163 半妖少女の尻いじり
「わかったわ、青。お尻の調教をしてあげるわ」
朱姫が魔縄に触れると、『魔縄』がぱらりと床に落ちた。
「腕を前に倒して、身体を伏せなさい、青。でも、膝は立てたままよ。そして、お尻をこっちに向けるのよ」
『縛心術』の影響により、命令のままに身体が勝手に動く。
七星は、お尻を朱姫に向けて、上半身を床に突っ伏した態勢を強いられる。
朱姫の指が、七星の尻の孔に食い込んだ。
「あうっ……や、やめろよ……」
掲げた尻を他人に向けるという浅ましい恰好にされて、大便をする場所を指でいじくられるという恥辱に、七星は知らず尻を動かしていた。
「お尻を振るほど、気持ちがいいのね、青。でも、まだ、固いわね。ご主人様に愉しんでもらうにはもう少しかかるわね」
朱姫が妖しく言いながら、指をしつこく七星の尻の内襞を刺激し続ける。
「そ、そんなことで……た、愉しんで……もらわなくても……いいっ――」
七星は声をあげた。
気持ちが悪い。
だが、少しずつ妖しい快楽も拡がる。触られているのは後ろだが、前の肉芽も疼き、とろりと熱い蜜も溢れてくるのがわかる。
「あたしは、お尻に蛇を入れられて気を失ったこともあるわ、青。それに、ご主人様には、拳を入れられたことも――。お前も、そうされるわ。いずれね……」
七星に恐怖が走る。
もしかしたら、自分はとんでもない連中と旅をしているのかもしれない。
指が尻の孔からすぽりと抜かれる。
もしかしたら、終わったのか?
ほんの少しだけ、期待が走る。
その七星の前に、朱姫が細い棒を手を伸ばしてかざす。
七星は、朱姫の『縛心術』で身体を固定されているから、そうされないと物が見えないのだ。
「これは霊具よ。お前も道術遣いだから、それくらいはわかるでしょう、青?」
朱姫が言うとおり、確かに霊具だ。
細い棒からは霊気が溢れている。
しかも、尋常じゃない量だ。
これはなんだろうか?
朱姫がくるりと棒を回した。
七星の眼の前で、棒の太さが増した。
七星はぎょっとした。
さらに、朱姫が棒を回す。
棒の太さが増す。
朱姫が棒を回転させるたびに、棒が太くなっていく。ついには、本当に朱姫の握り拳ほどの太さにまでなった。
最後にひと振りすると、棒は最初の細さを取り戻す。
「ご主人様の淫具よ、これは――。『尻棒』とご主人様は呼んでいるわ。あたしたち三人は、みんなこれを遣われて、お尻を調教されたのよ。この部屋に入る前に、ご主人様があたしにこっそり渡してくれたの。つまり、これで、青のお尻を調教しろという命令なの」
朱姫が言う。
宝玄仙の手の中で踊っているということはわかったが、まさか、本当に尻の穴を拡げるつもりなのだろうか。
「あ、あたいには無理だよ。か、勘忍してよ、朱姫――」
「無理かどうかはすぐにわかるわ。お尻が破けても、ご主人様が『治療術』で治してくれるから大丈夫よ」
どうあっても朱姫は、その淫具を七星の尻に挿しこむつもりなのだ。それは、朱姫の声でわかる。七星は、さらに恐怖の汗が出るのがわかった。
「ゆっくりと息をしなさい、青。抵抗しても、苦しいだけだから。どうせ、尻に挿しこまれるなら、少しでも痛くない方がいいでしょう? お尻の力を抜くのよ。そして、入れられるときには、息を吐きなさい」
考えている時間はない。
緊張で荒くなる息を懸命に整える。
「あひっ」
しかし、冷たい棒の先が菊口に触れたとき、身体を跳ねあげてしまう。
「性技には百戦錬磨の七星姉さんじゃないですか。お尻くらいで、そんな生娘みたいな反応はおかしいですよ。それに、お尻の孔は、智淵城でいたぶられたと聞きましたよ。経験済みじゃないんですか?」
朱姫がころころと笑った。
芝居がかった嗜虐者のそれから、いつもの朱姫の口調に戻ったことに、七星の中に安堵感が拡がる。
棒の先端が七星の肛門から外される。
その代わり、朱姫の手が優しげに七星のお尻を擦りはじめる。
「お芝居は終わりです、七星姉さん。これ以上やると、本当に明日の朝、七星姉さんに怒られそうだから」
朱姫が七星のお尻を撫ぜながら笑った。
「しゅ、朱姫……。お、脅かさないでおくれよ。本当に人が違ったかと思ったよ」
七星は言った。
ほっとした。
許されるのだ。
「驚きました、七星姉さん? あたしも、あんな口の利き方ができるんですよ。ご主人様に遭う前には、これでもほかの娘を調教したことがあるんですよ。まあ、調教の真似事のようなものですけど。あたしも生娘でしたし」
「生娘? 生娘のまま、ほかの女を調教したのかい、朱姫?」
「だから真似事ですよ。いまにして思えば……。でも、ご主人様に捕まってしまい、本当の調教を受けさせられました。心の底から屈服するという安堵感をご主人様から教わりました」
「安堵? 屈服するというのと、心の底から安堵するというのがどうして一致するんだよ、朱姫?」
「七星姉さんも完全に屈服すればわかりますよ。心の底から諦め、完全に他人の支配下になり、絶対の服従を結ぶというのは、それこそ、完全な安心感と悦びと同じなんです。いずれは、七星姉さんにもわかりますよ」
「わかるつもりはないよ、朱姫。あたいは、心の底から屈服するというのはしないからね」
「そうみたいですね……。でも、どうしてですか? いいじゃないですか。一緒に、ご主人様の奴隷になりましょうよ。あたしたちの気持ちがわかりますよ。ご主人様の庇護に包まれるという安心を――」
「なにが庇護だよ。あの宝玄仙さんの責めは、安心とも安堵ともほど遠いものだよ。残酷で、冷酷で……人を玩具にするというねじ曲がった根性によるものだよ。あんたらこそ、正気になりなよ」
七星は言った。
「まあ、いいですよ。わかってもらえなくてもいいんです」
「それよりも、朱姫……。お前の術は本当に凄くなったよね。あれだけ遣えれば『影手』は、容赦のない攻撃術として通用するだろうし、しかも、宝玄仙さんの霊具をあそこまで自在に扱うなんてさあ」
本当に凄い。
宝玄仙の作る霊具は、扱うのに必要な霊気が大きすぎて七星には扱えない。
それをさっき、朱姫は自在に操っていた。
*つまり、朱姫の霊気も、宝玄仙の淫具を扱う程に大きいということだ。
「ありがとうございます、七星姉さん。それにしても、さっきは、すみませんでした。お尻をぶってしまって。痛かったですか?」
朱姫の手は、七星のお尻を擦り続けている。
「もういいよ。それよりもいい加減に、この態勢を解放しておくれよ」
七星の身体は、朱姫の『縛心術』により、尻を高く揚げた格好でうつ伏せになったままだ。
朱姫が術を解かない限り、いつまでも七星は動けない。
すると朱姫がくすくすと笑った。
「どうしてですか、七星姉さん? まだ、なにも始まっていないじゃないですか。『尻棒』を七星姉さんに遣わないと、あたしが明日の朝、ご主人様に罰を受けるじゃないですか。ご主人様が、あたしにこれを渡したのは本当なんですよ」
七星はびっくりした。
てっきり、もう朱姫の責めは、終わったのだと考えていたからだ。
口調こそ変わったが、朱姫は、しっかりと七星の調教をやり遂げるつもりなのだ。
「朱姫――。も、もう終わりだろうが」
七星は叫んだ。
だが、術がかかったままの七星の身体は動かない。
せいぜい、高く掲げるお尻をゆすぶることができるだけだ。
「さあ、もう、お喋りは終わりです。経験をしたのに、そんなにお尻を嫌がるなんて、どうしてですか。智淵城では、気持ちよくなかったんですか?」
「気持ちいいことなんてあるものか。あいつら尻から電撃を浴びせる霊具とかを挿しこみやがったんだ。冗談じゃないよ」
「だったら、そのときの経験がよくなかったんですね。いいです。朱姫が、ちゃんとお尻で気持ちよくしてさしあげます。さあ、お尻の力を抜いてください。痛いのがいいなら、力を入れたままでいいですけど、あたしは、思い切り挿し込みますよ」
再び尻たぶに『尻棒』の先端が当たる。
七星は、総毛立つ。
「ひいっ」
「ご主人様の『尻棒』は、それほど残酷なものじゃないですよ。前の穴と違って、後ろの穴は、愛液が出ませんから、本来は油や蜜を塗らないともの凄く痛いんです」
「や、やめろったら――。も、もう触んじゃない」
「……ふふふ、焦っちゃって可愛いですね……。でも、これは、棒の表面がしっとりと濡れるんです。だから、七星姉さんが力さえ抜けば、簡単に受けれることができるはずです――。でも、さっきからの様子じゃあ、七星姉さんは、ここで、なにかを受け入れた経験が少ないのですか?」
「な、ないよ。そんなことはさせるわけがないだろう――。ち、智淵城のときは別だけど……」
七星は声をあげた。
娼婦として金を稼いだが、まっとうな性行為だけだ。 お尻なんかで性行為ができるわけがない。
もっとも、智淵城のときは、容赦なく尻もいたぶられた。
あのときは、男根を生やせられていて、それを勃起させるために、尻にものを入れられたのだ。
「そうですか。だっから、病み付きになるかもしれませんよ、あたしも、沙那姉さんも孫姉さんも、お尻が一番気持ちいいんです。知っていますよね?」
「し、知っているよ……。うほうっ――」
『尻棒』がゆっくりと尻の奥に入ってくる。
まだ、箸ほどの細さのはずだ。
朱姫の言う通りに、棒の表面もなんらかの潤滑油が滲んでいるのかもしれない。
ほとんど痛みというのは感じないが、尻の奥に奥にと棒が入っていくのがわかる。
「本当は、浣腸してお尻の中を洗わなければいけないですよ。でも、ご主人様の淫具だから、汚れることはありません。遠慮なく、感じてください、七星姉さん」
「や、やめてよ……あう……んんん……くうっ」
唇からくぐもった声が漏れる。
顔の下で握りしめている拳が汗にまみれる。
「ふふふ、やっぱり可愛い、七星姉さん」
朱姫がそう言いながらしつこく、『尻棒』で七星の尻の内側を円を描くように動かす。
尻の奥で肉筋が痙攣して、熱い快楽がどんどん、内膜に拡がる。
「だ、駄目えっ――。お、おかしくなる」
「おかしくなっていいんですよ、七星姉さん」
朱姫が七星の尻に挿入されている『尻棒』に霊気を注いだのがわかった。
「あふっ」
尻の圧迫感が増す。
痛みはない。
むしろ、快感が拡大する。
「反応がいいですね、七星姉さん。きっと、あたしたちと同じようにお尻が好きな仲間になれますよ」
尻が跳ねる。朱姫が『尻棒』を回す動きを少しだけ激しくしたのだ。
妖しい疼きが、はっきりとした快感に変化したのがわかった。気持ちいい。
自覚をしてしまうと、快感が強烈になった。
「三段階目まで、一気に太さを増やします。七星姉さんは、お尻の経験があるので、そこまでは大丈夫と思います。今夜はそこまでです。安心してください、七星姉さん」
『尻棒』が出ていく。
思わず声をあげるような強烈な快感が襲う。すぐに、また『尻棒』が入ってくる。
心なしか、太さが増している気がした。
七星は、息をとめた。
「七星姉さん、息を吐くんです」
朱姫が『尻棒』を挿す手を休めてから、嗜めるような声をあげた。
「だ、だって……」
「だってじゃありません、七星姉さん。息を吐いてください」
息を吐く。
入ってくる。
智淵城でなぶられ続けた記憶――。
それが蘇る。
あの不気味で、不快でしかなかった記憶――。
尻に電撃棒を入れられて、術で生やされた男根を勃起させられた恥辱――。
しかし、はっきりと、尻をなぶると宣言されて、いたぶられるのは初めてだ。
ある程度挿入すると、今度は、ゆっくりと『尻棒』が抜かれる。
押し込められるのも不快だが、抜かれていく感触はそれを上回る。
だが、不快さは快楽の裏返しでもある。
挿入されて、抜かれる……。
抜かれては挿入される……。
「ああん……ああっ……くうっ……ふくうっ」
全身の汗が、眼の前に飛び散る。
身体が熱い。
これまで知らなかった新しい快感が呼び起こされる。
「痛くも痒くもありませんよねえ、七星姉さん? 七星姉さんのお尻の穴がくぼんだり、拡がったりするのを眺めるのは、いい眺めです」
朱姫が言う。
「あ……はあ……。こ、こんなこと……。い、いつか、お、同じ目に……」
「もちろんです、七星姉さん。あたしたちは、責めたり、責められたり、そんなことを繰り返しながら、浅ましい姿見せ合っているんです。七星姉さんも、もっと、浅ましくしていいんです。そして、あたしたちも浅ましい目にいつか合わせてください」
朱姫が『尻棒』を激しくする。
「認めてください、七星姉さん。みっともなくお尻で感じていることを」
朱姫が『尻棒』を動かしている手とは、反対の手を七星の秘園に伸ばした。
「はふうっ」
肛門から拡がる快感に焦れったさを覚えていただけに、股間への新しい刺激は強烈だった。
「お尻が気持ちいいって、認めてください、七星姉さん。口に出すんです」
もう認めている。
尻を刺激されることは確かに気持ちいい。
「お尻が気持ちいいですよね、七星姉さん?」
朱姫が追い打ちをかけるように手の動きを激しくする。
「あふうっ――。気持ちいい――」
七星は叫んだ。
もう、絶頂の堰はそこまできている。
「どこが、気持ちいいです」
「……に、肉芽が」
朱姫の一方の手は、七星の股間をまさぐっている。
すっかりと濡れているらしい女陰からはいやらしい音も聞こえてくる。
「それと?」
朱姫が『尻棒』を回した。
「ひぐううっ――。お、おしりぃ――。お尻が気持ちいい」
「そうですよね。お尻が気持ちいいですよね、七星姉さん。さあ、そろそろ、お尻だけでいきましょうね」
そう言って朱姫は股間をいじくっていた手を離した。
その代わりに、さらに尻への刺激を強くする。
「ああ……あん……あんっ」
「いくときは、いくと言うんです、七星姉さん」
身体が震えはじめる。
「いくよ、朱姫。もういく――」
「勝手にいっては駄目なんですよ、七星姉さん。それがあたしたち奴隷の決まり事です」
朱姫の声が耳元でささやく。
「いっていいかい、朱姫。いくよっ――」
七星は吠えた。
欲情の猛りが肛門から股間に伝わり、そして、全身に弾けた。
今度こそ、完全に脱力した。
朱姫の『縛心術』があろうとなかろうと、身体を支えられない。
七星は、汗びっしょりの身体を横に倒れさせてしまった。
「『縛心術』を解きます、七星姉さん」
七星は肩で息をしながら、お尻に手を伸ばした。
まだ、『尻棒』が挿さったままだったからだ。
「触ってはいけません、七星姉さん」
朱姫の声が頭に響く。
再び『縛心術』だ。
「な、なんで……?」
お尻の手前で手が泳ぐのを感じながら、七星は朱姫を見た。
「それは明日の朝まで挿したままです。ご主人様に抜いてもらいましょう。あたしが、ちゃんと七星姉さんを調教した証拠になりますし」
「じょ、冗談じゃないよ。そんなことをなったら、あの変態巫女があたいにどんな仕打ちを重ねるかわかったもんじゃないじゃないか」
それだけは嫌だ。
尻に淫具を挿したままの七星を見れば、宝玄仙は、きっと、尻から淫具を抜くなんてことはせず、それをずっと入れたまま一日歩かせるくらいはする。
それだけじゃない。もっと、嫌がらせをする。
多分……。
いや、絶対に……。
「いやですか、七星姉さん?」
朱姫がくすくすと笑った。
「いやに決まっているよ。お前もわかるだろう? それだけは勘忍してよ」
七星は手を合わせた。
こうなったら、恥も外聞もない。
「だったら、もうひとつ条件を出しましょう。それができなければ、抜いてあげません」
朱姫が指を鳴らした。
お尻の『尻棒』が小刻みの振動を始める。
「ひうっ」
七星は声をあげた。
抗議しようとして朱姫を見る。
しかし、朱姫はすっかりと欲情しきった表情になっていた。淫乱な雌の顔だ。
その朱姫が、貫頭衣を脱いで下着姿になる。
そして、その下着も取り去り、全裸になった。
燭台の光だけだが、朱姫の身体が汗ばみ、上気しているのがわかる。
朱姫が、七星に背を向けて、さっき七星がとっていたうつ伏せで尻を掲げる姿勢になった。
「あたしもお尻が疼くんです。舌で、七星姉さんの舌でいかせてくれませんか。お願いします」
朱姫の声は震えていた。
欲情の震えだ。
七星は、朱姫の尻に身体を寄せると、可愛らしい朱姫の肛門に舌を這わせた。
「あはあっ」
朱姫が声をあげる。
「う、うう……」
朱姫が感じているのと同じように、七星も尻の淫具から受ける振動に感じていた。
だけど、これで攻守逆転ということか?
朱姫の手のひらの上という気もするが……。
「気持ちいいかい、朱姫……。気持ちよければ、そう言うんだよ」
七星は静かに言った。
そして、朱姫の肛門に舌を動かす。
「き、気持ちいいです――。ふわああっ――。もう、いくっ」
「馬鹿だね、速すぎるだろう」
七星は笑いながらそう言うと、二度、三度、四度と、強く朱姫の肛門の周りを舐めあげる。
そして、舌を蕾めて朱姫の尻の穴に入れるように力を入れた。
「いきます。いっていいですかあ――」
朱姫が叫ぶのと、身体を震わせて仰け反るのとが同時だった。
本当にこれだけで達したのだ。
七星は、呆気にとられながらも、自分の中に妖しい気持ちが拡がるのを感じた。
「奴隷は、許可なくいっちゃいけないんじゃないのかい、朱姫?」
七星は言った。
「うう……。その通りです。罰をください」
朱姫が弱々しく言った。
「だったら……」
七星は声を強くした。
「……さっさと、あたいのお尻に入っているものを抜くんだよ、朱姫」
「それは駄目です」
朱姫が悪戯っぽい声でそう言うと、尻の淫具の振動が大きくなる。
「ひゃあっ」
七星もまた、大きな声をあげて、快感に身体を仰け反らせた。
朱姫がけらけらと笑った。