※この作品はR-18です。

嗜虐西遊記【完結】   作:ドン・ドナシアン

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133 二人の救援者と二匹の雌奴隷

 朱姫の全身が跳ね、そして、硬直した。

 悲鳴に似た嬌声をあげた朱姫は、白目を剥いて羊力(ようりき)の下でぐったりとなった。

 沙那は、裸身を横たえて休ませながら、朱姫の全身から力が抜けて、弛緩していく様子をじっと見ていた。

 

「よし、じゃあ、もう一度、お前だ」

 

 羊力が、朱姫の身体を寝台から突き落とすように、床に降ろした。 

 そして、逆に床に横たわっていた沙那の裸身を寝台に引きあげる。

 すぐに沙那に怒張をねじ込もうとするのを沙那は、懸命に押し留めた。

 

「ご、ご奉仕をさせてください――。彼女の汁で、羊力様の大切な場所が汚れました。お、お掃除いたします」

 

「おお、そうか」

 

 羊力は、陽気に応じると、身体の下の沙那を解放し、寝台に胡坐に座った。

 沙那は、身体の気だるさに耐え、怒張した肉棒に口で食らいつく。

 できれば、ここでせめて一発は放出させたい。

 そうでなければ、ふたりかかりでも、沙那と朱姫の方が最初に潰れそうだ。

 

 この羊力が、宝玄仙と孫空女が連れていかれたはずの智淵城(ちふちじょう)とういう女囚専用の牢城に繋がっているという情報を得て、沙那と朱姫は、娼婦にやつして、夜の相手として羊力に接した。

 

 宝玄仙と孫空女が、天教の神官として、この車遅国(しゃちこく)を牛耳っている道教の法術師に捕えられたのは、もう十日前になる。

 連れていかれたのは、この城郭から馬車で一日の距離にある智淵城と呼ばれる女囚専用の牢城であることはわかったのだが、それから先の調査は難航した。

 

 智淵城を支配しているのは、虎力(こりき)、鹿力(かりき)、羊力という三人の法術師なのだが、彼らは、非常に用心深く、城郭軍にもその居場所を明かさない。

 しかも、そこは彼らの法術で護られていて、偶然にもそこに辿りつくことは不可能であるらしかった。

 

 苦労して、その三人のうちの羊力が、十日に一度、この東閣(とうかん)の城郭にある軍営に牢城に必要な補給品を受け取りにやってことを突きとめた。

 しかも、その羊力は、一日とて、女なしではいられないほどの女好きで、補給品を受け取りに来た軍営でも、必ず 軍営の宿舎に娼婦を呼び寄せて抱くこともわかったのだ。

 そこで、その情報を沙那たちに与えてくれた黄蓋(おうがい)という補給担当の兵に朱姫の『縛心術』をかけ、沙那と朱姫を羊力の夜の相手として送り込んでもらった。

 

 最初は、寝所に送り込まれると同時に、首を掻ききって、『変化(へんげ)の指輪』で羊力に化けて智淵城に向かおうと思っていた。

 しかし、さらに調べるうちに、智淵城には、羊力がいなければ入りこめそうにないこともわかった。

 だから、殺すのではなく、朱姫の『縛心術』で操り、沙那と朱姫のふたりを女囚として連れていかせることに決めた。

 無論、本物の女囚になるわけにはいかない。

 それでは、沙那と朱姫まで、彼らの奴隷にさせられるだけだ 。

 だから、なんとしても『縛心術』にかかってもらわなければならない。

 

 しかし、道術にしろ、法術にしろ、術がかかるかどうかは、術者同士の霊気、あるいは、法力の強さによる。

 朱姫の魔力では、羊力の法力にはかないそうになかった。

 だが、『縛心術』は、眠った時には非常にかかり易くなり、術者の力に差があっても、かけられることが多い。

 

 だから、沙那と朱姫は、性交の後、羊力が疲れ果てて寝るのを待つことに決めた。

 だが、この羊力は精力が絶倫すぎて、このまま相手をしていると、沙那と朱姫の方が先に意識を失わせられそうだ。

 よく聞けば、この羊力を相手にするときは、娼婦を三人は準備するらしい。

 

 本職の娼婦三人がかりで、やっと相手が務まる羊力を素人の沙那と朱姫がふたりで相手をするということだ。

 さすがにつらい。

 

「で、ではご奉仕します……」

 

 とにかく、沙那は、羊力の怒張を口に咥えた。

 男根に対する奉仕の仕方は、宝玄仙にさんざんやらされた。

 宝玄仙は、沙那たち供を調教するときに、時折、道術で自分の股間に男根を生やして奉仕の訓練をさせることがある。

 沙那も、それこそ顎が動かなくなるまでやらされた。

 舌と唇を駆使して、羊力の快感を誘うように口を動かす。

 

「おっ、うまいな」

 

 羊力が嬉しそうな声を出した。

 宝玄仙に言われたことは、とにかく愛情を込めることだ。

 奉仕の対象として、男性器に心から向かい合うことだった。

 精一杯唾液を口に貯めて、それを羊力の怒張の先端に包んで舌を動かす。

 

 懸命に、羊力の反応する部分を探す。

 この男は、どこをどうするのが感じるのか。

 怒張だけではなく、呼吸のひとつひとつ、肌の動きまで逃さないように集中する。

 尿道の筋に向かって縦に舌を動かしたとき、ほんの微かに鼻息が荒くなった気がした。

 そこに唾液を集める。

 そして、少し強く舌を当てる。

 

「うう……」

 

 羊力が反応した。

 さらに口に力を込める。

 羊力が気持ちよさそうにさらに声をあげた。

 

 いける――。

 しかし、その沙那の頭を羊力の大きな両手が掴んだ。

 ぐいと押し込まれる

 喉の奥まで怒張が届く。

 込みあげる吐気に懸命に沙那は耐えた。

 それでも、懸命に舌を動かす。

 

「そんなに一生懸命な口淫は初めてだぞ。お前、ぎこちないが、なかなかいいな」

 

 羊力は言った

 

「……、あたしも、ご、ご奉仕いたします」

 

 朱姫だ。

 床に休んでいた朱姫が寝台にあがってきた。

 沙那のそばにあがってきて、羊力の男根に吸いついてきた。

 

 身体をずらして、沙那は朱姫に半分を譲り、ふたりで羊力の肉棒の両側から責める態勢になった。

 朱姫が怒張への奉仕に加わったことで、羊力が明らかに官能に震えはじめた。

 

「んほおお――」

 

 しばらくしてやっと、羊力は怒張の先から精を噴出した。

 受けたのは沙那だ。

 沙那は、それをひと滴残らず舐め尽くした。

 宝玄仙にそう教えられたからだ。

 

 そうしている間に、朱姫が羊力に抱きつくような姿勢になって、乳首に吸いついた。

 羊力が朱姫の舌技に翻弄され始める。

 

 沙那は、羊力を押し倒した。

 横倒しになった羊力の股間に沙那は後ろから顔をうずめ、羊力の肛門に舌を伸ばす。

 嫌悪感などない。

 宝玄仙と孫空女を救うためだ。

 朱姫は、羊力の上半身を責めたてている。

 

「おお、気持ちいいっ――」

 

 やがて、羊力が吠えた。

 沙那は、舌の奉仕の場所を肛門から肉棒そのものに変えた。

 沙那が怒張の先端を咥えると同時に、再び羊力の精が沙那の口に迸った。

 連続の射精に成功した。

 いい感じだ。

 

「お前らいいなあ。気に入ったぞ」

 

 その直後、沙那は肩を羊力に掴まれた。

 身体がひっくり返される。

 

「うわっ」

 

 朱姫は、身体を弾き飛ばされたかたちだ。

 沙那の女陰の中に羊力の剛茎がねじ込まれた。

 

「ああ、いいいいっ」

 

 沙那は荒々しく始まった律動に、一瞬我を忘れそうになった。

 抽送が激しい。

 沙那に絶頂感がやってきた──。

 

「ご、ご奉仕します──」

 

 だが、戻ってきた朱姫が沙那と羊力が結合している股間に顔を潜り込ませて、羊力の睾丸を無理矢理に舐めだす。

 まさに、朱姫もなりふり構わずだ。

 

「おおおっ」

 

 羊力が声をあげる。

 溶岩を思わせるような羊力の熱い精液が沙那の中に放たれたのはわかった。

 

「おおおお……」

 

 羊力が沙那を組み伏せながら、身体を震わせている。

 沙那は、羊力の裸身にしがみついた。

 羊力の射精の時間が長いのだ……。

 放ちながらも激しく女陰を乱暴に突き動かされる。

 その荒々しさが、堪えようのない快感に変化する。

 

 沙那も獣のような声をあげた。

 そして四肢を痙攣させた。

 絶頂してしまった。

 

 やっと、羊力が完全に果てた。

 視界が白くなりかける。

 沙那の上の羊力を朱姫が引き離した。

 

「あ、あたしにも、お情けを……、お、お願いします」

 

「お、おう。お情けか……。もちろん、くれてやるぞ」

 

 全身に汗をかいた羊力が、沙那を離して、小柄な朱姫を組み伏せる。

 その肉棒が朱姫の中に吸い込まれていく。

 

「このまま、いくぞ」

 

 羊力が吠えた。

 

「は、はい――。突いてください。羊力様の精で、あたしのお腹を突き破ってください」

 

 朱姫が憑りつかれたように叫んだ。

 

 始まってからもう数刻――。

 獣のような性交を三人でやり始めて、三人とも何度も昇天している。

 朱姫も息も絶え絶えになっている。

 羊力が朱姫を突き続けている。

 

 やがて、朱姫は四肢を激しく痙攣させて反り返った。

 それでも羊力の怒張は朱姫を襲い続けている。

 

 沙那は、羊力の肛門に再び飛びかかる。

 朱姫を犯している羊力の後ろから、羊力の肛門を舐めまくる。

 

「ふごおおおあ――」

 

 羊力が奇声をあげて吠えた。

 射精したのだ。

 

「次は、わたしにお情けをください」

 

 沙那は朱姫から羊力を無理矢理に引き離して、寝台に仰向けにさせる。

 まだ力を失わない羊力の肉棒の上から自分の女陰をあてがい一気に沈めた。

 そのまま腰を上下させて羊力を責める。

 

 朱姫が身体を起こす。

 羊力の上半身に自分の裸身を頭を逆にして被せた。

 沙那の肉門が刺さっている羊力の男性器に隙間から舌を伸ばしている。

 そして、自分の下半身を羊力の顔に被せている。

 

 そうやって、息をしにくくして、意識を手放すのを早めるつもりなのだろう。

 だが、羊力は自分の顔の上の朱姫の股間を下から舐めはじめたようだ。

 朱姫が狂乱し始めた。

 

 沙那の股間が刺さる羊力の怒張が、熱いものを噴きあげた。

 やっと、力を失いかけた羊力自身を朱姫とふたりがかりで睾丸を舐めあげて大きくした。

 

「こ、今度は、あたしが、ほとでご奉仕します」

 

 朱姫が、さっき沙那がやっていたように、羊力の上に跨って肉棒に乗った。

 そのまま羊力の上で朱姫が上下に身体を動かしながら身体を捻る。

 沙那は、自分の股間を羊力の顔の上に載せた。

 

 朱姫が終われば沙那。沙那が終われば朱姫。

 そうやってさらに数刻、沙那と朱姫は、全力で羊力を責めたてた。

 

 この男から精を出し尽くさせて、やっと疲労の眠りにつかせることができたのは、夜半を遥かにすぎて朝に近い時間だった。

 沙那も朱姫も完全に脱力していた。

 

「起きられる、朱姫……?」

 

 沙那は、ぐったりと横たわる朱姫に声をかけた。

 

「はあ、はあ、はあ……。だ、大丈夫です……」

 

 朱姫は身体を起こして、羊力の裸身に身体を向けた。

 羊力の上に手をかざしている。

 

 『縛心術』をかけようとしているのだ。

 朱姫は、霊気を持たない人間にも『縛心術』をかけて心を操ることができるが、霊気や魔力を持つ道術師や魔族には、もっと完全に術をかけることができる。

 だが、相手の術に対する抵抗力が強ければかからない。

 

 しかし、そういう相手でも、眠ったときは『縛心術』は受けやすくなり、朱姫程度の術でも、魔力の強力な相手に術を及ぼすことができるのだ。

 法力も道術も同じだ。

 羊力は、朱姫の軍門に落ちるだろう。

 

「か、かかりました。後は、起こして暗示を擦りこむだけです……」

 

 朱姫が疲れた表情を沙那に向けた。

 

「よくやったわね、朱姫。じゃあ、この羊力にわたしたちふたりを女囚として、智淵城に連れていくように暗示をかけましょう。もちろん、本当に拘束されるわけにはいかないから、拘束していると思い込ませるのよ」

 

「わかりました、沙那姉さん。夜の営みの最中に、あたしたちふたりを天教徒だと見破って、拘束したと思い込ませます。女囚がしていくという手の甲の魔法封じの紋章や、手首足首の黒い線の刺青のことももっと詳しく喋らせます。同じものをあたしたちの身体に描くくらいの術なら、なんとかあたしでもできると思います」

 

「お願いするわ、朱姫」

 

 沙那は言った。

 朱姫は、羊力を起こしている。

 

 やがて、眼が虚ろな羊力が上半身を起きあがらせた。

 朱姫の『縛心術』がかかっているのは間違いない。

 

 沙那は、持ってきていた荷物から革の首輪を取り出した。

 黄蓋に喋らせて、女囚が必ず嵌めるという首輪の特徴を聞きだし、似たものを探してきたものだ。

 そのひとつを自分の首に嵌める。

 もちろん、自分で簡単に外すことはできる。

 

 もう少し……。

 もう少しで、宝玄仙と孫空女の居場所に辿りつく。

 沙那は、逸る気持ちを押さえつつ、朱姫が羊力に暗示を送り込む作業を見守った。

 

 

 *

 

 

 起こされたのは、午(ひる)に近い時間だったらしい。

 いつの間にか身体の自由は戻っていて、孫空女は、手が思わず股間に向かいそうになったのを驚いてやめた。

 

 昨夜、一時休憩と言われて床に仰向けに磔にされた後、金楊凛(きんようりん)の嫌がらせで、股間に媚薬を垂れ流された。

 股間の疼きが止まらなくなり、孫空女はほとんど眠れない一夜を過ごした。

 

 もっとも、宝玄仙に受けた仕打ちに比べたら優しい方だろう。

 あの経験がなければ、こうやってなんとか身体を動かすことはできなかったかもしれない。

 

「ほう、思ったよりも元気そうじゃない、孫空女?」

 

 金楊凛だ。

 虎力(こりき)は、すでに昨夜座っていた椅子に腰かけていて、その隣に金楊凛がいた。

 金楊凛は全裸だった。淫具は外されている。

 それは、孫空女も同じだ。

 

 違うのは、この金楊凛に媚薬を塗られたままの身体が、まだ疼いていることだ。

 ふと見ると、一緒に床に磔にされていた七星も部屋にいる。

 部屋の隅で、こっちを心配そうに見ている。

 

 孫空女は、虎力に呼ばれて、言われるままに、その前で裸身を晒した。

 金楊凛も孫空女の隣に立つ。

 

「勝負の内容を説明しよう。孫空女と金楊凛は、お互いに俺の前で責め合う。勝敗は、どちらかが相手に屈服したと俺が判断することで決まる。この部屋にある道具は、なにを使ってもいい。いろいろと準備をさせたぞ」

 

 孫空女は横の台を見た。

 大小の張形、鞭、媚薬らしき小瓶群、『破片布』、浣腸器もある。用途の予想のつかない道具はもちろん、昨日使われて、尻で電撃責めされ『電撃芯』もある。

 孫空女は鼻白んだ。

 

「わかったよ。じゃあ、もう始めていいのかい、虎力様?」

 

 孫空女は言った。

 

「お待ちください、虎力様。このままでは勝負にはなりません。この孫空女は、承知の通りの馬鹿力。この女の力を少し弱めていただけませんか」

 

 金楊凛が言った。

 なにを言うかと思った。昨日、この部屋に磔にされた孫空女の股間に、これ見よがしに媚薬を垂れ流していったのは、今日の勝負のために、孫空女を少しでも弱めておこうという金楊凛の魂胆だったに違いないのだ。

 いまでも孫空女の身体は、これ以上ないほど火照っている。

 孫空女にとって救いなのは、この虎力の使う媚薬が、宝玄仙のものほどのえげつなさがないことだ。

 だから、少しは耐えることができる。

 

「確かにな。では、孫空女の筋力を金楊凛と同じ程度に弱める」

 

 虎力が言った。

 途端に身体が重くなった。

 筋肉が法術により弛緩させられたのだろう。

 

「始めてよい」

 

 虎力が言った。

 孫空女が、金楊凛に向き直った。

 だが、不意にその金楊凛が消えた。

 気がついたときには、身体を沈めていた金楊凛に足を取られて、ひっくり返されていた。

 うつ伏せになり、膝を背中方向に曲げた状態で、二本の足首の関節を決められて、金楊凛の片足で固定されてしまった 。

 

「ひぎいいいいっ」

 

 孫空女は思わず悲鳴をあげた。決められた孫空女の足首に力を入れられたのだ。

 足から腿にかけての筋に激痛が走る。

 腕で払おうとする。

 しかし、巧みに金楊凛は、それを避けて身体を孫空女の両方の太腿に載せている。

 あっという間に孫空女は動けなくなった。

 

「そ、そんな勝負かよ。だ、だったら受けて立つよ、金楊凛」

 

 孫空女は叫んだ。

 手で脚に乗っている金楊凛を掴もうとする。

 しかし、届かない。

 

「もちろん、そんな勝負じゃないわよ、孫空女」

 

 金楊凛の指が、後ろから孫空女の無防備な肛門に突き刺さった。

 孫空女は悲鳴をあげた。

 なんとか指を取り去ろうと金楊凛の手首を掴む。

 しかし、不自然な態勢で力が入らないうえに、孫空女が手を動かすと、金楊凛の肛門に入った指が中を激しく抉るのだ。

 あっという間に翻弄されて、孫空女は嬌声が止まらなくなってしまっていた。

 

「ほら、どうしたの、孫空女。あっという間にいってしまうんじゃないの? 威勢はよかったけど、これじゃあ、虎力様がお愉しみになれないわよ」

 

 金楊凛がそう言いながら、尻の芯を指でほじり続ける。

 骨まで燃え尽くすような官能が沸き起こり、それと同時にせつない快感が走る。

 

「う、うるさい……。そ、そんな……、ああっ……。勝負じゃ……ない、だろう」

 

 孫空女は呻いた。

 お尻が気持ちいい――。

 脳天を貫通する衝撃と甘美感が四肢からさらに力を抜いてしまう。

 膣の最奥がどうしようもなく疼き始める。

 孫空女は、こうなったら、もう自分があっという間に絶頂することを知っていた。

 

「そうね、孫空女。そういう勝負じゃないわよね。だから、いま、ここで浅ましくいきなさい。でも、女の身体は、一度、いくと際限がなくなるわ。繰り返し絶頂するようになるのよ」

 

「あひいっ……ああうぅっ……」

 

 孫空女は、金楊凛の巧みな指の技に、泣きたくなるような快感を味わってしまっていた。

 それとともに、なんで自分はこんなにもお尻で感じてしまうのだろうと思っていた。

 反応しやすいように開発されてしまったこの身体が恨めしい。

 

「一度、いっとこうね、孫空女」

 

 金楊凛が肛門に入れた指の動きを激しくした。

 凄まじい肛門への攻撃に孫空女は、もう叫び声をあげるしかない。

 

「んひいいい」

 

 そして、閃光のような快感が衝きあがって、孫空女の身体を通り過ぎていった。

 孫空女は、絶頂して果てた。

 

「一回目ね」

 

 脱力した孫空女の背中で金楊凛が言った。

 まだ、金楊凛の指は孫空女の肛門に突き刺さったままだ。

 そして、また激しく指が動き始める。

 

「だ、だめえっ――」

 

 あがってくる。

 このままじゃまずい。

 こうたて続けに、絶頂させられれば、確かに屈服しそうだ。

 もうこれ以上はやめてくれと泣き叫んでしまうかもしれない。

 それにしても、どうしても足首の関節が外れない。

 指が菊門の奥の内襞を回転しながら擦り回る。

 

「そんなに腰を動かしちゃって……。可愛いわねえ、孫空女」

 

 くそう……。外れろ――。

 孫空女は尻で翻弄されながらも、懸命に決められた足首を外そうともがいた。

 

「無理よ……。わたしが外さない限り、二度とこの決まった関節は外れないわよ。これでも、元は天教の教団兵の女将校だからね」

 

 金楊凛が足首に力を入れた。

 激痛が走る。

 孫空女は耐えた。

 

「教団兵の将校?」

 

 孫空女は言った。

 教団兵といえば、東方帝国の帝都にある天教の実力組織だ。

 孫空女も一度捕えられたことがあり、酷い目に遭った。

 武術だけではなく、火砲で装備もしている実力集団だ。

 

「そうよ」

 

「天教の教徒の癖に、どうして……、ひいっ」

 

 金楊凛の指が嫌がらせのように、孫空女の肛門を抉る。

 

「遠慮なく喋んなさいよ、孫空女。ほら、ほら」

 

 込みあげられる快感に、孫空女は身体を仰け反った。

 確かに、一度いってしまった身体は、快楽に弱くなっている。

 

「へっ……。教団兵と言えば、明月(めいげつ)と清風(せいふう)っている隊長を知っているよ……」

 

 孫空女は、官能の嵐と戦いながら、苦し紛れに言った。

 もしかしたら、なにかの反撃に切っ掛けにならないかと思った。

 

「明月隊長と清風隊長?」

 

 だが、金楊凛の指がとまった。

 思った以上に、食いつきがいい。

 孫空女は、この間になんとか呼吸と淫情を抑えようとした。

 

「ああ、あたしたちを襲ってきたよ……」

 

「あの明月隊長と清風隊長が? 元気なの?」

 

 金楊凛の声の色が違う。

 彼女は、三年前の人生を思い出したのかもしれない。

 この女にも、虎力たちに協力して奴隷たちを苛む以外の人生もあったのかと思った。

 

「さあね。一度目は、髪の毛と下の毛をむしり取って放り出し、二度目は、女に変えて妖魔の慰み者にしてやったけど、元気なのかな?」

 

 そう言うと、孫空女は無理矢理、関節の決まっている足首に力を入れた。

 片方の足首がぼこりと外れる音がした。

 身体の上に乗っている金楊凛を突き飛ばす。

 金楊凛が眼を丸くしている。

 

「な、なんて女よ。か、完全に決まっていたのよ。関節外して抜け出すんなんて」

 

「お陰で身体がまともになったよ」

 

 孫空女は、外れた足首を嵌め直した。

 激痛が走る。

 このくらいの怪我は、盗賊時代は日常茶飯時だったが、このところ、宝玄仙がいるのですぐに『治療術』で治してもらえる。

 怪我による痛みというのは久しぶりだ。

 うまい具合に、媚薬の火照りが激痛で気にならなくなる。

 

「次は、あたしの番だよ、金楊凛」

 

 孫空女はそう言うと、にやりと笑って、金楊凛に詰め寄った。

 

「おい、七星──」

 

 そして、七星を大声で呼んだ。

 

「はっ? なにさ──?」

 

 孫空女と金楊凛の勝負を黙って見守っていた七星が、急に名を呼ばれてきょとんとしているような声が戻ってきた。

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