「これは、これは、なかなかいいものを見させてもろうたのう……」
沙那は、朱姫の責めに完全に果てて、気を失っている。
孫空女は、その姿を呆然と眺めていた。
ただの人のいい老人に思えた寿黒だったが、この部屋の淫靡な空気にあてられたのか、朱姫と一緒になって沙那を責めたてたようなかたちになり、ついには、沙那に激しい色責めをして半狂乱のまま意識を失わせる役目の一端を担うまでした。
朱姫と寿黒は、気を失った沙那を縛っていた縄を解き、その裸身を寝台に横たえた。
孫空女は、その様子を口もきけずに眺めていた。また、朱姫が面白半分で精を絞りとった沙那の股間に生えていた男根は、もうだらりとしている。
その下のすっかりと充血した女陰は、そこだけ別の生き物であるかのようにどろどろに淫液を垂れ流しながら孔の部分を開いたり閉じたりの小さな蠕動運動を繰り返している。
「なにやっているんだい、孫空女。次はお前だよ」
宝玄仙が、腰が椅子に張りついたかのように動けないでいた孫空女に言った。
「あ、あたし……?」
「この寿黒に協力してやるんだろう?」
宝玄仙が嗜虐の悦びいっぱいの笑みで孫空女を見る。
確かに、書物にかけられている封印を解除するのを手伝ってやりたいという気持ちはあったが、さっき、寿黒がいやらしく沙那の胸を揉みしだくのを見てその気も失せた。
「書物にかかっている封印を解く条件は、稚児責めではないようだね。それから、焦らし責めでもないね」
宝玄仙は言った。
「口内奉仕でもないですよ。それなら、沙那姉さんにあたしがやったから、それで解錠できてるはずですから」
朱姫だ。
「そうだね。責めの激しさに“気絶”というのも条件ではなさそうだね」
宝玄仙が笑って応じる。このふたりが、どこまで書物にかかった封印を解くことに真剣なのかわからない。
ただ、それを口実に沙那で遊んだようにしか思えない。
「も、もういいよ──。そんなのどうでも」
孫空女は言った。
「いいから、服を脱ぎな。それとも、無理矢理脱がされたいかい? まあ、それもいいかねえ。人形のように動けなくされて、そこにいる寿黒に一枚一枚脱がせてもらうかい?」
宝玄仙が意地の悪い口調で言う。
「まあ、奴隷の女主人さんがそう言われるんなら、仕方ないからやるがのう」
寿黒の顔がいやらしい笑みで歪んだ。
孫空女は、こんな助平爺を助けたことを後悔してきた。
「ぬ、脱ぐよ」
孫空女は立ちあがった。
こうなったら、なにを言っても、どんな抵抗をしても無駄だ。諦めるしかない。
孫空女は黙って、着ているものを脱ぎ始めた。
残っているのは小さな腰につけている下着だけだ。
それも脱ごうとした。
だが、突然、腕が背中に引っぱられて強引に回される。
「ご、ご主人様、な、なんだよ──?」
宝玄仙の道術だ。
孫空女が手首に装着させられている『
「ど、どうしてだよ。ご主人様?」
「なに、せっかくの客人だから、少しくらい愉しませてやろうと思ってね。やっぱり寿黒に脱がしてもらいな」
「な、なんで──?」
冗談じゃない。どうして、そんなことをさせなきゃならないのか──。
「逆らうのかい?」
しかし、孫空女の拒否の態度に、宝玄仙が急に声を低くした。
孫空女は背に冷たいものが流れる気がした。宝玄仙のあの声には逆らえない。
「わ、わかったよ、ご主人様……」
仕方なく孫空女は裸身を寿黒に向ける。
「ほう、ほう、ほう」
寿黒が孫空女の身体を上から下まで眺めながらおかしな声をあげた。
「ほら、孫空女、寿黒にお願いしな」
孫空女が嫌がっているのをわかって言っているのだ。おそらく、一切の哀願が無駄だろう。孫空女は内心で歯噛みしながら、寿黒に視線を向ける。
「ぬ、脱がしてよ、寿黒さん……」
「そうじゃのう。じゃあ、奴隷女のあそこを眺めさせてもらうかのう」
なんだか、宝玄仙が奴隷女と紹介してから、寿黒の態度が一変した気がする。
山で助けてあげたときには、孫空女に賞賛のこもった視線を向けていた気がしたが、いまは、なんだが蔑みのようなものを感じる。
気のせいだろうか──。
寿黒の両手が、孫空女の下着にかかる。
そして、すっと足首まで脱ぎおろされる。
「触ってもいいかのう、宝玄仙殿?」
孫空女の足首から下着を取り上げると、寿黒が言った。
かっとなって怒鳴りあげようと思ったが、それよりも早く、宝玄仙が口を開く。
「調子に乗るんじゃないよ、寿黒──。じゃあ、また、座ってな」
がっかりしたような感じで、寿黒が離れていく。少しだけ、溜飲が下がる。
「そこで、お尻を床につけないようにしゃがみな、孫空女──。朱姫、『魔縄』を持っておいで」
宝玄仙が声をあげた。
孫空女は命令に従って、踵にお尻を載せるように腰を落とす。『魔縄』を持ってきた朱姫がそばまでやって来る。
「その『魔縄』で孫空女の腿と足首をそれぞれ縛ってしまうんだ、朱姫。立てないようにね」
「はい」
さっそく朱姫が作業を始める。
孫空女は観念して、されるがままに任せた。
腿を縛った『魔縄』で左右それぞれの足首と結ばれる。そうやって縛られてしまうと、宝玄仙が言った通りにもう立つことができない。
なにをさせられるのかわからず、緊張で心臓が痛いくらいに鼓動するのがわかる。
「さて、お前にやってもらうのはこれだよ」
宝玄仙が愉しそうに、書物を開いて孫空女の眼の前にかざした。
孫空女は字が読めないが、その頁には絵が描かれていた。
だから、宝玄仙が孫空女にこれからなにをさせようとしているのかわかった。
「い、いやだよ──。そんなの──」
思わず逃げようと思った。しかし、すでに立つどころか歩くこともできないようにされている。
それでも立とうとしたので、そのまま態勢を崩してひっくり返ってしまった。
しかし、両膝を曲げたまま拡がらないように縛られているので、倒れるともう自分では起きることが難しい。
「字の書けないお前にはちょうどいい練習さ。文字を教えてやるから少しは練習しな」
宝玄仙が笑った。
「ふ、普通に練習するよ──。そ、そんなの酷いよ──」
宝玄仙に見せられたのは、女が股間に筆を挟んで字のようなものを書いてある挿絵だった。そんな恥ずかしいこと冗談じゃないと思った。
孫空女は身体を暴れさせる。しかし、どうしようもない。こうなったら、さすがに孫空女でも逃げようがない。
「ねえ、ご主人様、ほかのことならやるよ。でも、そんなのやだよ」
孫空女は叫んだ。
そんな孫空女を押さえつけ、宝玄仙は横倒しになっている孫空女の身体に馬乗りになった。
「お前の言い出したことじゃないか、孫空女。あの書物の封印を解くためだ。やるんだよ。もしかしたら、これが鍵になっていて、お前が女陰で筆を挟んで字を書けば、封印が外れるかもしれないじゃないか」
「もう、そんなのどうでもいいよ。あたしが悪かったよ。もう、やめようよ」
「ええい──、聞き分けがないねえ……。朱姫、痒み剤を持ってきな。こいつの女陰にたっぷりと塗ってやるんだ。痒さに耐えられなくなったら、筆でもなんでも、女陰で咥えさせてくれとお願いするに決まってるよ」
痒み剤と聞いて、孫空女は総毛だった。あれは少量塗るだけで、発狂するような痒みを与える宝玄仙の地獄の『仙薬』だ。
「そ、それだけはやめてよ、ご主人様──。わかったよ。わかったからやる。字を書く。書くよ──。だから、痒み剤だけはやめて──」
孫空女は悲鳴をあげた。
朱姫が薬剤の入った容器を持って戻ってきた。
「もう遅いよ。じゃあ、朱姫、わたしが押さえつけておくから、こいつの女陰にたっぷりと塗り込みな」
宝玄仙が言った。
「はい──。じゃあ、孫姉さん、いきますよ」
わざとらしく朱姫が、孫空女の眼の前に指に載せた薬剤を見せる。これ以上は無理だと思うくらいにたっぷりと指に載せている。
そして、朱姫の指が孫空女の股間に移動する──。
薬剤を載せたその朱姫の指が孫空女の女陰に入ってくる。孫空女は心の底から悲鳴をあげた。
「謝るよ、ご主人様……。謝るから──。ねえ、勘忍して……。痒み剤だけは塗らないでよ……」
孫空女は哀訴する。しかし、朱姫の指が容赦なく孫空女の女陰の孔を出入りする。薬剤を塗っているだけではない。朱姫はしっかりと孫空女を追い込むように、女陰の中や敏感な肉芽にも指を伸ばしている。孫空女の抵抗力を根こそぎ奪うような朱姫の手管に、あっという間に孫空女は快感の疼きを込みあげさせてしまう。
「あ、ああ……あん、あんっ……」
一度受け入れてしまうと、朱姫の指は簡単に女陰の最奥まで侵入をしてくる。
朱姫の指の触れるところのすべてに、痒み剤が繰り返し塗られているのだと思うと、孫空女は怖くなる。
朱姫は、孫空女の肉芽の皮の裏にも皮を器用にめくりながら、薬剤を塗り込めている。
「しゅ、朱姫……も、もう──ああ……はあっ──」
孫空女は身悶えた。耐えがたいものがどんどん込みあがる。哀願する声に荒い鼻息が混じる。
「ふ、ふ、ふ、そんなに気持ちいいですか、孫姉さん……? そんなに指を締めつけられると抜けなくなりそうです」
女陰に油薬を塗り足していた朱姫がからかう。
「どうしたんだい、孫空女──。まだまだ、始まってもいないんだよ──。朱姫、こいつは、二、三回いかせておきな。そっちの方が、抵抗の気も失せるからね」
「わかりました」
朱姫はそう言うと、また、さらに薬剤を指に足して、女陰に指を挿した。そして、その指を女陰の中の上側の部分を刺激するように動かした。
「はひいいぃぃぃ──」
突然、頭を殴られでもしたかのような衝撃が走った。
真っ白い光のようなものに包まれたかと思うと、孫空女はいつのまにかがくがく身体を震わせている自分に気がついた。
激しく達したのだと悟ったのは、絶頂の余韻が身体を包み込むようになってからだ。
「あっという間ですね、孫姉さん──。もう一度いきますか?」
朱姫が指を抜かないまま、そう言って笑った。
そして、また同じ場所を刺激する。
抵抗できないものが込みあがる。
孫空女は再び声をあげて達していた。
やっと、朱姫と宝玄仙が孫空女の身体から離れた。
「しばらく放っとこうかねえ──。じゃあ、孫空女、股間で筆を挟んで字の練習をしたくなったら言いな」
宝玄仙と朱姫が孫空女から離れた。
孫空女は横倒しのまま放置される。
まだ、荒い息をしながら孫空女はやがてやってくるだろう地獄の痒みに恐怖した。
そして、それはすぐにやってきた。
きた──。
そう思った。
あの痒みが襲ってきたのだ。
一度知覚してしまうと、もうどうしようもない。
孫空女の股間で、猛烈な痒み爆発する。
「あ、あ、あ……──か、痒い──か、痒いよう──」
孫空女は悲鳴をあげた。
あの恐ろしい痒さが襲ってきたのだ。
「か、痒い、痒いよ──。ああ、何とかしてよ、ご主人様」
孫空女は、もどかしげに身体をくねらせた。
「どこがそんなに痒いんですか、孫姉さん? 大声で言うんですよ」
朱姫がからかうように言った。孫空女は怒りでかっとなった。
しかし下手なことを言って、しばらく放っておくようなことをされると大変なことになる。
「い、意地悪を言うんじゃないよ、朱姫。あ、あそこが痒いに決まってるじゃないか──」
孫空女は床に転がったまま喚いた。
「あそこって、わかりますか、ご主人様?」
朱姫がわざとらしく言った。
「さあね、鼻でも痒いんじゃないかい。随分と汗も出てきたようだからね」
宝玄仙が笑いながら言った。
「なんだ……。鼻が痒いんですか。じゃあ、掻いてあげますね、孫姉さん」
朱姫が近づいて、孫空女の鼻を軽く掻く。
「ふ、ふざけるんじゃないよ、朱姫──。か、痒いんだよ。あ、あそこに、筆を……筆を入れて──。お、お願いだから。もう、なんでもするよ」
孫空女は、全身が火がついたように熱くなって、わけがわからなくなり声をあげた。あまりの痒さで全身が震えてくる。ほんの少しもじっとしていられない。
孫空女は床の上でのたうち回った。しかし、もの凄い痒さが襲っている女陰だけは、どうしても触ることができない。
「あひいぃい──か、痒いよう──。ご主人様、ご主人様、ご主人様──」
孫空女は泣き叫んだ。
「どこが痒いんだい、孫空女? はっきり言わないかい」
「言う、言うから──なんとかして。女陰だよ。女の孔が痒いんだ。お、お願いだよ。さっき言っていた股で筆を咥えるというのをやらせてよ」
もう恥もなにもない。きっと、それをやらないと許してくれない。孫空女は懸命に訴えた。
「わかったよ。じゃあ、準備するから、その言葉を忘れるんじゃないよ──。朱姫、じゃあ、これを足しときな」
そう言いながら、宝玄仙は朱姫になにかを渡して離れていった。
朱姫は、いきなり孫空女の股に手をかけた。なにをする気だろうと思っていると、驚いたことに、いつのまにか再び痒み剤を指にすくっていて、さらに塗り足そうとしている。
「あっ──、な、なにしてんだよ、朱姫──」
孫空女はけたたましく叫んだ。
「ご主人様の言いつけですから。仕方ないんです」
そう言いながら、本当に愉しそうに朱姫は、痒みでただれそうな孫空女の股間に、さらに薬剤を追加していく。
孫空女はあまりの仕打ちに絶叫した。
やがて、朱姫の手は女陰から離れたが、しばらく孫空女の身体にまとわり続ける。しかし、朱姫の手は一番痒い場所には触れない。孫空女の肛門や胸などを刺激する朱姫の手管は、孫空女を翻弄して、そし、狂おしい悲鳴をあげさせる。
「さあ、準備ができたよ」
宝玄仙の声がした。
孫空女は汗まみれの顔をあげた。
床の一部が白くなっている。宝玄仙の道術だろう。そこに文字を書けということに違いない。
「朱姫、孫空女をこっちに連れておいで」
「わかりました」
横倒しになってもがいていた孫空女の身体を朱姫が起こした。
「さあ、進んでください」
「こ、こんなんで歩けるわけないじゃないか、朱姫……」
進もうにも両脚とも、膝が真っ直ぐにならないように腿と足首を結びあわされている。
しかも、股間の痒みは限界に達している。
これ以上、焦らされれば狂ってしまう。孫空女は悲鳴をあげた。
「我がまま言うと、こうですよ」
朱姫がいきなり孫空女の鼻の孔に二本の指を突っ込んだ。
「ふ、ふがっ──。んんむ──んんむから──」
朱姫は鼻の孔に二本の指を入れて、容赦なく引っ張る。孫空女は、悲鳴をあげながら、身体を捻って、不自由な身体でよちよち進む。
「ほう、ほう、ほう──なかなかの奴隷扱いじゃな」
寿黒が面白そうに囃し立てる。孫空女のむかっ腹がさらに増長する。しかし、いまは、耐えるしかない。
そして、やっと宝玄仙が道術で白い紙のようなものに変えた床の上までやってきた。朱姫が手を離す。
「ほら、歩けるじゃないですか、孫姉さん」
「く、くそう──。あ、あとで酷いからな、朱姫」
孫空女は悪態をついた。
「あっ……。そんなこと言うなら、また、痒み剤を足しますからね」
朱姫が愉しそうに言った。
「うわっ、そ、それだけは──」
しかし、朱姫はもう痒み剤を再び指にすくって孫空女の裸身に迫っている。
「ひゃあああぁぁ──。そ、そこは嫌だ。嫌だってばあ──」
しかも、朱姫の指は、双臀の女陰よりもさらに秘めやかな後ろの孔に触れてきている。孫空女は愕然となった。
「そんなに嫌ですか、孫姉さん?」
「嫌だよ。そこだけは勘弁してよ──。ね、ねえ、ご主人様──朱姫をやめさせてよ」
孫空女は宝玄仙に哀願の顔を向けた。
「塗ってもらいな、孫空女。お前のお尻は敏感だから、塗ればこっちでも愉しく字の練習ができるさ」
宝玄仙は面白そうに笑った。
「朱姫、お願いだよ。それだけはやめてよ……」
「ふふふ、朱姫様、やめてくださいって言ったら考えますよ、孫姉さん」
朱姫が油薬をかざしたまま言った。
「しゅ、朱姫様、やめてください。お願いします」
怒りで血が沸騰しそうだが、それでも孫空女は懸命に朱姫に訴えた。
「そんなに嫌ですか?」
「は、はい………どうか許してください、朱姫」
「そう。そんなに言うなら残り全部塗ってあげます」
朱姫は、笑いながら、油薬を孫空女の深い亀裂の奥へ挿し入れた。
「う、嘘つきいぃぃ──」
油薬独特のひんやりとした感触に孫空女は引きつった声をあげた。
「じゃあ、そろそろ始めようか。朱姫、これを孫空女の股に咥えさせな」
宝玄仙が朱姫に渡したのは、握る部分がやたらに太い男根のかたちになっている一本の筆だ。
しかも、表面はたくさんのでこぼこがついている。
「じゃあ、入れますね」
男性器そのものの感触が股間に加わる。しかも表面のでこぼこが、油薬で地獄の痒さで蕩けている女陰の粘膜を擦ってくれる。孫空女はあまりの気持ちよさに身体を仰け反らせて吠えた。
「気持ちよさそうじゃのう」
寿黒がそう言って笑った。なにか理不尽なものを感じて孫空女は悔しくなった。
「落ちにくいようになっているはずだけど、一生懸命に締めつけな。もしも、途中で落とそうものなら、また、痒み剤を追加して、一刻(約一時間)は、そのままでいさせるからね」
宝玄仙が言った。
孫空女はぞっとした。宝玄仙は責めに関してはやるといったら、必ずやる。孫空女は、筆を挟んでいる股間を締めつけた。
「さあ、床に筆先をつけて動かしてごらん。墨がなくても床に文字が書けるからね。まずは、お前の名前からいこうか」
宝玄仙の言葉で、孫空女が跨っている床の上になにかの記号が浮かびあがった。
「こ、これは……?」
孫空女は、さらに加わってきた肛門の痒さに震えながら顔をあげた。
「それがお前の名前だよ。その通りに書くんだ」
宝玄仙は言った。
「くっ」
なんか難しそうな字だ。
自分の名がああいう風なかたちとは知らなかった。孫空女は見本をたよりに、筆を咥えた女陰を床の上で動かす。
「ひいいい──」
その途端、孫空女が股に入れている筆の柄が強く振動し始めた。ただれたような痒みがいっぺんに癒されるあまりの気持ちよさに孫空女は大声で吠えた。
しかし、孫空女が快感にのたうとうとすると、嫌がらせのようにぴたりと振動が止まった。すると、また、痒みが襲ってきて、孫空女を苦しめる。
「字を書くのをやめると振動がとまる仕掛けになっているんだ。痒みで発狂したくなかったら、一生懸命に字の練習をしな」
宝玄仙が言った。
「その奴隷は、字の練習をしながら気をやりそうではないかのう」
寿黒が冷やかしのような声をあげる。
やっぱり、奴隷だと聞きた途端に、寿黒は孫空女たちに対する態度ががらりと変わった。それにもなにか腹が立ってくるが、いまはそれどころじゃない。この痒さをなんとかするには、卑猥な芸のようなことを続けるしかないのだ。
気の遠くなるような恥辱を覚えながら下腹部をかくかくと動かし、股間で字の練習をするという恥辱に挑んだ。
そうすると、筆に激しい振動が襲ってきて、絶頂に追い込まれる。
しかし、それに我を忘れると振動がとまり、また、とてつもない痒みが戻ってくる。その繰り返しにより、いつのまにか全身にびっしょりと生汗をかいた孫空女は、そのおびただしい汗と、そして、女陰から滴り落ちる愛液で床を汚していた。
畜生──あたし、なにをやっているんだろう。
痛みとさえ錯覚するような痒み──。
それが癒される筆の振動──。
そのあまりもの気持ちよさ──。だが、それを受け入れてよがるとぴたりと止まり、奪われる快感と戻ってくる痒み──。
だんだんと追い詰められて、孫空女の頭は朦朧としてくる。
字を書く速度が緩慢になると、宝玄仙だけではなく、寿黒も囃し立てるような声をあげるようになった。
そして、ついに、途中で孫空女は激しい気をやった。
「怠けちゃいけませんよ、孫姉さん」
絶頂とともに、お尻を床につけてしまった孫空女は、朱姫に腰をあげられて元の中腰の態勢に戻る。
休息も許されず、孫空女は、何度も何度も同じことをさせられた。なんとか文字らしきものを書きあげると、宝玄仙が道術で床に書かれた文字を消す。そして、ひたすら繰り返すのだ。
「それにしても、床はまるで小便でも洩らしたようになったのう」
やがて、寿黒が言った。
孫空女はふと床を見た。確かに、孫空女が文字の練習をした床は、黒い文字とそのまわりのたくさんの液体でいっぱいだ。
「じゃあ、次は、お尻で同じことをしましょうね、孫姉さん。挟みやすいからお尻は女陰で咥えるよりも簡単ですよ」
朱姫がそう言って、女陰から筆を引っこ抜いた。
「ふわあぁぁぁぁ──」
筆が抜かれる感触で、再び孫空女は痴態を晒してしまった。
「ほう、ほう、ほう、何度もいったのに、随分と敏感な奴隷じゃのう」
寿黒が驚いたような声をあげる。
「このわたしが調教したからね」
宝玄仙が応じる。
孫空女は消えてしまいたいような恥ずかしさを感じた。
「じゃあ、次はお尻ですよ、沙那姉さん」
「も、もう……か、勘忍」
何度もいかされて孫空女の身体は全身が鉛になったかのように重かった。少しでもいいから横になりたい。
「あら? じゃあ、やめますか、孫姉さん? 別にいいんですけど。いいのかなあ、ここ痒くないんですか?」
朱姫が孫空女の肛門の入口をこちょこちょとくすぐった
「ひゃあああぁぁぁ──」
孫空女はあまりの衝撃に大声をあげた。女陰の痒みが紛れることで忘れていた肛門の痒みが一度に襲ってきたのだ。名状できない恐ろしい痒みが、刺激されたことで呼び起こされて、一度に肛門にやってきた。
「い、嫌だ──。ひゃあ、ひゃあ──」
孫空女は不自由な腰を跳ねあげる。もちろん、それで痒みは癒されない。それどころか、かなりの時間、肛門については、放っておかれたことで痛みのような痒みがどんどん倍加していく。
「ほら、孫空女、おねだりしないか。尻でも字の稽古をしたいだろう?」
宝玄仙がからかいの言葉を投げる。しかし、それを悔しいとか、恥ずかしいとか思うような余裕は、いまの孫空女にはない。
「お尻でやるよう……。お尻に挿してよう──。れ、練習させて。お願いだよ──」
孫空女は大声で叫んでいた。
「そんなにお尻に筆を入れて欲しいですか、孫姉さん?」
朱姫が意地の悪い言い方をしながら、また、お尻を刺激した。だが、ひんやりとした感触──。
孫空女は嫌な予感がした──。
「朱姫、お前、な、なにを……」
孫空女は悲鳴をあげた。
「いやらしい孫姉さんに贈り物です」
ずぶずぶと朱姫の指が入ってくる。その指から与えられる感触は明らかに、新たに油剤を足している。
「あああぁぁぁ──、お、お前、覚えてなよ──」
孫空女は身体を震わせた。
「もちろん、覚えています。孫姉さんは、お尻がとても弱いってことですね」
そう言いながらどんどん朱姫は、油剤を足していく。尻をなぶられながら、孫空女は悲鳴をあげ続けた。
そして、朱姫が離れていく。それからしばらくは、いくら、尻で字を書くと訴えても、朱姫と宝玄仙、それに、寿黒までそんな孫空女を嘲笑うような笑い声をあげるだけだった。
最後には本当に泣きながら、尻に筆を挿してくれという哀願の言葉を叫んだ。
「じゃあ、朱姫、挿してやりな」
やっとのこと宝玄仙が言った。
「はい、ご主人様」
ずぶずぶと肛門にさっきの筆の柄が侵入してくる。孫空女は我知らず吠えるような声をあげていた。
性感を根こそぎ燃えあがらせるような強烈な刺激に孫空女は、身体をのけ反らすこともできない快感を味わっていた。
しかし、それだけだ。癒されたと思った肛門の中の肉襞から染み出るような痒みがやってくる。
痒い──。痒い──。痒い──。
涙がひとつ、ふたつとあごから落ちる。
「さあ、始めていいですよ、孫姉さん──。文字の練習している間は、痒みが止まりますよ」
宝玄仙の道術で床にうっすらと線が浮きあがる。それに沿って肛門に刺さった筆を動かすのだ。
「ぬおおおっ──」
孫空女は馬鹿みたいな声を出していた。
強烈な振動がやってきたのだ。骨の髄まで孫空女を蕩かしてくれる待ちに待った刺激が肛門から脳天に突き刺さる。熟れきった身体と精神まで犯すような痒みが消滅する気持ちよさに、孫空女の頭は一瞬白くなった。
しかし、その瞬間、筆の振動がぴたりととまる。
「駄目じゃないですか、孫姉さん。今度、とめたら、筆を抜いてお預けにしますよ。もちろん、痒み剤も追加です」
「ぐううっ──」
孫空女は気の遠くなるような恥辱を味わいながら、再び尻を前後左右に懸命に動かす。
すると頭を朦朧とするような強い振動がお尻に突き刺さる。
「ほわああっ」
今度は尻で床の線をなぞりながら達した。前の女陰からぼたぼたぼたと大量の愛液が床に滴り落ちた。
「やっと、お尻でも達しながら字が書けるようになりましたね。その調子ですよ、孫姉さん」
朱姫が横で言った。
もう頭もうまく回らない。なんのためにこんなことをしているのかもわからなくなる。頭の中には、ただ、お尻を動かすことをやめたら、死ぬような痒みが襲ってくるという恐怖感だけだ。
しかし、すぐに筆の振動であっという間に達してしまう。そして、続けざまに肛門の奥から襲う官能の爆発に身を任せると、肛門にあの疼きが戻ってくる。それを逃れるために、孫空女ははしたない中腰の格好で尻を動かす。
「も、もう駄目えぇぇ──」
尻で何十回いったのか──。
どうしても身体を保つことのできなくなった孫空女は、ついに、拘束された身体を床に倒れさせた。
嗚咽が止まらず、孫空女は、筆を肛門に挿したまま、幼女のように慟哭した。
「さて、股間で字を書くというのは、封印の解錠の条件でないようだね。次にいこうか」
やっと宝玄仙が言った。