「……か、
宝玄仙は何度目のかのを絶叫をした。
背中には鹿力の大きな身体が乗っている。宝玄仙はその重みにも必死に手足を踏ん張って耐えていた。
「けつの穴というのはよかったが、それ以外は、昨日と同じではないか、宝玄仙。もっと、別の言い方でおねだりしてみろ。工夫が足りんな」
鹿力が嘲笑った。
すると周りの者がどっと笑う。
宝玄仙は屈辱に震えた。
ここは、
いまは昼で、集まっているのは十名ほどだ。
そこに連れてこられた宝玄仙は、鹿力の「椅子」にされていた。
鹿力たちの法術と呪術に支配されている宝玄仙は、鹿力の命令で食事のあいだの椅子代わりに、四つん這いになって、鹿力を乗せるということを強要されている。
つまりは、四つん這いの恰好になった宝玄仙の背中に乗って、鹿力が平然と食事をしているということだ。
この数日、ずっと続いている日常であり、鹿力は智淵城を歩き回るとき、常に宝玄仙を連れまわし、座りたくなったら宝玄仙が背中を差し出すということをさせられていた。移動のときには、大抵は犬の首輪をつけられて、鎖で引っ張られる。しかも、二歩足で歩くことを禁止されて、四つん這いで歩かされるのだ。
あまりもの屈辱で血も凍りそうになるが、逆らえば罰を与えられるし、その気になれば、手足に刻まれている呪術の紋様の力で、自在に身体を操られもする。
いまの宝玄仙には、逆らう方法がないのだ。
「どうした? どうやら油剤が足りんのか。ならば、気合が入るように、お前の尻穴に塗り足してやろう」
背中に座っている鹿力が指を鳴らした。
宝玄仙ははっとした。
「ひいっ――。も、もう、十分です。そ、それだけは……」
なにをされるのかわかる。
毎日、同じ責めを受けている。
いまもその真っ最中だ。
鹿力の指の音に反応して、宝玄仙の股間に乗っている「手」の指が伸び、肉芽の根元に喰い込んでいる糸に繋がっている鈴を鳴らす。
すると、鈴の表面に強烈な痒み剤の油剤が浮かび、それを指から指へお尻側の「手」に受け渡して、たっぷりの薬剤を宝玄仙の肛門の周りと中に塗りつけ始めた。
「ああっ……。あ、あ、ああ……」
宝玄仙は、四つん這いの姿勢で、下をうつむいたまま、絶望とともに、指が宝玄仙の尻に新たな薬剤を塗る感触に耐えた。
その指の動きで、ただれるように痒い肛門が少しは癒される。
だが、すぐに始まるのは、地獄のような新しい痒みだ。
さっきからそれを繰り返されている。
宝玄仙の尻に強烈な痒みを発する薬剤を塗っては、放置して宝玄仙を苦しめ、宝玄仙に屈辱的な言葉を法兵たちの前で叫ばせ、しばらくして新しい薬剤を追加する。
今日は、朝から同じことを智淵城のあちこちでやらされている。
いまも手が肛門の中にするりと入ってきた。
ただでさせ、痒みにただれそうなお尻の中に、油剤を塗り足されることで、さらに数倍の痒みの苦しみが襲いかかってきた。
宝玄仙は悲鳴をあげた。
「こらっ、動くな――。食事ができんだろうが」
知らず宝玄仙は、腰を振っていたらしい。
本当なら、暴れ回るような痒みの地獄だ。
だが、暴れでもしたら、どんな仕打ちを受けるかわからないから、必死に我慢していいるのだ。
鹿力が自分の腰の下の宝玄仙の臀部を乗馬鞭でひと叩きした。
「ほうっ――」
宝玄仙は吠えた。
痛みではない。
鞭で叩かれたことにより、痒みがほぐれる快感だ。
痛みで、ほんの少しだけ痒みを忘れることができるのだ。
それだけでなく、痛みにより、股間が熱くなり、愛液がじわっと垂れ洩れるのもわかった。
身体がそういう反応をするように躾けられたのだ。
そうやって調教されてしまったことにも、宝玄仙の心に口惜しさが湧き起こる。
「あ、ああ……。か、痒い……」
しかし、すぐに痛みの余韻は消えてしまい、宝玄仙は知らず呟いていた。
痛みが消えれば、痒みが宝玄仙を襲い直す。
宝玄仙の肛門の中に入っていた指も外に出てしまった。
「仕事」が終わったのだ。
また、宝玄仙の肛門に沿って、指が置かれるだけの態勢に戻る。
宝玄仙の身体には、甲種奴隷の囚人服だという「手」が四個張りついていた。
ふたつは乳房を抱えるように置かれ、股間には前後の穴の上に「手」を置くように張り付いている。
それは常にどれかがゆっくりとした動きを続けているが、いま動いているのは右胸だ。
右胸を搾り取るように揉みながら乳首を転がしている。
おそらく、それが終われば左胸……。
その次は、股間だろう。
ひとつにつきどのくらいの長さが続き、どの程度の強さで愛撫されるかは決まっていないようだ。
もしかしたら、虎力、鹿力、羊力の三人の誰かの道術によって、意図的に動かしているのかもしれないが、宝玄仙には、法則を見つけることができない。
それが、宝玄仙を苦しめる。
新しく加わった甲種奴隷である宝玄仙、孫空女、
基本的に、宝玄仙以外の甲種の女囚は、智淵城の主人である
宝玄仙は、鹿力専用ということで、ずっと鹿力のところで寝泊りをさせられている。
それはともかく、鹿力は「手」の下着の指に、宝玄仙に対して特別な指示を与えているのだ。
それは、宝玄仙の肛門に対する扱いだ。
最初に説明されたときの話によれば、宝玄仙以外の者は、肛門に張りつく指が尻の芯に突き挿さって、定期的に刺激を加えるようになっているはずだ。
だが、宝玄仙の尻の「手」だけは、宝玄仙を責めない。
その代わり、いまやっているように、時折、掻痒剤か発情剤を塗っては、宝玄仙を苦しめる。
挿し込んでくれれば、宝玄仙もそれを使って、痒みであれ、快楽の焦燥であれ、発散できるのだが、宝玄仙の臀部の「手」は動かない。
だから、宝玄仙は腰を振るぐらいしかできない。
だが、いまはそれも禁止されている。
この智淵城に来た最初の夜から宝玄仙は鹿力のところにいるのだが、宝玄仙がほかの部分に対する快楽は制御できるし、ある程度の責めにも対処ができるが、肛門だけは異常に弱いということを知られて、それから、肛門ばかりを責められるようになったのだ。
だから、鹿力により、あの手この手で尻穴ばかりを責め続けられる。
性の地獄だ。
宝玄仙は、あの帝都の屈辱の日々を思い出さずにはいられなかった。
「ほら、おねだりだ、宝玄仙──。もっと別の言い方で、ねだってみろ。そうしたら、『指』にお前の尻の穴をほじくることを許可させる」
「は、はい……」
宝玄仙は言った。自分の声が震えている。
今日は、朝からあちこちに連れまわされ、ほかの法兵の前で、同じようにおねだりをさせられるのだ。
もう別の言い方なんて思いつかない。
娼婦のように淫乱にねだることはやった。
奴隷らしく慈悲を乞うのもやった。
貞節な女が快楽に負けて淫乱な言葉を無理矢理に言わされるという芝居もやった。
初心な少女が初めての尻の刺激に戸惑い泣くという寸劇もやった。
もう、新しいやり方は思いつかない。
しかし、「指」でも、鹿力の手でも、肉棒でもいいが、なんとか尻になにかを入れてもらわなければ、宝玄仙は痒みで発狂してしまう。
連中の法術で、宝玄仙は、身体の敏感な部分に張りつている「手」の淫具に触ることができない。
宝玄仙がほじくってもらいたい肛門――その他の部分も――すべて、その「手」で隠されている。
だから、どんなに発情しようとも、宝玄仙はそれを自分で癒せない。
「あ……あ、あのね。宝玄ちゃんは、お尻が痒いの。痒いのよう。だから、おじちゃん、宝玄ちゃんのおしりに指をいれて、ほちいの。それで、くちゅくちゅしてほちいの……」
あまりの馬鹿馬鹿しさに涙が出そうだが、思いついたのは幼児言葉だ。
鹿力や周りの男たちが、一瞬、呆気にとられ、そして、爆笑した。
「お、おしりにほちい……。ほちい……」
浴びせられる爆笑に、宝玄仙は目もくらむような恥辱を味わっていたが、それでも、幼児言葉で慈悲をすがった。
普段はしっとりとした熟女的な雰囲気を醸し出している宝玄仙の幼児言葉に、鹿力は満足したようだ。
笑いの発作がやっと止まったらしい鹿力は、「いいだろう」と言うと、「指」に宝玄仙の尻を癒すことを許した。
「指」が入ってきた。
宝玄仙は、歓びに震えた。
入ってきた指を離すまいと、本当なら排泄に使う筋肉で、力の限り指を締めつける。
指が宝玄仙の臀孔の中で掻き動く。焦燥感が一気に快楽の嵐に変わる。
「あ、ああ……、あああっ」
思わず嬌声がこぼれ出る。
気持ちいい……。
肉襞を突き抜ける快楽に、宝玄仙は瞬く間にうち震え始めた、
だが、その歓びは束の間だった。
しかし、宝玄仙の尻をほじり続けるはずの「指」がすっと出ていってしまった。
まだだ。短すぎる。
これだったら、下手に刺激を受けてしまった分、却って苦しい気がする。
たちまち、さっきの痒みが戻ってくる。
「な、なんで、まだ……」
宝玄仙は、思わず四つん這いの姿勢を顔だけをあげた。
すると、視線を下に降ろした鹿力の眼を合った。
「そんなに、物欲しそうな顔をするな。午後には、別の趣向があるのだ。虎力の兄貴に頼まれてな。それまで、我慢しろ」
鹿力がそう言うと、両方の乳房と股間に張りついている「手」が一斉に動き始めた。
乳首が転がされ、乳房が揉みしだかれる。
そして、股間の「手」は、宝玄仙の敏感な肉芽を柔らかくいじくりながら、膣の中でいまでは宝玄仙の女陰を一体化したようになっている男根のかたちに変形した指が激しく動き始める。
「うほおおっ」
宝玄仙は思わず声をあげた。
そして、突きぬける快楽の槍に身を任せそうになった。
それでも耐える。
「動くなと言っているだろうが」
尻に鞭――。
激痛が走るが、鞭の痛みは苦痛ではない。
尻の痒みがほんの少し癒されるご褒美だ。
むしろ、もっと受けたい。
「……鞭が気持ちよくなったのか、宝玄仙? さすがは俺の調教を受けた雌だ」
鹿力もそれに気がついたようだ。
からかうような言葉を宝玄仙にかけた。
しかし、満足気な表情でもある。
宝玄仙は、黙っていた。
すると鹿力が指を鳴らした。
指が肉芽に繋がっている鈴に伸びた。
ぞっとした。
宝玄仙は、その気配に気がついて、愕然とした。
まだ、重ね塗ろうというのか──?
きっと、黙っていたからだ。
宝玄仙は慌てて、口を開く。
「わっ、き、気持ちいい。鞭打ちが気持ちいです──。み、認める……。だ、だから、もう塗らないで──」
その間も「手」の一斉攻撃は宝玄仙を苦しめている。
宝玄仙は、悶絶しかかるのを耐える。
今日一日、もしかしたら、明日の朝まで……。
あるいは、さらに果てしない責めはずっと続くのだ。
何度も果てていたら体力が続かない。
「そうか。もう、鞭が気持ちいいか」
だが、鈴の表面から油剤を集めた指は局部に襲ってこない。
しかし、お尻側の指にも新しい薬剤が渡されてたのは気配でわかる。
やはり、こっちにも中には入ってこない。
薬剤を追加されるときのかすかな癒しを期待していた宝玄仙は、裏切られたような気分になった。
「薬を指に塗っておく……。俺の気に入らない返事をしたり、態度を取ったりしたら、薬剤が自動的に追加される。一生懸命に、どういう態度だったら気に入られるか考えろ」
「は、はい」
宝玄仙はそう言うしかなかった。
また、痒みが襲う。
もう、限界だ。
「腰を振るな――」
鹿力が声をあげた。
だが、鞭は来ない。
その代わりに、指が薬剤を肉芽に足した。
「ああ……」
宝玄仙は呻いた。
痒い……。
痒い……。
股が痒い。
お尻が痒い……。
もうなにも考えられない。
動かすなと言われたから、動かさないように努力しているのだが、ただれるように熱い肛門が勝手に動き続ける。
「痒いか、宝玄仙?」
食事をしながら鹿力が言った。
「か、痒い……。お、お願い……」
「もう少し待て」
「で、でも……」
「どのくらい痒いのだ?」
「く、狂ってしまう……」
暴れ出したい。
叫びたい。
痒い。
お尻が痒い。
「だが、動かすな。食えん」
「で、でも……」
痒い。
痒い。
痒い――。
お尻が痒い。
それしか、考えられない。
鹿力が宝玄仙の背中から降りた。
「……さすがの宝玄仙も、限界のようだな。よし、行くぞ。着いて来い」
重みから解放されてほっとする。
そして、鹿力が歩き出したので、宝玄仙は慌てて、四つん這いのまま手足を前に進めようとした。
「んはっ」
しかし、それを邪魔するように、「手」が宝玄仙を翻弄する。
急に指の責めが激しくなったのだ。
急激な絶頂感が込みあがった。
「ああっ、いやああ」
宝玄仙は、耐えられずに、身体を震わせながら、うずくまってしまった。
そんな宝玄仙の様子に、周りの男が手を叩いてはやし立てる。
「さっさと、来い」
鹿力が片手に小さな鞭を持ったまま、宝玄仙の首に嵌まっている首輪に鎖を繋いだ。
そのまま、すたすたと歩く。
「んげっ、あ、歩く──。歩くよお」
喉に首輪が食い込んで、息がとまりそうになり、宝玄仙は呻き声をあげる。
宝玄仙は、「手」に身体を責められながら懸命にそれを追った。
しかし、その宝玄仙の肉芽が「指」で転がされる。
膣の指は宝玄仙の感じる場所を探し回って責め続ける。
乳房はぐしゃぐしゃに強く揉まれているのに、乳首だけはくすぐるような刺激の弱さだ。
そして、肛門だけは刺激がなく、これ以上ないほど熱い。
そして、痒い。
「手」は攻撃を続ける。
宝玄仙は必死に手足を動かす。
だが、もう追い詰められている。
「い、いきそうです……。きょ、許可を……」
勝手に絶頂すると罰があるのだ。
だから、鹿力に恥辱的なおねだりをする。
「歩きながらなら許可する。いくらでもいけ」
鹿力が宝玄仙の首輪の鎖を引きながら言った。
「んぐうううっ」
そのまま気をする。
四つ足で歩きながらだ。
そんなことも、なんとかできるようになった。
だが、どこに行くのか知らないが、なかなか鹿力はとまってくれない。
しばらくして、二度目の気をやった。
もう宝玄仙は歩けなくなり、その場に膝を着いてしまった。
「わかった、わかった。淫具をとめてやるから、泣くな」
罰を与えられると思ったのに、鹿力が憐れみを込めたような声を宝玄仙にかけてきた。
びっくりしたが、それで、初めて、宝玄仙は、自分がすすり泣いていることに気がついた。
「……本当のお前は、随分と弱いようだな」
鹿力は言った。
淫具が一斉に停止する。
「脚を開け。頭を床につけろ。まんこは濡れているな?」
「濡れています。いつでも、鹿力様をお迎えできるように……」
犯されるときの決まりの言葉だ。
ここで犯すつもりなのだろう。
どこかの部屋でもなく、ただの廊下なのだが、こういうところで宝玄仙をわざわざ犯すのも、鹿力の嫌がらせのひとつなのだろう。
なにかの仕事を命じられているらしい甲種奴隷の女たちが、腰に黄色い布を巻いただけでの半裸で、荷を担ぎながら、ちらりちらりとこっちを複雑な表情で見ていく。
それも宝玄仙の恥辱を誘う。
言われた通りの格好になった。
宝玄仙は、床に頭をつけて、尻を高く上げている。
だが、なぜか鹿力が近づかない。
なにかを待っている気配だ。
どうしたのだ?
「……来い」
鹿力が言った。
宝玄仙に対してではない。
廊下の先にいた他の誰かを呼んだのだ。
宝玄仙の前に影が落ちた。
宝玄仙は顔をあげた。
視線に眼の前に立った人間の足先が映った。
足首に黒い刺青の帯があり、その上に赤い足輪がある。
孫空女だ――。
「そ、孫空女―――」
宝玄仙は顔をあげた。
最初の夜に、虎力、鹿力、羊力から一緒に犯されてから、ずっと離れて責められていた。元気だったのだろうか。
「ほ、宝玄仙、い、いい
孫空女は言った。
その言葉にぎょっとして、さらに顔をあげて孫空女を見た。
孫空女は引きつったような赤い顔で、なんともいえない複雑な表情をしている。
また、裸身に赤い「手」の淫具をしているという格好は同じだが、右手に乗馬鞭を持っている。
その鞭を宝玄仙の顎の下にやり、顔を上げさせた。
さらに驚いた。
その股間には、男性器そのものがあるのだ。
連中の法術で生やされたのだろう。
よく見れば、孫空女の股間の部分の「手」は、宝玄仙の股間とは違って、男根の根元を載せるように股間に張りついている。
「なんで、尻を振っているんだい、宝玄仙?」
孫空女が言った。
なぜ、孫空女がそんな口をきくのかわからない。
「か、痒いんだよ……。く、薬を……塗られて……。ひぎぃ――」
宝玄仙は絶叫した。
尻で鞭が鳴ったのだ。
宝玄仙の顎の下に置いていた鞭を、孫空女が宝玄仙の尻に打ちつけていた。
「ま、まったく、どうしようもない駄目女だ」
孫空女が頭の上で言った。
宝玄仙は、さっきは鞭打ちの衝撃に驚いて声をあげたものの、いまは首を傾げていた。
いまわかったのだが、音の割には痛くなかったのだ。
それどころか、ただれるような痒みがかなり癒されている。
びっくりした。
これはただの鞭打ちじゃない。
沙那の使う気功術を使った技だ。
つまり、孫空女が技でそうしたのだ。
派手に鞭を打っているようで、実際には痛みをあまり与えず、それでいて、宝玄仙の痒みを癒してくれている……。
宝玄仙は、どうやら、孫空女は宝玄仙に冷たい仕打ちをするように強制されているのだと悟った。
「……宝玄仙、いつまで、あたしの主人のつもりなんだ。同じ奴隷だけど、五番奴隷だろうが、お前は――。五番奴隷は、ほかの奴隷の全員に丁寧な言葉を使え」
また、鞭が尻で鳴った。
宝玄仙は悲鳴をあげたふりをしながら、痒みがすっと引いていく快感に酔った。
だが、これはこれで危険な気がした。
鹿力の調教よりも、これはもっと危険な香りがする。
これほど、鞭が気持ちよくては、孫空女の鞭を本気で好きになってしまいそうだ。
「ほら、お前は、何番奴隷だ? 言ってみろ、宝玄仙。頭を下げろ――」
鞭が鳴る。
宝玄仙は腰を振っていた。
鞭が気持ちいい……。
「ご、五番奴隷です……」
宝玄仙は頭を床につけて言った。
宝玄仙たち甲種奴隷は五人だ。
新たに加わった四人と、前からいる奴隷がひとりという構成だ。
前からいる奴隷は、
鹿力が宝玄仙を智淵城内に連れまわすようになってから、数回会った。
なんと、もう三年もいるらしく、宝玄仙が加わる前からいる唯一の甲種奴隷だ。
宝玄仙たちが来る前には、ほかにいたらしいが、宝玄仙たち新しい甲種奴隷が加わったことで、一斉に丙種奴隷に落とされたそうだ。また、ほかの甲種奴隷は頻繁に交代しているが、金楊凛だけは例外らしい。話によれば、虎力のお気に入りということのようだ。
また、宝玄仙たちにより、押し出されたかたちの彼女たちがどうなったのかは知らない。
丙種奴隷とは、屠殺用だと虎力たちが口にしていたから、殺されてしまったのかもしれない……。
とにかく、その金楊凛は、宝玄仙たち新入りの教育係も兼ねていて、一番奴隷だ。
番号は、奴隷の身分の順であり、番号の大きい奴隷は、番号の小さい奴隷に服従しなければならない。
そう教えられた。
もちろん、虎力、鹿力、羊力には絶対服従だが、同じ奴隷同士もこうやってお互いを責めさせるのだ。
宝玄仙は、一番奴隷の金楊凛に会ったときには、鹿力の指示で徹底的ないじめ調教を受けた。
おそらく、いつも、そうやって奴隷同士が仲違いを続けるように強制しているのだろう。
だから、いまも、孫空女がこうやって、宝玄仙を責めるように強制されているのだろう。
「舐めな、宝玄仙――。口で奉仕しろ」
孫空女が、宝玄仙の顔に男根を近づけた。
宝玄仙は、口を開いて孫空女の一物を咥えた。
孫空女が少しだけ小さな声をあげた。
半勃ちだった孫空女の一物が宝玄仙の口の中で大きくなる。
宝玄仙は、口の中にある孫空女の肉棒の先に与える刺激を強くした。
「あっ、ちょ、ちょっと……」
孫空女が小さく呟き、腰を震わせた。
宝玄仙は、この
どうでもいいが、この快楽に弱い女に、“責め”は無理だ。
一度、朱姫を相手に責めさせたら、この女は、途中で主導権を奪われて、逆に責められてしまった。
気が強く、どんな相手にも戦闘では引けを取らない猛女だが、性愛に対しては、受け身もいいところなのだ。
性格の強さの影に、嗜虐の性質が隠れている。
それが孫空女であり、宝玄仙がその被虐性を見つけ、表に出して、徹底的に開発した。
孫空女の男根の先が、宝玄仙の口の中で震える。
いきそうなのだろう。
そのまま、いかせたらどんな風に喋るのかと思ったが、ここは、刺激を弱くして出させないことを決めた。
孫空女がほっとしたのを感じた。
口の中から離れようとした孫空女の男根を逃がさないように強く吸う。
孫空女が、また微かに甘い声をあげた。
「う、うまいよ、宝玄仙。だ、だけど、もういい……ぞ」
まるで三文役者のような抑揚のない物言いに、宝玄仙はまたもや笑いそうになる。
この女は嘘が下手すぎる。
この孫空女は、三番奴隷だという。
一番が金楊凛──。
二番が七星──。
四番が
そして、五番が宝玄仙だ。
なぜ、この順番にしたのかは知らない。
入れ替わることもあるとか言っていたような気がするから、時折、順番を入れ替えて、それも責めの材料に使うのだろう。
「だ、だけど、お、お前の奉仕は、へ、下手だ……。だ、だから、罰だ」
宝玄仙の尻で鞭が鳴る。
痛みが少なく、尻の痒みが癒される。
気持ちいい……。
淫具でどっぷりと濡らされた股間が、孫空女の鞭の刺激によって新たな愛液で溢れるのがわかった。
それにしても、下手だから罰とは、孫空女の可愛い嘘に、宝玄仙は心の底から孫空女が愛おしくなった。
宝玄仙が薬剤による痒み責めで苦しんでいるのを知って、痒みを癒そうとしてくれているのだ。
出させてやろう――。
孫空女に宝玄仙の奉仕をしてやりたい。
それで、気持ちよくしてやろう……。
宝玄仙は、孫空女に与える刺激を強くした。
「はうっ」
孫空女が声をあげる。
宝玄仙の口の中で孫空女の一物が跳ねた。
口の中に孫空女の精液が拡がる。
精液の味は、孫空女の女性の部分から出るのと同じだ。
宝玄仙は、それをひとつ残らず舐めあげる。
宝玄仙は孫空女の一物を舐めあげてから、口を離した。
離れるときに、孫空女の男根の先端に口づけをした。
「……あ、ああっ」
孫空女が脚を震わせて声をあげた。
「よ、よくやったぞ……。ほ、宝玄仙……。ご、ご褒美だ」
孫空女が宝玄仙の尻をまた叩く。
宝玄仙も声を出した。
痛みの悲鳴ではない。
強い快楽のために耐えられない声が迸ったのだ。
「孫空女、宝玄仙へのご褒美が鞭というのはかわいそうだろう。こいつのご褒美は、これだ」
鹿力の声……。
存在を忘れそうになっていたが、ずっとそばにいたのだ。
宝玄仙の肛門にぬるりとした感触が加わる。
また、薬剤だ。
なにがご褒美だ――。
やっと小さくなっていた肛門の痒みが、また拡大する。
宝玄仙は、呻いた。
「ひ、ひいっ」
眼の前の孫空女が震えている。
なにが起っているのだろう?
宝玄仙の口の中で果てたことで、力を失いかけていた孫空女の男根が、怒張を復活している。
それで、宝玄仙は、孫空女の背後の「手」が孫空女の肛門に悪戯を始めたのだと悟った。
尻を刺激されて、男根の怒張を無理矢理に復活させられているのだ。
「ほ、宝玄仙、し、尻をこっちに……む、向けろ」
孫空女が言った。
どうやら、孫空女が宝玄仙の尻を犯すつもりなのだとわかった。
宝玄仙は、身体を反転して、尻を孫空女に向ける。
今度は、視界に鹿力の足元が映る。
宝玄仙は、それを無視する。
いまは、孫空女のことだけを考えよう。
それで、この恥辱を忘れられる。
孫空女の手が、宝玄仙の双臀の横を両手で抱いた。
宝玄仙の尻にある「手」がもそもそと横に移動するのがわかった。
この淫具は、性交などのときには、独りで移動して邪魔にならない場所に移るのだ。
孫空女の男根の先端が、宝玄仙の肛門の先端に当たった。
「あ、ああ、あああっ――」
まだ、なにも刺激を受けたわけではない。
ただ、孫空女にこれから貫かれようとしているということを想像すると、猛烈な快感が身体中を走りはじめたのだ。
ぐいぐいと狭い菊道を孫空女の怒張が抉る。
発狂しそうな掻痒感のすべてが快感に変化していく。
「い、いくっ――」
許可をもらう暇などなかった。宝玄仙は限界を越えた焦らしに逢っていた肛門の先端に男根の先が入っただけで、あっという間に達してしまった。
孫空女も声をあげている。さらに奥に入ってくる。
尻の内襞を孫空女の怒張が擦る。薬によるただれたような痒みが癒される。
なんという気持ちよさだろう。
宝玄仙は、獣のような咆哮をとめられないでいた。
もう、なんでもいい。
この気持ちよさが続くなら、いつまでもここにいてもいい。
一瞬、そう考えるほどだった。
宝玄仙の菊門の奥を孫空女の怒張が最後まで貫く。
そして、ずんという刺激に、宝玄仙はまた声をあげて達した。
こうなれば、もう歯止めは効かない。
効かせたくもない。
ひたすら、孫空女に犯されたい。
孫空女にすべてを忘れさせてもらいたい。
「あああっ」
「んふうう」
宝玄仙はあれらもない嬌声をあげていたが、孫空女のまた気持ちよさそうに声を震わせている。
それが嬉しい。
孫空女の男根が外に向かってゆっくりと動く。
さらに強い官能の嵐が襲う。
しかし、抜けるか抜けないかというところで、再びずどんと一気に深くまで貫かれた。
宝玄仙は大きな声をあげてまた果てた。
だが、もっとすごい快感が宝玄仙を襲う。
孫空女も声をあげている。
三度、四度――。
宝玄仙は達し続けた。
孫空女――。
それ以外に、もうなにもない。
孫空女の怒張が、また宝玄仙の尻奥を貫いた……。
宝玄仙は、身体を限界まで仰け反らせて、真っ白な世界に意識を飛翔させた。