「ほら、起きるんだよ、宝玄仙」
顔をぴしゃりと叩かれた。
宝玄仙は、眼を開いた。
叩かれたのは、孫空女の男根だ。
完全に上気した孫空女が宝玄仙を見下ろしていた。
「わ、わたし……、し、失神……?」
孫空女に尻で犯されていたはずだ。途中で気を失ったのだろうか。
同じ廊下だ。
そして、ぎょっとした。
宝玄仙は廊下の壁にもたれかけさせられていたが、その宝玄仙を大勢の法兵に囲まれていたのだ。
その中には、鹿力もいる。
そして、宝玄仙の脚は、膝を立てて大きく左右に開いており、股間をその法兵たちに曝け出していたのだ。
ふと見ると。股間につけられていた「手」の淫具が外されて横に置かれている。
その代わり、股間が露出している。
慌てて、膝を閉じようとした。
しかし、大きく開いた脚はぴくりともしない。
例の法術がかかっていて身体が動かせないようになっている。
そして、両手は背中で組んで離れない。
改めて、宝玄仙は自分の股間に目をやる。
孫空女に尻を犯されたばかりであり、宝玄仙の女陰はぱっくりと開き、愛液でぐしょぐしょだ。
さらに、その淫液が床に垂れ落ちている。
そんな羞恥の源泉を大勢の法兵に観察されているのだ。
法兵の中には、形がどうの、色がどうのと批評し合う者もいる。
「な、なんだい、これ──?」
あまりの状況に、宝玄仙は鼻白むとともに、かっと羞恥に襲われる。
「ちょっと孫空女に尻を掘られただけで、何度いったのだ、お前は? しかも、気を失うとはな」
鹿力がからかうような言葉を投げた。
腹が立った。
孫空女との交わりは気持ちよかった。
お前には関係ないだろう……。
宝玄仙は、視界から孫空女以外のすべてを消した。
そして、宝玄仙は、孫空女の手元に小さな剃刀があることに気がついた。
「お、お前の、け、毛を剃る、宝玄仙──」
孫空女は言った。
孫空女の声は緊張で震えているだけでなく、声が裏返っている。
どうやら、強制的に言わせられている台詞だということはわかった。
そんな孫空女が、少しいじらしく感じた。
宝玄仙に気を使う必要はないのだ。
孫空女なら、下の毛くらい剃らせてやってもいい気持ちだ。
「い、いまから、お前の毛を剃るからな。痛い思いをしたくなければ、一所懸命、自分で擦って、あ、あそこを濡らせ。わ、わかったな」
孫空女は言った。
宝玄仙は、噴き出しそうになった。
そんな似合っていない言葉を誰に、どうやって覚えさせられたのだろう。
そのおかしさが、一瞬だけだが、周りにいる男たちの視線など忘れさせてくれた。
虎力のことも、鹿力のことも、羊力のことも……。
「わかったよ……」
すると、背中の手が外れた。
宝玄仙は孫空女を見つめた、
それ以外のすべてを頭から消し去る。
実際には、たくさんの男たちが宝玄仙の股間を見ている。
宝玄仙の行為ひとつひとつを揶揄し、物笑いの種にし、宝玄仙に恥辱を与える材料にしようとしている。
だが、宝玄仙は一切を無視した。
ただただ、孫空女のみに意識を向ける。
股間に指を伸ばす。
「いくよ……」
宝玄仙はまっすぐに孫空女だけを見つめたまま、指を股間で動かし始めた。
「やり始めたぞ」
「見ろ、また溢れ始めた」
「これだけの人間で見られても感じるんだ。かなりの露出癖もあるんだろうな」
口々にはやし立てる。
気にするな――。
自分に言い聞かせる。
宝玄仙は、目の前の孫空女のことだけに集中した。
孫空女が、宝玄仙に股間を自慰で濡らせと言った。
だから、自分の股間に手をやるのだ。
それは、鹿力にも、周りに集まる男にも関係ない。
肉芽の皮をめくって、くちゃくちゃと回す。
あっという間にさっきの身体の熱さが戻ってくる。
指の動きを速める。
もっと刺激を……。
もっとだ。
全身に甘美な心地よさが拡がる。
気持ちいい。
こうやって、孫空女を見つめながらやる自慰は、まるで孫空女に犯されるみたいだった。
そう考えることで、さらに大きな愉悦が宝玄仙を襲う。
「そ、孫空女……。み、見て……おくれ……」
孫空女が息を呑む音が聞こえた。
宝玄仙を見て笑っている周りの男たちを意識から遮断する。
孫空女だけを見る。
視線がぶつかる。
股間を愛撫し続ける。
孫空女に見させるために……。
「み、見ているよ、ご、ご主……。いや、宝玄仙、見てるよ」
「ああ、見て……」
もう、感極まる。
自慰をしているのではない。
孫空女に犯されているのだ。
そして、追い詰められる。
あがってくる。
弾ける。
もう、少し……。
「そろそろ剃れ、孫空女」
鹿力の声──。
宝玄仙の心に冷たいものが刺さる。
孫空女とのふたりきりの営みを邪魔された気持ちになる。
「ほ、宝玄仙。一度やめろ。剃るぞ」
孫空女が慌てたように言う。
宝玄仙は達しかけた自慰を中断する。
孫空女がたっぷりと精液で濡れた宝玄仙の恥毛を剃刀でひと撫でした。
毛の塊りが床に落ちた。
そして、また剃刀……。
宝玄仙の股間は、だんだんと陰りを失っていく。
「も、もう一度、自慰をしろ。淫液を追加するんだ、宝玄仙」
しばらく剃ったところで孫空女が言った。
まだ、三分の一くらいだろう。
宝玄仙は、一部だけ剃られたみっともない女陰に指を伸ばす。
孫空女の命令のままに再び愛撫する。
「あ、ああ……」
気持ちいい……。
すぐに熱い淫液が滴る。
指に絡めついていく。
官能の大波だ。
それが、宝玄仙を包む。
「や、やめろ、宝玄仙」
孫空女が言った。
宝玄仙は言われた通りにする。
孫空女の剃刀が宝玄仙の股間で動く。
毛が落ちていく……。
「覚えているかい、宝玄仙? あたしの毛をお前は、知らない男に剃らせたんだ」
宝玄仙の恥毛を剃りながら、孫空女がささやくように言った。
ちょっと恨みめかしいような口調で……。
憑かれたような表情をしている。
強制されて嗜虐者を演じていたのだろうが、いまは、それに酔ったような感じだ。
孫空女が言ったことは、もちろん憶えている。
孫空女の恥毛を剃りあげたのは、この旅が始まって初めて妖魔に遭遇したときに泊っていた道館だった。
そこで修業中の若い神官に術を遣って操り人形にして剃らせたのだ。
動いていたのはその若い坊士の手だったが、それを操ったのは宝玄仙だ。
だから、宝玄仙が剃ったのも同じではある。
沙那の時もそうだ。剃ったのは宝玄仙だ。
朱姫は沙那にやらせたが、宝玄仙の目の前でだ……。
剃りあげてから、三人には二度と生えないように薬を塗布した。
無毛の股間は、三人が宝玄仙の「奴隷」である証だ。
「お、憶えているさ。お、お前は、他人に見られながらだと……感じ方が違うからね。わ、わざと、そうしたのさ」
「じゃあ、お前はどうなのさ? これだけの見物人がいると感じ方は違うかい?」
「いいや、孫空女。お前しか見てない――。ここにいるのは、お前だけさ」
宝玄仙は小さな声で言った。
孫空女の眼にうっすらと涙が浮かび、それが光った気がした。
自慰をして自分の淫液で股間の恥毛を濡らし、それを孫空女が剃る。
同じことを四度ほどやった。
しばらくして、やっと宝玄仙の股間は、翳りを完全に失った。
「これから薬を塗る。もう、これで、永遠に生えてこない。いいね。お前はここで残りの一生を奴隷としてすごすんだ。それはその証だ」
孫空女が準備していた塗り薬を宝玄仙に示した。
「ああ」
宝玄仙を頷く。
すべてが終わると孫空女が立ちあがった。
宝玄仙から離れていく。
「……宝玄仙、せっかく集まってくれた見物人に、お前の身体を堪能してもらえ。ここにいる全員の精を身体に受けろ」
鹿力が言った。
歓声があがった。
そう言えば、こいつらいたのだ。改めて思い出した。
全員の精を受けろだと――?
ここに何人いるんだ。
十……いや、二十人はいるだろう。
もっと増えるのではないだろうか。
「ここにいる男の全員が満足するまで、犯され続けろ。ひとりにつき何度でもだ。それまで、食事をすることも、寝ることも、気を失うことも許さん」
なにかが身体に入ってきた。これで、気絶できなくされたのだろう。
これから始まる長い凌辱地獄を受け続けるために――。
それと同時に、胸とお尻に張りついていた「手」の囚人服も外れた。
「誰からでもいい。この宝玄仙を毀せ。毀れなければ、引き続き使うが、虎力の兄貴からは、そろそろ、新入りが増える時期だし、いまの五匹から二匹を間引くように言われているしな」
鹿力が言った。
二匹を処分……。
つまり、殺すということか……?
よくわからないが、こいつらは甲種奴隷は、全員で五人と決めている気配なのだ。
だから、新入りが入ることことに備えて、いまいる甲種奴隷を減らすということだろう。
宝玄仙たちが加わることで、そうやって以前の甲種奴隷たちは処分されたと耳にしている。
そうなれば、おそらく、長く一番奴隷をしていた
だとしたら、宝玄仙、孫空女、
もしかしたら、孫空女がこうやって、宝玄仙を嗜虐しているのも、そういう試しのひとつか──?
ぞっとした。
だとしたら、こうやって座して逃亡と反撃の機会を待っている場合じゃない。
殺される前に、なんとかしないと……。
しかし、どうやって……。
「待ってよ。約束が違うよ──。ご主人……いや、宝玄仙の嗜虐はあたしの役目だろう──」
孫空女の抗議の声が聞こえた。しかし、押し寄せた男たちの後ろに追いやられるかたちになり、その孫空女の姿は宝玄仙の視界から消えた。
そして、一斉に声が上がった歓声とともに、宝玄仙の裸身にたくさんの腕が伸びていてきた。
乳房、股間、尻、脚、腕……身体のあらゆる場所に、男たちの手が張りつく。
「うわっ、な、なんだい──。ひいいっ」
宝玄仙は、それでなにも考えることができなくなった。
*
「気持ちは、変わったかい、
「ひゃああああっ、も、もうやめさせてください──。後生です──」
紅夏女は泣き叫んだ。
そして、朝から革紐で拘束されて座らされている木製の椅子の手摺を力の限り握りしめ、全身を背凭れ側にのけ反らせる。
紅夏女は、両脚は椅子の手摺に膝を載せて、股間を大きく開いていた。
その恰好で縄紐で固定されている。
だから、大きく開いた股を自分の意思で閉じることもできない。
両手は膝をかけた手摺に拘束されている。
従って、なにをどうされても、紅夏女にできるのは、叫ぶことと、首を振ることと、手摺を握りしめることだけだ。
両胸と股間とお尻には、「手」のかたちをした淫具が張りついているが、いま、股間の部分は、一番奴隷の金楊凛が、紅夏女の股間を筆責めさせているために、肉芽を解放していた。
ただ、肉芽の両側に指を置き、皮を剥いている。
この歳になるまで、その部分の皮が剥けるということさえ知らなかったが、剥かれる前と剥いた後の感度のよさは桁違いだ。
その肉芽に対して、小筆によるくすぐり責めが続いている。
絶対に達しないように、ぎりぎりの状態に保たせるための執拗な肉芽責めだ。
その肉芽責めを紅夏女は、もう数刻も続けられているのだ。
椅子の座る部分には、紅夏女の垂れ流した愛液が、まるで尿をもらしたようになっている。
身体に装着されたすべての「手」がゆっくりとした愛撫を続けていたが、それは紅夏女の身体の熱さを火照りの状態にしておくためであり、決して官能の頂点に紅夏女を導くような刺激ではない、
それも、紅夏女を苦しめていた。
半日だ――。
半日──。
もう半日も、こうやってずっと全身を筆で愛撫されている。
その中でも集中的に責められているのが股間の突起だ。
それでいて、紅夏女は、ただの一度も絶頂していない。
半日の間、ずっと、いくかいかないかのぎりぎりのところを彷徨わされているのだ。
紅夏女は狂乱しそうだった。
「もう一度、やりなさい、貂蝉」
「はい、金楊凛様」
腰に黄色い布を巻いただけの貂蝉が、虚ろな表情で筆を動かす。
「ひゃあああっ――」
紅夏女は嬌声をあげた。
「いきたいでしょう、紅夏女。いきたいと言ってごらん」
金楊凛が、紅夏女の顎を掴んで顔をあげさせた。
霞がかかったような視界に金楊凛の残忍な表情が映る。
紅夏女は、小さく首を横に振った。
でも、本当はいきたい――。
絶頂したい。
わああっ、と達したい。
心の底から身体がそれを要求している。
ここに来て十日近く。
裸身に張りついた四本の「手」により、一日中身体を愛撫され、そして、事あるごとに、ほかの女とともに、虎力や羊力に犯されていた。
鹿力は、五番奴隷ひとりを専用にするということに決まっているらしく、あの宝玄仙が連れていかれた。
この前、遠くから宝玄仙が四つん這いで智淵城を歩かされているのを見て、声も出すことができなかった。
なんという哀れな姿なのだと思ったのだ。
仮にも、宝玄仙は八仙の地位にあった怖ろしいほどの能力を持った道術師様なのだ・それをあんな風に扱うなど……。
地方神官に過ぎない紅夏女だったが、八仙の地位にあった宝玄仙のことは、もちろん知っていた。
同じ八仙だった三人の最高神官を殺して、教団を破門されて手配されていた。
遠い帝都の話だし、気にも留めていなかったが、ここで宝玄仙に会ったときには驚いた。
そして、宝玄仙が、殺人を犯した本当の理由も、後で孫空女から教えられて知った。
宝玄仙に対する教団の仕打ちに激しい憤りを感じた。
それはともかく、紅夏女のことだ。
虎力や羊力の相手をするのは、紅夏女、七星、孫空女の役目だ。
目の前にいる金楊凛は、性奉仕もするが、どちらかといえば、紅夏女たち三人の調教係という立場だ。
この金楊凛により、朝に、昼に、夜にと一日中淫らな「調教」を継続されている。
そして、虎力と羊力のうち、羊力は、自分自身でも女を犯すが、法兵たちを連れて来て犯させるということもする。
紅夏女も、たった十日なのに、羊力の連れてきた兵を相手にし、どのくらいの男の精を受けたかわからない。
とにかく、あの手この手で、片時も淫情が休まることのないように刺激を与え続けられ、感度をあげる薬剤を股間にすり込まれ、そして、食事にも水にも媚薬を混ぜられていて、それを口にし続ける。
わずか数日で、それ以前の紅夏女とは比べものにならないくらいの淫乱な身体にさせられていた。
しかし、今日は一転して状況が変わった。
その紅夏女を「躾」と称して、朝からこの部屋に連れてきた金楊凛は、この椅子に紅夏女を拘束すると、言語を絶するような焦らし責めを始めたのだ。
強力な媚薬を塗って、限界まで敏感にした肉芽を徹底的に筆で責めたてだしたのだ。
しかも、自分ではやらない。
連れて来たのは、紅夏女と一緒にこの智淵城に連れてこられた貂蝉という巫女だ。
この巡礼の旅に同行してきた紅夏女の妹弟子に当たる娘で、もともとは彼女を含む巫女四人の巡礼だった。
危険な旅だが、紅夏女もある程度の道術は遣えるし、修行のために巡礼をするのは、天教の巫女としての義務だったのだ。
それで、天教の教えを西方諸国に拡げる旅をしていた。
巡礼の最終目的地は、この
天教の教えの拡まっていないこの車遅国で、ひとりでもふたりでもいいから天教の教えを説く。
それが紅夏女のやろうとしたことだった。
天教本部から与えられていた任務もそれだった。
車遅国に入るとすぐに、この国では天教は邪教の扱いであり、軍の取り締まりの対象であることを知った。
それで、
農村であれば、軍の取り締まりも緩くなるし、貧しい生活をしている人々なら、新たな教えを受け入れるかもしれないと考えたのだ。
だが、あっという間にかけつけた軍に捕縛された。
天教の神官を密告すれば、高額の賞金が与えられることになっていたことは、後で知った。
紅夏女たちは、布教をした農村の人間に密告されたのだ。
軍営の牢に入れられてからは、取り調べも裁きを受けることもなく、数日後に迎えに来た鹿力によって、この智淵城という牢城に連れてこられた。
鹿力の運んできた檻車に繋がれる前に、首に密着する革の首輪をされ、身体に法術をかけられた。
首輪が術ひとつで紅夏女たちを殺すための法具であり、身体にかけられたのは、囚人の手足を自由に操るとともに、逃亡の意思をなくさせる術だと知ったのは、この智淵城に到着してからだ。
檻車の中では、この手首と足首に浮かんだ黒い帯のような線はなんだろうと思っていた。
檻車がとまると、そこはすでに智淵城の城門の中だった。
鹿力だけではなく、虎力と羊力という法術遣いも待っていて、ほかの城郭から連れてこられた三人の女囚もいた。
そして、そこで「種別判定試練」という名の私刑を受けた。
牢城の畠の真ん中に掘られた穴に、いま着ている服をすべて脱ぎ捨てるように命令された。
さすがに躊躇していると、首に絞めている革の首輪が絞まりはじめた。
手で首輪を取ろうと思っても、触ることもできない。
初めて首輪の恐ろしさを知った瞬間だった。
慌てて服を脱ぎ捨てて、地面に掘られた穴に捨てた。
そのとき、一番遅かった紅夏女の連れの若い巫女が首輪により殺された。
ここが本当に地獄であることを知った。
「試練」は続き、続く浣腸試練で、また連れが殺された。
残った女囚で大量の浣腸を受け、最初に排便をした者が殺されたのだ。
最後の「試練」は、膣に入れられた張形を絞めあげるという競争だった。
一定の圧力を膣で加えることができれば、前から白濁液が出て、それが遅かった者が死ぬと言われた。
ひとり残った連れの巫女である貂蝉は、生娘であることを紅夏女は知っていた。
張形を絞めあげるどころか、挿入することも無理だと思っていた。
その貂蝉に容赦なく張形を突き刺すと、三人の法術遣いたちは、勝負を開始させた。
紅夏女は、自分が最後になり死ぬつもりだったが、貂蝉は絞めあげるどころか、張形を突き刺された痛みで、術で固められた身体のまま、その場に崩れ落ちてしまった。
そのとき懸命に貂蝉に、膣を絞めあげるように叫んだが、どうしても無理だった。
すると、虎力が、紅夏女が五十をかぞえる間に、紅夏女に挿入された双頭の張形の先から白濁液を出すことができれば、貂蝉を助けるという新たな条件を出した。
紅夏女は、膣を絞めあげようとしたが、いやらしく振動する張形は、紅夏女の官能を刺激し、締めるどころか我を忘れそうになり、紅夏女は身体を襲う情欲の嵐に絶望的になった。
そこに宝玄仙の声がした。
肛門に指を挿し、指を絞めあげろと言ったのだ。
そして、叫べと――。
恥も外聞もない。
紅夏女は貂蝉を助けようと、必死の思いで宝玄仙に従った。
その通りにすると、白濁液が張形から飛び出した。
こうやって、貂蝉は命を救われ、乙種奴隷となって、殺されないで済んだ。
それから、貂蝉を見たのは今日が初めてだ。
紅夏女は、ここにいる間、四六時中、淫具に苛まれるか、男たちに犯されるという日々を送っていたが、貂蝉がどんなふうにここで過ごしていたかはわからない。
貂蝉に訊ねることもできない。
金楊凛に連れてこられた貂蝉は、おぼろな表情をしていて、紅夏女の呼び掛けに反応しなかったのだ。
なんらかの術にかけられているのだろう。
目の前にいる貂蝉は、金楊凛の命令に応じる人形に過ぎない。
その貂蝉に、金楊凛は、紅夏女に対する責め苦を与えることをさせた。
この金楊凛は、紅夏女がやって来る前からいた甲種奴隷だ。
ここの女囚は、すべて「奴隷」と呼ばれていて、甲種、乙種、丙種に分かれるらしい。
乙種は労働奴隷で、貂蝉がそうであるはずであり、この牢城のあらゆる労役を行う。
甲種は、紅夏女たちのような虎力らの性奴隷である。
丙種は、実験用の家畜だと言っていたが見たことはない。
違いは、丙種奴隷は、腰に黄色い布を巻いた姿であり、乳首に小さな鈴をつけている。
甲種は、全身を常に苛む「手」のかたちをした淫具を装着されている。
また、その淫具は、首輪と同じで、奴隷自身が触ることができない。
いまの甲種奴隷は、全部で五人だ。
そのうちの四人は、新たに加わった者であり、最初からいたのは金楊凛ひとりだ。
ほかにも甲種奴隷はいたようだが、紅夏女たちが入ることで、丙種に落とされたと言っていた。
だから、会ったことはない。
甲種奴隷には、序列があり、一番奴隷は金楊凛であり、ほかの四人の躾係でもあるようだ。
ほかの奴隷の淫具は常に女囚たちを苦しめているが、一番奴隷の金楊凛の淫具が動いているのを見たことはない。
いまも、金楊凛の裸身に装着されている「手」は、まったく動いていないように思える。
ここの女囚である限り、なんらかのかたちで、金楊凛も天教教団に関わりがあるはずだが、紅夏女たちを責める金楊凛は、冷酷な拷問者だ。
容赦なく、紅夏女を責めたて、その心を作りかえようとする。
それと紅夏女は戦っていた。
紅夏女は、四番奴隷だ。
種別判定試練で、紅夏女に向かって尻に指を入れろと叫び、貂蝉を救ってくれた宝玄仙は、五番奴隷になって、鹿力に連れていかれたのだ。
「いやあああ」
紅夏女は思念を打ち破られて、悲鳴をあげた。
貂蝉の持つ小筆が、紅夏女の肉芽をまた抉ったのだ。
紅夏女は泣き声をあげた。
筆が離れる。
痺れるようなじんじんとする疼きが股間に渦巻く。
「たった一言でいいのよ、お願いしなさい。そうすれば、いかせてあげるわ」
「で、できるわけ……ありません」
紅夏女は叫んだ。
「あっ、そう……。貂蝉、また、媚薬が乾いてきたわ。筆に薬剤を足しなさい」
「はい」
無表情の貂蝉が、傍の小瓶の中の液体に小筆をひたした。
紅夏女は恐怖した。
あの我を忘れるような淫靡な薬を限界まで燃えあがっている肉芽に追加される。
壊れてしまう――。
「言いなさい、紅夏女。貂蝉を丙種にしろってね」
金楊凛が耳元でささやく。
たっぷりと薬液を含んだ小筆が紅夏女の勃起した肉芽に触れた。
紅夏女は泣き叫んだ。
金楊凛が、紅夏女に絶頂を与える条件としているのは、この貂蝉を丙種にすることに同意することだ。
そんなことができるわけがない。
それがわかっていて金楊凛は、紅夏女を絶頂させずに股間を筆責めするという責め苦を続けている。
しかも、その責めを当の貂蝉にさせているのだ。
貂蝉は、自分を丙種という実験奴隷にしろと紅夏女に言わせるために、紅夏女を責めさせられている。
「いいじゃない、紅夏女。もういきたいでしょう? たった一回の絶頂のために、この女を見捨ててみてよ。わたしは、そういう風に人間が毀れるところを見たいのよ……」
金楊凛が、紅夏女の股間の淫具に触れて揺さぶった。
紅夏女の股間の淫具は、肉芽は解放されているが、膣の部分には、男根のかたちに変形した指が深く突き挿さっている。
さっきからゆっくりとした蠕動を続けていたが、金楊凛によりそれが激しく刺激された。
紅夏女は、官能の槍に全身を突き刺されて、叫びながら身体を仰け反らせたが、すぐに金楊凛の手は淫具から離れた。
紅夏女の達することのできなかった欲望が激しい焦燥感となって襲い掛かる。
「しぶといわね。まあ、そろそろ、許してあげるわ。じゃあ、わたしの前で自慰をしなさい。みっともなくね」
金楊凛が言った。
そして、股間の淫具をずらして、紅夏女が触れるようにした。
さらに、左手の結んでいた手首の縄を緩める。
まだ、手首には縄は繋がっているが、股間に手が届くくらいには緩んでいる。
「あ、ありがとうございます、金楊凛様」
紅夏女は叫ぶと、左手を股間にやった。
いくことができる。紅夏女の手は狂ったように肉芽を擦る。
「わたしの顔から眼を離しては駄目よ、紅夏女。自慰をやめさせるわよ」
「は、はい」
紅夏女は、慌てて金楊凛を見る。
自慰を見られているという恥ずかしさなどもうどうでもいい。
頭にあるのは、やっと絶頂できるという渇望だけだ。
すぐに最高の快感がせりあがってきた。
昇ってくる……。
あっという間に待ち望んでいたものがきた。
「いきそうなときは、そういいなさい、紅夏女」
「ああ……。も、もう、い、いきそうです……。いくううっ」
「勝手にいっては駄目よ、紅夏女。いきそうなのね?」
「い、いきます。もういきます―――」
紅夏女は感極まって叫んだ。
絶頂の予兆がそこまできている。
あとは、身体を解放させるだけだ……。
「いっていいわ」
「は、はい──。ありがとうございます──。ああっ、はああああっ」
紅夏女は叫んだ。
股間をまさぐる指に力を込める――。
全身ががくがくと痙攣を始める。
だが、見ながら自慰をしている紅夏女の顔がにやりと微笑んだ。
「……いけたらだけど……」
股間を愛撫していた左手の縄が引っ張られ、まさに絶頂の直前で自慰を中断させられた。
「そ、そんなああ──」
まさにぎりぎりのところで絶頂をとりあげられた紅夏女は、泣き叫んでしまった。
「じゃあ、続きをするわよ。本当のことを言うと、あんたを毀せと言われているのよね。そろそろ新しい女奴隷が入る頃だから、ふたりを間引くんだって。わたしは、わたしであんたを毀すように命じられてるのよ。だから、わたしのために、早く毀れてちょうだい」
金楊凛が酷薄に笑った。