息が……。
息が止まっている。
「ブヒィ――」
口から豚の鳴き声が迸った。
それとともに大量の息が入ってくる。
「気がついたかい。宝玄仙の調教の途中で気を失ってしまうとは、まだまだ、精進が足りないねえ」
宝玄仙だ。
顔の前に宝玄仙がいる。
二本の指を七星にかざしている。
どうやら、寝台ではなくて床に降ろされているようだ。そして、屈んだ宝玄仙が七星の鼻をつまんでいたらしい。
「ブヒィ」
口から豚の声が迸る。
拘束は解けている。
しかし、身体が動かない。
全身が鉛のようだ。
熱い。全身の疼きは続いている。
なによりも股間が……。
「ブヒィ――」
手をいきなり宝玄仙に踏みつけられた。
「なに勝手に、股ぐらに触ろうとしているんだい、七星。勝手に触るんじゃないよ」
宝玄仙が怒鳴った。
宝玄仙は手に乗馬鞭を持っている。
怒鳴り声とともに、それで近くの壁を叩いて、大きな音をさせた。
「ご、ご主人様、あ、あのう……七星はなぜ、そんな声……?」
沙那の声だ。
七星は声の方向を振り向いた。
そこには、沙那だけじゃなく、孫空女と朱姫もいた。
どうやら、隣室でやっていた「道術錠」の解除が終わったのだろう。
しかし、三人とも全裸だ。
そして、ぎょっとした。
三人の股間には、紛れもない男根がそそり勃っている。
宝玄仙の道術で生やされたに違いない。
あの
「豚の声のことかい、沙那? こいつは、今日から、わたしらの家畜だ。そのうちに乳房から乳も出るようにするつもりだよ」
宝玄仙は笑った。
沙那だけじゃなく、孫空女と朱姫も顔をひきつらせた。
「あ、あのう……可哀そうでは……」
沙那が控えめな声をあげた。
「なんだって、沙那?」
宝玄仙が立ちあがって沙那をじろりと睨んだ。
「ひっ」
沙那の顔が真っ蒼になって、身体を竦みあがらせた。
「だけど、家畜ってどういう……」
今度は孫空女が口を挟んだ。
しかし、宝玄仙が持っていた乗馬鞭を叩きつけて、孫空女の言葉を阻んだ。
だが、宝玄仙が打ち据えたのは、七星の太股だ。
「ブフイイィ」
七星は豚の声で悲鳴をあげた。
「もう決めたんだ。文句言うんじゃないよ――。沙那は玩具。孫空女は奴隷。朱姫は家来――。そして、四匹目は家畜だ。家畜には家畜に相応しい扱いがあるんだよ――」
宝玄仙がまたもや、乗馬鞭を七星に叩きつけた。
「ブフィ――」
「ひいっ」
七星の悲鳴とともに、朱姫の泣くような声もした。
「まあ、いつまでも豚の声じゃあ、愉しくないしね。人間の言葉を返してやるよ、七星」
道術が走った。
「なにか言いたいことがあるかい、七星? 人間の言葉が喋れるうちに喋っときな」
宝玄仙が床の上の七星を見下ろす。
「も、もう……ゆ、許して……」
七星は、心からの恐怖を抱きながら言った。
すると宝玄仙が笑い出した。
「こんなところで許したら、お前はおかしくなってしまうよ。お前は、この宝玄仙の寸止めを繰り返し味わって、気を失ってしまったんだよ。ただれるような疼きも痒みもそのままだろう?」
宝玄仙の言う通りだった。
全身が熱い。
特に、何度も掻痒剤を塗られた肛門と肉芽が熱い。
痛みのような掻痒感に襲われている。
でも、それでも解放して欲しい。
訳のわからない、性の地獄から逃げたい……。
「許して……」
「同じことを何度も言うんじゃないよ、七星。まだ、頭が馬鹿なのかい?」
宝玄仙が笑った。
「お、お願い……し、します。もう、勘忍……」
「やかましい――」
宝玄仙が怒鳴った。
その権幕に七星は驚いたが、それよりも、宝玄仙の後ろの三人の顔が一斉に真っ蒼になった。
三人が抱き合うように身を寄せ合う。
「いまから、こいつらが、お前を繰り返し犯す。黙って、向こうを向いて、四つん這いになって股を拡げな、七星」
「よ、四つん這い……?」
七星は、呆然とした。
すると、宝玄仙の形相が険しくなり、大きな音を立てて、足で床を踏んだ。
七星は、慌てて身体を起こして、四つん這いになる。
「もっと、肢を拡げるんだよ、七星」
宝玄仙が背後から大きな声を浴びせる。
七星は肩幅の二倍くらいに股を開く。
「もっとだよ――」
さらに開く。
これ以上は、開けない。
なにかが身体に入ってきた。
宝玄仙の術だ。
今度は、どういう術をかけられたのか……?
「七星、この朱姫が以前、銀角という雌妖にかけられたのと同じ術をかけてやったよ。朱姫、さっき説明した内容を七星に教えてやりな」
宝玄仙の声がする。
いまのところ、身体に変調はないが、淫靡な魔術に違いない。
それに、あまりにも身体が熱く、痒い――。
こうやって、じっとしているだけで狂いそうだ。
しかし、いまの宝玄仙に逆らって勝手に動けば、どんな性の拷問を追加されるかわからない。
「な、七星姉さんにかけられた術は、七星姉さんの性感がゆっくりになる術だと思います……」
朱姫が震える声で言った。
その口調は、完全になにかに怯えているようだ。
さっき、沙那たちは隣の部屋で惨い目に遭わせていると宝玄仙が言っていた気がする。
それで、恐怖が染みついてしまった状況なのかもしれない。
「ゆ、ゆっくりって……?」
それにしても、性感がゆっくりになるという意味がわからない。
なんなのだろうか。
「味わえばわかるよ、七星。それよりも、お前は、今日から、この一行の最下等の家畜だよ。わたしだけじゃなくて、こいつらにも丁寧な口を利くんだ。わたしのことは、“ご主人様”。こいつらには、それぞれ、“様”をつけて呼びな。わかったかい?」
「わ、わかりました……。ご、ご主人様」
自然に言葉がでてきた。
とにかく、いまは逆らわないことだ。
なにをされるかわからない。
「あの……。わ、わたしたちは、そんなことは……い、嫌です。七星もわたしたちも、お、同じですから……」
沙那がおずおずと言った。
その直後に肌が叩かれる大きな音がした。
「はぐっ――」
沙那が苦痛の声をあげた。
宝玄仙が持っていた乗馬鞭が、沙那のお尻を引っぱたいたと知ったのは一瞬後だ。
「奴隷の分際で、わたしのやることにけちをつけるのかい。いい度胸じゃないか。お前たちが受けた『調教下着』の洗礼は、予定の半分の六刻(約六時間)だけだったろう。残りの六刻(約六時間)をはかせるのはお前にするかね、沙那」
沙那がこれ以上ないというくらいに蒼白になり、凍りついたように動かなくなった。
『調教下着』と宝玄仙が言ったのは、朱姫がはくといって、隣の部屋に持っていたあれだろう。
あの沙那までが、あれ程、怖がるというのは、余程の仕打ちだったに違いない。
朱姫だけが、おかしな下着の責めを受けたと思っていたが、沙那や孫空女も巻き込まれたのだろう。
「孫空女、お前からだ。七星の女陰と肛門を一回ずつ、犯すんだ。その次は、朱姫、そして、沙那。股間に生やした男根から二度精を放ったら次と交替する。いいと言うまで、三人で繰り返し続けるんだ。いいね――。ほら、孫空女」
「う、うん」
孫空女が四つん這いになっている七星の背中に取りつく。
「い、いくよ、七星」
孫空女が背後から七星の女陰に男根の先を当てた。
もうなにも考えないことに七星は決めた。
媚薬でただれた身体が癒される――。
それだけを思おうとした。
「ひぎっ――」
七星の背中が思い切り鞭で叩かれた。
叩かれると同時に温かいものが打擲された部分に注がれる。
宝玄仙は鞭で叩くと同時に、『治療術』も注いでいるようだ。
さっき、沙那を叩いたときもそうだったのだろう。
「七星、さっき、言っただろう。孫空女に家畜の挨拶をするんだよ。犯される前には、“お願いします”と挨拶し、精を受けるたびに、礼を言うんだ。名前に“様”を付けるのを忘れるんじゃないよ」
「あぐっ」
また背中を叩かれる。
すぐに『治療術』で痛みは引くが叩かれた直後は激痛であることに変わりない。
「お、お願いします……そ、孫空女様……」
七星は言った。
「な、七星、と、とにかく、いまだけ……。いまだけは、我慢して……。ご主人様の頭が冷えるまで……」
孫空女が囁くように言った。
すると、背後でまた鞭が使われる音がして、孫空女が苦痛の声をあげた。
「聞こえているよ、孫空女――。さっさと七星の女陰に一物を挿さないか。そして、七星の孔の中を擦るんだ。普通に擦っていれば、男と同じようにその先から精が出る。心配しなくても、何発出そうとも男と違って、男根は小さくはならないから安心しな。気をやったのと同じように女の快感があるだけだ」
びしりと乗馬鞭の打擲音がする。叩いたのは寝台の脚だ。
「ひいっ」
朱姫の泣き声がした。
だが、叩かれたのではなく、ただ怖くて声をあげたみたいだ。
「そして、さっきも言ったけど、七星の身体は、ゆっくりしか快感があがらない。だから、絶頂させないように、気をつけながら精を出すんだ。これから交替で繰り返し七星を犯させるけど、最初に七星に気をやられた者は、『調教下着』を六刻(約六時間)、装着させるかせるからね――。ほら、いけっ」
孫空女の尻がまた鳴る。
孫空女は今度は声をあげなかった。
ただ、手を添えていた七星の腰に少しだけ力が加わっただけだ。
「ご、ごめんよ、七星」
孫空女の股間の一物が入ってくる。
「お、おふうっ……」
思わず大きな声をあげた。
気持ちいい――。
媚薬のために、痛みだか痒みだかわからなくなっていた股間が癒される。
「七星、よがり声をあげる前に、喋ることがあるだろう――」
背中が鳴る。痛みと『治療術』の温かさ――。
「そ、孫空女様、お願いします――」
七星は叫んだ。
屈辱で少しだけ胸が痛くなる。
しかし、それは、ほんの少しだ。
それよりも圧倒的な快感が七星を襲う。
これがもらえるなら、もう他のことはどうでもいいと思った。
「あううう、気持ちいい、あああっ」
孫空女の腰が、二度、三度と七星の腰にぶつけられる。
背中が浮きあがる。
凄まじい快感――。
自分の声とは思えないように、けたたましい声が七星の口から迸った。
「こ、こんなの……き、気持ちいい――、あぐわっ――」
快感ですべてのものが吹き飛ぶ。
恥辱も屈辱もない。
あるのは、快感だけ……。
七星は絶頂に向かって身を任せる。
しかし、なにかが変だ。
あっという間に訪れるはずの絶頂の高みがやってこない。
ゆっくり、ゆっくりと昇っていく。
荒れ狂う歓喜の渦で、七星はいつまでも留まり続けている。
いけない――。
いや、絶頂しそうなのだが、それが遥かに遠い。
ゆっくりと……。
ゆっくりと絶頂――。
「あああぁぁぁ――」
孫空女が声をあげるとともに、身体を震わせた。
そして、挿さっていた男根が抜き取られる。
「そ、そんな――。ま、まだだよ――あくうっ――」
思わず叫んだ。
まだ、いっていない。
いや、それそこまで来ていた。
だが、高みの寸前で孫空女の男根はなくなってしまった。
いまは、さっき味わっていた快感の渦をゆっくりと降りさせられている。
快感があがるのも、下がるのもゆっくりだ。
これが、宝玄仙が仕掛けた道術の悪戯なのだ。
なんということをするのだ。
背中に激痛が加わる。宝玄仙の鞭だ。
「さっきから、家畜の挨拶はどうしたんだい、七星――」
宝玄仙が怒鳴った。
「あ、ありがとう……ご、ございます……、そ、孫空女様」
ぽたりぽたりと、涙が床を濡らした。
こんなこと、もう耐えられない――。
嫌だ。
嫌だ――。
嫌だ――。
嗚咽が激しくなっていく。
そして、それは号泣に変わった。
涙と涎が、次々に床に落ちていく。
「も、もう、嫌だよ、ご主人様。七星が可哀そうだよ。許してやってよ」
孫空女が叫んだ。
しかし、それは鞭の音で遮られた。
孫空女の苦痛の声があがる。
「次は尻だよ。早く精を出すんだ。心配しなくても、七星の尻穴は魔術できれいにしておいた。だから、遠慮なく挿入して精を出しな。終わったら、朱姫と交替だ」
宝玄仙が叱咤した。
「そ、孫空女様――、お、お願いします」
七星はとまらない嗚咽とともに叫んだ。
「七星……」
「お願いします、孫空女様――」
もう一度言った。
もう、どうでもいいのだ。
途中まででも、寸前で引き返されてもいい。
とにかく、痒さと疼きで頭がおかしくなる。
刺激を受け続けなければ、本当に発狂してしまう。
「わかった……。い、いくよ、七星」
孫空女が再び、背後から七星にとりつく。
今度は、お尻の穴だ。
入る瞬間、少しだけ痛みが走るが、それよりも快感が強い。
尻の肉路が一気に埋まる。
「あううっ――うわああっ」
逃れようのない快感が走る。
ゆっくりだが確実に七星は昇っていっている。
気持ちいい。
孫空女が律動を開始する。
込みあがる快感――。
翻弄される。
総身を貫く快感が、七星を襲っている。
もう少し――。
あと、ほんの少し……。
孫空女の男根が繰り返し、七星を突く。
いくっ……。
孫空女の怒張が七星の尻穴の中で震えるのがわかった。
逃げていく――。
快感が遠のく。
「く、くそうっ――。い、いや……。あ、ありがとう、ございました、孫空女様――」
慌てて、七星は叫んだ。
「ふっ、だんだんと、家畜の挨拶が様になってきたじゃないか、七星――。ほら、孫空女、朱姫と交替だ」
「ご、ごめん、七星……」
宝玄仙に言われて、孫空女が七星から離れる。
そして、朱姫の手が七星の腰に触れた。
「お、お願いします、朱姫様」
自然に口から出た。
「な、七星姉さん……」
朱姫の口から泣き声のような声が漏れた。
背中を向けている七星には、朱姫の表情はわからない。
だが、朱姫の悲痛な表情が眼に見えるような気がした。
挿さってくる。
七星の女陰に今度は、朱姫の股間の一物が入ってくる。
「はふうっ――」
充実する。熱いものが七星の身体を充実する。
また、律動が始まった。
気持ちがいい――。
自分は家畜だ。
こうやって、皆から精を与えられ、快楽を貰う家畜なのだ。
全身が仰け反るのがわかった。
いく――。
快楽の絶頂に昇らされる。
昇天する――。
ゆっくりとだが、いまの七星は確実に求め焦がれた絶頂に進んでいく。
朱姫の律動は続いている。
これならいける。
しかし、朱姫の怒張がぶるりと震えた。
子宮に熱いものが注がれるのがわかった。
そして、朱姫が離れる。
七星は進んでいた快楽の道を、再びゆっくりと逆に戻されていく。
「ひ、酷いよう……。あ、あんまりだ……。い、いや、あ、ありがとうございました、朱姫様――」
七星は叫んだ。
頭が割れる。
気持ち悪い――。
自分が自分でなくなる感覚――。
苦しい――。
果てしなく苦しいのに、快感に酔っている自分もいる。
しかし、求めていた極みはまだだ。
それでも、快感の地獄をいったりきたりしている間は、気持ちもいい。
「七星姉さん、お尻にいきます」
朱姫が言った。
「お、お願いします、朱姫様――ああっ、いいよう、朱姫……様――あぐうっ」
入ってくる。
癒される。
お尻のただれが消える。
そして、突かれる。
腰に朱姫の股間がぶつかる。
何度も……何度も――。
お尻の穴を朱姫が貫いている。
「はぐ――はっ――はっ、はあぁぁ――」
もどかしいが、七星は何度目かの絶頂の道を確実に進んでいる。
肉棒の震えを七星のお尻の肉襞が感じている。
「はうっ――」
朱姫が突く。
腰が震える。
身体が仰け反る。
絶頂する――。
十数回の激しい突きが続く。
七星はまだ達していない。
もう、絶頂しているのだが、まだ昇りきっていないのだ。
あと少し……。
少し……。
すぐ……。
そこ……。
朱姫の怒張が震えた。
抜かれる。
とまる――。
快楽が止まる。
ゆっくりと下がっていく。
でも、気持ちがいい。
さっき絶頂に向かっていたときの快楽が七星を襲っている。
違うのは、だんだんと快楽が沈む方向に進んでいるということだけだ。
「あ、ありがとう……、ございました、朱姫様――」
七星は言った。
自分の声にははっきりとした泣き声が混じっている。
泣いているのだ。
自分は泣いている。
吐きそうだ。
苦しい――。
快楽が苦しい――。
嘔吐が込みあがる。
「次は、沙那だよ」
宝玄仙が言った。
「もう嫌です。こんなの――。い、いくら、ご主人様でもあんまりです。七星に対して酷すぎます」
沙那の叫びが聞こえた。
「うるさいよ、沙那――。あの『調教下着』をはきたいのかい」
宝玄仙が言った。
「わ、わかりました。わ、わたし、はきます。だから、七星を許してあげてください」
沙那が悲痛な声で言った。
七星は、思わず後ろを振り返った。
沙那と宝玄仙が睨み合っている。
宝玄仙の顔がみるみる紅くなる。
怒っている。
逆らった沙那に対する宝玄仙の怒りが爆発しかけている。
しかし、沙那もまた怒りの形相だ。
強い視線で宝玄仙を睨んでいる。
七星は驚いた。
沙那があんな風に宝玄仙に対して敵意を剝き出しにするのを初めて見た。
「い、いい度胸だよ、沙那……。わかった。お前は、今日から家畜だよ。七星と一緒にね……」
宝玄仙が冷たい声で言った。
「家畜で結構です。でも、七星を――」
宝玄仙が乗馬鞭で沙那の肩を叩いた。
沙那が苦痛の表情をして、よろめく。
「家畜が文句を言うんじゃないよ。お前も家畜だと言っただろう。お前には、もう、なにも言う権利はないんだよ。七星の隣で、同じように這いつくばりな。股間に発狂するような痒みを与えてやるよ。それでも同じことが言えたら、七星のことは考えてやる」
宝玄仙が真っ赤な顔をして怒鳴った。
沙那は、それ以上なにも言わずに、七星の隣で四つん這いになった。
「沙那……」
七星は呟く。
「じゃあ、いくよ、沙那。地獄の痒みだよ。発狂するようなね。のたうちまわらないように、身体は硬直させてやるから安心しな」
宝玄仙が言っている。
その声は怒りのせいか震えている。
「あ、あたしも家畜でいい――」
孫空女だ。
そして、孫空女も七星の隣に四つん這いになる。
「お、お前――」
宝玄仙が声をあげた。
「沙那と七星にこれ以上なにかをするなら、あたしも家畜にしな、ご主人様」
孫空女が怒鳴った。
「あ、あたしも同じです。家畜です」
朱姫の声だ。朱姫も四つん這いになったようだ。
「わ、わかったよ、お前ら……。お前たちの調教は、一からやり直しだよ。しっかりと躾け直してやるから覚悟しな」
宝玄仙が大きな声をあげた。
頭が痛い。
また、嘔吐があがってきた。
「うえぇぇ―――」
口から胃液が吹き出た。
「七星、大丈夫?」
沙那が驚いて、七星を抱き起こした。
「うえええ、うえええ」
七星は吐き続けた。
沙那の裸身が七星の出す嘔吐物で汚れるが、沙那は気にしていないようだ。
七星は吐いた。
嘔吐がとまらない。
やがて、やっと吐き気がなくなる。
「ちっ」
宝玄仙の舌打ちがした。
沙那も七星も七星の汚物で汚れている。
でも、まったく気にしない感じで、沙那が七星の背を擦っている。
「お前、大丈夫かよ?」
孫空女も寄ってきた。その時、からりと股間からなにかが落ちた。
『女淫輪』だ。
『女淫輪』が、七星の肉芽から外れたのだ。
「もういいよ、お前たち……。ほらっ、七星にかけた術は全部解いたよ。みんなで身体と部屋をきれいにしな。わたしは、夕食を食べてくる。お前らは夕飯抜きだよ。わたしに逆らったことを反省しな」
宝玄仙は罰の悪そうな表情をしながら出ていった。
ばたりと部屋の戸が閉まる。
「さあ、掃除しましょう」
沙那は言った。
朱姫の渡した布で自分の身体にかかった七星の汚物を拭いている。
七星の身体は、朱姫が拭きはじめた。
七星の手は自分の股間にいっている。
媚薬の痒みはまだ残っている。
術が抜けて身体は自由になったが、塗りたくられた掻痒剤はそのままだからだ。
朱姫は、それにはまったく気がついていないかのように、七星の身体を拭いてくれていた。
七星は、朱姫に身体を拭かれながら狂ったように、自分の股間をいじくり続けた。
「い、いくっ――」
叫んだ。
その横で、孫空女が無言で床を掃除していた。