「あ……うう……う、ううう……。い、いいよ……。うんんっ」
後手縛りの身体を床にうつ伏せにされている宝玄仙が甘え泣くような声をあげて悶えている。
孫空女は、その光景にぼんやりと視線を向けていた。
仰向けに身体を開いている宝玄仙に馬乗りになっているのは雌族の小角だ。
小角は、身体の表面から十数本の触手を出して、それで宝玄仙の股間と菊座のふたつの穴を犯しながら、ほかの触手で宝玄仙の裸身を包み込むようにしてぬめぬめと舐めまわしているのだ。
孫空女もすでに洗礼を受け済みだが、あれはただの触手ではなく、触手一本一本の表面に、さらに繊毛があり、触手の表面が肌を通過すると、その表面の繊毛が不規則な刺激を与え、狂うような刺激が与えられるようになっているのだ。
あんなもので、全身を包まれて動き回されたらたまったものじゃない。
すでに宝玄仙も、数回の絶頂を繰り返していて、もう息も絶え絶えだ。
だが、
宝玄仙は快感を通り越して、いまは苦痛の表情を浮かべている。
だが、孫空女の思念は沙那によって中断された。
しばらく、性交の疲れでぐったりと動かなくなっていた沙那が、再びのそのそと起きあがって来たのだ。
「だ、だめ……。そ、孫空女……。あ、頭が……ぼ、ぼんやりとして……。な、なにも考えられないの……。こ、ここはどこ……? わ、わたしたち、どうしているの……?」
横で身体をくねらせながら鼻声をあげていた沙那が、孫空女に乗りかかってきた。
明らかに様子がおかしい……。
おそらく、さっき小角に口の中に無理矢理に突っ込まれた触手の先端から噴き出た怪しげな液剤のせいだと思う。
それと、膣と尻の穴にも薬剤らしきものを抽入された。
その直後は、朦朧となってしまって、孫空女も酔っ払ったようになった。
もちろん、飲まされたのは酒ではない。
間違いなく媚薬だ。
孫空女自身の身体にも、狂うような疼きと火照りが荒れ狂い始めている。
亜族の媚薬を身体に入れられて、さらに局部に塗られたのだと思う。
沙那と宝玄仙など、すでにまともな意識すら保てない状態だ。
もっとも、孫空女も一瞬はぼうっとなるような朦朧感を味わったものの、いまは少し楽になっている。
もともと、孫空女は昔からなぜか薬剤のようなものに耐性が強く、普通なら昏倒してしまうような猛毒でも軽い症状で済む場合が多い。
だから、今回もちょっとは効果があったものの、まともな頭を少しは保てるのだとは思う。
しかし、同じように液剤を体内に注入された沙那と宝玄仙は、まるで泥酔したようなへべれけの状態だ。
「ああ、孫空女、おかしいの……。な、なんだかおかしい……。ね、ねえ、か、身体が……あ、熱いの……。ああ、おかしい……。身体が熱いわ……。ああっ」
汗まみれの沙那が、乳房と股間を孫空女の身体に押しつけて、ごしごしと擦るように動かしてくる。
「あ、ああっ、そ、そんな風に動かしちゃだめだよっ」
孫空女は悲鳴をあげた。
頭はまともとはいえ、ただれるように全身が敏感になっているのは、孫空女も同じだ。その身体をこんな風に擦られては、孫空女も堪らない。
あっという間に、孫空女は悶絶するような悲鳴をあげてしまった。
「あはっ、孫空女、可愛い……。ああっ、で、でも、わたしも気持ちいい。んふうううっ」
同時に、頭の線が切れたようになっている沙那もまた泣くような声をあげた。
快感が共鳴しているので、沙那と孫空女は受ける快感がまったく同じだ。
沙那の激しい疼きが、一気に孫空女にも流れ込んできた。
しかも、媚薬に頭をやられている沙那が、孫空女に甘えねだるように、乳房を乳房で揉みつぶし、股の粘膜と粘膜を密着してくる。
それで沙那が受ける快感が孫空女にも流れ込み、孫空女は沙那とともに悶え泣きをこぼした。
「あ、ああ……、気持ちいい……。く、口づけして、お願い……」
沙那が頬をすり寄せてきた。
どうも様子がおかしい。
狂うような快感が全身に襲い掛かるのは確かなのだが、もしかしたら、小角の媚薬は、人間の理性のようなものを消失させてしまうような効果があるのかもしれない。
とにかく、理性を失っている気配の沙那は、驚くほどに積極的だ。
「ああ、孫空女、あなたが仲間になって嬉しい……。ほ、本当よ……。ね、ねえ、どこにも行かないで……。行かないって約束して……」
沙那が孫空女の唇に唇を重ねてきた。
口の中に沙那の舌が入り込んで、孫空女の口の中を舐めまわす。
それで、孫空女もぼうっとなるほどの甘い疼きに全身が支配されてしまう。
おそらく、興奮状態の沙那の悦楽が孫空女に入り込むのだと思う。
とにかく、こんなに可愛い沙那には驚きだ。
夢中になったように孫空女に甘えてくる。
「お前たち、そろそろ欲しいであろう。これで繋がるがいい」
宝玄仙に馬乗りになって触手で犯している小角が、思い出したように、孫空女と沙那に振り返った。
次の瞬間、床から先端が二つに分かれている触手が、孫空女と沙那のあいだに出現した。
接していた孫空女と沙那の股間に、二股の触手の両端が入り込んで、さらに別の触手がふたりの腰の括れに巻きついて、ぐいと股と股を密着させる。
無数の繊毛の生えたぬるぬるの触手だ。
それが押し入って来て、膣の内側のすべてを淫らに刺激し始める。
「ひ、ひいいっ」
「んわああっ」
孫空女は白目を剥いた。
触手の先がどんどんと深くまで伸びていき、ついに、子宮口にまで届いたのだ。
しかも、さらに子宮そのものにまで触手が突き刺さり、容赦なくぶるぶると揺すった。
「うわあああ」
「はがあああ」
孫空女も沙那も、わけがわからなくなり、奇声をあげて達した。
沙那もまったく同じに絶頂している。
ふたりで絶叫して果てた。
だが、これは終わりではない。
始まりだ──。
膣の貫いている太い触手がふたりの股間を貫いて揺すり動かす傍ら、全身を新しい触手が包み込む。
孫空女と沙那は、すぐに、続けて悶絶した。
「うあっ、ああっ」
「お、おおおっ」
だが、それでも許されない。
息も絶え絶えの孫空女と沙那に新しい刺激が加わった、
触手がふたりの尻穴に潜り込み、淫らな刺激を加えてきたのだ。
潤滑油をたっぷりと表面から放出している触手は、抵抗なく孫空女のお尻の中に入り込んできた。
沙那も同じ責めを受けているのは、孫空女自身以外の刺激が尻穴に足されてくることからわかる。
ふたつの穴が触手に犯され、ぐるぐると回転しながら抜き挿しをする。
あまりの快感にもうなにも考えられない。
「いっ、いいい……」
「あ、ああ……そ、孫空女……す、素敵……」
孫空女は激しく絶頂に向けた身悶えをし、沙那もびんと身体が硬直する。
そして、密着している沙那が、孫空女の名を呼びながら、虚ろな視線を向けたと思った。
次の瞬間、沙那の身体が脱力したのがわかった。
一方で、孫空女も夢心地の中にいる。
激しい快楽に、孫空女は自分が意識を保っているのか、それとも、すでに失神して夢の中にいるのかどうかもわからない。
気がつくと、股間に生温かいものが当たっていた。
沙那の放尿だとわかった。
沙那は、本当に幸せそうな顔で孫空女の裸身に完全に身体を預けていた。
その沙那の股間から、じょろじょろと放尿だけが滴っている。
別に汚いとかいう気持ちはない。
ただ、淫らに快感に酔い、悦楽のあげくに失禁までした沙那が、とても身近な存在に感じた。
不思議な幸福感に襲われ、孫空女もまた、すっと意識を手放した。
*
「……供ふたりは、意識を失ったようだな。あのふたりについては、十分に恩返しの性奉仕ができたと思う。残ったのは、そなただけだ……。それにしても、なかなかに淫乱な体質だな。なかなか意識を飛ばさんのう……。人間女への性奉仕というのは大変なものだ」
小角がうそぶいた。
だが、宝玄仙はもう小角の言葉の半分も理解できない。
ただ、ひたすらに快楽の極みを味わい続けている。
股間と菊門に挿入されて淫らな刺激を加え続ける小角の触手は、これでもかというほどに宝玄仙の内襞を擦りあげ、媚薬に狂った宝玄仙の粘膜に信じられないような快感を与えてくる。
堪らない……。
宝玄仙は狂ったように嬌声をあげながら思った。
この触手を操る雌族に嗜虐的に責められてから、どれだけの時間がすぎたのだろう。
最初は、ふたりで協力して、沙那と孫空女を責めて遊ぼうと思っていたのだが、なにを勘違いしたのか、この小角は、沙那たちだけでなく、宝玄仙に対しても触手責めを加えてきた。
しかも、この高等亜族の霊具により、宝玄仙の霊気を凍結されているので、いまの宝玄仙には、小角に逆らう力がない。
この馬鹿雌族のとんだ勘違いに、あとでどんな目に遭わせてやろうかと思っていたが、ここまで宝玄仙の官能を崩し、全身を八つ裂きにするかのような凄まじい快感を与えてくれるのであれば、これはこれでいい……。
満足だ。
一切の抵抗を奪われて、ただひたすらに快感を強要される。
それは屈辱ではあるが、同時に途方もない快感であることには間違いない。
「ああ、い、いいよ……お、小角……。も、もっとだよ……。もっと……。あ、ああ、またいきそうだ……」
「何度でもいってくれ、宝玄仙……。お前たちのおかげでわしは救われた。魔術を封印されて、檻に監禁されたときには、酷い死を覚悟したものだ。だが、おかげで家族のところに帰れる……。ありがとうな」
小角が触手を操りながら言った。
「お、お前にも、家族が……」
なんとなく訊ねた。
「おお、いるぞ。子供もいる。実は夫婦喧嘩の真っ最中でな……。亭主を懲らしめてやろうと思って、洞府を出て、人間族の世界を旅しておったのだが、あいにくと、あの不思議な道具を使う黒女に襲われて、捕らえられてしまったのだ……。もう懲り懲りだ。亭主のところに戻ることにする」
小角が言った。
“洞府”というのは、人間族の世界に棲みつく亜族特有の物言いであり、亜族が集まって生活する棲み処のことだ。洞府と表現したところをみると、この小角の亭主である亜族もまた、人間族のどこかに集団で暮らす場所を持っている亜族なのだろう。
これだけの高等亜族の亭主だ。
あるいは、その洞府に集まる亜族集団の首領かもしれない。
なんとなく、そんなことを思った。
だが、それ以上は考えられない。
「おほおおっ」
宝玄仙は拘束された身体を弓なりにして、全身を震わせた。
股間と尻穴を犯している触手がぐるぐると回転して最奥の部分を先端でくすぐるように擦ったのだ。
その狂おしい刺激に、またしても限界を超えてしまった宝玄仙は、奇声を発して達してしまった。
もうこれが何回目の絶頂なのかわからない。
いずれにしても、これだけ狂ったように官能を爆発させたのは久しぶりだ。
「……痛いくらいに触手を締めつけるな……、。少しくすぐったい……」
宝玄仙に跨っている小角が苦笑するような顔になった。
陶酔の極致を味わっていた宝玄仙だったが、その言葉で触手亜族の生態というのを思い出した。
触手亜族の操る触手の数は、その魔力に比例する。
これだけの触手を同時に操るということは、この小角が亜族としては、かなりの高等亜族であることを示している。
おそらく、魔力の濃さを考えると、おそらく齢も百は越しているだろう……。
とにかく、大変な雌族と関係することになったものだ……。
しかも、その高等の触手亜族の全力の触手責めを味わうことになるとは……。
だが、こうまで責められっぱなしでは、この雌族に失礼だ……。
少しは一矢報いてやろう。
宝玄仙の身体は、もはや完全に官能に溶けきっていたが、なんとか肩を揺すって身体を起こした。
馬乗りになっていた小角が、宝玄仙の腰の上から腿の位置までずり落ちるかたちになった。
「おっ?」
急に動いた宝玄仙に、ちょとだけ訝しむ視線を小角が示した。
宝玄仙は、構わずうつ伏せに這う体勢になり、宝玄仙の周りの触手のうち、一本だけ桃色の濃い触手を見つけて口に咥えた。
「あ、ああっ、そ、それは……」
途端に小角が狂態を示し始めた。
触手亜族には、実は雄妖にも、雌族にも、人間族の男の男根に当たる機能をする触手が存在する。
実はそれが触手亜族の急所なのだ。
宝玄仙の舌責めで、急所の触手の先端を刺激された小角が喘ぎ声をあげた。
「ど、どうして……。どうして、わしの性器を……」
小角が身悶えながら言った。
さっきまで冷静な態度で、宝玄仙やふたりの供たちを触手でなぶり続けた小角はもういない。
敏感な性感帯の触手を刺激され、余裕なく淫らに身体をくねらす可愛らしい雌族がいるだけだ。
「わ、わたしばかり満足してちゃ……わ、悪いしね……。それでわたしの膣を犯しな……。い、いい気持ちにしてやるよ……」
宝玄仙は舌責めをしていた触手から口を離すと小角に言った。
小角は、素直に宝玄仙の股間を埋めていた触手を解放し、今度は桃色の触手を挿入してきた。
「う、うう、んんん……」
すぐに、小角は甘い声を出した。
触手亜族は、この一本の触手だけは、とても感じやすくて、人間族の女の肉芽に匹敵する敏感さを持つ。
それを性交に使っているのだから、小角が喘ぐのは当たり前だ。
一方で、宝玄仙の命令に従って、躊躇する様子も示さずに、この触手を宝玄仙に晒したというのは、小角が完全に宝玄仙たちに、心を許している証拠だ。
そうでなければ、急所となる触手を宝玄仙に触れさせるどころか、存在を隠したままでいるだろう。
小角が宝玄仙たちに、心を開いているというのが、このひとつでもわかる。
だが、これだけ心を開く理由は、ただ捕らえられていた檻から解放してやったという、それだけのことだ。
大概にして、亜族というものは、性質は素直で純情だ。
心では怒っていながら優しい態度で接したり、あるいは、その逆のような態度を示したりという複雑な思考と態度をとるのは人間族だけだ。
宝玄仙は、それをよく知っている。
ほとんどの亜族というのは、本当に純情なのだ。
「いくよ……」
宝玄仙はにこりと笑うと、得意の三段締めで膣の中の触手を締めあげた。
「んふううっ、おほおおっ」
小角が例の触手を宝玄仙の股間に委ねたまま、甘い声をあげて身体をのけぞらせる。
触手の先端から、小角の体液がぴゅっと飛び出すのがわかった。
性技にかけては、百戦錬磨の宝玄仙だ。
その手管に、小角が我慢できるわけがない。
「まだまだだよ……」
射精の快感に顔を呆けさせている小角が、触手を宝玄仙の膣から抜こうとするのを許さず、宝玄仙はさらにぐいと股間で触手を締めた。
そして、逆に宝玄仙の腰を前後して刺激を続ける。
「あ、ああっ、宝玄仙、す、素敵だ……。あ、ああ……。いくっ、いきそうだ」
小角が、全身を震わせて、感極まった声をあげた。
形勢逆転だね……。
宝玄仙は、小角の二度目の射精を誘う刺激を膣の中の触手に与えながら、大きな笑い声をあげてしまった。
*
「こらっ、いい加減にしな、お前ら」
脇腹を軽く蹴られた。
沙那は目を覚ました。
そして、驚いた。
素っ裸の孫空女と完全に絡み合って寝ていたのだ。どうやら、孫空女と愛し合いながら、そのまま寝てしまったようだ。
縛られていた縄はほどかれているが、両手はお互いの裸身を抱き、沙那の足は孫空女の足のあいだに入り、孫空女の足も沙那の足のあいだだ。
この状況については、さすがに沙那も赤面してしまった。
「孫空女」
揺り動かした。
孫空女がやっと目を見開いた。
その孫空女も、いまの状況に気がついて少しびっくりした表情になり、次いで、照れたように笑った。
沙那もつられて微笑んだ。
「お、おはよう、沙那……。あっ、おはよう、ご主人様」
孫空女が身体を起こして言った。
沙那も起きあがって挨拶をした。
「まったく、仲がいいことだね。乳繰り合いをやりながら寝てしまうとはねえ。こっちが恥ずかしくなるような恰好じゃないかい」
横で床に腰をおろしている宝玄仙が呆れたような口調で言った。
宝玄仙は裸ではないが、裸に黒い巫女服の上衣を引っ掛けただけの姿だ。
ここは、小角に連れられてやって来た小角の小屋だ。
すでに朝のようであり、部屋の中は外からの光で明るかった。
ただ、小角はいない。
部屋の隅の囲炉裏には、鍋がかけてあり、いい香りがしていた。すでに食事の支度が終わっているようだ。
まさか、宝玄仙がやるわけがないから、小角が準備してくれたのだろう。
「あ、あの……小角は?」
沙那は訊ねた。
「もう行ったよ。まだ陽が昇る前に出立していった……。人間が怖いからね。夜のうちに移動して、明るいうちは休むんだってさ。家族のところに帰るんだそうだ。お前たちによろしくと言っていたよ」
「そうかい……。小角はもう行ったのかい」
孫空女が言った。
「もう、ここは使わないから、どうにでもしてくれと言い残していったが、まあ、わたしたちも旅の空だしねえ……。あっ、鍋の中は飯だそうだよ。食べ終わったら、残りは畠にでも捨ててくれってさ。井戸は裏だ」
「じゃ、じゃあ、水を汲んできます……。ご主人様の身体をお拭きしますね……。それと、わたしたちも……」
沙那は立ちあがった。
井戸に言及されて気がついたが、沙那と孫空女の身体の下には、薄っすらと濡れたような染みができている。
ふたりの股間も、少しだがおしっこ臭い気がした。
もしかしたら、失禁でもしたのかもと、ちょっと思った。
おそるおそる部屋の横に畳んである服に手を伸ばして上衣だけを手に取る。
だが、珍しくも、宝玄仙はなにも言わない。
いつもは難癖をつけて、なかなか服を着させてもらえないのだが、今朝は機嫌がいいようだ。
とにかく沙那は、裸身に上着だけを身に着けて外に出た。
木桶は裏口の前にあったので、それを手に取る。
外は気持ちのいい風が吹いていた。
いい天気だ。
井戸から水を汲んで木桶を一杯に満たす。
「あっ……」
その途中で、口の中が舌で舐めまわされる感覚が襲ってきた。
早速、始まったと思った。
おそらく、孫空女が宝玄仙に「朝の挨拶」の洗礼を浴びているのだと思う。
宝玄仙との朝は、寝起きに与えられる強烈な接吻から始まる。
儀式のようなものだが、腰が砕けるような濃厚な口吸いだ。
「共鳴」により伝わって来る身体の疼きは、孫空女が宝玄仙から口の中を舐めまわされているからに間違いない。
沙那は水を汲んだ木桶をその場に置き、井戸のそばの大きな石に腰を下ろした。
孫空女には悪いが、少し休ませてもらおう……。
性欲が満たされれば、宝玄仙は大人しくなる。
孫空女が朝の奉仕の相手を頑張ってくれれば、沙那にまで順番が回ってくることはない。
「んふううっ」
だが、次の瞬間、沙那は腰を跳ねあげるようにして、石から滑り落ちてしまった。
秘肉に強烈な快感の衝撃が迸ったのだ。
しかも、膣全体を振動される刺激が続いている。
「な、なにをやっているの──?」
沙那は思わず口に出した。
慌てて、小屋に戻ろうとして数歩で立ち止まった。
沙那と孫空女の快楽の共鳴は、距離が縮まれば縮まるほど共鳴の度合いが大きくなる。
小屋に近づいたことで、股間に加わる衝撃が拡大したのだ。
とにかく、水を汲んである木桶を掴むと、急いで小屋に戻った。
あまりにも股間から噴き出す淫情は激しくて足元がよろけたが、なんとか辿り着く。
すると、四肢を背中側にまとめて拘束されている孫空女が床に仰向けになっていて、凄まじい反応を示してのたうち回っている。
股間には、宝玄仙の淫具である霊具の張形が突き挿さって、淫らな振動をしていた。
共鳴により沙那の股間に伝わって来たのは、これが原因なのかと悟った。
「ご、ご主人様、こ、これ……き、きつい……。し、振動が……つ、強くて……。ちょ、ちょっと緩めて……」
孫空女が悲痛な声で言った。
いまにも達しそうな激しい悶えぶりだ。
また、それを沙那にも同じ快感が襲ってきている。
沙那はこれ以上立っておられず、尻もちをつくように、その場に座り込んだ。
宝玄仙がこっちを見て嬉しそうに微笑んだ。
「……戻って来たね、沙那……。じゃあ、尻をこっちに向けな。ちょっと思いついてね。孫空女の膣を犯しながら、お前の尻を犯せば、共鳴で結びついているお前たちは、ふたりして二穴責めになるということだ。ちょっと、四つん這いになって尻を向けるんだ」
孫空女の脇に座っていた宝玄仙が肩にかけていた巫女服の上衣を脱ぎ捨てて立ちあがった。
宝玄仙の股間には、いつものふたなりの男根が隆々と勃起している。
沙那は嘆息した。
なんというくだらない思いつきなのかと思ったが、批判は無意味だ。
こうなったら諦めるしかない。
「ご、ご主人様、い、いきそう……。ちょ、ちょっと許して……。こ、この淫具……へ、変……。お、おかしいよ……。き、気持ちよすぎる……」
孫空女が悶え泣く。
「た、確かに……。あ、ああっ」
それと同じ刺激を受けている沙那も、堪らず声をあげた。
これは明らかに振動だけでなく、道術で無理矢理に快感を引っ張り出されているに違いない。淫具の刺激で湧き出す快感が異常すぎる。
「当り前さ。このわたしが特別に作った淫具だよ。安心してよがりまくりな……。それに、心配しなくても、その淫具では、どんなに感じようと絶対に達することはない。そういう仕掛けになっているんだ──。孫空女、お前は尻穴調教がまだだからね。まずは、沙那の身体を通じて、尻で欲情することを覚えな」
宝玄仙が大笑いしている。
沙那は、それを横で聞きながら、腰が砕けそうな淫情を我慢して、なんとか四つん這いになった。
そして、お尻を宝玄仙に向ける。
「よ、よろしくお願いします……」
すると、膨れあがった宝玄仙の一物が沙那の裏門をいきなり貫いてきた。
「んんっ、あああ、くううっ」
沙那のお尻は自分でも信じられないくらいの柔らかさで、宝玄仙の怒張を飲み込んでいく。
貫く肉棒に潤滑油のような滑らかさを感じるのは宝玄仙の道術だろう。
股間には孫空女の膣に挿入されている淫具の刺激が襲いかかっていたが、その薄い肉壁ごしに与えられる宝玄仙の肉棒の刺激に、沙那は淫らな大声を発してしまった。
二穴を同時に犯される衝撃は凄まじかった。
宝玄仙が抽送を沙那の肛門に開始すると、沙那はあっという間に絶頂した。
その横では、やはり、拘束されて絶頂した孫空女が身体を弓なりにして、全身ががくがくと震わせている。
「……ふたりともいい反応だね……。そうだ──。今日は旅はやめにしようか──。ちょっとは孫空女の調教を進めないとね……。考えてみれば、この小屋はうってつけだ……。二、三日は集中して、孫空女の調教ができるよ。なあ、お前たち……。いい考えとは思わないかい?」
宝玄仙が機嫌よく笑った。
二、三日……。
沙那はうんざりとした気持ちになった。
しかし、その反面、孫空女と一緒に調教を受けるということについて、なぜか子宮の奥底から沸き起こって来るようなふつふつとした妖しい欲望を感じ、不思議な期待のようなものが身体に沸き起こった気もした。
(第2話『雌妖の恩返し』終わり)