※この作品はR-18です。

嗜虐西遊記【完結】   作:ドン・ドナシアン

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243 完全なる敗北(孫空女)

「んぐうう」

 

 地面に叩きつけられた回数は、すでに五十は超えている。

 凌空士(りょうくうし)に飛びかかり、身体をかわされては、背中から叩きつけられる。

 ひたすらにそれを繰り返すだけの闘いだ。

 孫空女は、ここまで歯が立たないということが、いまだに信じられないでいた。

 

 相手が強いとかそういうものではない。

 まるで実力が段違いだ。

 孫空女の蹴りも、拳も、まったく凌空士に触れることさえできない。

 どんなに打ちかかっても、掠ることもできずに交わされる。

 そして、気がつくと、身体を持ちあげられて投げられている。それだけなのだ。

 

 孫空女がすぐに立てないときは、起きあがれなくなった孫空女を凌空士が掴んで、技をかけて地面に叩きつける。

 そういういたぶりになる。

 孫空女も投げ飛ばされながらも、懸命に反撃を試みようとするのだが、すべての孫空女の攻撃がまったく効果がない。

 

 ほとんど息もできないくらいに疲労困憊になった孫空女に比べて、凌空士の様子には変化した様子はほとんどない。

 孫空女をこれだけ投げ飛ばしながらも、汗ひとつかいた様子はないし、呼吸は少しも乱れていない。

 離れた場所で孫空女と凌空士の闘いを見ている十八公たちも余裕の笑みを浮かべている。

 憤怒のようなものが孫空女の全身を駆け巡る。

 しかし、どうしようもない。まるでかなわないのだ。

 

 やがて、ついに脚に力がほとんど入らなくなった。

 噴きこぼれる汗が顔を伝って首に流れていくのがわかる。

 

「暑いようだな。上衣を脱がしてやるよ」

 

 孫空女がよろめく足でなんとか立ちあがったとき、眼の前にいた凌空士の姿が消えた。

 はっとして周囲を見回そうとすると、いきなり背後から羽交い絞めにされた。

 

「や、やめろっ──」

 

 孫空女はもがいた。

 しかし、孫空女を抱きしめる腕は、まるで金属でできているかのように固くて動かない。

 万力のような力で孫空女の胴体を腕ごと絞り、前側に回っている指で孫空女の上衣のぼたんをひとつ、ふたつと外していく。

 

「ち、畜生──」

 

 孫空女は全身の力を込めて身体を暴れさせる。

 しかし、上半身は完全に拘束されているし、後ろに向かって脚をばたつかせて蹴っても、まるで大木の幹でも蹴っているかのように手応えがない。

 やがて、完全に上衣の合わせは開かれた。

 

 凌空士がどんと孫空女の背を押した。

 両袖からするりと上衣が抜けて、孫空女は上半身が胸当てだけの姿で地面に叩きつけられた。

 

「いたあっ」

 

 振り返ると、孫空女の上衣は、にやついている凌空士の手の中にある。

 

「少しは、動きやすくなったか?」

 

 凌空士は、孫空女の上衣を十八公たちが見ている方向に投げ捨てた。

 

「お、お前何者だよ?」

 

 孫空女は思わず叫んだ。

 尋常ではない動きと力だが、道術というわけではない。

 そういうものは感じない。

 ただ、力と技において孫空女を圧倒的に凌空士が上回るというだけのことだ。

 そのことがいまだに孫空女は信じられない思いだった。

 

「世の中には、自分よりも強い者はいなかったと思っていたというような顔をしているな、孫空女」

 

 凌空士が言った。凌空士が無造作に間合いを詰めてくる。

 

「な、なんだよ……」

 

 孫空女は、圧倒されるものを相手から感じて、思わず数歩退がる。

 相手が怖い──。

 生まれて初めての感情だ。

 

 なにをやっても勝てない──。

 そう思った。

 

 そういう気持ちを孫空女に植え付けるために相手は、何十回も孫空女を投げ飛ばしていてきたのだろう。

 それがわかった。

 これだけの力量差があれば、本来であれば、孫空女など数瞬で倒されてもおかしくはないのだ。

 

「だが、俺がこの世で一番強いというわけとも違うぞ、孫空女。強さというものには限りはないのだ。強い者もいれば、弱い者もいる。それだけのことだ。だが、俺と戦っているお前は、俺に比べて弱い。それを自覚しろ──。お前の能力では、どんなことをしても、お前の仲間どころか、お前自身も救えん」

 

 仲間のことを言われて頭に血がのぼった。

 そうだ。自分は負けるわけにはいかないのだ。

 どこかに連れていかれた宝玄仙たちを救わなければ……。

 

 孫空女は身体を沈めて身体を倒すと、さらに間合いを詰めた凌空士の脚を蹴った。

 しかし、その孫空女の全力を込めた蹴りが、凌空士の脛でしっかりと受け止められた。

 逆に痺れのようなものが孫空女の脚に響く。

 

「くうっ」

 

 孫空女は呻いた。

 次の瞬間、凌空士の巨体が孫空女に覆いかぶさってきた。

 

「寝技がいいのか、孫空女? 確かに、もう立つのもおっくうそうだしな」

 

 あっという間に背後を取られて、しゃがませられた。

 孫空女は地面に腰を落として座り、その後ろから凌空士に抱えられた格好になった。

 しかも、背後から両腕を抱えられて身動きできなくなった。

 凌空士が片手で背中側から孫空女の両手の二の腕をがっしりと抱えたのだ。

 しかも、恐ろしい力だ。

 孫空女はまったく両腕を動かすことができない。

 

 さらに、凌空士は、空いている片手で、孫空女の胸当ての留め具を外すと、さっと取り去った。

 孫空女の大きな乳房がぼろりとこぼれる。

 

「なかなか、いい乳だな。触るぞ」

 

 凌空士の指がこりこりと孫空女の乳首を弾く。

 

「や、やめろおおぉぉぉ──」

 

 孫空女は全力を込めて暴れる。

 しかし、感じやすい乳首をいじくられると、すっと全身の力が抜けていくような快感の痺れに襲われてしまう。

 孫空女は、官能の波を払いのけようと大声を発した。

 

「ほう、もう、乳首が勃起したぞ、孫空女」

 

 凌空士は、指先でころころと乳首を転がしたかと思うと、次には、丸い孫空女の乳房をぐにゃぐにゃと揉んでくる。

 それを交互に繰り返される。

 孫空女は、なんとかそれを阻もうと、動く範囲で手を使って凌空士の腕をどかそうとする。

 しかし、まるで力が入らない。

 凌空士は、そんな孫空女の抵抗さえも愉しむかのように、愉しそうに笑っている。

 

「下も脱ぐか? もう、汗びっしょりだろう?」

 

 凌空士の片手が乳房をいたぶるのをやめて、下袴(かこ)の腰紐を解きにかかる。

 

「い、いやだ──」

 

 孫空女は悲鳴をあげた。

 すると、凌空士の指が孫空女のすぐ顔の近くにやってきた。

 孫空女はそれに思い切り噛みついた。

 

「い、いたあっ──」

 

 凌空士が孫空女を抱えていた腕を離して、前に突き飛ばした。

 孫空女は二度三度と地面に転がり、その勢いを利用してなんとか立ちあがる。

 

 孫空女は構えるよりも、両腕で上半身を抱いて乳房を隠した。

 それは本能のようなものだったかもしれない。

 戦士としての孫空女はもう消えかかっていた。

 

 絶対に勝てない。

 

 その思いが孫空女を覆っていた。

 いまは、この眼の前の男に犯されたくない──。

 その気持ちの方が強かった。

 

「俺もまだまだだな。女からそんな反撃を受けるとはな。もう少し、痛めつけてからにするか」

 

 凌空士は孫空女に噛まれた指先を口で舐めている。

 血が滴り落ちているようだったが、大した怪我でないはずだ。

 完全に歯が食い込む前に、孫空女は前に突き飛ばされたのだ。

 

 その凌空士が飛びかかってきた。

 速い──。

 

 思ったのはそれだけだ。これまでの動きだけで孫空女は圧倒されていたが、いまの動きは孫空女の常識を遥かに凌いでいた。

 これまでは、あれでも手を抜いて動いていたのだと悟るしかなかった。

 

「えっ?」

 

 気がつくと、孫空女は空中に浮いていた。

 

「ほごわっ」

 

 身体が一本の樹木に叩きつけられる。

 もの凄い強さで背中を樹木の木の幹に叩きつけられた孫空女は、その反動で跳ね返り、地面にうつ伏せに倒れた。

 

「くっ、くう……」

 

 今度はもう、身体が動かなかった。

 それよりも、呼吸がうまくできなくて苦しい。

 力を失った孫空女から、緩みかけていた下袴の紐を解いて、なにかの皮でも剥くように抜き取られた。

 孫空女は、腰にはいた小さな下着一枚の姿にされてしまった。

 

 慌てて、脚を閉じ合わせる。

 もう、孫空女にできるのはそれくらいなのだ。

 

 その孫空女の両腕が凌空士によって束ねられて、片手で掴まれ顔の上に伸ばされた。そして、簡単に仰向けにされる。

 

「や、やめろ──、や、やめてよっ」

 

 孫空女は悲鳴をあげた。

 仰向けになった孫空女に凌空士が馬乗りになり、孫空女の乳首に舌を這わせてきたのだ。

 虫にたかられたような気持ちの悪さが胸を襲う。

 しかし、同時に、つんと甘い官能の波もやってくる。

 乳首を責められて、痺れが背中に回る。全身の力があっという間に消えていく……。

 

「こういう泥だらけの女を犯すというのも、いかにも強姦しているという感じがあっていいな──。おい、孫空女、いい加減に抵抗を諦めろ。俺はお前よりも強い。抵抗するのをやめれば、優しく抱いてやる。いつまでも、屈服しないなら乱暴に抱くぞ」

 

 孫空女の乳首から舌を離した凌空士が言った。

 

「お、おととい、来い──」

 

 孫空女は叫んだ。

 身体を跳ね上げて、馬乗りになっている凌空士を除けようとする。

 しかし、まったく動かない。

 

「汗でびっしょりと下着が濡れて、股間が浮き出ているぞ。どうやら、無毛のようだな。それはそれでそそるなあ。いずれにしても、こんな布切れはもう意味はないだろう。脱がすぞ」

 

 凌空士の片手が孫空女の下半身を包んでいる最後の一枚に触れた。孫空女は太腿を擦り合わせて、それを阻もうとした。

 

「まだ、力が残っているようだな」

 

 凌空士の眼が光った気がした。

 次の瞬間、下着を脱がそうとしていた手が、がっしりと孫空女の首を掴んだ。

 ぎょっとした。

 

「知っているか? 人を殺すのには、そんなに力はいらんのだ。ただ、息を送る管と頭に血を送る管を外から圧迫して押さえればいい。こことここだ」

 

 凌空士が片手で掴んだ孫空女の首に不意に圧迫感が加わった。

 たちまちに、呼吸ができなくなり、孫空女はもがいた。

 しかし、凌空士の手はまったく動かない。

 いつまでも、孫空女の息を止めたままでいる。

 そして、頭に昇る血を本当に止めているらしく、孫空女の意識は次第に薄くなっていった。

 

「あ……」

 

 眼の前の凌空士の姿が闇に包まれて見えなくなる。

 孫空女はついになにも考えることができなくなり……。

 

「まだだ」

 

 凌空士が、孫空女の首を握ったまま孫空女を揺り起こす。

 半分を失っていた意識が戻る。相変わらず首に手はかかったままだが、首の絞めが緩んでいる。

 呼吸と血の流れが戻されたのだ。孫空女は無意識のうちに、やってきた空気を懸命にむさぼり吸っていた。

 

 しかし、すぐに圧迫されて、呼吸と血の流れが止められる。

 絶息寸前まで息を止められる──。

 

 しばらくすると、半分失いかけていた意識が戻される。

 

 それを十数回繰り返された。

 

 やっと凌空士が首から手を離したときには、もう孫空女の全身の力は完全に失われ、一切の抵抗が不可能になっていた。

 

「もう抵抗はせんな」

 

 凌空士は勝ち誇った表情で孫空女の腰に手を伸ばした。

 もう、それを防ぐ手段は孫空女にはなかった。

 孫空女の脚から下着をするりと抜き去られる。

 

 股間に直接外気が当たるのを感じながら、孫空女は恥辱と屈辱の入り混じった絶望感を覚えていた。

 凌空士に見下ろされるのが嫌で横を向いた顔から、ひとつ、ふたつと涙がこぼれていくのがわかった。

 

「さて、もう一度、訊くぞ、孫空女。抵抗を続けて乱暴に犯されるのがいいか。それとも、優しく抱かれるのがいいか、どっちだ?」

 

 凌空士がやっと孫空女の身体から降りた。

 孫空女は、身体を起こして凌空士の腕を掴み、そこに噛みつこうとした。

 いまだ力が入るのは、顎くらいだったからだ。

 しかし、孫空女の顔は、凌空士の腕に届かず、途中で阻まれて、その顔が地面に叩きつけられた。

 

「それが返事だな、孫空女──。いずれ、お前のその口に、俺の肉棒をしゃぶらせてやろう。やがて、お前は、俺の肉棒をおいしそうに舐め尽くすようになる」

 

「た、愉しみにしているよ。そのときこそ、お前のそいつを噛みちぎってやるよ」

 

 孫空女は、地面に顔を押さえつけられたまま言った。

 

「おい、早くしろよ、凌空士。俺たちは、順番を待っているんだぞ」

 

 十八公の声がした。

 これからこいつらの眼の前でなすすべなく、凌空士に犯されなければならないのかと思うと、悔しさで全身が沸騰しそうになる。

 

「わかったよ、十八公」

 

 凌空士は、十八公に向かって言うと、姿勢を変えて、孫空女の顔を押さえるのを自分の手から足に替えて、自分の下袴を脱ぎ始めた。

 凌空士の片脚に顔を踏まれて押さえつけられている孫空女は両腕でそれをどかそうとするが、まったくびくともしない。

 その孫空女の顔に、凌空士が脱いだ下袴と下着が降ってきた。

 

 足がどけられたが、すぐに凌空士に裸身を押さえつけられる。

 そして、再び両手首を束ねられて頭上にあげられて抑えられる。

 凌空士のもうひとつの手が、今度は孫空女の股間に伸びてきた。

 

 慌てて、股を閉じようとしたが、その孫空女の両腿に間に凌空士の膝がどんと置かれた。

 これでは、脚を閉じることができない。

 無防備になった孫空女の股間を凌空士の指が淫らに動きはじめる。

 

「さっき、乳房を揉んでわかったが、お前は快感に異常に弱いだろう? その強気の態度が、いつまで持つのか愉しみだ」

 

 凌空士が笑いながら孫空女の股間の亀裂に指を這わせる。

 どんなに気持ち悪くても、快感は快感としてしか感じない。

 凌空士の指が孫空女の恥ずかしい部分を刺激すると、どっと自分の股間から淫液が溢れ出すのがわかった。

 

「おうっ」

 

 あまりにも感じやすい孫空女の身体に、凌空士が驚いたように声をあげる。

 孫空女は泣きたくなるような恥辱を覚えた。

 凌空士が孫空女の肉芽の突起を動かす手を速めた。

 

「くううっ」

 

 食いしばっていた口から嬌声がこぼれ出た。

 もうびっしょりと濡れている孫空女の股間に凌空士の指が二本入ってくる。

 

「ああっ──」

 

 痛みはない。むしろ気持ちよすぎる。

 どうせなら、激痛の中で犯されたい。

 快感に声をあげながら犯されるなんて嫌だ。

 

 しかし、前戯らしい前戯でもないのに、ほんのちょっとの刺激で、どうしても孫空女は大きな快感を覚えてしまう。

 孫空女の身体は、もうすっかりと十分に熱くなっていた。

 そして、込みあがった快感の波に、次第に悩ましい声をはっきりと口から出すようになっていた。

 

「そろそろ、いいだろうな」

 

 凌空士は呟くと、股間をいたぶっていた手で片方の太腿を抱えると、身体を孫空女の裸身に覆い被せてきた。

 硬く熱い凌空士の肉棒が、孫空女の女陰に突き挿さってくる。

 

「くうああぁぁぁぁ──」

 

 惨めだった──。

 男になすすべなく犯されるのも惨めだが、それに情けなくも官能の声をあげてしまう自分が惨めだ。

 

 凌空士の腰が動きはじめる。

 数回の律動を感じた。

 

 孫空女は、膣を抉られる刺激で頂点を極めそうになったが、それよりも凌空士の精が放たれたのが早かった。

 満足をした表情で凌空士が孫空女から離れていく。

 

 孫空女は、ほっとしていた。

 いかされなくて済んだという安堵感だ。

 無理矢理に犯されて、感じてしまって昇天してしまったとなっては、あまりにも悔し過ぎる。

 せめて、いかされる前に終わり、惨めに絶頂する姿を見られずに済んだのは、せめてもの孫空女の慰めだ。

 

「交替だ」

 

 孫空女の耳に別の男の声が響いた。

 ふと声の方向を見ると、後ろで待っていた男たちのうち、少年のような若さの男がすぐそばに立っている。

 すでに下半身はなにも着ておらず、怒張が天を向いている。

 凌空士は、少し離れた場所で、衣類を整え始めている。

 

「俺は、払雲(ふくうん)だ。凌空士のようにじっくりとはやらんぞ。ただ、お前の女陰に俺のものを入れて精を出すだけだ。だが、お前がそうして欲しいなら、いかせてやってもいいぜ。どうしたい、孫空女?」

 

 かっとした。

 凌空士ならともかく、こんな子供のような男に、孫空女がいいなりになって、黙って犯されると思っているのだろうか。

 

 孫空女は、まだだるい身体を鞭打って立ちあがり、その立ち際にその払雲の股間を思い切り蹴りあげた。

 しかし、一瞬でその払雲の姿が消えた。

 気がつくと、蹴りあげた孫空女の片脚の足首が、払雲によって空中に持ちあげられている。

 そして、くるくると身体全体を空中で振り回されて、また立木に胴体を叩きつけられる。

 

「あがあああ」

 

 孫空女は呻いて、その場にうずくまった。

 なんとか立ちあがろうとするが、四つん這いの姿勢になるのがやっとだった。

 全身が痺れて立てないのだ。

 

 その孫空女の身体が背後から抱えられる。

 はっとした。

 四つん這いになった孫空女の股間に、払雲の怒張がめりめりと突き挿さってきたのだ。

 

「ひいいぃぃぃ──」

 

 荒々しく女陰を貫かれる痛みと官能に孫空女は声をあげた。

 それとともに、凌空士だけではなく、払雲という名の少年にも、圧倒的な力の差でやられたということが信じられない思いだった。

 

「いくぜ」

 

 払雲の腰が孫空女の尻を叩くように前後に動き出す。

 孫空女は烈しい律動に、吠えるように声をあげてしまう。

 

「絞まりはいいな。なかなかの道具だ──。出すぜ」

 

 払雲が孫空女の中にいた時間は長いものではなかった。

 あっという間に精を放つと、払雲は孫空女から、もう興味を失ったかのように離れた。

 

「じゃあ、次はわしかな」

 

 今度は老人が近づいていく。

 そいつも、下半身は、すでに裸身で、老人にしては逞し過ぎる怒張が股間にそそり勃っている。

 孫空女は、横になったまま呆然とそれを見ていた。

 

「孤直(こちょく)、お前が始めるなら長くなるだろう。俺を先にやらせてくれ。宝玄仙たちが覚醒する前には戻りたいのだ」

 十八公が言った。

 

「しかし、お前はこの女を犯したいのではなく、屈服させたいのであろう、十八公? この女は、そう簡単に屈服はせんぞ。ただし、屈服させるとすれば、ただ犯すよりも、いかし続けた方が屈服は早いな。もっとも、一日や二日で、堕ちるような女ではないと思う。わしに任せれば、十日以内には堕としてみせるが?」

 

 孤直というのは、この老人の名だろう。

 この老人まで自分を犯そうとしていると思って、孫空女は愕然とした。

 同時に、憤然としたものが再び込みあがる。

 

「それは困るな。どの女でもいいから、なるべく早く女を堕としたい。長くなっては女も持たん。死んでしまう」

 

「ならば、他の女に的を絞るのがいいと思うがのう」

 

「なら、そうするか」

 

 十八公は言った。

 孫空女には、いまや孤直が完全に無防備に思えた。

 

「こなくそっ

 

 孫空女は、孤直に掴みかかった。

 

「おっと」

 

 しかし、孫空女が動く直前に、孤直の指がとんと孫空女の眉間を突いた。

 その途端に、孫空女の身体は力を失った。

 孫空女はその場に崩れ落ちた。

 

「お前たち、満足したら連れて来いよ」

 

 十八公が言った。

 そして、その場で消滅した。

 

 『移動術』だ──。

 咄嗟に思った。

 

 しかし、同時に不思議な思いもした。

 孫空女の五感には、まったく霊気の動きが感じられなかったのだ。

 道術が発動するときには、必ずなにかしらの霊気が動く。

 その霊気がまったく動かなかったのだ。

 それなのに、十八公は孫空女の眼の前で姿を消してみせた。

 霊気を動かして道術をかけるという以外のやり方で、道術をかける方法があるのだろうか?

 

「ほれ、気を取られておると、こうじゃぞ」

 

 孤直が今度は、首の付け根を指で触れた。

 

「あっ、あはああっ」

 

 その直後、激しい快感のうねりが身体を襲ってきた。

 胸と股間がなにかでいじくられているかのようにじんじんと甘美な刺激が拡大する。

 しかも、その胸と股間に、なにかを塗られたかのようなむず痒さが発生し始めた。

 そして、それは、一瞬ごとに拡大していく。

 

「くうっ──」

 

 思わず高い声を洩らしてしまって、孫空女はうろたえた。

 得体の知れない術で、身体の官能を呼び起こされたようだ。

 

「ほら、お前たちも見よ。この女は、感じてくると美しさを増すであろう」

 

 孤直が勝ち誇ったかのように声をあげた。

 

「なるほど」

 

「確かにな」

 

 孫空女の裸身を覗き込むように見下ろす凌空士と払雲が言った。

 その間も孫空女の股間の疼きは果てしなくあがっている。

 孫空女は圧倒する快感に襲われながら、身悶える裸身を眺め下ろす男たちの視線に、血が凍るような恥辱を覚えた。

 

 しかし、孤直の技により、孫空女の身体は弛緩したままだ。

 いまや、なにをされても抵抗する手段がないどころか、官能の激しい疼きに脂汗を流し始めている裸身を隠すこともできない。

 

「ほれっ」

 

 孤直が孫空女の股間の女芯をひと突きした。

 

「くあぁぁ──」

 

 全身に響き渡る刺激が孫空女を襲う。

 まるで、女芯になにかが当てられたかのように震えだしたのだ。

 

 だが、それは錯覚だ。

 孤直の指は一度股間に触っただけで、いまはなにも触っていない。

 それなのに、孫空女の女芯は激しい振動を与えられているかのような刺激を受け続けている。

 

「今度は、女陰だ。中が震えるぞ」

 

 孤直の指が下腹部に近づく。

 

「や、やめてよ──」

 

 孫空女は叫んだ。

 しかし、孤直の指は孫空女の下腹部にめり込むように突き刺さった。

 すると、女芯の振動はとまったが、孤直の言葉の通りに、孫空女の女陰は、霊具の張形に貫かれてそれを動かされたときのような振動が加わりはじめる。

 

「ひ、ひいい……」

 

 孫空女は歯を縛る。

 せめてもの抵抗は、少しでもこみあがる嬌声を失くすことだ。

 しかし、それは、あまりうまくはいっていない。

 

「かなり、感じてきたようだな。では、後ろも試すか?」

 

 孤直の言葉に、孫空女は愕然とした。

 すでに全身は揉みしだかれたかのように、快美感で染まりきっている。

 そこに孫空女の一番の弱点である肛門を刺激されたら、もう、孫空女には崩壊を止める力はない。

 

 孤直の指が腰の横を押す。

 たちまちに肛門の中がうねうねと動き出す。

 

「はううう──」

 

 孫空女はいままでに一番大きな声をあげて、全身を仰け反らせた。

 

「美しい顔でよがるのう」

 

 孤直は言った。

 そして、再び下腹部を指で押す。

 肛門の動きだけではなく、とめられていた女芯と女陰の振動も復活する。

 異常なほどの衝撃だ。孫空女はなにも考えることができなくなり、身体を硬直させる。

 

「さて、そろそろいいかのう」

 

 孤直が孫空女の両腿を抱えた。孤直の男根がゆっくり孫空女の中に入ってくる。

 孫空女はたちまちにやってきた絶頂に吠えるような声をあげていた。

 

「んあああっ」

 

 ついに、孫空女は男たちの前で昇天して果てた。

 しかし、そんな孫空女の痴態にまったく関係はなく、孤直の男根が孫空女の女陰を律動し続ける。

 達したばかりの孫空女の裸身のだるさが、快感の疼きに変化していく。

 

「年取ると、なかなかいきにくくなってのう。わしが精を放つまでに、お前は何度いくことになるのかのう」

 

 孤直が笑いながらそう言って、ゆっくりとした速度で律動を続ける。

 孤直の術による肉芽と肛門の振動と、術による振動と孤直の怒張の二重の刺激を受ける女陰──。

 孫空女は泣き叫んだ。

 そして、いまだ動きの変わらない孤直の律動を受けながら、二度目の絶頂を迎えた。

 

「おい、俺ももう一度やりたくなった。代わってくれ、孤直」

 

 凌空士だ。

 

「俺もだ。いき顔がこんなに可愛いと知っていたら、もっとちゃんとやるんだった」

 

 払雲も苛ついた様子で声をあげた。

 

「急かすでないわ、お前ら。わしは、まだまだ、半刻(約三十分)は続けんと精は出せんぞ」

 

 それを聞いて、孫空女は愕然とした。

 半刻(約三十分)など冗談じゃない。

 もう、三度目の波が襲ってきている。

 そんなに長い時間もこれを続けられたら、孫空女の身体はばらばらになってしまうそうだ。

 こうなったら少しでも早く終わらせるために、努力するしかない。

 孤直の怒張を受けている女陰を懸命に締めつける。

 

「ほう、そんな技も使えるのか、孫空女──。これは堪らんのう」

 

 孤直が嬉しそうに笑う。

 だが、その表情にはまだまだ余裕がある。

 孫空女は絶望的な気持ちになる。

 

 やがて、なにかがこみあげてきた。

 孫空女はそれに圧倒された。

 そして、三度目の絶頂に、がくがくと身体を震わせて、長くかん高い声を出し続けた。

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