「そんなに尻の蕾を硬くしては、浣腸器が入らんではないか、宝。力を緩めんか」
千代婆は、高尻の姿勢で拘束している宝玄仙に、浣腸器の管を突きつけながら言った。
千代の調教も、明日で五回目の朝だ。
宝玄仙の抵抗も小さくなった気がする。
首の後ろに固定させていた両腕を左右の足首に密着するように拘束し直したときにも、手間はかけさせなかった。
もっとも、千代婆も歳はとってはいるが、女体の調教にかけては玄人だ。調教中に逃げさせるようなへまはしない。
それに、勃起が止まらなくなっている宝玄仙の両方の乳首の根元に糸を結んで、それも天井からの鎖に結んでいる。
“狂い油”の影響により、乳首の性感が狂わされている宝玄仙は、その糸をちょっと引っ張ったり、揺すったりされれば、たちまちによがりだす。
こんな状態で逃亡などできるわけがない。
今日か明日には、宝玄仙の尻の穴も“狂い油”の処置をしてしまおうと思っている。
尻は、宝玄仙の最初からの弱点であったようであり、これにより、宝玄仙の異常性感の開発はさらに進むことになるだろう。
明日頃からは、天井からの拘束は必要ないかもしれない。
それよりも、異常性感になった尻に性具の長い尾をつけ、その尾を常に引きずるようにさせてしまえば、尻に刺激を受けすぎて、素早く動くことはできなくなる。
逆に、その状態で無理矢理に歩かせて、震動でいかせ続けるのも愉しいかもしれない。
いずれにしても、乳首が常に淫情してしまっている宝玄仙は、かなり、それでまいっているようだ。
顔を床につけて、両手を足首に固定し、尻だけを高く上げさせる姿勢をさせても、宝玄仙は抵抗せずに大人しくしていた。
だが、浣腸をされるのは、心が受け付けないのか、いまも尻の孔を硬くして、浣腸器の管をなかなか受け入れようとはしない。
「そ、そんなことを言ったって……」
宝玄仙は、屈辱に染まった顔を横に向けたまま言った。
排便については、当然ながら、ここに監禁を始めて以来、毎日、千代の前でさせている。
いずれは、前庭に穴を掘ってそこでさせるようになるが、まだこの部屋を出して外で排便させるのは早い。
だから、ここで排便させて、千代が外に捨てに行っているのだ。
それについても、心の中にはまだ大きな葛藤があるのだろう。それが宝玄仙の尻を無意識に硬くしている。
「しょうがないのう……。じゃあ、千代婆が慰めてやるかのう」
千代は、浣腸器を横に置いて、眼の前に突き出させている宝玄仙の肛門に舌を這わせた。
「ひいっ──、そ、そこは──」
暴れて姿勢を崩そうとした宝玄仙の腰をがっしりと掴む。
そして、肛門の入口の襞にぺろぺろと唾液を擦りつけていく。
「ひゃ、ひゃあ、ひゃああ、ああ──そ、そこは、駄目なんだよ──や、やめて──や、やめてぇ──」
宝玄仙がよがって泣き声のような声を出し始める。
それでも執拗に続けると、やがて、小さな痙攣のような震えをしはじめた。
床に押しつけている顔から発する嬌声も獣のような声に変わっていく。
本当に尻が弱い女だ。
ここをさらに“狂い油”で性感を壊されたら、この女は完全に抵抗の意思をなくすのではないだろうか。小生意気なこの道術遣いが、どんな風にこれから、千代の調教によって変化していくのか愉しみでもある。
朝には、そのための第一弾として、奔破児に肛姦をしてもらうつもりだ。
また、これから数日は、宝玄仙を責める場所は、肛門と乳首だけに限定するつもりである。
千代の尻責めによって、宝玄仙の身体は、火がついたようなように熱くなった。
小刻みに揺れる腰は、もう、宝玄仙の意思ではとめることはできないのだろう。荒くなった鼻息も甘い情感のこもったものに変わっている。
千代は、頃合いを見計らい、舌を肛門から離すと、すっかりと緩んだ肛門に浣腸器の管を挿し込んだ。
「ううっ」
宝玄仙が呻き声をあげた。
構わず、千代は浣腸器を押して、中の浣腸液を宝玄仙の尻穴に注ぎ込む。
宝玄仙は浣腸液を受け入れるおぞましい感覚に、おぞましさを顔をしかめている。
「ほれ、終わりじゃ。じゃあ、薬剤が効いてくるまで待っておれ」
千代は、浣腸器を引き抜くと、ぴしゃりと宝玄仙の尻を叩いた。宝玄仙は恥辱に顔を歪めた。
「浣腸は、一回で終わりじゃないぞ。そのつもりでおれ。明日の朝には、お坊ちゃまには、お前の尻を味わってもらうつもりなんじゃ。あと数刻で夜が明ける。その頃に、お坊ちゃまは、一度ここに顔を出してくれるだろうから、それまでに尻を綺麗に洗浄するぞ。お坊ちゃまの精を尻で受け入れるためには、まずは尻を綺麗にしておかんとのう」
千代は言った。
「そ、そんな……。だったら、女陰は、女陰はどうなるんだよ。尻じゃなくて、女陰は──」
宝玄仙がうろたえた声をあげた。
昨日の調教から、これからは女陰にものを入れるのは、奔破児の肉棒だけにすると申し渡している。
そして、張形どころか、千代の指でさえ、宝玄仙の女陰は慰めてやっていない。
だから、宝玄仙は、媚薬で苛まれる身体を、尻でいき、乳首でいき、肉芽でいき、それこそ、一日の間に、全部で数十回もの絶頂をしたが、一度も女陰そのものは責められていない。
それで狂いそうな悶えに苦しんでいるのだ。
しかし、毎朝決まってやってくる奔破児に、女陰を責めてもらえないということになると、最悪はさらに一日待つことになる。
それで、宝玄仙は切羽詰ったような口調になっているのだ。
「それは、お前からおねだりをするんじゃな。昨日の朝はあんなに激しくお前からお坊ちゃまにおねだりしたものだから、お坊ちゃまは感激しておったぞ。明日の朝も、尻で精を受けた後で、お願いせい──。もっとも、お坊ちゃまは、お前だけに構っておれんで、すぐに軍営に戻って、向こうにおる女囚にも精を放たねばならんから、お前の願いをきいてくれるかどうかわからんがな。まあ、精一杯、甘い声でねだるんじゃな」
宝玄仙は本当に悔しそうな顔をした。
まだ、奔破児に犯してくれと言うのは苦痛であるらしい。
しかし、宝玄仙が疼ききった身体を癒してもらうにはそれしか方法がない。
千代は、宝玄仙の疼きが、奔破児がやってくる時刻に合わせて限界になるように媚薬や性具で責めたてている。
だから、宝玄仙は、心ならずも奔破児がやってくるたびに、犯してくれとほとんど泣きながら言うことになっているのだ。
奔破児は、いまのところ、基本的には軍営に詰めきりで、奴隷たちの叛乱についての調べをしている。
いまは、九頭女とかいう彼女たちの首魁に近い人物を捕えたということで、そこから連中の組織の解明につながる情報を得ようと、執拗な訊問を続けている気配である。
だから、あまりこっちには来れないでいる。
それでも、毎朝、宝玄仙の道術封じのために、宝玄仙の身体に精を入れなければならないので、夜が明ける頃には必ずやって来る。
しばらくすると、宝玄仙のお腹からぎゅるぎゅるという音が鳴り始めた。いよいよ浣腸液が効いてきて、便意が襲ってきたのだろう。
「じゃあ、少し、宝に運動をしてもらおうかのう。四日間も座るか、寝るかの姿勢しかとっておらんので、身体がなまっておろう」
天井から繋がっていた首輪の鎖を外す。
その代わりに、宝玄仙の乳首に繋がっている二本の糸を指に巻いて握った。
「ひいっ、引っ張らないで――」
そして、宝玄仙の身体を起こして、上半身をあげさせる。
しかし、両手首をそれぞれ左右の足首に枷でつなげているので、宝玄仙は、しゃがんでいる姿勢から高くなることはできない。
膝を曲げて座っている宝玄仙の乳首から伸びる糸を、立っている千代が握っている状態だ。
宝玄仙はぎょっとした表情をしている。
「ほれ、部屋を回れ」
千代は乳首につけた糸を引っ張って、歩きはじめた。
「ひいいっ──。や、やめておくれ──。そ、それは駄目──。か、勘忍だよ。勘忍してよ」
宝玄仙は狂ったような声をあげた。
それでも乳首を引っ張られるので、懸命に左右の膝を前に出して、千代についてくる。
排泄感に襲われている宝玄仙には、これは苦しいはずだ。
しかも、肛門の緊張を邪魔するように、乳首からは強烈な快感が襲ってくる。
だが、乳首の刺激に恍惚になるのを許すと、たちまちに床に大便を噴き出しそうになるのだろう。
宝玄仙は、悲痛な表情で悲鳴をあげながらよちよち歩きを続けた。
「ああ、や、やめて……やめて……お、お願い……。も、もう、歩けない──。お願いだよ──。も、もう……ひいっ──」
まだ、部屋を半周しただけだ。
しかし、もう限界のようだ。千代は、歩くのをやめた。
「どうして欲しいのじゃ、宝?」
千代は言った。
「させて……。う、うんちをさせて……」
宝玄仙は、汗びっしょりになり、自ら顔を床につけてうずくまった。
「大人しく桶にするね?」
「する──。いや、させておくれ」
千代は、宝玄仙の乳首の糸をまだ天井から垂れている鎖に結んだ。
宝玄仙は、特に逃げようとするような素振りもなく、部屋の真ん中で膝と肩と顔を床につけて、脚を開いた格好で身体を震わせて待っている。
千代は、部屋の外に置いてある木桶を持ってくるために、一度外に出た。
この庵の部屋から出ればそこは縁側になっている。
縁側から見える庭の向こうは完全な闇だった。
周りからは虫の声しか聞こえない。
この辺りは、軍営の演習場になっていて、周囲に家屋がほとんどない。
だから、夜の闇を壊す灯りがないのだ。
木桶を取って戻ると、宝玄仙の表情が切羽詰ったものになっていた。
「は、早く……、千代婆。早く──」
宝玄仙が苦痛に歪んだ顔をこっちに向ける。
「おうおう、ちょっと、待っておくれ」
千代は、木桶を宝玄仙の股間の下に置く。
「いいぞ」
「う、うん……。じゃ、じゃあ、する」
宝玄仙は小さな声でそう言うと、宝玄仙の肛門から浣腸液が流れ落ちてきた。
そして、その後を追って、固まった大便が顔を出した。
千代は、そこを見計らって、宝玄仙の身体の下に手を差し込むと、“狂い油”で犯されて勃起がとまらくなっている宝玄仙の乳首をくりくりと捻った。
「ひいっ──。い、いまは駄目だよ──。や、やめておくれ」
ここをいじくれば、宝玄仙はその瞬間に性感を爆発させて、限界を超えた淫情に襲われる。
「暴れるでないわ、お前の汚いものが桶からはみ出るだろうが」
宝玄仙は真っ赤な顔をして、悲鳴をあげた。
そして、がくがくと身体を震わせて絶頂した。
しかも、股間から尿のような潮を噴き出した。
乳首でいくときは、潮噴きをすることが身体の癖になってしまったようだ。
同時に、ぼとりぼとりと大便の塊りが木桶に落ちていく。
気をやりながら排便した宝玄仙はそのままの姿勢で小さな嗚咽をしはじめた。
余程の衝撃だったのだろう。
千代は、排便をさせながら気をやらせるという行為を何人もの女にやらせたが、大抵はこれを境にすっかりと従順になる女が多かった。
この宝玄仙はどうだろうか──。
大人しくなった宝玄仙の尻を洗ってやると、まだ、涙を流している宝玄仙をそのままに、木桶の中のものを処分するために、部屋の戸を開けて縁側に出た。
「な、なんじゃ?」
千代はびっくりして大きな声をあげた。
縁側に青い髪をした女と栗毛の女がいたのだ。
栗毛の女がさっと動いて、眼の前から消えた。
次の瞬間、千代は首に衝撃を感じ、そして、突然、視界が真っ暗になった。
*
「ご主人様──」
気絶した老婆を七星に預けて、沙那は宝玄仙に駆け寄った。
宝玄仙は、右手首と右足首、左手首と左足首をそれぞれ繋がれて、尻を高くあげた姿勢で部屋の真ん中に拘束されていた。
「さ、沙那だね……」
宝玄仙の顔が破顔した。
ほっとした安堵の表情があった。
だが、驚いたことに、宝玄仙の顔には涙の痕がある。
沙那は驚愕した。
とにかく、部屋の壁に掛けられていた鍵束をとった。
宝玄仙の拘束を解く鍵はその中にあった。
最初に天井から伸びる鎖に結んである糸を解く。
その糸は宝玄仙の乳首に繋がっていた。
それはそのままにして、先にそれぞれの手首と足首を繋ぐ枷を外す。
手足の自由になった宝玄仙は、ずっと拘束されていた手足が痺れているのか、身体を起こしても、すぐには動きださずに、自分の裸身を両手で抱くような姿勢になった。
「乳首の糸を解きます」
「い、いや、それはいい。自分でやる」
宝玄仙は首を横に振ると、自由になった手で自分の乳首の糸を解きはじめた。
「ああっ」
不意に宝玄仙がよがり声をあげた。乳首が異常に勃起している。
どうやら、ちょっとでも乳首に触れると激しい快感が走るようだ。
かなりの時間をかけ、そして、時折、びくりびくりと官能の震えを示しながら、やっと宝玄仙は自分の乳首の糸を解き終わった。
すると宝玄仙は、脱力したようにぐったりとなった。
「あ、あのう……ご主人様──?」
沙那は宝玄仙に呼びかけた。
なんだか様子がおかしい。
まだ、激しい淫情と戦っているように雰囲気だ。
「だ、駄目だ……」
宝玄仙はいきなり立ちあがったかと思うと、あの老婆の調教道具のような持ち物置場に駆け寄った。
そして、そこにあった一本の張形を掴むと、いきなり自分の女陰に突き挿した。
宝玄仙は、沙那が見ている前でその張形で激しい自慰を始めた。
沙那は呆気にとられてその様子を見ていた。
「ああっ──はひいっ──」
宝玄仙が身体を真っ赤にして震えながら身体を仰け反らせた。
しかし、一度気をやっても、宝玄仙はその自慰をやめない。
さらに、激しく張形で自分の女陰をほじっている。
やがて、また気をやる。
宝玄仙がなにかの発作のような自慰をやめたのは、三度目の絶頂をしたときだった。
「あ、あの、大丈夫ですか、ご主人様?」
その様子をじっと見守っていた沙那は、ぐったりしている宝玄仙の背中に声をかけた。
「き、来てくれてありがとう、沙那──。他の者はどうしているんだい?」
少し落ち着いたのか、宝玄仙が沙那に姿勢を向け直して言った。
「一応無事です。朱姫は、捕えられて拷問を受けていて、酷い状況です。ご主人様の魔力が戻ったら、『治療術』で治して欲しいと思っています。だけど、いまは、大きな作戦の途中で、孫女と朱姫は、そっちに向かっています。とにかく、説明は後でさせてください。先に、ここを離脱します。もう少し、安全な場所に移動したいと思います」
沙那は早口で言った。
宝玄仙が頷く。
「あいつは……千代婆は?」
宝玄仙が思い出したように、周囲を見回す。
「千代婆って、言うんですか、あいつ? 縁側に倒れて……。そうだ、七星──」
沙那は、まだ、七星を紹介していないことに気がついた。
しかし、その七星は、まだ、この部屋には入って来ていないようでそばにはいない。
「七星だって?」
宝玄仙の眉間に皺が寄った。
「あ、あの沙那……。宝玄仙さん」
縁側から遠慮がちな言葉遣いの七星の声がした。
見ると、七星が服を抱えている。
「隣の小部屋にあったよ。この婆さんの服だと思うけど、とりあえず、これを──」
七星がなにかを怖れるようにこっちにくる。
それで、沙那は、宝玄仙と七星が別れるとき、七星が宝玄仙に手酷い仕返しをしたままになっていたのを思い出した。
七星は、そのときの報復を宝玄仙から受けるのを恐れているのだ。
「ご主人様、後ほど詳しく説明しますけど、七星とはご主人様が捕えられた後で、この祭賽国のこの北安で再会したんです。ご主人様や九頭女を救出するために、九頭女たちが加わっている叛乱組織が密かに動いています。七星もそのひとりで、ご主人様を見つけたのも七星の功績です」
沙那は、“七星の功績”という言葉に特に力を込めて言った。
「七星、お前かい? 懐かしいねえ。元気だったかい?」
宝玄仙が眼を見開いている。
「ま、まあね……。あ、あのう……。沙那の言う通り、結構ここを見つけるのは苦労したのさ。奔破児というのは用心深い奴でさあ、この軍の演習場の横にあるこの庵に向かうのに、たくさんの部下に自分と同じ格好をさせて、ひとりふたりと去らせながら、尾行されないように向かうんだ。だから、あたいは、それを逆手にとって、沙那に借りた『変化の指輪』で、その部下のひとりに変身してさあ──」
「『変化の指輪』──? ここにあるのかい?」
宝玄仙が声をあげる。
「えっ、『変化の指輪』? ああ、一応はあるよ。沙那に借りたままだからね。ここを抜け出すには必要ないと思うよ。軍の演習場以外になにもない場所だから、警備は結構手薄なんだ。決めてある集合場所に向かうのは簡単だと思うよ」
七星が言った。
沙那も横で頷く。
「いいや、ちょっと考えがあるんだ。それを貸しな。それと千代婆を連れておいで」
宝玄仙が言った。
七星がいぶかしげな顔をしながら、言われたことを実行するために一度部屋を出ていった。
宝玄仙は、立ちあがると沙那に手伝わせて、とりあえず、七星が持ってきた千代婆の服を着始めた。
下着の類いはない。下袍と上衣と草履だけだ。
宝玄仙は、裸身に直接に下袍を身に着け、次に、用心深い仕草で上衣を身に着けた。ほっとした表情をしている。
「あひっ──」
だが、草履を履こうと身体を屈ませた瞬間に、あられもない嬌声をあげたかと思うと、腰が砕けたようにその場にうずくまった。
「ご、ご主人様──大丈夫ですか?」
沙那は叫んだ。
「だ、大丈夫……。いや、あまり、大丈夫じゃないけど……。乳首が擦れて……。くそうっ、千代婆め──」
宝玄仙はなにかぶつぶつと恨みのこもったような口調で呟いている。
そして、その場で上衣の胸元を破ると乳房を剥き出しにしてしまった。
宝玄仙をの乳首はぴんと屹立している。
やっぱりこれは、ここで宝玄仙が受けた仕打ちの影響なのだろうか。
「道術が戻るまで、仕方ないから、このままか」
宝玄仙は、乳房を剝き出しにした格好で赤い顔をして言った。
「連れて来たよ、宝玄仙さん」
七星が気絶している千代婆を横抱きにして、部屋の真ん中に置いた。
「そのばばあを素っ裸にしな。そして、その『変化の指輪』を装着させるんだ。それと、七星――」
「な、なに?」
宝玄仙の強い口調に七星は、動揺を隠さずに返事をする。
「お前、宝玉が教えた『道術錠』は、まだ遣えるだろうねえ?」
宝玄仙が怒りのこもった視線で、気を失っている千代婆をにらみつけながら言った。
「も、勿論だよ」
七星はうなずいた。
「ならいい。これから、わたしの言うとおりの『道術錠』をこいつに刻みな」
「わ、わかった。なんでも言っておくれ、宝玄仙さん」
「それから、沙那、こいつの荷から“泣き油”という媚薬の油剤があるから、持っておいで」
沙那は、荷に駆け寄って中を探った。
それらしいのは、三個ほどあったが、どれがそうかわからない。
「どれがそれですか?」
沙那は、荷の中からその三個の小瓶を取り出し、それらを見せながら言った。
「まあいい。全部持ってきな」
宝玄仙は言った。
沙那は、なんだか、宝玄仙の顔が嗜虐の色に染まった気がした。