※この作品はR-18です。

嗜虐西遊記【完結】   作:ドン・ドナシアン

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152 戦いが終って

「あ、あんなの八つ裂きにしてやればよかったんだよ」

 

 先頭を歩く孫空女が叫んでいる。

 南に向かう河畔街道だ。

 先頭を孫空女、その後ろを七星と宝玄仙。さらに朱姫と続く。

 沙那は最後尾だ。

 

 南側に存在する最初の国は、『北梁(ほくりょう)国』という場所らしい。

 こんな魔族の領域と接する場所であるが、それなりに人の営みはあるらしく、通天河沿いに行けば、国という体裁をとっている場所が続いているそうだ。

 北梁国の南は「.西梁《せいりょう》国」、次いで大きな湖を渡り「女人(じょにん)国」という国があるとのことだ。

 女人国は、男を追放した女だけの国のようだ。女だけの国というのは、どういう場所なのか沙那には予想ができない。

 

「まあ、あいつには、二度とわたしらを襲わないということと、女の意思に反して無理矢理に妻にしないということを真言の誓約で誓わせたんだ。それでいいじゃないか。あんな馬鹿を殺したんじゃあ、少しばかり寝覚めが悪いよ、孫空女」

 

 宝玄仙が笑いながら言った。

 

「だってさあ」

 

 孫空女はまだ不満気だ。

 独角兕に捕えられた孫空女と朱姫を救出するために、宝玄仙とともに独角兕の屋敷に乗り込んだとき、朱姫は独角兕の『縛心術』により、意思を喪失させられ、孫空女は鎖で逆さ吊りにされて、肛門に浣腸液を注がれている最中だった。

 

 また屋敷に乗り込んだとき、屋敷に中にはたくさんの美女たちがいたのだが、外の喧騒に何事かと不安がって右往左往していた感じでもあった。

 そんな女たちを無視して屋敷内を捜索すると、最初に朱姫を見つけた。

 

 顔がそっくりのふたりの双子姉妹と一緒であり、そのふたりに介抱されるように抱えられていた。

 『縛心術』で意思を失わされて大人しくさせられているというのはすぐにわかった。

 宝玄仙が術を解くと、朱姫はすぐに泣き叫び始めた。

 

 身体に紋章を刻まれて絶頂寸前の状態でとめられているようだ。

 宝玄仙が、独角兕の紋章を朱姫の身体から消滅させると、次に朱姫はその場でのたうち回った。

 とめられていた十回分くらいの絶頂が、朱姫を続けて襲ったのだ。

 朱姫は、体液を撒き散らして、あっという間に気を失った。

 

 孫空女を見つけるのは、やや時間がかかった。

 屋敷の隠し部屋のような場所で、尻の調教をされているところだったのだ。

 最初は、どこにいるのかわからなかったが、不安気に周りを取り囲む女たちに訊ねると、その隠し部屋の場所をあっさりと教えてくれたのだ。

 

 女たちは、別に隠すつもりも、抵抗する気もなかったようだ。

 緊張感のない救出に、沙那もなんだか力が抜けるのを感じたものだ。

 

 とにかく、ふたりを救出した後、再び、七星と独角兕が地面に顔だけ出して埋められている場所に戻った。

 『影手』に責められ続けていた七星は、気をやり過ぎて、ぐったりしていて、地面から出されても、しばらくはうつ伏せに倒れたまま動かなかった。

 

 独角兕は、地面に顔を出したまま、宝玄仙と真言の誓約を結ばされ、二度と一行を襲わないということと、意に反して囚われている女を解放し、二度と女を浚ってこないということを誓わせられた。

 

 もっとも、独角兕の屋敷には、四十人以上の女が妻として、事実上、囚われていたのだが、沙那の予想に反して、出ていこうとする女はほとんどいなかった。

 出ていくものには、それなりの財を与えて故郷に戻すと独角兕が口にしても同じだった。

 それも沙那には意外だった。

 

 最初こそ独角兕に無理矢理に手籠めにされたのだが、本質的に独角兕は、女たちにとってはいい夫らしい。

 どの女にも優しくはあるし、それなりの贅を尽くした生活も与えている。

 また、性的な満足を与える。

 一日に何十人を相手にすることも可能だから、女が何十人いても、女たちはほかの女に嫉妬することがない。

 むしろ、絶倫の独角兕を独占してひとりで相手するということの方が恐怖らしかった。

 

 従って、女たちには結婚の相手として、独角兕に不満はなかったのだ。

 だから、出ていかなかったのだ。

 

 いずれにしても、宝玄仙は、多少の路銀を取りあげると、独角兕の屋敷を後にして、宿となる空き家を与えられている部落に戻った。

 そこで、旅に必要な保存食と幾らかの衣類。そして、荷を運ぶための葛籠を手に入れると、旅を再開することにした。

 

 向かうのは、女人国であり、さらに南の南域だ。

 最終目的地は、魔域にある金角の勢力地としても、魔域を横断する旅は避けることにしたのだ。

 このまま、通天河沿いに南に進み、海沿いに西に向かい、また北に向かうという旅になると思う。

 南域は、七星の故郷でもある。

 不案内の旅に七星の知識は役立ってくれるに違いない。

 

「それよりも、孫空女。わたしと沙那がお前を見つけたときの第一声はよかったね。もう一度、あの台詞を言っておくれよ。頼むよ」

 

 宝玄仙が孫空女に向かって言った。

 

「や、やだよう」

 

 後ろからでも孫空女が真っ赤になったのがわかった。

 

「お前もまだわかっていないのかい、孫空女。このわたしが、お前たちになにかを“頼む”と言ったときは、それは命令と同じなんだよ」

 

 宝玄仙の声にほんの少しの厳しさが加わった。

 あの声のときに、少しでも逆らえば、怖ろしい罰が待っている。沙那は、それを経験により知っている。

 

「わ、わかったよ。言うよ、ご主人様……。“ご、ご主人様、うんちをさせてください”――。こ、これでいいだろう」

 

 孫空女は言った。

 

「ああ、それでいいよ、孫空女――。ほらっ、七星。わたしの供だったら、これくらい素直じゃなくっちゃならないよ」

 

 押し黙って歩いている七星に宝玄仙は言った。

 

「あ、あたいが、なにしたっていうんだよ……」

 

 七星が苦しそうに言った。

 その顔は上気し、汗びっしょりだ。

 何度もつく吐息には、はっきりとした淫情が混ざっている。

 

「まだ、素直さが足りないね、七星」

 

 宝玄仙がそう言って、指を軽く動かした。

 

「ひぎいっ――。や、やめておくれよう」

 

 七星が股間を押さえてうずくまる。

 宝玄仙は、今朝の出発のときから、『影手』を身体に張りつけられている。

 それで、ずっと、淫靡な責めを受け続けているのだ。

 七星は、股間に両手をやったまま身体を仰け反らせた。

 

「い、いくうっ」

 

 七星は声をあげた。

 

「許可なく、いくんじゃないと、言っているだろう、七星。何度、言えば、覚えるんだい」

 

「だ、だって……ああぅぅぅ――」

 

 七星が果てたのがわかった。

 しゃがみ込んだまま、全身を激しく震わせたのだ。

 

「いくときは、この宝玄仙に許可を受けてからだ。いまくらいの刺激だったら、ほかの者だったら、もっと我慢できるよ。本当に堪え性のない淫乱だねえ」

 

 宝玄仙がまだ激しく息をしている七星を見下ろしながら言った。

 

「あ、あたいは、そ、孫空女や……ほかの女みたいに……あんたの奴隷になったわけじゃないよ……」

 

 七星は立ちあがった。

 股間が尿を洩らしたように濡れている。

 何度も歩きながら気をさせられて、七星の股間から撒き散らした愛液が、七星のズボンを濡らしているのだ。

 ふと見ると、七星の下袴(かこ)の裾にも、股間からしたり伝わった淫液がある。

 無理もない。

 宝玄仙の責めの惨さを沙那は知っている。きっと、七星の身体に張りついた『影手』は容赦なく七星を責め続けているに違いない。

 

「まだ、そんなことを言っているのかい」

 

 宝玄仙が嘆息する。

 すると七星がまた乱れ始める。

 

「ひいっ――。そこは、弄くらないで――」

 

「この宝玄仙の奴隷になると誓えば、解放してやるよ、七星」

 

「あ、あたいは、か、身体は売っても……心は売らないよう――」

 

 七星は、身体を震わせながら叫んだ。七星の膝ががくりと曲がる。

 

「じゃあいいさ。身体だけなぶらせてもらうよ。まだ契約は、一箇月以上残っているからね」

 

 七星は、三箇月の約束で、この旅に同行している。

 彼女の喘ぎが大きくなる。

 

「ほらっ――、歩きな、七星。そんなへっぴり腰じゃあ、夕方までに、次の部落に着かないじゃないか。わたしは、夜は屋根のある場所に寝たいんだよ。歩く速度をあげな。また、野宿をする羽目になったら、お前を一晩中地獄責めにするよ。文句はないだろう、七星? お前の身体は、この宝玄仙が買ったんだから」

 

 七星が一歩、二歩と進んで、また、腰を落とした。本当に苦しそうだ。

 

「ご、ご主人様、そろそろ、許してあげてはどうですか?」

 

 沙那は無駄だとわかってはいるが、思わず声をかけた。

 宝玄仙は、自分に逆らう女をああやって嗜虐するのが大好きなのだ。宝玄仙は、怒っているわけでも、叱っているわけでもない。

 七星を使って、ただ、遊んでいるだけなのだ。七星も屈服したふりをすれば、宝玄仙の責めは収まるのだが、意地を張るものだから、いつまでも責め続けられる。

 

「どうしてだい? 身体については、いくら責めてもかまわないと言っているじゃないか。そうだよね、七星?」

 

 宝玄仙は言った。

 

「……も、もう、勘忍して……。あ、あたいが……わ、悪かったから……。ああっ……」

 

 七星がまた、絶頂するような声をあげた。

 しかし、責めが少し緩んだのか、いく寸前で、七星はかろうじて持ち堪えた。

 それでも、淫靡な刺激はやまないのだろう。

 まだ、苦しそうに顔を上気させている。

 

「孫空女、七星は、いま、いく寸前さ。お前の手でいかせてやりな。こいつは、お前に責められるのを嫌がるからね」

 

「わかったよ、ご主人様――。そういうわけだから、いっちまいな、七星」

 

 孫空女が七星を抱えて、左手を七星の股間に当てがった。

 七星は、それを払いのけようとするのだが、何度かいかされてしまった身体はいうことをきかないようだ。

 孫空女に下袴の腰の紐を緩められて、中に手を入れられてしまっている。

 

「へっ――、べちょべちょじゃないか、七星」

 

「ち、畜生、お、覚えて……ひいっ……覚えいていろよ、そ、孫空女……ああっ……うはあっ」

 

 七星が腰を震わせる。

 また、身体をがくがくと震わせて、身体を孫空女に預けた。

 

「ひぎゃあっ――」

 

 次の瞬間、絶叫して七星が身体を仰け反らせた。

 官能ではなく、苦痛に顔を歪めている。

 また、さっきの電撃を七星は浴びせられたのだ。

 

「勝手にいくなと言っただろう、七星。どんなときでも、いく前には、許可を受ける。それがわたしの供の約束事だ。できなければ、いまみたいに、罰がある。わかったかいっ」

 

「わ、わかったよ、宝玄仙さん……」

 

 孫空女に助け起こされながら七星が言った。

 

「いくときの見本を見せな、沙那。朱姫、『影手』で沙那を責めてやりな」

 

 不意に宝玄仙が、沙那と朱姫を見た。

 また、とばっちりだと思ったが、どうしようもない。

 

「はい、ご主人様」

 

 朱姫が言い、沙那に振り向いて、なにかを沙那にした。

 

 『影手』だ――。

 股間とお尻に手が張りつく。

 ずぶりと前後の孔に『影手』の指が刺さる。それと同時に、肉芽が刺激される。

 

「沙那姉さん、ご主人様の命令ですから、あたしは嫌々やっているということをわかってくださいね」

 

 朱姫がそう言った。

 もちろん、そんなのは嘘だということは知っている。

 朱姫は、宝玄仙と一緒で「責め」だ。

 沙那や孫空女を苛むことを好む。

 また、沙那の身体を知り抜いている朱姫だ。どこをどうすれば、沙那が感じるのかということを知り抜いている。

 

 朱姫の『影手』の責めに、沙那の腰が沈む。

 口から喘ぎが押し出される。

 沙那の身体は、敏感だ。

 宝玄仙の長年の調教でそうなった。

 あっという間に沙那は、限界に達した。

 

「ご、ご主人様、い、いくことを――。お、お許し……お許しください……はあっ――」

 

 沙那は押し寄せる波にさらわれる。

 総身が細かく震えはじめる。

 

「ほら、ご覧、七星。あれが、見本だよ」

 

 宝玄仙が言っている。

 

「ご、ご主人様――、そ、それよりも、いく許可を……いくことの許可を――」

 

 沙那は、股間に手を挟んでぎゅっと締めつけた。

 そうでもしなければ、もう、いってしまいそうだ。

 

「まだだよ、お預けだ」

 

 宝玄仙が意地悪く言う。

 

「そ、そんな……」

 

 すると調子に乗った朱姫が、沙那の責めを強くする。

 

「ひいっ――。しゅ、朱姫、駄目――。ご、ご主人様、許可をくださいっ――あうっ――や、やめてっ……んんっ――」

 

 全身に快楽の大波が襲いかかり、沙那は悲鳴をあげながら凄まじい痙攣とともに、達してしまった。

 沙那は、身体を脚で支えることができず、その場に跪いた。

 

「沙那、許可を受ける前にいったら、見本にならないじゃないか」

 

 宝玄仙が怒鳴った。

 

「だ、だって……」

 

「だってじゃないよ。じゃあ、七星一緒に、罰だ。孫空女と、朱姫、ふたりで、七星と沙那の下袴を剥いてしまいな。ここからしばらく下半身を露出したまま歩かせるよ」

 

 人の通らない河川道とはいえ、外だ。

 こんなところで裸にされたくはない。

 沙那は、朱姫の手から逃れようと暴れた。

 

 しかし、朱姫の『影手』がそれを阻止する。

 『影手』が股間を愛撫しはじめると、それで、沙那の抵抗力がなくなる。

 

「ははは、許しくださいね、沙那姉さん。あたしはいやいややってんですよ」

 

 朱姫が嬉々として沙那から服を脱がせる。

 あっという間に、沙那の脚から下袴が抜かれ、下着も剥ぎ取られた。

 ふと見ると、七星も、同じように孫空女から下袴と下着をむしられている。

 七星の股間には、黒い手が消えたり、出現したりを激しく繰り替えしている。

 そのたびに、七星は、大きな嬌声をあげている。

 だが、沙那も、それ以上、七星のことを気にかけることができなくなった。

 沙那の股間に張りついている『影手』がまた強い刺激を沙那に与え始めたのだ。

 

「い、いかせてください――」

 

 沙那は叫んだ。

 

「あ、あたいも――。いっていいですか、宝玄仙さん」

 

 七星も叫んだ。

 

「いっていいよ、ふたりとも」

 

 宝玄仙のその言葉で、沙那は耐えていたものを解放した。快楽の大波のままに、身体が反応するのを許す。

 七星も声をあげて絶頂の仕草を見せている。

 そんな七星の絶頂を眺めながら、沙那もまた深い深い絶頂に身を委ね続けた。

 

 

 

 

(第24話『絶倫大魔王』終わり)





 *


【西遊記:50~52回、独角兕(どっかくじ)大王】

 旅の途中で玄奘が空腹を訴えました。
 しかし、周りには人家はありません。また道の先の山に妖しい妖気があり、孫悟空はそれを危ぶみます。
 とりあえず、孫悟空は玄奘を結界で包み、自分が戻って来るまで結界から出ないように申し渡してから、雲に乗って、遠くに托鉢に向かいます。

 しかし、空腹を我慢できなかった玄奘は、猪八戒と沙悟浄とともに、勝手に結界を出て先に進んでしまい、偶然に山の中で見つけた一軒の家に入ります。中に入って勝手に他人の衣服を身に着けた猪八戒と沙悟浄は、その服に包まれて拘束されてしまいます。
 実は、その屋敷は、独角兕大王の別荘であり、三人は捕らわれてしまいます。

 玄奘たちが魔王に捕えられたことを知った孫悟空は。すぐに独角兕大王の棲み処に向かいますが、独角兕大王には、「金剛啄(こんごうたく)」という相手の武器を奪うことのできる武器があります。
 その武器で如意棒を奪われてしまった孫悟空はやむなく一時撤退をします。

 孫悟空は天帝に救援を求め、名立たる天軍の将軍たちが加勢にやってきます。
 しかし、ことごとく、独角兕大王に武器を奪われてしまいます。

 孫悟空はさらに釈迦如来に助力を求めます。
 如来から、相手の身体を沈める「金丹砂(きんたんさ)」という武器を授かった孫悟空は、それを使って、独角兕大王の身体を埋めてしまうことに成功します。
 しかし、その金丹砂もまた、金剛啄に奪われてしまい、独角兕大王は洞府に逃げ込みます。

 孫悟空は如来の助言に従い、天上界における練丹の大家である太上老君(たいじょうろうくん)を訪ねます。
 太上老君は事情を知り、孫悟空とともに下界におります。
 独角兕大王は、実は太上老君から、金剛啄を奪って逃亡をした青牛が正体でした。
 太上老君は、青牛に戻した独角兕大王を連れ帰り、孫悟空はやっと玄奘たちの救援に成功します。
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