21 三人の客人
「……お前に世話を命じた神殿の客人についてだ。
ほんの少し前にやって来た客なのだが、観禅蔡の指示とはいえ、わざわざ念を押すのは、余程に大切な客なのだろうと思う。
観禅蔡というのは、この神殿の神官長の老人だ。
道術を遣うことができるとともに、霊気のこもった霊具を蒐集するのが趣味という変わり者である。
客人は三人の巫女だ。
もっとも、巫女姿は黒衣の女性ひとりで、ほかのふたりは旅の男装をしていた。
いずれも、大変な美女だった。
「……先方の申し出なので、詳しくは教えられんが、黒衣の巫女姿の宝玄仙様は貴人である。ほかのおふたりの女人は、
この唐人高士から、三黒坊が申し渡されているのは、夕刻前にやってきた客人の世話係だった。
あの三人がこの古神殿に宿を求めたとき、三黒坊も、ほかの十数人ほどの居士とともに、こっそりと覗いていて、宝玄仙たち三人について、なんときれいな女性たちだろうと息を飲んだ。
だから、その世話役を命じられて、心が浮きたった。
ほかの居士たちが、口惜しそうな顔をして、羨ましがったのを覚えている。
ここは、
天教の施設であるが、建てられたのは、この帝国を天教が支配するようになるよりもずっと以前のことであり、天教が帝国の国教となって天教以外の宗教が禁止されるに伴い、この神殿も天教の施設となった。
いずれにしても、三黒坊が生まれるよりも、遥かに昔の話である。
唐人高士は、この神殿では第二位の地位にある神官であり、事実上、神殿で行う祭事から日常のことまでのすべての実務を担っている。
そして、神官長の観禅蔡は、なにもしない。
日がな一日、私室に閉じ籠っていて、時おり顔を出すくらいだ。
三黒坊は、この観禅院の近くの農村で生まれ育ったが、観禅蔡は、三黒坊が幼児の頃から老人であり、十六なって出家し、いまは二年がすぎたが、やはり、いまも老人である。
観禅院が何歳なのかは知らない。
噂によれば、百歳を超えているのではないかという話もあるが、道術遣いは、霊気によって年齢を重ねることがなくなるとも言われているので、本当にそうかもしれない。
三黒坊は、この神殿に仕える居士の中で三番目に古い出家であり、三黒坊のような若い居士が十二人いる。
居士というのは、天教の神官ではもっとも下位の地位であり、出家してすぐは大抵は居士だ。そして、大勢の居士から才能を認められた者は、「上士」「高士」「蔡士」「仙士」と戒名が出世していく。
やってきた三人の巫女は、仙士と蔡士なので、それだけでも相当の実力があるのだとわかる。
戒名とは、出家してもらう神官としての名前だ。
最初の戒名のうちの一字は、出家を認めた神官の名前からもらうのが慣習なので、三黒坊の「黒」は、観禅蔡の本名の一部なのだと思う。
三黒坊以外の居士の戒名は、「一黒坊」「二黒坊」と続いて「十黒坊」だ。適当なものだが、霊具以外に興味のない観禅蔡らしいとも思う。
上士に昇任してほかの神殿に異動になった者の戒名は欠番にせずに、次に入ってきた居士に使う。
最近、新しく十一人目と十二人目が入山し、そのとき、たまたま、一黒坊から十黒坊まで揃っていたから、どうするのかと思っていたら、「余一黒坊」「余二黒坊」と名づけられた。
とにかく、三黒坊は浮き立つ気持ちとともに、神官服を二着持って、客の巫女がいる部屋に向かった。
宝玄仙に、神官服を持っていない孫玉蔡と沙宝蔡のために、修行服を二着貸してくれと言われていたのだ。
三人の部屋は、神官たちが寝泊まりする部屋とは少し離れた、渡り廊下で進む場所にある。離れの部屋というのは宝玄仙の望みであり、宝玄仙だけ最上級の部屋をあてがうのも断られた。
だから、三人は数台の寝台が並ぶ広めの客室にいる。
「あっ、宝玄仙様。言われたものをお持ちしました」
部屋まで辿り着くと、部屋の前に宝玄仙がひとりだけで立っていた。
三黒坊は両手に修行服とも呼ばれる神官服を抱えたまま頭を下げた。
修行服は、左右の合わせ目を紐で結ぶだけの簡単な上衣と、
孫玉蔡と沙宝蔡は、神殿軍の幹部ということだったので、それに赤色の細帯が付くと思うので、それも持って来た。
神殿軍というのは、帝都にある天教本部に所属する実力集団のことであり、帝都だけで三千人、帝国全土となれば総勢一万人はいると言われている。
国軍には所属しない天教独自の軍であり、通常は神殿警護などを行うが、必要により、天教の教義に背いた者を取り締まるために動いたりする。
孫玉蔡と沙宝蔡は、その神殿軍の幹部であり、天教の重鎮である宝玄仙を護衛するために、宝玄仙の巡礼に同行しているのだと説明を受けている。
「ああ、待っていたよ、三黒。これだね?」
宝玄仙が三黒坊が持っていた服を点検するように確認し始めた。
三黒坊はそのあいだ、じっとしていた。
それにしても、美しい女の人だと思った。
見た目は若いのだが、接していると、なんとなく年配の女性を思わせる雰囲気がある。仙士だというから間違いなく道術遣い、つまり、法師だろう。
優れた道術遣いが見た目と実際の年齢がかけ離れている者が多いというのは、三黒坊も天教の神官の端くれだから知っている。
「これはいらないね。その辺に隠しておいて、後で持って帰りな……。帯はさせるか……。ちょっとは不自然でなくなるかもしれないしね……」
宝玄仙は三黒坊が持っていた神官服のうち、二枚の下袴を取り除いて、廊下の物陰に隠した。
三黒坊は驚いた。
「えっ? 下袴を……? 下袴については、別にお持ちなのですか?」
三黒坊は首を傾げた。
すると、宝玄仙が悪戯っぽい笑みを浮かべて、ぐいと三黒坊に顔を近づけた。
三黒坊はどきりとした。
「……いいんだよ──。いいね。あいつらは修行中だ。淫心を戒める修行をしている。恥ずかしい目に遭っても心を乱さないことで、高位の精神を持続することを学ぶんだ……。とにかく、わたしの言葉にうまく話を合わせるんだよ。そうすれば、夜になったら、こっそりと、お前だけに、いい思いをさせてやろう」
宝玄仙がにやりと笑った。
驚いたが、淫心の修行などというのは、まったく耳にしたことがない。
それにしても、夜にいい思い……?
三黒坊は首を傾げた。
まるで、娼婦が男を誘うような物言いだ。
「ちょっと、髪の毛を一本貰うよ」
不意に宝玄仙が三黒坊の頭に手を伸ばして、一本ほどの髪の毛をぴんと引っ張り取った。
「いてっ」
思わず声をあげた。
「……じゃあ、部屋に入りな。うまく話を合わせることができれば、あの女たちを犯させてやる……」
三黒坊は驚愕したが、考える余裕もなく、宝玄仙に部屋に連れ込まれた。
部屋の中には、赤毛で背の高い孫玉蔡と栗毛で胸の大きな沙宝蔡が、寝台ではなく、床に直接座って談笑をしていた。
三黒坊と宝玄仙が入っていくと、さっと居ずまいを正した。
「お前ら、世話役の居士殿がお前ら用の神官服を持って来てくれたよ。わたしは、いつも巫女服だから問題はないけど、神殿に世話になるときには、必ず神官服を着るんだ。それが決まりなんだ。いいね」
三黒坊が頭をさげているあいだに、宝玄仙がさっと説明した。
すると、宝玄仙が目で三黒に合図をする。
慌てて、三黒坊はふたりに修行服を差し出した。
ただし、本来は下半身にはく下袴はなしだ。それは、さっき宝玄仙が取り去って廊下に置いてきている。
「こ、こちらの大きい方が孫玉蔡殿のものです。こっちは、沙宝蔡殿……。もしも、丈が合わなければ、お取替えします」
三黒は坊できるだけ平静を装って言った。
「大丈夫だよ。たった一日だけのことで、文句を言うんじゃないよ、お前ら。そんなことをすれば、神罰が当たるからね。この宝玄仙のね」
宝玄仙が鋭く言うと、孫玉蔡と沙宝蔡は目に見えて、怯える顔になった。
ふたりの感じた緊張感が伝わってきて、三黒坊も思わず息を飲んだ。やはり、神殿軍の蔡士ともなれば、厳しい修行をするのだと思った。
犯させてやると言われた気もするが、おそらく聞き間違いだろう。
さっきの宝玄仙の言葉に、淫らなことを想像した自分を恥ずかしく感じた。
「そんなことは言いませんよ……。これですね? 孫空女のはこれよ」
沙宝蔡がそれぞれの修行服を受け取り、そのうちの一着分を孫玉蔡に手渡す。孫空女というのは、孫玉蔡のことのようだ。
そういえば、神殿にやって来たとき、沙宝蔡は、沙那と呼ばれていたと思う。おそらく、ふたりの出家前の名前なのだろう。
三黒坊は、心に留めることにした。
「……では、私はこれで……」
三黒坊は頭を下げて、退出しようとした。
だが、宝玄仙に呼び止められた。
訝しみつつも、三黒坊は振り返った。
「待ちな、三黒。実はこいつらは、武術の腕は確かだが、神官としての修行はほとんど経験がなくてね。悪いけど、修行服の着こなしについて、教えてやってくれるかい。こいつらが着替えるのを見てくれていればいいよ」
宝玄仙がくすくすと笑いながら言った。
三黒坊はびっくりしてしまった。
「ご、ご主人様、なにを言っているんだよ」
「そうです。この人の前で着替えろって……。そ、それに、この人に悪いですよ。余計なことに巻き込まない方が……」
孫玉蔡と沙宝蔡が真っ赤な顔になった。
なんだか、とてもふたりが可愛く思えてしまった。
それで気がついたが、このふたりは間違いなく、三黒坊と年齢の大差はないだろう。天教の幹部なので、身構えてしまっていたが、同じ歳程度の男女なのだと思えば、大胆な気持ちになった。
「別に悪いことはありませんよ。わかりました。着替えてください。私にできることであれば、喜んでお教えします」
言った。
自分でも驚愕したが、恐ろしく気持ちが大きくなっている。
それにしても、いま、目の前でこのふたりの着替えをしろと口にした?
三黒坊は、自分でも信じられないと思った。
いつもの三黒坊では、考えられないことだ。
「でも、あなたも忙しいでしょうし……」
沙宝蔡が落ち着いた物言いながらも、宝玄仙の目を盗むように三黒坊をきっと睨む。その鋭い視線に、三黒坊は思わず身震いしてしまう。
「こらっ、沙那──。まったく、お前は……。まあいい……。早く着替えな。命令だよ」
宝玄仙が舌打ちして言った。
どうやら、沙宝蔡が三黒坊を脅すように睨んだことに気がついたようだ。
「ひっ」
なぜか、沙宝蔡が急に顔色を変えた。
だが、すぐにその場で本当に服を脱ぎ始める。
「さ、沙那……? くっ……、し、仕方がない……」
すると、孫玉蔡も隣で諦めたように服を脱ぎだす。
三黒坊は息を呑んだ。
「お前、後ろ向くんじゃないよ。せっかく、この居士殿が着こなしを教授してくれるんだ。前を向きな」
沙宝蔡と孫玉蔡は、三黒坊に背を向けるようにしていたが、宝玄仙がたしなめの言葉を告げた。
それとともに、沙宝蔡と孫玉蔡が床に置いた神官服を宝玄仙がすかさず回収する。
次いで、宝玄仙は含み笑いをしながら「命令」という言葉を小さくささやく。
すると、すぐに沙宝蔡は、三黒坊に真っ直ぐに身体を向けた。
孫玉蔡がそれを見て、溜め息をつきながら、同じように身体をこっちに正面する。
ふたりの身体は見事なものだった。
しっかりと鍛えてあるのがわかるとともに、身体の線はとても女らしい。
やがて、ふたりが上衣と下袴を脱いで、胸当てと股布だけになった。
つまりは、下着姿だ。
胸当てとは、戦闘や運動のときに乳房が揺れてじゃまにならないように、胸全体だけをすっぽりと包む、いわゆる下着だ。首と背中に紐を通して、前側で結ぶようにして身体に巻くのだ。
また、股布はこの帝国で一般に使われている腰の下着であり、拡げた手のひらほどの幅の布紐を巻いて股間を覆いて、腰の横で結んで縛るものだ。三黒坊も同じものを使っているが、ふたりのしている股布は、女性用の小さなものであり、股間を隠すだけで、美しい脚は腿の付け根まで、しっかりと露わになっている。
いずれにしてに、若い女の下着姿をここまでまじまじと近くで眺めるのは、三黒坊は初めてだ。
とにかく、ふたりの美女の下着姿という光景を二度と忘れまいと、三黒坊はしっかりと凝視し続けた。
「神官服を……」
沙宝蔡が両手で身体を隠しながら、宝玄仙に手を伸ばした。
神官服は脱ぐときに一度床に置かれたが、すぐに宝玄仙がそれに手を伸ばして、いまは宝玄仙が持っていたのだ。
「なにやってんだい。神官服を着るときには、生まれたまんまの恰好に直接着るんだよ。そういう決まりなんだ」
宝玄仙が、沙宝蔡が伸ばした手をぴしゃりとはたいて言った。
沙宝蔡だけでなく、孫玉蔡も驚いた表情になる。
次いで、ふたりとも、怪訝な表情を三黒坊に向けた。
どうやら、宝玄仙の言葉を信じていないようだ。
当然だろう。
そんな決まり事など聞いたこともない。
実際に、いまも三黒坊は、身に着けている居士用の神官服の下には、男用の太めの股布を巻いている。
「……その通りです。浮き世のけがれが神官服に接しないように、肌に直接、神官服をまといます。ご存じなかったのですか?」
だが、そう口に出していた。
まるで、自分の口であって、自分の口ではないような感じだ。
三黒坊は、びっくりしてしまった。
「そ、そうなのね……。し、仕方ないわね……。孫空女、脱ぎましょう」
沙宝蔡が真っ赤な顔になって言った。
「う、うん」
孫玉蔡も胸当ての紐を外し始める。
まもなく、ふたりとも股布まで外して、一糸まとわぬ素っ裸になった。
「早く、服を」
「ご主人様、それをちょうだい」
今度こそ、全身を羞恥で真っ赤にして、ふたりが宝玄仙に手を伸ばす。
そのため、ふたりの裸身はほとんど三黒坊に対して露わになった。
なにしろ、沙宝蔡も孫玉蔡も、しっかりと三黒坊に対して身体を向けているのだ。
ふたりと、もとても女らしく、胸も腰もしっかりとしていた。
背は孫玉蔡がずっと大きいが、やはり胸は沙宝蔡が大きめ目だ。
いずれにしても、どちらもこんもりと丸い乳房であり、その豊さのわりには、ほんの少しも垂れていなかった。乳首は小さくて桃色をしている。
腰は細く括れていて、そのためにお尻が余計に大きく見えた。
また、太股の肉付きはよく、しっかりと締まっている……。
どちらも、片手だけはしっかりと下腹部を隠しているので、はっきりとはわからないが、沙宝蔡に恥毛はないように思えた。それに比べれば、孫玉蔡の股間には、ちらちらと髪の毛と同じ赤い陰毛が覗き見える。
とにかく、本当にきれいな身体だ。
三黒坊は、眼が離せないでいた。
気がつくと、下袴の中の股間が大きくなっている。
慌てて、身体を半身にして、それを隠そうとした。
「……お前、童貞かい……?」
修行服をふたりに手渡した宝玄仙が、つっと寄ってきて、三黒坊の耳元でささやいた。
「えっ?」
質問の内容に驚いて声をあげたが、一方で三黒坊はしっかりと首を縦に振った。
十六で女を知らずに出家し、二年間、女のいないこの観院ですごした。
だから、これまで、女性に触れる機会はなかった。
三黒坊が女を知らないというのは事実だ。
「……いいねえ。だったら、今夜、筆下ろしをさせてやるよ。あいつらでね……。心配ない。これも修行さ。煩悩を抱えたままでは、高い精神の極みには辿り着けないよ。煩悩は耐えるんじゃなく、克服するんだ。食事が終わったら、寝る前にこの部屋にもう一度おいで……。そのときねえ……」
宝玄仙がささやいた。
そのときに、準備して欲しいものを宝玄仙から伝えられた。
三黒坊は驚きで、自分の目が大きくなるのがわかった。
一方で、沙宝蔡たちは、服を着るのに一生懸命で、こっちでひそひそと話していることについては、気に留めていないようだ。
「ちょ、ちょっと、これ、なんです?」
「下がないよ。下袴はどうしたのさ」
突然にふたりが悲鳴のような声をあげた。
上衣だけの修行服を身に着けたふたりは、上衣の丈だけで下腹部を隠しているという恰好であり、長めの丈が辛うじて、ふたりの股間とお尻を隠してはいる。
だが、それだけだ。
太腿は付け根近くまで出ており、座ったりすれば、上衣がさらにたくしあがって、股の中も見えそうだ。
また、上衣は左右の合わせ目を重ねて紐で留めるものなので、乳房の谷間が合わせ目の上からしっかりと見えている。
娼婦でさえ、こんな恥ずかしい恰好はしないだろう。
しかも、その上衣の下には、なにも身に着けていはいないのだ。
三黒坊は乾き切った口を何度も舌で舐めた。
「神殿軍の女幹部の修行服は、それで終わりです。それ以外に、身につけるものはありません」
だが、三黒坊はすかさず、そう口にしていた。
今度こそ、確信した。
これは、三黒坊自身の言葉じゃないと思う。
そんな嘘など思いつきもしなかったし、思いついたとしても、三黒坊がこの蔡士の巫女たちに、それを口にするわけがない。
「そ、そうなの?」
「うう……」
沙宝蔡と孫玉蔡が観念したように唸り声をあげる。
どうやら、信じたようだ。
「夕食の支度が整いましたら、お呼びに参ります。今夜は、ささやかながら夕食会を用意しております。そのときに、神官長の観禅蔡様が是非、帝都の話などを聞かせて欲しいと申しておりました」
三黒坊はもう一度、恥ずかしそうに懸命に上衣の丈を引っ張るふたりの姿を目に焼き付けて、部屋を後にした。
すると、宝玄仙がまた部屋の外までついてきた。
「……くくく……。いい感じだったよ、お前……。じゃあ、ほかの神官たちが騒がないように、あいつらの恰好のことは修行だと念を押しておいておくれ。そして、一切、質問もするなとね。うまくやれば、今夜はたっぷりといい思いをさせてやる……。それと、わかっていると思うけど、部屋の中のことは他言無用だよ……。もっとも、話そうと思っても、話せないと思うけどね」
宝玄仙が意味ありげに笑った。
「お任せください」
三黒坊はしっかりと応じていた。