まったくの闇だ。
自分の手さえも見えない。
その闇の中に上から光が射した。
「調教の時間だ。縄梯子を下ろしてやるから、あがって来い、
光が射している頭上から
見上げると石穴の上から小太坊とその部下が覗いていた。
そして、その後で、青おろちの子分たちにも輪姦された。
李春の記憶に昨日の恥辱が甦る。
身体を犯されたのはいい。
それよりも李春の心を苛むのは、犯されることで快楽によがり狂い、悦びの声をあげ続けた自分だ。
その醜態を思い出すと激しい嫌悪感に襲われる。
だが、今日もその恥辱を受けなければならないのだ。
これからもずっと……。
ぼんやりと覚えているのは、指一本動けなくなった身体を抱えられて、枯れ井戸のような穴に降ろされたことだ。
確か上下に男がいて、後手縛りのままの李春の裸身を荷物のように持ちながら縄梯子を下ったと思う。
そこで縄を解かれて、男たちは梯子をあがっていった。
次いで、縄梯子が引き上げられて、天井が閉じられた。
中は完全な闇になった。
縄が解かれても、李春は無動きひとつできなかった。
とにかく、全身が痛かった。
なによりも犯され続けた女陰が傷んだ……。
また、浴びるように飲まされた媚薬のために、あれだけ犯されたというのにまだ身体が火照っていた。
とても眠れないと思ったが、李春が意識を手放したのは一瞬だったと思う。
そして、たったいま天井が開いて光が射すまで、李春は完全に眠っていたようだ。
光が射したことでわかったのだが、ここは周囲を石壁で覆われた石牢のようだ。
しかも、出入り口となる上まで李春の背丈の三倍くらいの深さがある。
まるで枯れ井戸ような穴だ。
床は土の地面であり、広さは李春が真っ直ぐに寝そべっても余裕があるくらいの大きさだ。
そこに、むしろが敷きつめてあり、李春はその上に寝ていたようだ。
縄梯子が落ちてきた。
「上にあがれ、李春」
小太坊の怒鳴り声がした。
李春の頭に昨日の凌辱のことが俄かに蘇った。
あれをまた繰り返される。
李春の身体に心の底からの恐怖が走る。
躊躇していると、なにかが頭の上から降ってきた。
どさりと音をたてて地面に落ちたそれを何気なく李春は見た。
一匹の蛇がにょろにょろと地面を這い回り始めた。
「きゃああっ──」
李春は悲鳴をあげて、縄梯子に飛びついた。
慌てて縄梯子をあがる。
上がりきると、そこは大きな部屋の中だった。
李春は、どこかの建物の床下を掘って作られた深い石穴の中に入れられていたらしい。
身体の半分があがったところで、小太坊から首を押さえつけられた。
建物の板張りに李春の顔とふたつの乳房が押しつけられる。
四、五人の男たちが李春の裸身に群がって、李春の両腕を背中に回して縄掛けをした。
そして、さらに引き上げられて、背中で腕を束ねた縄を前に回して李春の乳房の上下の肌に喰い込ませられる。
「今日から本格的な調教だ。お前を男なしではいられないような淫らな身体に仕上げてやるぜ」
小太坊が笑いながら李春の首に首縄がかけられて、ぐいと曳かれる。
李春は、首に縄をつけられて、後手縛りの裸身を男たちに囲まれて廊下を歩かされた。
「ここは、どこよ、小太坊?」
じろじろと李春の裸身を眺めまわる周りの男たちの視線を無視して、李春は首縄を曳く小太坊に言った。
「ほう、数刻ほど寝かせてやったら元気になったじゃねえか。昨夜は、泣きながらこいつらの珍棒で犯されまくったんだぜ。覚えてねえのか?」
小太坊が言うと李春を囲む男たちが一斉に噴いた。
李春はぐっと唇を噛みしめた。
ここがどこかわからないが、おそらく、駝濫一家の頭領である青おろちの息のかかった場所というのは、間違いないだろう。
もしかしたら、数軒あるはずの青おろちの別宅のひとつか──。
そうだとすれば、ここは、
がらりと横戸が開いて、十名ほどの男たちがいる大部屋が現れた。
李春は、そこが昨夜さんざんになぶられたあの部屋だということがわかった。
李春の姿を見て、男たちの視線が集中する。
昨夜の狂態を思い出して、李春は無意識のうちに足が竦んでいた。
その首をぐんと曳かれた。
李春はつんのめりながら部屋の真ん中に連れていかれた。
「さあ、寝そべってくれ、李春。今日の調教を始めるぞ」
そして、男たちが李春の身体に取りついて寝かせようとした。
「ま、待って、待ってよ──」
李春は拘束された裸身を揺すって悲鳴をあげた。
身体を激しく振って、無理矢理に仰向けに寝かせようとする男たちの手を振り払う。
その李春を男たちが押さえつけて跪かせる。
李春は、それでもまだ抵抗した。
「なんだ、李春。今更、駄々捏ねたって仕方ねえくらいのことはわかっているんだろう。大人しくしろ」
小太坊が大喝した。
「ち、違うのよ。調教は受ける。受けるけど……」
李春は羞恥に身体が熱くなるのを感じながら、どうしても言わなければならないことを口にしようとした。
「なんだ、李春?」
小太坊が厳しい表情で李春を睨んだ。
「その前に……、そ、その……か、厠に行かせて……」
李春は消え入るような声で言った。
一瞬、呆気にとられたような表情だった小太坊の顔が破顔して、大きな声で笑った。
周りの男たちも爆笑する。
李春は俯いて歯噛みした。
石穴から出されて縄掛けされた後で気がついたのだが、李春は猛烈な尿意に襲われていたのだ。
あの石穴に入れられて、そのまま死んだように眠った。
そして、蓋が開けられて光が射すまで完全に眠っていた。
だから、溜まった尿意がそのままになっていたのだ。
縄を首にかけられて引っ張られながら、それをどうやって告げればいいか迷っていた。
しかし、また、ここで拘束されて淫らな仕打ちを受けるとわかって、仕方なく口にしたのだ。
「そうならそうと言わねえか。だが、なんで、穴の中でしとかねえんだ。あそこは下が地面になっているだろう。むしろをはぐって、隅の方にでもすりゃあいいんだよ。明日から、そうするんだ」
小太坊が身体を揺すって笑った。
そして、周囲の男に目配せした。
すぐに平たい金桶が持ってこられた。
膝立ちで押さえられている李春の眼の前にぽんと置かれた。
「それにしろ」
李春は、眼の前の容器を見て、顔が引きつるのがわかった。
思わず小太坊を見上げる。
小太坊は、痛快そうな表情で李春を見下ろしていた。
「なんだ、その脅えたような顔は? あの鉄火女もこれだけ大勢の男の前で小便するのは嫌なのかい?」
「あ、当たり前よ。こ、こんな辱めまでしなくてもいいじゃない。厠に……厠に行かせてよ」
李春は声をあげた。
「やかましい──。お前は、ここでは犬猫同然の身分なんだ。容器を当てがってもらうだけでありがたいと思え。そうだ。これからは、小便だけでなく、大便も監視のいる前でやってもらうからな。そう思え」
それを聞いて李春は自分の顔が蒼白になったのがわかった。
「わ、わたしは、厠にも使わせてもらえないのかい?」
「当然だろう。厠というものは人間様の使うものだ。ここじゃあ、お前は人間じゃあねえんだ。明日からは、穴倉から出た後、そのまま庭に連れていって、この屋敷に集まっている全員の前で大便と小便をさせる。今日は、最初だから容器にさせてやってんだ。贅沢を言うと、罰が当たるぜ」
「そ、そんな」
「したくなきゃ、しなくてもいいぜ。だが、調教中に許可なく垂れ流しやがったら、怖ろしい罰が待っているからな」
「ば、罰……?」
「ああ、罰だ。さっき穴倉に放り込んだ蛇を覚えているか?」
「う、うん」
もちろん覚えている。
「お前が休むときに、あの蛇を何十匹も放り入れる。あの蛇に身体中を這いまわられながら寝ることになるぜ」
李春はぞっとした。
「わかったら、それを早く跨げ。時間が惜しいじゃねえか」
小太坊が背後に回って、李春の双臀を蹴り押した。
李春は恥辱に顔が歪むのを感じながらも、眼の前の容器に身体を進ませる。
李春がこれから眼の前でおしっこをすると聞き、部屋にたむろしていた男たちが、一斉に李春の身体の前に集まり出した。
「ひっ」
李春はしゃがんだ身体を竦ませた。
「早くしねえか」
小太坊が苛ついた声で怒鳴った。
しかし、それを跨ごうとしても、どうしても身体が動かない。
男たちに凝視されて便器代わりの容器に用を足さないとならないという屈辱感が、李春の身体を硬直させていた。
どうしてこんな目に遭わなければならないのか……。
李春は、立膝のまま、込みあがる恥辱の涙を耐えていた。
「泣いたって許されねえぞ、李春──。ちっ、埒もねえ。おい、お前ら李春をその容器に跨らせろ」
小太坊のその声で、李春の周りの男たちが、緊縛した縄を掴んで、強引に李春を容器の上に跨らせる。
両腿を割って、その股間の下に容器を入れられた李春は、哀願の顔を小太坊に向けた。
「す、するわ。ここでするから、せめて、縄を解いて」
「小便をするのに、手なんか関係ないだろう。汚れた股ぐらは、ここにいるこいつらが喜んで拭いてくれるぜ」
小太坊がせせら笑った。
すると、俺が拭いてやる──。
いや、俺だと、周りの男たちが口々に李春を囃し立てた。
李春は、恥辱に耐えられず、自分の身体がぶるぶると小刻みに震えだすのがわかった。
「じゃあ、お願いよ。少し離れて……」
小太坊だけではなく、李春の前には大勢の男たちがかぶりつくように李春の股間を覗いている。
こんな状況で放尿などできない。
「こいつらの前だからといって照れるなよ、李春。ここにいる全員は、昨夜、たっぷりといお前を味わった男たちだ。全員がお前の女陰を肉棒で味わっているんだ。いまさら、小便するところくらい見られても恥ずかしくはねえだろう」
小太坊が言った。
「それに、男まさりの李春さんが、どんな顔をして女の小便をするのか見てえしな」
眼の前の男たちのひとりがそう言い、どっと周囲が沸いた。
「別にしたくなきゃ、しなくてもいいが、調教中に洩らしやがったら、本当に蛇を放り込むからな。あの蛇は毒はねえ。だから、お前を懲らしめるには丁度いいんだ」
どこまでも卑劣な小太坊たちに、李春はついに諦めの気持ちになった。
見たいなら見ればいい。
覚悟を決めて、懸命に締めつけていた下腹部の緊張を緩めた。
どちらにしても、李春の尿意は限界だった。
李春の股から尿が流れ出した。
金桶の底を叩く勢いのある水音が李春の耳に聞こえ始めた。
「は、は、は、ついに始めやがった」
「それにしても勢いがいいな」
「さすがは李春だぜ。小便まで男らしいや」
「俺は、女の小便というのは初めて見たぜ。あんなところから出るんだな」
眼の前の男たちが歓声をあげて、李春をからかう。
李春は顔をあげられず、じっと目をつぶってこの汚辱に耐えた。
その李春の乳房をいきなり誰かが揉み始めた。
まだ、李春の股間からは水線が放出を続けている。
「いやっ」
愕然として顔をあげると、それはにやにやと笑う小太坊の手だった。
ほかにも別の手が屈んでいる李春のお尻を触る。
あるいは、尿が垂れ続けている内腿の両側に手を伸ばす。
「ひいっ、さ、触らないでよ」
尿をしている最中に肌を触られるという行為に、かっと血が頭に昇った李春は、抗議の声をあげた。
「暴れるな、容器の外に出るだろうが」
小太坊がおかしくて堪らないというような声で笑い転げる。
そして、ぐにゃぐにゃと李春の乳房を揉みあげる。
「李春、もっとよく見せてくれよ」
ほかの男が言って、周りの男に眼でなにかの合図をした。
すると、左右の男たちが李春の膝を持って、いきなりぐいと大きく股を強引に開脚させた。
李春は悲鳴をあげたが、どうにもできない。
そのまま、大きく股間を曝け出したまま放尿の汚辱を男たちに晒し続ける。
やがて、やっと溜まっていた尿がなくなり、水流がとまった。
「ついでに、大便もしろよ、李春」
小太坊がやっと乳房から手を離して言った。
李春は、もうなにも喋れずに、ただ、俯いた顔を左右に振った。
「それにしても、随分と垂れ流しやがったな、李春──。まあいい、お前ら拭いてやれ」
小太坊の声に、落とし紙を持った幾つかの手が李春の股間に伸びた。
李春は固く眼を閉ざし、男たちによって尿で汚れた股間を拭かれるという屈辱行為を甘受した。
李春は歯を食い縛ってこの恥辱を耐える。
「さて、すっきりしたところで、今日の調教を始めるぞ、李春」
小太坊が言い、李春は後手縛りの身体を仰向けに寝かされた。
するといつの間にか天井の金具に結ばれた縄が二本、下におりてきていた。
天井から落ちている二本の縄の距離は、大きく手を拡げたくらいの間隔がある。
「全員で李春の両脚をこの縄で吊りあげろ。蹴りあげるかもしれないから注意しろよ」
小太坊が命令すると、わっと李春の脚に男たちが群がる。
左右の脚に四人、五人と集まって、大きく開かれると、縄がそれぞれの足首に結ばれ始める。
さすがにこれだけ大勢の男たちに抑えられては、李春も脚を蹴りあげて抵抗することはできなかった。
上半身を仰向けに床に寝かせた状態で、両脚大きく左右に拡げて宙に吊られるという、昨日以上の惨めな恰好にされる。
これから、なにをされるのかわからないが、女が耐えられる限界を超えた仕打ちに、李春は男たちに抱き取られている二肢を悶えさせた。
「いいというまであげろ」
小太坊が言った。
さらに縄が引き上げられる。
そして、ついに、李春の腰は床から離れて宙に浮いた。
「ああっ」
あまりもの浅ましい姿にされた李春は、羞恥で頭に血が上り、顔を左右に振って悲鳴をあげた。
「これで、尻の穴まで剝き出しになったな」
小太坊がそう言い、どこからか枕を取り出して、宙に浮いている李春の腰の下に押し込んだ。
「ほら、お前ら見ろ。これが俺たちを痛めつけた李春の尻の穴だ」
わっと李春の股間の前に集まった男たちのたくさんの視線で、李春の顔が恥辱に火照る。
李春の腰は枕を下敷きにして、大きく開脚して高々と浮きあがっているのだ。
小太坊の言葉のとおりに、女陰はもちろん、肛門の内襞まで生々しく露出しているのは間違いない。
李春は、男たちの好色の視線を避けたくて、左右に腰を動かした。
だが、それはさらに李春の姿を煽情的にする効果しかないようだった。
李春は、自分が恥辱にのたうてば、さらに男たちの哄笑を大きくするだけだと悟った。
李春は身悶えをするのを耐え、顔を横に向けて、股間を男たちが覗き込むのに任せた。
「昨夜は、よく見なかったが、男勝りの李春でも、尻の穴は女らしくて可愛いもんだぜ。それにしても、あのとき叩きのめした俺たちに、こうやって尻の穴まで見られるとは思わなかったろう? なんとか言ってみろ、李春」
李春は歯噛みしたまま黙っていた。
そして、小太坊は李春の股間の前にどっかと腰を降ろした。
「ところで、李春、お前はここで男のものを受け入れたことがあるか?」
小太坊がいきなり李春の肛門の蕾を指でちょんと突いた。
「ひいっ」
李春は悲鳴をあげた。
「早く答えねえか。このお前の臭いものをひり出す場所で、男の一物を受け入れたことがあるかと訊いてるんだろうが」
小太坊がそう言いながら指をぐりぐりと押しつけて、その中に押し入ろうとする。
黙ってやられることを耐えようと思っていた李春だったが、我慢できずに狂ったように腰を振った。
「や、やめてよ、お願い──」
腰を激しく揺さぶることで、一度は小太坊の指を払いのけることができた。
しかし、両脚を吊られている李春にできる抵抗などほとんどない。
すぐに追いかけてきた指がまた李春の肛門を弄ぶ。
「早く言え、李春。ここは生娘か? それとも経験があるのか。早く答えねえと、いつまでも続けるぜ」
「いやあっ……。そ、そんなのあるわけないじゃない」
「そうか。じゃあ、ちゃんと感じる穴に仕上げてやるからな。前と後ろで同時に男に掘られてみろ。気持ちよさが病み付きになるのは間違いないな」
小太坊がそう言いながら、執拗に李春の肛門を愛撫する。
李春は悲鳴をあげた。
李春の狂態と小太坊の揶揄に子分たちが手を叩いて笑い合った。
李春はかっと血がのぼった。
「ち、畜生──。お、女を縛って、よってたかっていたぶるだなんて、お前らそれでも男か。縄を解いて勝負しなよ。恥知らず。女に負けた腹いせが、罠に嵌めて眠らせてから拘束かい。せめて、大勢でかかってくるくらいはできないのかい。この李春を縛ってからじゃないと、襲うこともできないんだろう」
李春は激高したまま顔を小太坊にねじ向けた。
「なんだと、もう一度言ってみろ、李春。昨夜は、俺たちに回されて泣き狂ったのを覚えてねえのか──」
「ひ、卑怯な薬を使ったからよ。そうじゃなければ、お前たちなんかに……」
李春は怒鳴った。
「ほう……、尻の穴まで丸出しにして、随分と生意気が言えるじゃねえか」
「偉そうに言うんじゃないよ。女を縛らないとなにもできない卑怯者のくせに」
そこまで啖呵をきったが、さらに込みあがった激情に李春は感情を制御できなくなった。沸き起こった涙に耐えられずに、そのまま号泣した。
悔しい……。
悔しい……。
悔しい──。
李春はただ泣いた。
小太坊があまりにも激しい李春の泣きじゃくりに、しばらく呆然としている様子になったようだ。
だが、すぐに大笑いした。
「どうやら、昨夜の折檻は、まだ生ぬるかったようだな。まあいい、今日からは骨身に染みるような調教だ。そして、一箇月もすれば、お前の股ぐらからは淫液の乾くことのないような淫らな身体になる。まあいい、じゃあ、始めるか──。おい、持って来い」
小太坊が言った。
すると誰かが、小太坊に大きなすり鉢を渡した。
それを受け取った小太坊は、すり鉢の中に入っていた細い棒ですくって粘っこい油のような透明のどろどろの粘性のものを李春に見せた。
「これは俺たちが奴隷女を折檻するときに使う特別な油剤だ。これを塗られたら最後、とてつもない痒さが襲ってくる。これをお前の後ろの穴にたっぷりと塗り込んでやる。そうするとどんな気分になるかわかるな、李春? お前は尻が痒くて痒くて仕方がなくなり、ここで俺たちの前で淫らに尻踊りをすることになるというわけだ」
李春は、刺激臭を発するその油剤に視線をやりながら、小太坊の言葉を血の気が引く思いで聞いていた。
「……尻の痒みが耐えられなくなったら、これでほじってやる」
今度は真っ黒い縄による縄巻きがある細長い棒をみせた。
「これは随喜巻きといって、むず痒い水分がどんどんと滲み出るようにしてある棒だ。こんなものを穴の中に入れられれば、さらに骨の髄まで痒さに襲われるというわけだ」
「そ、そんな……」
李春は絶句した。
「だが、お前が今日、尻穴を慰めることができるのは、この棒だけだ。つまり、お前は油剤の痒さで泣き狂うか、それとも、束の間の痒さからの解放と引き換えに、さらに痒みを引き受けることしか選べないということだ。一日中、ここにいる男が交替でそうやって責める。お前は、たった一日で、尻で快感に酔う尻人形に成り下がるという寸法だ」
李春はその言葉に総毛立った。
「よし、始めろ」
小太坊が李春の股間の前から立ちあがってどいた。
そこに、すかさずふたりほどの男が寄ってくる。
その男たちがすり鉢を股間に寄せた気配がした。
吊られている李春の太腿に左右から手がかけられて、すり鉢の中身が棒で塗りたくられて始める。
「ち、畜生──。ここまでしなくてもいいじゃないか」
李春は顔と腰を左右に振り、喚き立てる。
しかし、いかに暴れても防ぎきれるものではない。
簡単に腰を固定されて、肛門にたっぷりと油剤が塗られていく。
そして、さらに棒を使って尻穴の奥に奥にと注ぎ入れられていく。
「あ、ああ……嫌よう……。そ、そこは触らないで……」
肛門をいじくられる強烈な嫌悪感と汚辱感に李春は激しく身を揉んで、李春は声を張りあげた。
しかも、乱暴に痛くされるのであれば、まだ、李春の心は諦めにより慰められたかもしれない。
しかし、李春の尻穴に油剤を注ぐ男たちの手は、どこまでも巧みであり、優しい手つきだった。
心臓を抉られるような妖しい快美感が襲う。
昨夜、限界を遥かに超える快感を味あわされた身体が李春を裏切り、五感が溶け崩れるような官能で全身が包まれていく。
李春の身体からどんどん力が抜け、反撥の力が失われていく。
「だんだんと身体が燃えあがってきたか、李春? あれだけ飲ませ続けた媚薬だ。そう簡単には効き目は収まらねえだろう?」
少し離れた場所で見物をしているようである小太坊の声がした。
「……気をほぐすために、何人かで李春の乳房と股間を慰めてやれ。ただし、絶対にいかせるんじゃねえぞ。今日、李春がいくのは尻穴だけだ」
わっと李春の裸身に男たちが集まった。
乳房が揉まれ、股間が愛撫される。
あっという間に進退窮まった李春は、被虐の甘い快美感に身体の芯まで疼かされて、我慢できずに嬌声をあげ始めた。