宝玄仙の道術で歩かされる間、一度も口が閉じなかった。
この悪女は、琵琶子をどこに連れていき、なにをさせるつもりなのか……。
琵琶子は恐怖した。
連れてこられたのは、ごく普通の宿屋だった。
宝玄仙は、その平屋建ての宿屋の部屋のうち、ほかの部屋とは並びが違う大き目の部屋に琵琶子を連れていった。
戸が開く。
宝玄仙が先だって入った部屋に琵琶子が入ると、勝手に戸が閉じた。
「はっ、はがぁ、がぁ……」
眼の前にあった光景に琵琶子は悲鳴をあげた。
部屋の真ん中には、昼間、琵琶子の腹痛薬を求めていった沙那と孫空女が全裸で向かい合うように立たされていた。
だが、琵琶子が悲鳴をあげた理由は、その哀れな姿だ。
素っ裸の沙那と孫空女は、お互いにぴったりと肌と肌をくっつけ合って爪先立ちで立っていた。
しかもふたりの口と口はなにかで貼りつけられたかのようにぴったりとくっついている。
そして、隣り合ったふたりの鼻と鼻の間から一本の銀色の糸のようなものが伸びて天井の金具と繋がっていた。しかも、驚いたことに、ふたりの鼻の穴は、同じひとつの鼻輪で接続させて、その間に糸が通っているのだ。
よく見れば、その糸はふたりの顔ではなく、股間から伸びているようだ。
さらにお互いの腕は、向かい合う相手の背中の後ろに伸び、そこで手首を縛られている。
つまり、沙那と孫空女のふたりは、股間に結ばれた糸で天井から吊られて爪先立ちを強要され、そして、お互いをぴったりとくっつけ合うように身体を密着させられているということだ。
しかも、鼻と鼻を金属の輪で繋げられ、鼻と口を密着され、その鼻輪に股間から伸びる糸が通っているのだ。
道術なのだろう。
「んんん──」
「んんんん──」
琵琶子の姿を見て、ふたりがなにかを叫んだ。
もちろん、なにを言っているかはわからない。
「お前たちふたりは、この琵琶子のことは気にしなくてもいい。肉芽が引き千切られないように、一生懸命にその姿勢を保つことだけを考えな──。琵琶子、ちょっと待っていておくれ。荷物はおろしな」
琵琶子の手足は、また、琵琶子の意思に関係なく、背負った荷を降ろして、部屋の隅に置いた。
そして、置き終わると、部屋の入り口近くに戻って、全裸で爪先立ちをしている沙那と孫空女を向くように立たされる。
自分の身体なのに、自分の意思で動かず、他人に動かされるのだ。
琵琶子は気が動転していた。
これが道術遣いの力というものなのだ。
それにしても、この道術遣いは琵琶子になにをしようとしているのか……。
宝玄仙は、全裸でくっつきあってつま先で立っているふたりに近寄ると、沙那の方に後ろから近づき、背中側から乳房をくしゃぐしゃと揉み始めた。
「んんっ──」
沙那が顔を真っ赤にして震えはじめる。
それとともに、胸を揉みしだかれる動きで身体の平衡を崩した。
すると、沙那だけではなく、孫空女の塞がった口からも大きな悲鳴があがる。
そうやって、宝玄仙はひとしきり、ふたりに悲鳴をあげさせては悦に浸った表情になっていた。
「あ、ああっ──」
口を閉じられない琵琶子は声をあげた。
「そうだったね……。ほら、口を戻してやるよ──。悪かったね。忘れていたよ」
宝玄仙が言うと、ずっと開けっ放しだった口がやっと閉じることができた。
長く口を開きっぱなしにさせられて、顔の筋肉が痛い。
だが、とにかく、口は自由になった。
もっとも、手と足の自由は、まだ戻らない。
「あ、あんた、なんだ? なして、こんなことするんだ?」
琵琶子は叫んだ。
「ほう、まだ元気じゃないか。この宝玄仙の道術を受けた女は、まず最初に、恐怖で心を潰されて、あっという間に大人しくなるものだけどね。身体の自由を奪われたことがわかっても、そうやって怒鳴ることができるような、気の強い娘はわたしの大好物だよ」
宝玄仙がこっちにやってきた。
近づきながら、両手を上にあげる仕草をした。
「ひゃあ──」
琵琶子の両手がひとりでに頭の後ろに張りつく。
「な、な、なんだよ、これは?」
琵琶子は暴れて、得体の知れない力を振りほどこうとするのだが、どうしても身体が自由にならない。
「お前が道術遣いだったのが運の尽きさ。しかも、ここは、わたしの結界の中だ。一切の抵抗ができないと思いな、琵琶子──。それに気が強そうなところが気に入ったよ。少しの間、ここで遊んでいっておくれ」
宝玄仙は言った。
「遊ぶって……」
とてつもなく嫌な予感がする。この悪魔のような女とこの部屋ですごす……。なにをされるかわかったものじゃない。冗談じゃない。
「とにかく、どんな道具を持ってんだい。見せてみな」
宝玄仙が琵琶子の目の前に立つ。
そして、淫靡な笑みを浮かべた。
「な、なにするつもりだ? ば、馬鹿な真似すんじゃねえ──」
その表情に不気味なものを感じて、琵琶子は声をあげた。
「馬鹿な真似というのは、なにをされると思ってるんだい?」
琵琶子の前に立った宝玄仙が言った。
「な、なんだよ……」
宝玄仙の視線が琵琶子の全身を舐める。
それこそ、つま先から頭のてっぺんまでじっくりと観察するような視線だ。
その妖しい視線に、なにかたじろぐものを感じた。
宝玄仙の手がすっと琵琶子の足首近くまである
「う、うわっ、な、なにすんだ?」
その下袍がたくし上げられていく。
「わあ、やめるだ。やめてけれ──。誰か──、誰か来てくれっ」
琵琶子は絶叫した。
すると、宝玄仙の手が止まった。
下袍の裾は、太腿の近くまでまくりあげられてとまっている。
しかし、それは、琵琶子の悲鳴で躊躇したというのではなく、琵琶子の反応が面白くて、ちょっととめて見たという感じだった。
「もっと、叫ばなくていいのかい、琵琶子──。ほら、助けを呼びな。そうじゃないと、あっという間に素っ裸にされちまうよ」
「誰か助けてけれ──」
琵琶子は絶叫した。
「ほう、うるさいねえ。耳がどうかなるよ」
宝玄仙がさらに下袍の裾をあげる。
今度はほとんど股間の寸前まであげられた。
「やめてけれ──」
琵琶子は悲鳴をあげた。
しかし、宝玄仙はそれを心から愉しむような感じだ。
どうやら、どんなに大きな声をあげても外には聞こえないようになっているのだろう。
そうでなければ、こんなに落ち着いていられるわけがないし、琵琶子の悲鳴を聞きつけた者が誰か来てもよさそうだ。
「ほら、もっと悲鳴をあげな。素っ裸にされるだけじゃないよ。はしたないことをさせられることになるよ。嫌なら逃げるんだね。暴れな。悲鳴をあげるんだ」
宝玄仙はそう言いながら下袍をじわじわとあげて、完全に下着が露出するまでまくりあげた。そして、まくり上げた裾の部分を琵琶子の腰紐に挟み込んで、落ちないようにする。
琵琶子は、そんな風に露出された股間を隠したくて、脚を閉じようとするのだが、肩幅に開いた琵琶子の脚は、まったく動かない。
「どれどれ、じゃあ、ちょっと鳴いてもらおうか」
宝玄仙が人差し指を伸ばして、琵琶子の下着の股間の部分とゆっくりと擦り出した。
得体の知れない感覚が込みあがってくる。
「ひゃっ、ひゃあ──。き、気持ち悪い……。や、やめてけれ──」
琵琶子は突然に込みあがった疼きに恐怖して叫んだ。
しかし、宝玄仙は琵琶子の股間を苛む動きをやめようとしはしない。
じっくりと、そして、しつこい指の刺激が琵琶子をおかしな気分にさせる。
琵琶子に理解できない妖しいものが、じわじわと込みあがってくる。
「き、気持ち悪い……や、やめるだ……」
「気持ち悪いってことはないだろう? 気持ちいいの間違いだろう? それが証拠に、ほらほら、もうしっかりと濡れて来たじゃないか」
宝玄仙は執拗に指で敏感な場所をなぶり続ける。指を避けようと思うが、身体を動かすことができないので、逃げられない。
「んんんっ──」
「んんんんんん」
沙那と孫空女が揃って大声をあげた。
しかし、ふたりともお互いの口を接着されているために声を出せないのだ。
だが、その表情は、明らかに宝玄仙に対する不満のようなものがある。
ふたりが、琵琶子のために叫んでくれているというのはわかった。
「なんだ、お前ら──。お前らが悪いんだろう? こんな純朴そうな田舎娘を巻き込んだのは、お前たちだよ──」
宝玄仙は笑いながら、琵琶子の股間を擦り続ける。
なにかが昇ってくる。怖い──。そして、熱い──。
「ああ……な、なんだ、これ……。ああっ──き、気持ち悪いだ……はあ……は、ああ……ああ……」
おかしな声が自分の口から洩れてびっくりした。
しかし、それを止めることができない。
なんだこれ……。
宝玄仙の指が擦る部分がどんどん熱くなる。
「とても、気持ち悪がっているような声には聞こえないよ、琵琶子。どれ、じゃあ、これはどうだい?」
宝玄仙が指を動かしながら笑った。
「あひいっ──」
琵琶子は悲鳴をあげた。
宝玄仙の指が琵琶子の一番気持ちのいい場所をくるくると回したのだ。
「そ、そこは……。や、やめてけれ、やめて……やめて──やめ……」
あっという間になにかが込みあがる。そこを触られるのは怖い。しかし、宝玄仙の指は、もうそこしか触らない。
回る。
擦られる。
右に──左に……。
そして、押される。また、回る──。
「ひいいっ──ひゃあ──ひゃっ」
甲高い声が口から洩れる。
抑えられない。なんだろう、これ……。
「おつゆは多い方のようだね。どのくらいの経験があるんだい。女人国の女は、友情代わりに女同士でお互いに慰め合う者が結構多いようだけど、お前は、何人くらいと乳繰り合ったんだい、琵琶子?」
宝玄仙が言った。
沙那と孫空女の抗議の声が大きくなる。
「お前たちはうるさいよ、さっきから──。ちょっと、これで遊んでな」
宝玄仙が言った。
ふたりの股間から伸びている糸が、急に振動を始めたのがわかった。
沙那と孫空女の閉じられている口から絶叫が迸る。
「ふふふ、あいつらがどこで吊られているかわかるかい? ここだよ。お前がわたしに弄くられているふたりのここを糸で繋いで天井から吊っているのさ。ちょっとでもどちらかの身体が倒れれば、ふたりとも糸で結んでいる場所が引き千切られるようにしてやっているんだよ。この宝玄仙の使う糸は特別でね。どんなに力を加えても糸なんか切れはしない。切れるのは糸で結んでいるあいつらのここさ……」
宝玄仙がいじくっているのは琵琶子の敏感な肉芽だ。
そんなところをこんなに執拗に刺激されるのは初めてだし、ましてや他人に弄くられるなどこれまでに経験がない。
それにしても、この宝玄仙は、あのふたりのここを糸で吊るしていると言ったのか?
驚いて部屋の真ん中で吊られている沙那と孫空女に視線を向ける。
ふたりは口と口、鼻と鼻を密着させられて、悲鳴も満足にあげることができないが、爪先立ちの身体はお互いにぶるぶると震えていて、本当は泣き声をあげるくらいに苦しいのだとわかる。
沙那に比べれば、孫空女は少し背が高いので、肉芽を結んでいるとすれば、沙那と孫空女の肉芽同士も縦に糸で結んでいるのだろう。
それをさらに天井から吊るしているということは、どちらかが爪先立ちを崩せば、ふたりとも肉芽が引き千切られるということになるのだろうか。
そして、そんな姿勢を強いられているふたりをさらに追い詰めるために、宝玄仙は、吊っている糸に振動を追加したのだ。
琵琶子は、宝玄仙の残酷さに血の気が一斉に引いた。
「心配ないよ。あいつらは、ふたりとも体力があるからね。そう簡単にはへこたれはしないさ。それよりもお前だ。さっきの質問に答えな。どれくらい経験があるんだい?」
宝玄仙の指にほんの少し力が加わった。琵琶子の敏感な尖りを下着越しに指でつまむように揉んでくる。
「そ、そっただこと……。ああ……あひぃ──ああ」
口から漏れ出る声が大きくなる。得体の知れない力で身体を動けなくされて、敏感な場所を好き勝手に弄くられて、声を出させられる──。
これまでの人生に経験したことのない、あまりにも屈辱的な仕打ちに、琵琶子は打ち震えた。
「さっさと答えな、琵琶子。どのくらいの女とこうやって、お互いを慰め合ったことがあるんだい?」
身体になにかがあがってくる。最初はさざなみのような弱いものだったが、いまは大きな波だ。それが衝撃になり、もう、頭の天辺まで波及している。
「ひゃああっ──」
琵琶子の口からむせび泣くような喘ぎがあがった。
いったいこれはなんだろう──。なにが起こっているのだ──。
自分が自分でなくなる。
「や、やめてけれ──お、お願いだあ……ああ……も、もう……だめ……だ。変だ。な、なんか……変だ──」
琵琶子は声をあげた。
恥ずかしい──。
でも、気持ちいい──。
頭がぼんやりとする。
いや、沸騰しそうだ。
もう、なにがなんだかわからない。
「どうやら、ほとんど経験がないようだね。もしかしたら、自慰もないのかい、琵琶子?」
宝玄仙が笑った。
その馬鹿にしたような笑いが悔しい。
「おや、涙を流したねえ。そんなに見も知らぬ相手から、こうやってここを弄られるのが悔しいかい、琵琶子?」
股間の熱い頂点を擦られる。
全身が硬直させられて、逃げることもできない。
無理矢理になにかが込みあげさせられる。
「あああぁぁぁ──」
切羽詰ったなにかの大波が襲いかかる。
全身がぶるぶると激しく震える。
そして昇って弾ける。
束の間、その弾け散った衝撃が全身に拡がって続き、やがて、大きな脱力感が琵琶子を襲った。
「いったようだね。まあ、感度は普通というところかね」
宝玄仙が言った。
激しい屈辱感が琵琶子を襲う。
部屋の戸が外から叩かれた。
「ご主人様、戻りました……」
「入んな」
入って来たのはさっきの朱姫だ。
腕に白い布を抱えている。
琵琶子はそれが、朱姫が立ったまま大便をさせられたおしめだということに気がついた。
朱姫は、戸の前にいる琵琶子を見て、ぎょっとした表情をした。
「ひっ」
しかし、さらに部屋の奥の沙那と孫空女の姿を見たとき、小さな悲鳴をあげて、その場に座り込んでしまった。
「戻って来たね、朱姫──。こいつは、さっきの琵琶子だ。こいつのことはお前に任せるよ」
宝玄仙が、蒼い顔をして座り込んだ朱姫に言った。
「なっ……ま、任せるってなんですか……?」
座り込んだ朱姫が呆然とした表情をこちらに向けた。
「沙那と孫空女の状況は、お前にも理解できるだろう? さすがに連中もあれじゃあ、いつまでも持たない。だから、こいつが二十回いくまでと決めた。だから、お前の舌で二十回いかせてやりな」
「二十回……?」
朱姫がきょとんとしている。琵琶子もなにを言われたのかわからない。
「こいつが二十回達したら、沙那と孫空女を許してやるということだよ。わかったら早くしてやりな。沙那と孫空女の肉芽を引き千切りさせたくなければね」
宝玄仙は声をあげて笑った。
なんという悪意のこもった笑いだろう。
琵琶子は、その笑いに怒りが込みあがるとともに、恐怖に包まれた。
「琵琶子、二十回だよ……」
宝玄仙が琵琶子の股間の下着を掴んだ。
それをすっとおろしていく。
「ひゃああぁぁ──。や、やめてけれ──」
琵琶子は泣き声をあげた。
しかし、抵抗することはできない。
琵琶子の下着は膝の上まで引き下げられた。
「少し毛深いようだねえ。一度も手入れしたことがないのかい?」
からかうような口調で宝玄仙は、また 琵琶子の股間に手を伸ばす。
「ひゃあ」
宝玄仙がまた琵琶子の羞恥の尖りをいじくり出した。
快感が衝き抜ける。
琵琶子はぶるりと身体を震わせてしまった。
「ほら、どうだい? そんなによがり狂う程、気持ちいいかい? ちょっとお豆を触っているだけじゃないか。それだったら、この朱姫はかなりの手管だからね。それこそ、天にも昇る気持ちを味あわせてくれるよ」
そう言いながらも宝玄仙は、琵琶子をいたぶる指をやめない。
だんだんと琵琶子は、この宝玄仙がなにが愉しくてこんなことをやっているかがわかってきた。
この宝玄仙は、琵琶子が泣きそうな顔でよがるのが面白くて仕方ないのだ。
ただそれだけなのだ。
だったら感じなくすればいい。
そうしたら、この宝玄仙はつまらなくなって、琵琶子への悪戯を止めるに違いない。
琵琶子は歯を食い縛った。
もう、絶対に感じるものかと決心した。
「ほう、抵抗するつもりかい……? 面白いねえ。やってみるかい。宝玄仙の手業に対抗できるかどうかやってみるといいよ。言っておくけど、わたしは、お前みたいな素人娘なんて、あっという間にいかせてやることができるよ。あっという間だよ……。ほら、いくよ」
すると、いままではただ擦っていただけの指がまるで違いものに変わった。
微妙に締めつけたかと思うと、次の瞬間には振動を加えながら締めたり緩めたりして、新たな刺激を追加していく。
刺激が変化するのではない。
どんどん足されるのだ。
加えられる刺激に耐えようと気を引き締めると、すぐに別の刺激に変化する。
その動きに対応しようと決心した直後に、また別の力が加えられるのだ。
「んんっ、んんっ」
とにかく、琵琶子は込みあがる快感を必死になって耐えた。
「肉芽責めだけでもいろいろあるだろう、琵琶子。こんなにたくさんの種類の刺激を受けたことはないだろうね。そろそろまた極めそうかい?」
敏感な性感の急所にこれだけの仕打ちをされたら、もう琵琶子にはどうしようもなかった。
琵琶子の口と腰は、琵琶子の意思を裏切り、大きな嬌声を迸せるとともに、淫らに腰を動かす。
「ああ……ああっ──あ──あ……ああ……」
もう耐えられない
「だんだん気持ちよくなったかい。さっきは、二度と気をやるものかというような顔をしていたのに、それから幾らも経っていないよ」
からかわれても琵琶子は、声と震えを止めることができない。
「んはああああ──」
ほどなく、琵琶子はまた昇り詰めさせられてしまい、動きを封じられている身体を小さく仰け反らせると二度目の絶頂をした。
「さあ、あと十九回だ、朱姫──交替しな」
宝玄仙は朱姫に強い口調で言った。
「は、はい、ご主人様」
朱姫が弾かれるように立ちあがる。
これをあと十九回……。
琵琶子は恐怖した。
そんなにできるわけがない。
身体がばらばらになってしまう。
「十九回なんて、そんなにできるわけがねえだ──。許してけれ、許してけれ──」
琵琶子は叫んだ。
「ご、ごめんなさい、琵琶子さん」
朱姫が達したばかりで激しい気だるさを味わっている琵琶子の身体にとりつく。
「……その代わり、気持ちよくしますから、勘忍してください」
朱姫は腰紐に差し込んであった下袍の裾を外し、下袍の腰の部分の留め金をはずしてばさりと足元におろす。
膝上でとまっていた下着も足首から抜き取られた。
琵琶子自身の意思ではまったく動かない琵琶子の身体は、朱姫の手にかかるとまるで人形のように自在に動かされる。
下半身だけ素っ裸になった琵琶子の股間の前に朱姫がしゃがみ込んだ。
朱姫の舌がすっと琵琶子の股間に伸びる。
「ひゃあ、やめてけれ──そんな汚いこと──」
琵琶子は叫んだ。
股間に衝撃が走った。
琵琶子は大きな声で泣き叫んでいた。
部屋の奥では、沙那と孫空女が涙をこぼしながら呻き声をあげ続けている。
糸で吊られるふたりの肛門に、宝玄仙が指を入れてくちゅくちゅと動かしているのだ。
ふたりの震えは激しいものになり、口を塞がれたふたりの声は、悲痛なものになっている。
高くあげられたふたりの踵の震えは大きく、もういまにも倒れそうだ。
それなのに、宝玄仙は心の底からの愉悦に浸った表情でふたりのお尻をなぶり続ける。
狂っている──。
ここは狂人の集まりだ──。
なんで、こんなことになってしまったのか──。
なにかが込みあがる。
全身に苦しみとも悦びともわからないなにかの毒のようなものが拡がる。
その毒があがってくる。
「ひゃあああ──」
琵琶子は三度目の気をやって、骨が抜けたようにぐったりとなってしまった。
しかし、それで許されるわけもなく、すぐに四度目の絶頂をさせるための朱姫の舌が琵琶子を襲い続けた……。