※この作品はR-18です。

嗜虐西遊記【完結】   作:ドン・ドナシアン

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157 天性の女たらし

「あひぃっ――ほ、ほんと……に――す、すごい……ああっ、はひいっ――」

 

 沙那という女性が、呂奇斗に組み伏せられて、憑かれたような声をあげた。

 呂奇斗は、遠慮なく男根を沙那の女陰に根元まで嵌めて突き下ろす。

 女陰の最奥には子宮があり、そこを乱打するようにつくのが秘訣だと宝玄仙に教えられた呂奇斗は、そのようにやってみた。

 すると、沙那という女性は、狂ったように乱れ続けた。

 

「あうっ――ま、また、またいきます――。また、また……いって……いって、いい……ですか……?」

 

 連続した快感で官能と苦悩の涙を流している沙那が叫んだ。

 

「いって……いくらでも、いってください、沙那さん」

 

 すでにいきっぱなしの状態に近くなっている沙那が、いきむような声をあげて全身をまた震わせた。

 なぜだかわからないが、孫空女といい沙那といい、絶頂する前に呂奇斗に許可を求めるような言葉を口にする。

 呂奇斗のような若造に、なんでそんなことを言うのかわからないが、歳上の美しい女性たちに、そんな風に言ってもらえると、呂奇斗は、自分が性の王様にでもなった気がする。

 そのせいか、三人目だというのに、呂奇斗の一物は衰えることを知らずに、力を保持し続けている。

 

 そして、三人目にもなると呂奇斗は、じっくりと女性を観察し、それに合わせて動くことを覚えてきた。

 それで、この沙那には、こちらが主導権を握って責めてみようと思ってやってみた。

 すると、この可愛い顔をした栗毛の女性は、たかが呂奇斗の責めに、激しく乱れて、たてつづけに昇天を繰り返した。

 

「もがあぁ――、もう――駄目――。か、勘忍して……ください――」

 

 身体を大きく仰け反らせた沙那は、がっくりと身体を脱力させた。

 精を放つところまで至らなかった呂奇斗だったが、次第に力を失っていく沙那を離すと、ゆっくりと自分の男根を抜いた。

 どろりとした彼女自身の淫液が、沙那の膣から流れ出た。

 

「出さなかったのかい、坊や?」

 

 まだ、そそり立ったままの男根を眺めて、椅子に座ってこっちを見ていた宝玄仙が訊ねた。宝玄仙は全裸だ。

 宝玄仙だけじゃない。

 

 ここには、呂奇斗のほかに、五人の女性がいるが、誰ひとりとして服を着ていない。

 この宝玄仙という女主人が命じると全員が服を脱いで、――性交の終わったばかりの孫空女も――全裸になったのだ。

 もちろん、呂奇斗もすべての服を脱いでいる。

 

「は、はい……。あんまり、つらそうだったので」

 

 寝台の上に胡坐に座っている呂奇斗は言った。

 その横で、沙那がぐったりと裸身を横たわらせている。

 

「……遠慮なく抱き潰していいんだよ、坊や」

 

「そんな……。可哀そうですよ。これ以上は、気持ちいいというよりは、苦しさの方が増すと思いますよ」

 

 呂奇斗は、ちらりと沙那を眺めてそう言った。

 

「……ほう、若いくせに、なかなかの女扱いじゃないか。よく、女を見ているね。そう言えば、三人も抱いてまだ、精は衰えていないようだし、沙那については、女に合わせて抱いて、よく自制もできていたようだ。思ったよりも経験が豊富なんだね?」

 

 宝玄仙が微笑みながら言った。

 

「とんでもないですよ、経験なんて……。ほとんど、初めてのようなものです」

 

 本当だった。

 ここに来る前には、一度、商売女を抱いたことがあるくらいで、ほとんど女を抱いた経験などない。

 

「じゃあ、天性の素質かねえ。男が、きちんと相手の女を観ながら性交することができるというのは、実は、なかなかできないことなのさ。女というのは、本当はそうやって抱いて欲しいんだけどね」

 

 宝玄仙が言った。

 

「さて、孫空女とわたし、そして、沙那を抱いたけど、次は、誰にするかい? そこの奥の寝台の向こうで隠れるようにしゃがんでいる青い髪の女が七星だ。それで、そっちの小柄な娘は朱姫だよ。どっちでも構わない」

 

「えっ?」

「そんな」

 

 七星と朱姫が嫌な顔をした。

 だが、宝玄仙は完全無視だ。

 

「心配しなくても、嫌だとは言わせないから。七星は男との性経験は多いから、相手が男ならかなりの性技を持っている。頼めば、性技でお前を堪能させてくれるだろう。朱姫は人間の娘にしか見えないけど、実は、半妖だ。性欲は強いんだけど、男が苦手でね。朱姫にするんなら、まあ、優しく抱いてやってくれないかい」

 

「えっ、いえ……」

 

「それとも、もう一度、孫空女にするかい。横になっているけど、体力はあるから、まだいけると思うよ」

 

 呂奇斗は苦笑した。

 

「少し、休憩を……」

 

「わかった――。朱姫、お客さんに、水でも持っていってあげな」

 

 宝玄仙がそう言うと、朱姫という娘が弾かれるように裸身を立ちあがらせて、窓際の卓の上の水差しに走った。

 この水差しは、宝玄仙と呂奇斗が抱き合っているあいだに、この朱姫が、階下まで行って宿屋の亭主から貰い受けてきたものだ。

 最初にあった水差しの水は、呂奇斗が酔って飛び込んできたときに、酔い覚ましに呂奇斗の顔に全部かけられたらしい。

 

「ど、どうぞ」

 

 朱姫が杯に入った水を呂奇斗に差し出した。

 呂奇斗の眼に、小さな桃色の突起がつんと突き出た小ぶりの乳房が飛び込んできた。

 呂奇斗の前に来ると、朱姫が怯えたように微かに震えているのがわかった。

 男が苦手というのは本当のことのようだ。

 

 受け取った水を飲む。

 そして、飲み干した盃を朱姫に渡す。

 朱姫は、呂奇斗が水を飲むあいだ、ずっとそばに立っていた。

 

「それにしても、そのいきり勃ったままじゃあ、休めないだろう――。朱姫、どうせ、お前は、男とやるのは嫌なんだろう? 勘弁してやるから、口で奉仕しな」

 

「は、はい、ご主人様……。じゃ、じゃあ、ご奉仕します、呂奇斗さん」

 

 朱姫が、呂奇斗が渡した盃を横に置く。

 

「よ、よろしく……」

 

 呂奇斗は、姿勢を変えて、寝台に腰掛けるように座り直した。

 その脚の間の床に正座した朱姫が、勃起している呂奇斗の男根の先を口に含んだ。

 朱姫が舌を使って、呂奇斗のものを舐めはじめる。

 

 うまい――。

 最初に思ったのは、それだった。

 あっという間に快感が絞り出されていく。

 

 朱姫の舌技に身を任せながら、呂奇斗は、どうして、この夢のような一夜がやってきたのだろうかと考えていた。

 

 たまたま城郭で孫空女というひとりの女性を見た。

 彼女は呂奇斗にとって、ちょっと会話しただけの行きずりの女性だったが、このまま別れたくなかった。

 それで、孫空女が泊っている宿屋の隣の部屋を借りた。

 だが、なにもできず、結局、馴れない酒をしこたま飲んだだけだった。

 しかし、酒を飲み過ぎて、正体を失くし、孫空女の泊っている部屋の戸を叩いていた。

 その辺りの記憶は曖昧だ。

 

 はっきりしているのは、この部屋の真ん中で床に道術で磔にされて、下半身を露出させられたところからだ。

 水をかけられて目を覚ますと、そこには宝玄仙と名乗る術遣いがいた。

 

 そして、やたらに破廉恥な短い丈の服を着た孫空女もいて、床に立っていた。

 他にも、三人の女性がいた。そのうちのひとりは、寝台に横たわって寝ていた。

 後でわかったが、その寝台で横になっていたのが、さっき呂奇斗が抱いた沙那だ。

 呂奇斗が部屋に跳び込む前に、宝玄仙の色責めで気を失っていたところだったらしい。

 

 最初に宝玄仙に剝き出しにされた股間の男根を指で責められた。

 しかも、いくらなぶっても呂奇斗が精を出せないように、男根の根元に金属の霊具の輪で締めてから宝玄仙の口と指で責められたのだ。

 地獄のような責めだった。

 

 宝玄仙の巧みな指責めは、あっという間に呂奇斗を追いつめ、そして、快感の極みに連れていった。

 しかし、出せないのだ。出せないのに、

 果てしなく快感だけが高まっていく。呂奇斗は発狂しそうになるような焦らし責めの中で、宝玄仙に訊ねられるままに、孫空女にひと目惚れをして、ひと目顔を観ようと酔ってこの部屋の戸を叩いたことを白状した――。

 いや、白状したというよりも、宝玄仙の責めを受けて狂いそうになった頭の中にやっと自分のやったことの記憶が蘇ったのだ。

 

 すると、宝玄仙は、なぜか呂奇斗の物言いに悦び、孫空女に道術をかけて、呂奇斗のそそり勃った怒張に女陰が向かうように跪いて跨らせた。

 そして、孫空女の身体に重さを加えて、無理矢理に呂奇斗の一物を股で咥えさせたのだ。

 

 孫空女の女陰を肉棒で感じた途端、それまで溜まっていた精をあっという間に、呂奇斗は孫空女の中に放った。

 

 それでも、呂奇斗は満足しなかった。

 まだ、衰えない怒張を拘束されたまま孫空女に突きたてた。

 孫空女は、肛門に張形を入れられていたらしく、その張形が孫空女の中で振動し始めた。

 その振動で孫空女はよがり狂い、そこに、呂奇斗が女陰に突きあげる刺激が加わったことで、孫空女は完全に昇天した。

 

 宝玄仙は、孫空女が脱力して、呂奇斗の身体の上に突っ伏したのを見て満足し、次に、呂奇斗が宝玄仙自身を抱くことを求めた。

 

 孫空女も美人だったが、宝玄仙の美しさは呂奇斗の想像を超えていた。

 その裸身が呂奇斗に迫った。

 

 術による拘束を解いてもらった呂奇斗は、宝玄仙を抱き、二度精を放った。

 宝玄仙は、呂奇斗の腕の中で、真っ白い顎を深く反り返らせて、両手で呂奇斗の首に取りすがるように苦悶の表情を浮かべながらいった。

 

 呂奇斗は、そんな、女の悦びに昇りつめていく宝玄仙を眺めながら、掻き混ぜるように腰を使った。

 宝玄仙と身体を交えながら、呂奇斗は孫空女のときとは異なり、性交をしながら、かなり冷静に相手を観察できる自分がいることに気がついた。

 二度目よりも、三度目。

 三度目よりも、四度目には、呂奇斗はしっかりと相手に合わせて身体を動かし、相手にどうやったら、もっと快楽が与えられるだろうかと考えながら相手を責めることができた。

 

 宝玄仙に対する二度目の精を放ったとき、宝玄仙は、呂奇斗に対して、驚きのこもった声をあげた。

 そして、横になっていた沙那を蹴り起こして、次に、この沙那を抱くように呂奇斗に言ったのだ。

 宝玄仙の中に二度目の精を放っても、まだ、呂奇斗の一物がそそり勃ったままだったからだ。

 

 沙那は、呂奇斗の存在に驚愕していたが、宝玄仙が事情を説明し、呂奇斗に抱かれろと、沙那に命じると、沙那は諦めたように、呂奇斗に身体を差し出した。

 沙那にしろ、孫空女にしろ、宝玄仙の命令には一切の抵抗ができないように躾けられているようだ。

 

 沙那を抱くときには、呂奇斗は、完全に主導権を握って、沙那を抱くことができた。

 実際のところ、経験の少ない呂奇斗にも、この可愛らしい女性が、快楽に弱い淫乱の性質を持った女性であることはすぐにわかった。

 さすがに五度目の精ともなると、強引に相手の膣の中に精を放出したいという気持ちは失くなっていた。

 それよりも、眼の前の沙那という女性にもっと快楽を与えてあげたいと思った。

 宝玄仙の指示に従い、沙那の子宮の入り口を突くように怒張を動かすと、沙那は、面白いように繰り返し絶頂した。

 激しく声を出し続けて、気を繰り返す沙那に、逆に心配になったくらいだ。

 そして、沙那は完全に脱力して、動かなくなった。

 

 呂奇斗は思念から現実に戻った。

 朱姫による口による奉仕が続いている。

 

「うう――」

 

 朱姫の舌の気持ちよさに、呂奇斗は声をあげた。

 彼女の舌が呂奇斗の男根の先端から棹に、そして、睾丸を包むように含み、また、棹から先端に回った。

 

 いまは、男根の先端の筋の部分に、舌を割り込ませるように動かしている。

 股間から凄まじい快感が込みあがってくる。

 見下ろすと朱姫が上目遣いで、こっちを見ている。

 呂奇斗を観察し、しっかりと反応を確かめながら奉仕をしているのだと気がついた。

 

「朱姫、もういい――。孫空女と交替しな。最後は、この坊やの想い人に奉仕させるさ」

 

「じゃあ、どうぞ、孫姉さん」

 

 朱姫が呂奇斗の男根を口から離して言った。

 

「ほら、孫空女、休んでないで、こっちに来て、この坊やに口で奉仕しな」

 

 宝玄仙が怒鳴った。

 

「う、うん……」

 

 寝台に横たわっていた孫空女の裸身が動いた。

 もう、さっきの小さな服は着ていない。

 さっきの性行為のときには、肛門に振動する淫具を挿入されていたらしいが、いまは、それも抜いてもらっているみたいだ。

 

「ろ、呂奇斗……な、なんかご免ね――。あたしたちのご主人様は、こんな人だから、あんたをご主人様の遊びに巻きこんじゃったみたいで……」

 

「い、いえ」

 

 そんなことはどうでもいい。

 それよりも、呂奇斗は、心が震えるのを感じていた。

 孫空女が素っ裸になり、呂奇斗の一物を口で奉仕しようとしている。

 いま、起きていることは、本当に現実のことなのだろうか。

 宝玄仙の言葉じゃないが、みんな呂奇斗の会ったことのないような美女揃いだ。

 それを好きなように抱き、いくらでも呂奇斗の精で女陰を汚していいというのだ。

 

「あ、あたしは、朱姫みたいに上手じゃないと思うけど……」

 

 孫空女の口が呂奇斗の怒張の先端を含んだ。彼女の舌が、呂奇斗の男根の膨らんだ部分をぺろぺろと舐めまわる。

 

「うう――」

 

 技巧とかそういうものは関係ない。

 孫空女が、呂奇斗に口で奉仕している。

 そう思っただけで、凄まじい快感が込みあがる。

 大量の精があがっていく――。

 

「で、出る……。出ます……」

 

 呂奇斗は声をあげた。

 孫空女は微かに頷いたようだった。

 しかし、呂奇斗の男根から口を離そうとしない。

 

「出る――。出るんです。ちょ、ちょっと……ああっ――」

 

 大量の精が一気にあがり、孫空女の口の中に放出してしまった。

 孫空女の口から怒張を離す暇がなかった……。

 というよりは、孫空女が口を離そうとしなかったのだ。

 だが、次の瞬間、もっと呂奇斗は驚いた。

 男根から口を離した孫空女は、口の中に放たれた呂奇斗の精を出そうとはせずに、飲みこんだのだ。

 

「そんな、汚いですよ」

 

 思わず呂奇斗は言った。

 

「なに言ってんだよ。汚くはないよ」

 

 孫空女が破顔した。屈託のない心からの笑顔だった。

 そして、やっと、勃起の収まってきた呂奇斗の怒張の先端に口づけをして、残っていた精を舌で拭いた。

 それにも、呂奇斗は驚愕した。

 

「なかなかの精力絶倫だねえ――。しかも、その若さで、しっかりと女を見ながら性行為ができるとういうのは、大した素質だよ。将来、大変な女たらしになるのは間違いないね」

 

 宝玄仙が横から笑って言った。

 

「そ、そんな……」

 

「どっちにしても、いくらなんでも、もう次で限界だろう、坊や? 五発も出したんだ。最後は誰にする? 七星の番はまだだったから、あいつにするかい?」

 

 宝玄仙が言った。

 

「あたいは結構だよ――。元はといえば、孫空女を訪ねてきて、宝玄仙さんに捕まっちゃたんだから、孫空女が最後の面倒看たらどうなのさ」

 

 七星という女性がそう応じた。

 

「じゃあ、孫空女だ。ほら、隣の寝台に横になりな、孫空女」

 

 宝玄仙が声をあげた。

 

「あたしでいいかい?」

 

「お願いします」

 

 呂奇斗は言った。

 すると、孫空女は黙って、隣の空いている寝台に横になった。

 孫空女の鍛えあげられて引き締まった身体が呂奇斗の前に横たわる。

 呂奇斗は、孫空女の上に自分の身体を横たえた。

 そして、孫空女の豊かな乳房に手を伸ばし、くにゅくにゅと揉み込んだ。

 孫空女は、吐息とともに甘い声をあげ始めた。

 

「……呂奇斗、よくお聞き。これが終わったら、お前に『縛心術』をかける。悪いけど、今夜のことは、忘れてもらう。いいね」

 

 宝玄仙が言った。

 

「わかりました……」

 

 揉み続けると、次第に孫空女の息遣いは荒くなっていった。

 

「ああっ……」

 

 孫空女が小さな声をあげた。

 呂奇斗は、孫空女の無毛の股間に手を伸ばした。孫空女の喘ぎ声が大きくなる。

 もうすっかりと、孫空女の女陰は濡れていた。

 

 しばらく手を股間で動かしていると、孫空女はだんだんと妖しく乱れ始め、声や仕草が熱のこもったものに変わってきた。

 股間を刺激するとともに、孫空女の乳首、うなじ、臍、横腹……あらゆる部分に口づけをする。

 孫空女はいよいよ激しくよがりはじめる。

 

「いきますよ、孫空女さん……」

 

 呂奇斗は、態勢を変えて孫空女の腿を抱えた。

 孫空女が、膝を立てて股間を少しずつ開いていく。

 その中心に向かい呂奇斗は、逞しさを取り戻した怒張をゆっくりと挿していった。

 

 孫空女の眼はしっかりと閉じられ、ほんの微かに口を開いている。

 上気して、少し恥じらいのこもったような表情は、ぞくりとするほど悩ましい。

 怒張が孫空女の奥深くに入ったとき、孫空女が小さく声をあげて、身体を震わせた。

 呂奇斗は、腰を回すように突きあげた。

 そして、孫空女の反応を確かめながら、その動きを激しくしていく。

 

「あ……ああ……ああっ――あ、ああ……」

 

 孫空女の声が乱れ始める。

 怒張の先端で子宮を打つ。

 それとともに、空いた指で、孫空女の肉芽を刺激してあげると、孫空女の裸身が跳ねるように反応した。

 

「ひい……いい――い、いっちゃう――いいよう……ああ―――」

 

 孫空女が感極まったような声をあげた。

 呂奇斗は、それに合わせるように力強く、孫空女を怒張で突きあげた。

 孫空女が叫び声のような嬌声をあげる。

 

「もう、いく――いくよ――い、いって……」

 

「いっていいですよ、孫空女さん――いつでも――」

 

 呂奇斗も声をあげた。

 

「いくっ」

 

 孫空女の身体が反り返った。

 そして、孫空女の指が呂奇斗の背中に強く食い込んだ。

 だが、もの凄い力だった。

 そのあまりの痛さに呂奇斗は、顔をしかめた。

 それでも、なんとか悲鳴を出すことは避けられた。

 呂奇斗は、股間をぶつけるように激しく動きながら、ありったけの精を孫空女の中に注ぎ込んだ。

 

 目の前が真っ白になり、そして。なにも考えられなくなった……。

 

 

 

 

 *

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 眼が覚めたとき、呂奇斗は、少しの間、自分がどこにいるのかすぐには理解できなかった。

 そして、昨日、孫空女という女性を外で見初めて、そのまま、こっそりと追いかけて、彼女が泊っている宿屋に泊ったということを思い出した。

 

 考えてみれば、馬鹿なことをしたものだ。

 たとえ、もう一度、孫空女に遭うことがあっても、彼女が、自分みたいな若造を相手にするということなど考えられないのに……。

 

 結局、どうしようもできずに、やけ酒のように酒を呷り、そのまま寝入ってしまった。

 飲み干した酒瓶が部屋の隅に置いてある。

 

 思ったよりも、酒の影響が残っていない。だが、なぜか身体のだるさのようなものが残っている。

 それに背中が痛い。

 

 上衣を脱いで背中に手で触れる。

 傷のようなものがある気がする。背中に触れた指を眺めると、なにか薬のようなものがあった。

 背中に塗られていたようだ。

 しかし、どこで怪我をしたのか思い出せない。

 酔って転びでもしたのだろうか……?

 それにしても、治療がしてあるのはなぜだろう?

 

 身支度を整えてから部屋を出た。

 荷物といっても大したものがあるわけじゃない。

 本当は、注文のあった霊具を届けるためにこの城郭にやってきたのであり、宿屋などに泊る必要などなかったのだ。

 品物を届けた後だったので、ほとんど手ぶらだった。

 余分な金を使ったようだ。

 霊具を届けて支払いで受け取った代金をほとんど使ってしまっていた。

 

 この宿屋は、一階が食堂になっているはずだ。

 朝食をここでとってから、家に戻ろうと思った。

 本当になぜか身体がだるい。

 少し寝なおしたい。

 呂奇斗が暮らしている隣町の長屋は、ここから歩いて一刻(約一時間)くらいだから、戻ってから休めば、少しはだるさもなくなるだろう。

 部屋に鍵をかけてから、一階に降りていった。

 宿屋の亭主に鍵を返し、簡単な食事を頼んだ。

 

「坊や、一緒に食べないかい?」

 

 声をかけられた。

 長い黒髪の美貌の女性だ。

 大きな卓で食事を待っているようだ。

 旅装をしていて、荷物が横にあるところを見ると、旅の途中に違いない。

 同じ卓に四人の若い女性がいる。

 一緒に旅をしている仲間なのだろう。

 そのひとりに眼が移り、呂奇斗の心臓が早鐘のように鳴りだした。

 そこに、あの孫空女がいたからだ。

 

「い、いいんですか?」

 

 呂奇斗が言った。

 

「昨日は、孫空女が世話になったそうじゃないか。孫空女から聞いているよ。わたしは、宝玄仙――。旅の巫女だよ」

 

「呂奇斗です」

 

 呂奇斗は挨拶をした。

 孫空女を含めたほかの女性たちも礼をした。

 なぜか、みんな少し、顔が上気しているように思えた。

 それぞれ、椅子をずらして、呂奇斗が座る場所を作ってくれた。

 呂奇斗は孫空女と宝玄仙のあいだに椅子を持ってきて座らせられた。

 

 自己紹介を受ける。

 栗毛の髪の武道着を着て腰に剣をさげた女性が沙那――。

 小柄な少女が朱姫――。

 青い髪をした女性が七星だと教えられた。

 なぜか、七星という女性は、さっきから笑いを堪えているような仕草をしている。

 

 四人の女主人は、最初に声をかけた宝玄仙であり、ほかの女性はその供で、一行は、これから通天河沿いに進み、西梁国を越えて女人国に向かうつもりだと教えられた。

 呂奇斗は、隣町に住む霊具作り職人で、これから家に帰ると説明した。

 

「なにか話しな、孫空女」

 

 お互いの紹介を語り終え、少し沈黙が訪れたとき、宝玄仙が孫空女にそう言った。

 

「えっ……。あっ、そうだ。背中、大丈夫? ご免ね――」

 

 孫空女が言った。

 

「えっ?」

 

「孫女、馬鹿――」

 

 背中がどうしたのだと訊ねようとして、沙那という女性が慌てたように、横から口を挟んだ。

 

「そ、そうだった――。な、なんでもない」

 

 孫空女が上気した顔で首を横に振った。

 呂奇斗は、その様子に首を傾げた。

 それぞれの前に、宿屋の女中が食事を運んできた。

 

「さあ、食べようか――」

 

 宝玄仙がそう言った。 

 なぜか、宝玄仙は、食事の間もずっと、面白くて堪らないという表情で呂奇斗の顔を何度も眺めては、くすくすと笑い声をあげていた。

 七星という青い髪の女性もさっきから笑っているし、なんだかおかしな感じだ。

 

「どうかしたんですか?」

 

 呂奇斗は言った。

 

「なんでもないのよ。ただの思い出し笑い……。ねえ、孫女?」

 

 沙那が孫空女を見た。

 その顔もなんだか笑いを我慢しているように見える。

 

「そうだね、思い出し笑いだよ、呂奇斗――。気にしないでよ」

 

 孫空女がぷっと噴いた。

 それが合図のように五人が赤い顔をして、お互いの顔を見ながらくすくすと笑いだした。

 なにか、悪戯をした子供がなにかを隠しているかのような無邪気な笑いだった。

 

 呂奇斗は、そんな宝玄仙や孫空女、そして、ほかの女性たちを見ながら、彼女たちのような女性ともっと親しくなれたら、どんなに素晴らしいことだろうか。

 そして、その方法が、ないものかと懸命に考え続けていた。

 

 

 

 

(第25話『初恋の果て』終わり)

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