※この作品はR-18です。

嗜虐西遊記【完結】   作:ドン・ドナシアン

169 / 819
169 半妖少女への懲罰

 沙那は、気がついた。

 風景が一変している。

 

 あの白い柱の公園だ。

 如意仙女(にょいせんじょ)の洞府へ『移動術』によって跳んだ場所だ。

 孫空女と朱姫もいる。

 三人とも全裸だったが、二番目の部屋で脱ぎ捨てた服も装具もそばにある。

 

「沙那、見て」

 

 孫空女が言った。

 服のほかに、如意仙女のいた部屋にあった水甕が、そのまま、ここにある。

 その中にはたっぷりと水が蓄えられていた。

 

「如意仙女の贈り物ということですね」

 

 朱姫が服を着ながら言った。

 もっとも、朱姫の服はもうぼろぼろだったから、着るというよりは、巻くという感じだ。

 

「これもあるわ」

 

 沙那の手には、あの如意仙女につけさせていた赤い首輪もある。

 

「如意仙女の首輪かい?」

 

 孫空女が沙那の手の中を覗きつつ言った。

 

「そうよ、孫女。これは、とっておくわ」

 

「とっておいてどうするのさ」

 

 身支度の速い孫空女は、もう、ほとんど服を着終わっている。

 

「わたしたちだって、ご主人様に秘密があってもいいわ。如意仙女ほどの存在の力を封じる首輪だもの。ご主人様にも効果があると思うわ」

 

「なるほどね」

 

 孫空女もにやりと笑った。

 

 そして、怪力の孫空女が水をたたえた水甕を抱えて居酒屋に戻る。

 女主人が店の支度をしていたので、如意仙女から、落胎泉(らくたいせん)を貰ったと説明した。

 彼女は、眼を丸くして驚くとともに、使い残りの水は置いていくと言うと、声をあげて喜んだ。

 

 一緒に行こうというのをうまく断り、三人だけで宝玄仙の寝ている住居側の客間に進んだ。

 水甕は玄関に置き、水筒の水だけを持って、宝玄仙のところまで戻る。

 部屋の前まで行くと、中から談笑が聞こえた。

 七星の笑い声もする。

 

「なんでしょう?」

 

 朱姫が言った。

 

「さあ」

 

 沙那は部屋の戸を開いた。

 

「ご主人様、戻りました」

 

 沙那は膝をついて言った。

 

「ああ、待っていたわ。苦しかったのよ」

 

 その口調で、宝玄仙ではなく、宝玉だと気がついた。

 

「宝玉様かい?」

 

 孫空女も言った。

 

「そうよ。宝玄仙は苦しそうだったから、わたしが変わったの。でも、わたしもさすがにつらかったわ。もっとも、つらくなったら、七星が素敵なことをしてくれるので、これはこれで、よかったけど……」

 

 宝玉が微笑んだ。

 

「あたいと宝玉さんは、もう仲良しさ。宝玄仙さんには悪いけど、こっちの宝玄仙さんは、いつもの宝玄仙さんの一万倍はいい人だね。あたいは、すっかりと打ち解けちゃったよ」

 

 七星は笑って言った。

 

「と、とにかく、落胎泉の水をお飲みください」

 

 沙那は、朱姫に持たせていた水筒を差し出させた。

 七星が受け取り、枕元の器に入れ直して、宝玉の口に持っていった。

 

「宝玉さん、ほら」

 

 七星が宝玉を抱き起こして、その口に当てる。

 

「あら、口移しで飲ませてくれないの、七星?」

 

 宝玉が甘えた声を出す。

 

「勘忍してよ。得体のしれない水なんて口にしたくないんだよ。普通の水で、さんざんやってあげたじゃないか」

 

「ああん、じゃあ、またやってね」

 

 宝玉は、落胎泉の水を飲んだ。

 するとみるみるうちに、宝玉の顔に生気が戻る。

 

「凄い効果ね。もう、苦しいのが取れてきたわ。ありがとう、みんな。宝玄仙の分もお礼を言うわ」

 

「とんでもありません。とにかく、安心しました」

 

 沙那は言った。

 

「ところで、朱姫……」

 

 宝玉が、七星の支えを外させながら朱姫に視線を向けた。

 もう、身体を動かせるようになったようだ。

 宝玉は、寝具の上で上半身を起こした姿でいる。

 服を着ていないので、かたちのいいふたつの乳房が露わだ。

 腰から下は、薄い掛布で覆われている。

 

「はい、なんでしょう、宝玉様?」

 

 朱姫は言った。

 

「七星から聞いたわ。あなた、随分と七星に酷いことをしたみたいね」

 

「えっ? い、いえ……。あっ……、あのう、それは、ご主人様が……」

 

「黙りなさい。宝玄仙が気まぐれであり、悪戯好きで調子に乗りやすいのは、わたしも申し訳ないと思うし、謝るけど、あなたまで調子に乗って、同じ仲間に手酷い悪戯をするなんて、どうかと思うわ。お仕置きが必要ね」

 

「え、ええっ?」

 

 朱姫は声をあげた。

 沙那は宝玉を見た。

 顔は笑っているが眼は真剣だ。

 宝玉は本気らしい。

 

「来なさい、朱姫」

 

 朱姫が蒼い顔をして、宝玉のそばまで進む。

 宝玉が、朱姫の首に手を伸ばす。

 

 かちゃりと音がした。

 

「ひいっ。な、なにをつけたのですか、宝玉様?」

 

 朱姫の顔が引きつる。

 宝玉は、掛布の下から首輪を取り出したのだ。

 そして、それを朱姫の首にはめた。

 

「霊具の淫具よ、朱姫。あなたも覚えがあるでしょう? 宝玄仙が以前、あなたに嵌めたもので、わたしが外してあげたものよ。日に三度、お尻で自慰をしなければ、身体が欲情して苦しくなるあの首輪よ。しばらく反省なさい」

 

「そんなあ――。七星姉さんのことは……、あ、あれは、ご主人様の命令なんです。本当です――」

 

 朱姫は泣きべそをかきかけている。

 

「言い訳は無用よ。あなたも面白がって、七星に酷い仕打ちをしたのは事実なんでしょう? とにかく、それをしていなさい。しばらくしたら、外してあげるし、あなたは悪くないと判断して、宝玄仙がそれを外すなら、それでいいわ。だけど、宝玄仙が外してくれないなら、わたしが外すまで、また、お尻を日に三度、みんなの前で慰める日々を過ごしなさい」

 

「お願いします、宝玉様。反省します――。反省しますから」

 

 朱姫が眼に涙を溜めながら哀願する。

 

「罰は罰よ、朱姫。効果がでるのは明日からよ。しっかりと反省しなさい。それと、今度は、自慰じゃなくて、日に三度、他人にやってもらわければ、淫情から解放されないように術をかけたわ」

 

「そんなあ……」

 

「しかも、お尻以外の部分では達することができなくしてあるわ。淫情を解放してくれる唯一の首輪と連動するお尻用の張形は、七星に渡して置いた。果てしない淫情で苦しみたくなければ、宝玄仙を含めた他の四人の誰かに、それでお尻を慰めてもらうのよ。まずは、七星に渡しておいたから。七星にお願いして、お尻を責めてもらいなさい。いいわね、朱姫」

 

「お願いです。許してください、宝玉様」

 

 朱姫も必死の態度だ。

 しかし、あれは、もう無駄だ。沙那は確信した。

 

「そういうわけだから、苦しくなったら言いな、朱姫。お前がいい娘だったら、お前の尻を慰めてやるよ。だけど、あたいが気に入らない態度をとれば、そのままだ」

 

 七星が宝玉が渡したのであろう、細い張形を手で振りながら言った。

 

「か、勘忍してください、七星姉さん」

 

 朱姫が肩を落とした。

 

「じゃあ、わたしは、一度寝るわ。眼が覚めたら、宝玄仙に戻っていると思うから。みんな、またね」

 

 宝玉は横になった。

 すぐに寝息が聞こえてきた。

 

 

*

 

 

 

 宝玄仙が爆笑した。

 南に向かう街道だ。

 旅人の姿はほとんどない。

 だが、街道は整備されていて楽な旅だ。

 街道は、女人国の国都に繋がっているはずで、十日も歩けば、そこに到着するだろう。

 

 孫空女は先頭を歩いていたが、宝玄仙が昼餉にしようと言ったので、沙那と支度をしていた。

 すでに宝玄仙は、道端に結界を組み、椅子代わりの石に腰掛けている。

 

「それで、宝玉に、あの首輪を嵌め直されたのかい、朱姫。これは傑作だね。七星の調教を命じたお前が、今度は七星に調教されるというわけだ。せいぜい、励むといいよ」

 

 宝玄仙は笑っている。

 万が一にも、宝玄仙が朱姫の首輪を外すわけがないと思ったが、わずかな期待を抱いていた朱姫が、完全に意気消沈して、宝玄仙の前で座り込んだ。

 

「じゃあ、朱姫、さっそく、やろうじゃないか。尻をめくって、こっちに向けな。宝玄仙さんの前で、やってやるよ。昼餉の支度は、沙那と孫空女がやるってさ」

 

 七星が張形を取り出しながら言った。

 孫空女はそれを横目で眺めた。

 昼餉の支度といっても、それほどのことがあるわけじゃない。

 出発前に、宿屋代わりにしていた居酒屋の女主人から購った鶏肉の燻製の塊りを数切れずつ切って、人数分の皿に載せるだけだ。

 すでに沙那が切り終えて、孫空女が並べた木皿に載せ終わっている。

 

 沙那は、今回のことで、少しも朱姫を庇う気がないようだ。

 宝玉にもなにも言わなかったし、宝玄仙にも、宝玉が朱姫に対する罰として、そうやったと説明しただけだ。

 とりなしを頼んだ朱姫にも、しばらく反省しろと冷たく突き放していた。

 

「な、七星姉さん、お願いします……。朱姫の……お尻をほじってください」

 

 朱姫が頭を地面につけて跪き、貫頭衣の裾をまくってお尻を出した。

 下着は、立て膝になった膝までずりおろされている。

 

「どうしようかなあ。この前は、手酷い仕打ちを受けたしね」

 

 七星はにこにこ笑っている。朱姫に仕返しができるのが、本当に愉しそうだ。

 

「七星、気が進まなければ、朱姫の尻なんて、慰めてやらなくてもいいのさ。晩まで放っておけば、淫情で苦しみもがき始めているから、そこまで待てば、朱姫のお願いにも熱が入るというものさ。最初の頃に五日ほど放っておいたことがあるから、その程度じゃあ、発狂しないことは確認済みさ」

 

 宝玄仙だ。

 面白いことだけが好きな宝玄仙は、七星と一緒になって朱姫をいたぶることに悦に入っている。

 可哀そうだが、宝玄仙が気まぐれにも朱姫を解放することはなさそうだ。

 しばらく、朱姫の調教係は七星ということになるのだろう。

 

「そ、そんな。もう、苦しいです。つらくなってきているんです。七星姉さん、もう、お願いします」

 

 朱姫は頭を地面につけながら言った。

 確かに、朱姫がもう魔具のために欲情しているのはわかる。

 剝き出しになった朱姫の下半身は、もう紅く火照っているし、全体に脂汗のようなものが浮かんでいる。

 

 支度が終わったので、孫空女は沙那と一緒に、少し離れた場所で、三人が落ち着くのを待った。

 沙那も、じっと朱姫や七星の様子を見ている。

 宝玄仙の合図があれば、昼餉の燻製肉を配るのだが、しばらくはかかりそうだ。

 

「そうだね。明日くらいまで放っておくかな。今朝もやってやったじゃないか、朱姫。一日一回でいいだろう? あたいは、飽きちゃたんだよ。一日一回。そうしよう。うん」

 

 七星は言った。

 

「勘忍してください、七星姉さん。そんなに放っておかれたら、朱姫はおかしくなってしまいます。これまでのことは謝りますから……。お願いです、お情けをください。お願いします」

 

 朱姫は、地面に顔をつけたまま、顔を七星に向けた。その表情は必死だ。

 

「飽きたって言っているだろう、朱姫。お情けが欲しければ、あたいが興を感じるようなことをやりな」

 

 七星は言った。

 

「な、なにをやればいいのですか、七星姉さん?」

 

「自分で考えるんだよ――。と言いたいけど、まあ、最初だからね。じゃあ、自分で肉芽の皮をめくって、百回擦りな。数をかぞえながらね。そうしたら、お情けをやるよ」

 

「だ、だって、首輪のせいで、普通じゃいけないんです。お尻以外のところで刺激を受けると、いけない苦しみが増えるだけで、苦しくなるんです、七星姉さん。日に三回――。三回は必要なんです」

 

「知らないよ。よく考えれば、あたいがお前の尻を日に三回もほじるなんて、面倒なだけじゃないか。あたいは、お前の奴隷じゃないんだ」

 

「も、もちろんです、七星姉さん。奴隷はあたしです。お願いですから、日に三回やってください。そうしないと、本当に苦しいんです」

 

「だったら、苦しめばいいだろう。それに、あたいは、どうしたら、あたいが面白いと思うのか、教えてやっているんだ。気が進まなければ、やらなきゃいいだろう――。さあ、もう、食事にしよう」

 

 七星がぴしゃりと言う。

 本来、七星には嗜虐癖もなければ、しつこく他人を追いつめるような性格も持っていない。

 あんな風に朱姫に言っているのは、本当にこのところの朱姫の仕打ちに腹を据えかねていたに違いない。

 まあ、沙那ではないが、朱姫の身から出た錆かもしれない。

 

「わ、わかりました。やります。朱姫は、百回、肉芽を擦ります。それで、昼の分をお願いします、七星姉さん」

 

「ちゃんと、感じるように本気でやらないと駄目だよ、朱姫。手を抜いているとあたいが判断したら、最初からやり直しだからね。あたいの眼はごまかせないよ。本気でやっているかどうかなんて、見ていればわかるんだ」

 

「わかっています。命令に従います。だから、日に三回――。三回、お願いします」

 

「さっさと始めな、朱姫。百回擦れば、昼の分を一回やればいいんだろう」

 

 宝玄仙は、七星と朱姫の様子を愉しそうに眺めている。

 いつもの宝玄仙だ。

 昨日まで、照胎泉(しょうたいせん)の水を飲んで身体が起きあがれないくらい苦しんでいたとは信じられない。

 如意仙女(にょいせんじょ)からもらった落胎泉(らくたいせん)を飲んだ後、宝玄仙の身体は、そのまま今日の朝まで眠り続けた。

 眼を覚まさない宝玄仙を心配はしたものの、照胎泉で苦しんでいたときとは異なる穏やかな呼吸に安心もしていた。

 

 そして、今朝――。

 宝玄仙は起きあがり、完全に復活していた。

 沙那が簡単に事情を説明し、宝玄仙はわかったと返事をして、すぐに旅を再開すると告げた。

 それで、部屋に置いてくれた居酒屋の女主人に礼金とともに、お礼を言い、そして、あの女医のところにも赴いて感謝の言葉を伝えた。

 

 それで出発した。

 そのお礼回りのあいだに、七星は、最初の尻ほじりを朱姫にやったようだ。

 宝玄仙が休んでいた部屋と供が寝泊りしていた部屋は異なるので、宝玄仙は七星が朱姫の尻を責めるのを見なかったのかもしれない。

 

「ああ……やります。やりますから……。一、二……」

 

 朱姫が尻を高くあげた姿勢のまま、片手で股間を擦りはじめた。

 すぐに情感のこもった声が朱姫の口から洩れだし、身体を震わせはじめる。

 

 十五をかぞえたところで、朱姫の身体は、最初の絶頂の仕草を示した。

 しかし、それが偽物の絶頂であることを孫空女も知っている。

 あの首輪をしている限り、尻以外ではいけないらしい。

 ともかく、宝玉がそう施したのであり、達したと思うだけで、決して達することはなく、絶頂と同じ快感を受けることで、絶頂寸前の状態で身体の反応が止まってしまうようだ。

 それから後は、絶頂するはずなのに、絶頂しなかった苦しみが続くだけだ。

 

「はひっ、おうっふ……ひぃ――。もう……た、堪ら……ない……三十二……三十三……ああ、また、いく――。三十四――。やっぱり、いけない――。苦しいよう……さ、三十五……」

 

 途中から朱姫の声は、完全に泣き声に変わった。

 何度も背が浮きあがり、嬌声も漏れる。

 しかし、絶頂した時の独特のよがり声と身体の反応だけはない。

 肉芽を擦りながら、何度も何度も絶頂寸前の苦しみだけを繰り返し味わっているに違いない。

 

「……九十……きゅ、九……ひいっ……ひゃ、百――。お、お、終わりました……な、七星姉さん―――」

 

 朱姫は息も絶え絶えに言った。

 

「ああ、約束だからね。お尻にお情けをあげるよ」

 

 七星は、朱姫の剝き出しにお尻に無造作に張形を突き挿した。

 

「はにゃあぁぁぁ――」

 

 いきなり肛門に張形を突き挿された朱姫は、絶叫を口から迸らせた。

 しかし、その声には、はっきりとした愉悦も混じっている。

 

 七星の挿した張形は、もう、ぎりぎりまで埋まっている。

 痛みもあるはずだが、それよりも、朱姫は淫欲が暴れ回って苦しい熟れきった身体が、やっと解放される悦びでいっぱいでもあるようだ。

 挿しただけだというのに、すでに朱姫は絶頂の寸前の仕草を示している。

 

「一」

 

 七星はそう言い、すぽんと張形を朱姫から抜いた。

 しばらく待っても、それ以上なにもないので、朱姫は、顔をあげて、七星を見て呆然としている。

 

「あ、あの……ま、まだ、終わっていません」

 

 すると七星がげらげらと笑いだした。

 

「あんまり、日に三回だの、昼の一回だとのうるさいから、言った通りにしてやっただけじゃないか。百回擦れば、一回――。一回やってやったよ。満足だろう、朱姫?」

 

「ち、違います。その一回じゃありません。一回、達するという意味で……」

 

「あたいは頭が悪いからねえ。ちゃんと説明してもらわないとわからないじゃないか、朱姫。そうかい、百回肉芽を擦れば、一回達しさせてもらえると思ったんだね、朱姫。じゃあ、もう一度、やりな、朱姫。でも、一回は一回だ。百回に擦るたびに、一回ほじってやる。いま、お前が貰えるお情けはそれだけさ、朱姫」

 

「それじゃあ、いけません――。お願いです、七星姉さん。もう、意地悪しないで」

 

「百回に一回だよ。その代わり、次の一回は、挿したままにしてやるよ。挿したままなら、お尻を一生懸命に振れば、気をやれるんじゃないか?」

 

「そ、そんなあ」

 

 朱姫は泣き出した。

 

「嫌ならやらなきゃいいよ。さあ、宝玄仙さん、そろそろ、食事しようよ」

 

「そうだね」

 

 宝玄仙は笑ったまま言った。

 孫空女は沙那とともに、木皿を配った。

 朱姫の分は、地面につけた顔の前に置く。

 

「やります……。百回、またやります」

 

 朱姫は、泣き声で言うと、また、数をかぞえながら自分の股間を擦りはじめた。

 すぐにおこりのような反応を身体が示す。

 だが、やっぱり偽物の絶頂なのだろう。嬌声がすぐに悲鳴に変化する。

 そうやって、何度も苦しい絶頂の仕草だけをして、やっと百回が終わる。

 七星が、朱姫のお尻に張形を突き挿した。

 

「ほら、存分に愉しみな」

 

 七星がにやりと笑う。

 

「ひんっ――ひいっ――はあ……はっ――」

 

 朱姫が、悲鳴だかよがり声だかわからないような声を出しながら、猛烈な速さでお尻を振りはじめた。

 

「ひいっ――やっと、やっと、いけます――。もう、ああ……いきます……はひゃあっ――いくっ――」

 

 甲高い声が朱姫の喉から吹き出る。身体が限界まで仰け反っている。

 しかし、その声が、これまでで一番大きな悲鳴に変化した。

 

「駄目――、いけない――。ああっ……、駄目です。いけないんです、七星姉さん」

 

 朱姫が叫んだ。

 すると、七星がまた笑った。

 

「当たり前だよ、朱姫。お前、宝玉さんの話のなにを聞いていたんだよ。自分でいじくったって達しないと言っただろう。それは、肉芽も尻も同じさ。あたいが手を離して、お前だけが腰を振れば、自慰と一緒じゃないか。いけないんだよ。あたいの手が添えてなければね」

 

 七星は言った。

 

「だったら、手を……手を添えてください。もう、限界なんです、七星姉さん」

 

 朱姫は泣き叫んだ。

 

「あたいの分は、ここまでさ。夜は必ずやってあげるよ。それまで我慢しな」

 

 七星は、話はこれで終わりというように、木皿を手に取った。

 そして、肉を食べ始める。

 

「後生です。お願いです。お情けをください、七星姉さん」

 

 朱姫が起きあがり、七星の前で手を合わせた。

 七星は、冷たく首を横に振る。

 

「あたいは終わり。孫空女か、沙那に頼めばいいだろう」

 

 七星は言った。

 朱姫がこっちにやってきた。

 

「お願いします。このままじゃあ、朱姫は、おかしくなってしまいます」

 

 朱姫の顔は淫情に呆けたようになっている。

 真っ赤に上気した顔は、涙と鼻水で汚れるとともに、絶頂寸前で放置されて達することのできない苦しみが浮かんでいる。

 

「……と朱姫が言っているけど、どうする、沙那?」

 

「わたしは、通天河(つうてんが)を渡る前に、朱姫に食堂で『影手』でわたしの身体を弄ばれたことを忘れてないわ。それからも、何度も『影手』を遣って道端で悪戯をされたし……。七星の言う通り、夕方まで、そうやっていればいいと思う。本当は、明日の朝まででもいいと思っているわ」

 

「そんな、沙那姉さん――。じゃあ、孫姉さん、お願いです。もう、反省しています。このところ、調子に乗っていました。悪かったと思っています」

 

「そう言えば、朱姫は、このところ、あたしにも意地悪いよね。霊感大王(れいかんだいおう)の洞府で、容赦なくあたしの身体を責めたてたしね――。ご主人様のところに行きな。あたしらになにを言っても、お前にお情けをしてやるつもりには、当分ならないから」

 

 朱姫が泣き顔のまま、宝玄仙に振り向いた。

 

「実は宝玉に言われてるんでね、朱姫。お前にお情けをくれるのは、七星か、沙那か、孫空女だ。わたしは、この件には関わらないよ。ただ、面白いから見物はさせてもらうけどね」

 

 宝玄仙は言った。

 すると、朱姫がわんわんと泣き出した。

 まったくの飾りもない。

 心の底からの号泣だ。

 地面にしゃがんで声をあげて泣いている。

 下着は、膝に引っかかったままだ。

 近づいた七星が、朱姫を強引に四つん這いにさせた。下袍をめくりあげる。

 

「じゃあ、今回は、これくらいで勘弁してやる。もう、調子に乗るんじゃないよ」

 

 七星は、肛門に挿さったままだった張形を激しく前後しはじめた。

 

「はひいっ――あり、ありがとう、ひいっ……ああ……ございます……いいっ、はひっ……はっ、はっ、ああっ……」

 

 七星が張形を出し入れするたびに、朱姫は官能の叫び声をあげた。

 そして、絞り出すような声を発して、朱姫の身体は硬直し、そして、がくがくと痙攣した。

 

「うわっ」

 

 七星が朱姫の身体から飛びのいた。

 朱姫は、身体こそ倒しはしなかったが、感極まったのか絶頂すると同時に、股間から小便を洩らしたのだ。

 

「ご、ご免なさい、七星姉さん。つい、出ちゃったんです」

 

 朱姫は泣き声のまま言った。

 その股からは、まだ小便が迸り続けている。

 そんな朱姫に、沙那が近づいて、その顔をそっと抱いた。

 孫空女も、そばまでいき、頭を擦る。

 

「皆さん、謝ります――。朱姫は、このところ悪い娘でした」

 

 朱姫は叫ぶように言った。

 

「まあ、そんなことないわ。これは、お遊びよ、いつもの。朱姫は朱姫でいいのよ」

 

 沙那が朱姫を抱いたまま言った。

 朱姫の嗚咽がますます激しくなる。

 

「それにしても、七星、責め方も、追いつめ方もなかなか、板についているじゃないか。感心したよ。しばらくは、朱姫を預けるよ。朱姫を調教してみな。嗜虐する愉しさが理解できるはずだから」

 

 宝玄仙が言った。

 

「もういいよ。あたいは、これで気が済んだし、やっぱり、人を責めるのはあたいには向かない気がする。朱姫のことは、宝玄仙さんに委ねるよ」

 

「そ、そんな、七星姉さん、見捨てないで――。お願いです。朱姫を躾けてください。なんでも言うことをききます」

 

 朱姫が声をあげた。

 それはそうだろう。

 七星は、あまりわかっていないから、宝玄仙に朱姫のことを委ねると言ったのだろうが、朱姫からすれば、地獄のような宝玄仙の調教を受け直すよりは、七星がいいに決まっている。

 結局は、七星は朱姫の尻をほじってやったが、宝玄仙だったら、本当に五日くらいは放置責めする。

 それこそ、発狂寸前まで放っておくくらいのことは笑いながらやる。

 

「あたいがお前を躾けるの?」

 

 七星は顔をしかめた。

 

「お願いします。奴隷になりますから、七星姉さん」

 

 朱姫が必死の様子で頭を下げた。

 

「はあ」

 

 七星が嘆息した。

 

「この通りです」

 

「よくわからないけど、わかったよ、朱姫」

 

「ありがとうございます」

 

 朱姫がほっとした表情をした。

 

「そうと決まれば、七星、お前には、奴隷の主人としての心構えを教えるよ。教えると言っても、体験した方がいいからね――。朱姫、立ちあがって、手を後ろに回しな」

 

「は、はい」

 

 朱姫が宝玄仙の命令のまま、手を後ろに回すと、宝玄仙がとりだした手錠を朱姫の手首にかけた。

 朱姫がぎょっとした顔をする。

 

「七星、朱姫は、しばらくはこのままだ。明日から、朱姫は、後ろ手のままでも着られるように処置をした服だけを着させな。奴隷の世話は、奴隷の主人の基本だ。しばらくは朱姫はなにもできない。着替えも、身体を拭くことも、糞尿だってひとりではできないだろう。面倒看てやりな」

 

「なんだよ。それじゃあ、あたいが奴隷みたいじゃないか」

 

 七星が不平を言った。

 

「それじゃあ、逆転してもいいけどね。お前が後ろ手に拘束されて、朱姫が世話をするのさ。それがいいのかい?」

 

「わかった。やるよ、畜生――。朱姫、脚を拡げな。小便を垂らした股を拭いてやるから。そしたら、汚れた下着を交換してやる。食事は口でしな。皿が地面に置いてあるから、犬みたいに喰えるだろう?」

 

「わ、わかりました。それと、よろしくお願いします」

 

 朱姫が、紅く顔を染めて脚を開いた。

 その股間に布を持った七星の手が伸びる。

 

「しばらくは、ご主人様も七星と朱姫で遊びそうね」

 

 沙那が孫空女の耳元でささやいた。

 

「つまりは、あたしらは解放されるということかい」

 

「大いなる平和ということよ」

 

「いいねえ、平和、最高――」

 

 孫空女もしっかりと沙那に頷き返した。

 

 

 

 

(第27話『女神の試練』終わり)






 *


【西遊記:53回、如意真仙(にょいしんせん)】

 玄奘一行は、女人(にょにん)国に渡る河岸に着きます。
 そして、たまたまやって来た舟の船頭に向こう岸に渡らせて欲しいと頼むと、船頭は快く引き受けてくれます。
 孫悟空は、その船頭が陽に焼けた女であることに気がつきます。

 向こう岸に到着したところで、玄奘と猪八戒が喉の渇きを潤そうと、何気無く河の水を飲みます。
 すると、途端にふたりが腹痛で苦しみだします。

 孫悟空たちは、とりあえず近くにあった居酒屋にふたりを連れていき、事情を説明して助けを求めます。
 居酒屋には老女がふたりいて、苦しむふたりを引き付けてくれます。
 その老女たちによれば、あの河は「子児河(しごかわ)」といい、その水を飲めば、男でも妊娠してしまうということでした。つまり、玄奘と猪八戒の腹痛は妊娠によるものだと説明してくれます。
 孫悟空はびっくりします。

 つまり、男がいない女人国では、そうやって子供を作るのだというのです。
 老女たちは、国都には「照胎泉(しょうたいせん)」という泉があり、それを覗けば妊娠しているのが、男児か女児かがわかり、破嬰洞(はえいどう)にある「落胎泉(らくたいせん)」という水を飲めば、堕胎でできることなどを教えてくれます。
 ただ、いまは、落胎泉は、如意真仙(にょいしんせん)という妖魔が独り占めをしているということでした。

 孫悟空は、破嬰洞にやってきます。
 そこにいた如意真仙という妖魔に、泉の水を寄越せと迫ります。
 しかし、如意真仙は、あの紅孩児(こうがいじ)の叔父でした。そして、紅孩児の一件を恨んでいて、水を渡そうとしません。
 孫悟空は強引に奪って戻ろうとしますが、孫悟空が水を汲もうとすると、如意真仙は邪魔をし、そうかといって、まともに戦おうともしません。
 どうにも、うまくいかない孫悟空は、一度戻って手助けを連れてくることにします。

 孫悟空は、今度は沙悟浄と一緒に、破嬰洞に行きます。
 今度は、孫悟空が戦っている隙に、沙悟浄が落胎泉の水を汲むことに成功します。
 孫悟空は、命まで奪う必要もないと、如意真仙を許して水だけを持って立ち去ります。

 玄奘と猪八戒は、落胎泉の水で堕胎に成功しますが、ひどい下痢にしばらく苦しむことになります。
 ふたりの回復後、一行は、通行手形に印をもらうために、女人国の国都に向かいます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。