「ひうっ」
「な、なに?」
「きゃああ──」
「こ、これは……」
それぞれの悲鳴が椅子の上に、首に縄をかけられた状態で立たされている仲間たちから聞こえた。
「へへへ、どうやら、股の毛を剃るのは、お前らの仲間の印かなにかなのか?」
不意に眼の前に首飾りに触りながらにやついている
「うわっ」
孫空女は思わず声をあげた。
突然に出現するとわかっていてもどうしても馴れない。
仲間たちは、全員が足首まで下半身に身に着けているものをすべて下ろされていた。
全員の股間が曝け出されている。
七星以外の全員は無毛だ。
また、時をとめる術を遣ったのだと思った。
「な、なんだよ、これ?」
そして、いつの間にか自分の身体が革紐のようなもので椅子に縛られているということにも気がついた。
手首、二の腕、太腿、腰、胸の下、膝、腿……。
とにかく、至るところが革紐で固定されていて、身動きすることができなくなっている。
「それにしても、あの青い毛の女だけは、毛が残っているんだな……。それに、おかしなものも股ぐらに咥えていたし、まだ、調教の途中というところか……?」
獏狗は手に一本の張形を持っている。
てらてらと愛液で光っていて、おそらくさっきまで七星の股間に挿入されていたものに違いない。
それを抜いたのだろう。
「お、お前には関係ないだろう──」
孫空女は怒鳴った。
「さて、じゃあ、お転婆女の股ぐらをこれで試してみるかな……」
獏狗が手に持っている淫具に術を込めたのがわかった。
張形の先端が振動しながらうねり始める。
それがゆっくりとこれでもかとばかりに開いている股の付け根に近づいてくる……。
「い、いやだよ……」
孫空女は歯を食いしばった。
もうすぐ、振動している先端が股に触れる……。
しかし、なぜかぎりぎりのところでぴたりと張形がとめられた。
振動で起きる微かな風さえも股で感じるくらいの位置だ。
嫌がらせをしているのだとわかっているが、緊張で自分の全身が震えだす。
全身の肌がこれ以上ないというくらいに敏感になる。
「面白いな……。近づけるだけで、だんだんと濡れてくるんだな。前戯もなにもいらない、くくく」
獏狗が笑った。
「そ、そんなことあるわけないだろう──」
かっとなり孫空女は怒鳴った。
「そんなことあるさ……。ほらっ」
振動している張形が孫空女の肉芽をちょんと突いて離れた。
「ああっ、あくうっ……」
しかし、その衝撃はもの凄かった。
孫空女は全身を激しく喘がせた。
その大きな動きで、身体を押さえつけている革紐が四肢に喰い込んで椅子が音を立てて揺れる。
「随分と激しいな……。気持ちいいのか、孫空女?」
獏狗がにやついた表情でまた張形の先端を孫空女の肉芽に触れさせた。
「はうっ」
孫空女は、椅子に拘束された裸体を跳ねさせた。
獏狗がにやつきながら、孫空女の股を振動する淫具で刺激する。
少年の姿の存在が、性を熟知した大人の卑猥な笑みを浮かべるのだから、それはとても異様なものだった。
もっとも、いまの孫空女にはそんなことを気に留める余裕はない。
「ああ、いひいっ、ひううっ」
さらに快感が全身を駆け抜けて、孫空女はなにもわからなくなって声をあげて暴れた。
しかし、すっと張形は離れていく。
孫空女は全身をがっくりと脱力させた。
「胸はどうだ?」
大きな振動を続けている張形がすっと上にあがり、孫空女の乳首に当たる。
「ああっ、ひくううぅぅぅ、いいい、ああ、あはああっ……」
張形で激しく上下左右に乳首を跳ねられて、孫空女は絶叫した。
快感が激しい。
もう全身が痺れる。
なにもわからなくなり、孫空女はただ悶え狂った。
「いいぞ、幾らでも気持ちよくなりな。ただし、絶頂したら、お前にはさっきの罰として浣腸をしてやる。みんなの前で垂れ流すんだ──」
「なっ」
絶句した。
ここで浣腸なんて、冗談じゃない。
しかし、獏狗はいきなり張形を再び股間に移動させるとすでに濡れそぼっていた女陰に深々と挿入した。
「ああ、い、いきなり……だ、だめだよっ──」
電撃を浴びたような快感が下腹部を駆け抜けた。
子宮が痺れ、なにかが全身を突きあげる。
「張形を股ぐらで締めろ。張形を外に出したら仲間の立っている椅子を倒す……──。おい、
獏狗は、孫空女が股で咥えさせられている張形から手を離して、二階に向かって叫んだ。
すぐに二階から人が降りてくる気配がしたが、もう、それ以上はなにも考えられないかった。
それよりも、大きな淫情が背骨を駆け抜け、脳に達しって眼の前が真っ白いものに包まれていく……。
「ああ、だ、だめえっ、いく、いくよ……いくうっ」
孫空女は叫んだ。
絶頂してしまう。
もう、快感の暴走をとめることができない。
孫空女の身体は大きく弾けて、開脚台を毀すかのように暴れまくった。
「ば、爆斗様……」
眼の前に麗美がやってきた。
孫空女の痴態に顔色を変えているのがわかったが、すぐに孫空女から眼を背けるように視線をずらした。
「浣腸の準備をしろ、麗美──」
獏狗がそう言ったのがわかった。
麗美は悲痛な表情になったが、すぐに諦めたような顔になり奥に引っ込んだ。
「さて、そろそろ、いくんじゃないのか、孫空女──?」
獏狗の指が孫空女の肉芽に触れた。
そして、張形の振動に合わせるかのように、指で愛撫を始める。
「あひいっ、ひぐううっ──」
孫空女は断末魔のような叫びをあげてしまい襲ってきた快楽の暴走に身を委ねた。
凄まじい絶頂の波が孫空女を襲う。
激しい絶頂が孫空女の全身を貫いた。
「おおっと──」
獏狗がわざとらしく声をあげてさっと身体を避けた。
張形を咥えている股間の隙間から尿のようなものが迸ったのだ。
「そのままだ、孫空女。張形を落としたら仲間を殺すからな……」
獏狗が言った。
しばらくの間、身体が痙攣したようになっていた。
だが、張形を抜くことは許されず、まだ激しく動き続けている。
絶頂の余韻に浸る間もなく、まだ、動き続けている張形が、とろ火になりかけた孫空女の身体の快感をだんだんと再び激しく燃える炎に戻していく。
「も、もう、やだ……。か、勘忍して……」
孫空女がやがてまた襲ってきた快感の波に泣き声をあげてしまった。
「ば、爆斗さま……」
少しすると麗美が戻ってきた。
盆を持っていて、その上には先端に短い管のついた縦長の灰色の袋が載っている。
「じゃあ、約束だ。浣腸をしてやるぞ」
獏狗が笑った。
そして、麗美に持たせている盆からその縦長の袋を取った。
「これは、俺がよく麗美に使う浣腸袋だ。この袋には強い排便を促す液体がたっぷりと入っている。この管をお前の肛門に差して……」
獏狗はそう言いながら浣腸袋の先端の管を孫空女の肛門に挿入した。
「ひうっ」
肛門に加わった管の冷たい感触に思わず孫空女は悲鳴をあげた。
「……この状態で術を込めると、管は抜けなくなり袋の中の液体は一滴残らずお前の身体に注ぎ込まれる……」
途端に薬剤が体内に流れ込んできた。
「う……ああっ……」
孫空女は食いしばった歯から思わず声を洩らした。
浣腸液が注ぎ込まれている。それははっきりと知覚できた。
「あ……あ……」
浣腸責めは何度も何度も宝玄仙からやられた。
冷たい液剤が腸に流入する気持ちの悪い感触はいつまでたっても馴れない。
やがて、すっかりとぺちゃんこになった浣腸袋は孫空女の肛門から抜け落ちて地面に落ちた。
「さて、じゃあ、薬剤が効いてくるまで、もうひと遊びだ」
獏狗が言った。
女陰に挿入されたままの張形がさらに激しい動きを始めた。
「ひぐうっ──」
孫空女は吠えた。
すでに便意はやってきている。
その状態で張形が暴れ出したのだ。
孫空女の全身に恐怖が走る。
「許可なく便を垂れ流したら、すぐに仲間の首吊りをするからな。仮にも、ここは麗美が客に食事を提供する食堂だ。こんなところで垂れ流されたら困る」
獏狗が笑った。
「そ、そんなこと言うなら、こ、こんなことしなきゃいいじゃないか──」
孫空女は叫んだ。
しかし、獏狗はにやにやと笑うだけでなにもしようとしない。
孫空女は込みあがる便意と女の最奥をこねまわす張形の振動とうねりに、脂汗を出しながら喚くしかなかった。
「で、出る──。出ちゃう──。か、勘忍して……。もう、出るよ──」
孫空女が腰をがくがくと震わせて懇願した。
「もう一度いくのが先だ。そのまま、もう一回絶頂しろ。そうしたら、便を出させてやる。だから、早くいくんだな」
「そ、そんな……」
もう反撥の気力も小さくなっていく。
だんだんと膨れあがる快感と便意に孫空女は顔を左右に振って耐えた。
「早くいきたけりゃあ、麗美に頼みな──。股間をもっと刺激してくれってな」
獏狗が笑った。
張形は暴れ回っている。
なにもしなくてもいきそうだが、便意も破裂しそうだ。
「くうっ」
孫空女はついに泣き声をあげた。
「ば、
麗美が狼狽えたような声をあげた。
「ぼやぼやするんじゃねえ、麗美──。教えてやった舌技でこいつの股を舐めあげてやれ。早くしねえと、お前の店が糞だらけになって、商売ができなくなるぞ」
獏狗は哄笑するとともに、麗美の顔を孫空女の股に押しやった。
「で、でも……」
「く、苦しい……。は、早く……」
孫空女は訳もわからずに呻いた。
快感と便意が混ぜこぜになった混迷の妖しい愉悦に覆われる。
「ご、ごめんなさい」
麗美の舌が孫空女の股間を舐めはじめる。
激しい甘美感に我を忘れそうになる。
快感に弱い孫空女には、これ以上の仕打ちには耐えられない。
「ああ……いい……ああっ……あっ……」
孫空女はなすすべなく、よがり声をあげた。
「ああ……ひ、ひいっ──」
やがて絶頂の波がやってくる。
孫空女は激しく仰け反って、脂汗まみれの裸身を痙攣させた。
しかし、獏狗は笑い続けるだけで、張形の動きも麗美の舌もやめることを許さなかった。
孫空女は二度目の絶頂にぐったりとする余裕も与えられずに、さらに続けて追いあげられる。
再び燃えあがった官能の炎が燃えあがる。
一度、昇った絶頂がまたやってくる。
「ああ……ま、また、い、いく……」
再びどっと押し寄せた快感にもう孫空女はどうしていいかわからなかった。
そして、激しく裸身を痙攣させながら三度目の絶頂をした。
「そろそろ、本当に限界か……」
獏狗が孫空女の顔を覗くような仕草をした。
孫空女は激しく頭を縦に振った。
もう片時も耐えられない。
余程、強烈な薬剤に違いない。
これまでも浣腸はされたことがあるがこれは別格だ。
もう張形の感覚よりも排便の欲求が強い。
孫空女はすでに限界を超えた便意に身体を震わせた。
「さて、じゃあ、させてやるぜ──」
するといきなり白い光に包まれた。
「な、なにっ?」
孫空女は異常な感覚にすくみあがった。
周りから多くの人間の声が聞こえ出したのだ。
悲鳴のようなざわめきも聞こえてきた。
風の流れも感じる。
「きゃああああ──」
「な、なんだ、この女──」
「どこから来たんだ──」
孫空女の周りから悲鳴のような叫び声が湧き起こった。
周りに大勢の人間がいる。
孫空女もここがどこだかわかった。
今朝出発してきた宿町だ。
いきなり、その宿町の広場に突然に晒されていた。
周りに大勢の通行人がいる。
なにをされたかわかった。
獏狗は時をとめて、なんらかの手段で、排泄寸前の孫空女をあの食堂から、遥かに離れた宿町に移動させたのだ。
孫空女は、宿町の人通りの多い広場で、いきなり孫空女は全裸で脚を手摺に載せた状態で椅子に固定されて放置されている。
突然の破廉恥な姿の孫空女の出現に周囲の人々が騒然としている。
だが、それよりも孫空女は置かれた状況に発狂しそうだ。
しかも、大きな便意が孫空女を襲っている。
孫空女は周囲で騒いでいる通行人の背後に大笑いしている獏狗の姿を見つけた。
獏狗は片手で首飾りを握りしめたまま腹を抱えて笑っている。
孫空女は、獏狗に声をかけることはできなかった……。
すでに気力の限界は超えていた。
まさにその瞬間に孫空女の肛門は崩壊したのだ。
ついに、肛門から耐えているものが炸裂した。
嵐のような悲鳴が孫空女の周りの人間から沸き起こった。
*
気がつくと、突然に首に縄をかけられて椅子に立たされていたときには驚いた。
この獏狗が時をとめる能力が本当にあるということを納得するしかないのかもしれないと七星は思った。
宝玄仙を含めた全員が一瞬でそういう状態にされたのだ。
まったくの抵抗手段はなかった。
七星は、ただただ驚愕するだけだったが、沙那は冷静だった。
同じように縄をかけられて椅子の上に立たされながら両隣の七星と朱姫に小さな声で策を語った。
そして、沙那がひそひそ声で話すことについて、確かにひとつの理屈があることを七星は理解した。
あくまでも可能性だが、首飾りに意味があるとすればそれしかないのかもしれない。
そして、沙那の語ったことはぼやぼやと時間をかけて探っている暇はないということだ。
獏狗という少年は、この五人のうちのひとりをすぐに殺して食べるというようなことを言っていたし、この状況を打開するには、沙那の考えに乗るしかないかもしれない。
沙那の考えでは、いずれ全員を殺すとすれば、最初は宝玄仙だろうということだ。
もしも、ひとりを残すということを考えれば、一番の美貌の宝玄仙を最後にするのかもしれないが、数日以内に全員を殺すのだとすれば、やはり、術を扱える宝玄仙は扱いにくい存在だろう。
朱姫も術を遣うのだが、霊気の発散の弱い朱姫は、最初は術を遣う者としてみなされないことが多いらしい。
もっとも、この獏狗はかなりの気紛れ屋でもあるようだ。
孫空女に対する接し方を見ると七星はそう思う。
自分で服を脱ぐことを強要して故意に辱めたり、椅子に自ら開脚させたりだ。
そのあげくは、七星の股間に挿入されていた張形を使っての遊びだ。
いまは、浣腸までやりだした。
しかも、麗美に手伝わせている。
自分に逆らった強い孫空女をいたぶることを心から愉しんでいる。
己の能力を絶対に信用していて、それが他者に負けるなど微塵も感じていない──。
実際にそうなのだろう。
もしも、時の刻みの外に行く能力があるのなら、絶対に他人に後れをとることなどないはずだ。
だが、時をとめたり動かしたりするような術や霊具など本当にあり得るだろうか……。
獏狗はしばらく、悦に入った態度で浣腸を受けた孫空女を苛め続けた。
七星から見ても孫空女は、排泄の限界にあったが、獏狗はその状態の孫空女に数回の絶頂を強いた。
そして、やっと排泄を許可するようなことを言ったのだが、次の瞬間には、また白い光に包まれた。
気がつくと眼の前の孫空女が消えていた。
獏狗もいない。
「あいつら、どこに消えたんだい?」
宝玄仙が声をあげた。
「麗美、あなた、なにかを知っていないの?」
沙那が床に倒れている麗美に叫んだ。
「わ、わたしにはなにも……。か、彼は時間をとめて、どこかにさっきの女の人を連れて行ったとしか……。と、とにかく、皆さんの縄を解きます……」
麗美が素早く立ちあがって、厨房から小刀を持ってきた。
逃がしてくれるつもりのようだ。
とりあえず、一番手前の七星の首の縄を切り、背中側で拘束されている手首の縄も切断してくれた。
「残りはあたいがやるよ……」
自由になった七星は、急いで服を整えると、麗美が持っていた小刀を受けとって、まずは宝玄仙に向かった。
しかし、また白い光に包まれた。