱力して、直柱に身体を預けるだけの状態になってしまっていた。
「苦痛で快感を覚える方法がわかってきたようだな?」
鹿力は宝玄仙から怒張を抜きながら、にやりと微笑んだ。
この男が笑ったのを見たのは、そのときが初めての気がした。
自分が作り変えられていっている……。
そのことは、はっきりとわかった。
宝玄仙の心を心からの恐怖が包んだ。
(第20話『性奴隷城への収攬』終わり、第21話『奴隷城の屈辱調教』に続く)
*
【西遊記:44回、虎力・鹿力・羊力大仙①】
玄奘一行は、
すると、国都方向で喧騒が起こっており、孫悟空が偵察をすることになります。
孫悟空が喧騒の場所に着くと、そこでは、大勢の僧侶が奴隷のように強制労働をさせられていました。
監督をしているのは、道教の道士です。
孫悟空は、旅の道士に化けて、事情を訊ねます。
すると、以前この国で酷い日照りがあり、その窮状を虎力・鹿力・羊力という道教の三大仙が救ったことから、国王が道教に心酔したこと、さらに仏教が禁止になり、この国にいたすべての僧侶が捕らわれて、強制収用されて奴隷のように働かされてるということを教えられます。
また、僧侶たちは、ここにはもともと僧侶が二千人以上いたけれども、次々につらい労役で死んだり、自殺したりして、いまでは五百人になったと嘆きます。
孫悟空は、
ほとんどの僧侶は逃げ散りますが、一部はこの国に唯一残っている智淵寺に、孫悟空を案内することになります。
孫悟空は、待っていた玄奘たちと合流して智淵寺に入り、僧侶たちの歓待を受けます。(45~47回に続く)