「もっと、腰を振れ、李春」
尻に折檻用の竹が食い込んだ。
李春は後手縛りで天井から吊られた身体を屈めて、両脚を踏ん張って懸命に腰を振り続けている。
腰を振ると、股間に喰い込まされている随喜の玉が痺れるような快感を前後の穴に与えてくる。
次第にのっぴきならない状態に追い込まれる李春は、込みあがる快感に声を出し始める。
「あ、ああっ……いく……いきます……」
李春は声をあげた。
いく前には、必ず申告しなければならない。
だから、李春は叫んでいるのだ。
「おう、何度でもいきな。一刻(約一時間)は、そうやってせんずりを続けるんだ。昨日は四回だったから。今日は、六回はいけよ」
朝っぱらから酒を呷っている小太坊が、酔った口調で言った。
そして、その小太坊の合図で、李春の尻にまた、竹の折檻が加わる。
痛さに顔をしかめながら、李春は懸命に腰を振る。
最初の絶頂がもう少しでやってきそうだ。
「あひっ……い、いくうっ──あひいいぃ──」
李春は身体を仰け反らせて、迸った快感に身体を震わせた。
「まず一回だな。休むなよ、李春」
小太坊と周囲の男たちの笑い声が部屋の中に響く。
李春は達したばかりの身体を休ませることもできず、再び腰を上下に振って快感を溜めはじめる。
これが、必ず一日の調教を開始する前にやらされる日課だった。
穴倉から引き上げられたら、すぐに股間に随喜縄を喰い込まされる。
股間に喰い込む縄には瘤が作ってあり、それが前後の穴にしっかりと埋め込まれるのだ。
そして、この調教部屋に連れ込まれて後手の縄尻を天井の金具に繋がれる。
そして自慰だ。
小太坊が許しを与えるまで、自分で腰を振っていき続けなければならない。
自分で腰を振ることで、前後の穴から快感が込みあがり、大きな快美感が襲ってくる。
自分でも一日ごとに自分の身体が淫乱に作り変わっているのがわかる。
この瘤縄を使った自慰で、快感の絶頂に達する間隔がどんどん短くなっているのだ。
特に、肛門で受ける快感が大きくなっていくのは自分でも驚くほどだ。
そこから大きな疼きがやってくる。
それが女陰の刺激と重なり、李春はだんだんと恍惚の状態になっていく……。
「ま、また、いきます──」
李春は叫びながら二度目の絶頂に達した。
そんな李春の尻振り踊りを、小太坊をはじめとする十数人の男が酒を飲みながら見物している。
李春は、そんな卑劣な男たちの前でそんな浅ましい姿を晒して、自慰を続けなければならないのだ。
今日で五日目だと思うが、李春の調教の流れはだんだんと定まってきたようだ。
つまり、まず最初は、この縄瘤を使った尻踊りによる自慰だ。
これでしっかりと李春の身体が蕩けるとともに、随喜縄から染み出た水分を敏感な部分に染み込まされる。
そして、男たちによる本格的な調教が始まる。
男たちが最初に李春を責めるのは肉芽と乳首だ。
糸吊りによる筆責めをされるのだ。
縄瘤による“せんずり”で身体をほぐした後に、李春は、床に仰向けに寝そべって拘束され直す。
そして、肉芽と乳首を天井から糸で吊られて筆で責められる。
動けば激痛が走るし、快感はどんどん増幅される。
筆責めのときには、李春に与えられる快感は制御されたものになる。
おそらく、筆責めの間はいかせてもらえないだろう。
これによって快感への渇望を心に受け付けられる。
また、この糸吊りは、肉芽を大きくするという目的もあるらしい。
敏感な肉芽を持つ女奴隷は値が高くなるようだ。
わずか五日目だが、李春の肉芽は以前よりもひと回り大きくなった気がする。
それが数刻続く……。
その後は休憩だ。
だが、休憩するのは小太坊たちだけであり、李春は媚薬を飲まされて放置される。
一日の調教の中で、もっともつらい時間だ。
筆責めによりさんざんに刺激された挙句、一度も達することなく、さらに媚薬に身体の感度を上げられて、放っておかれるのだ。
李春が悶え苦しむ間、男たちはそんな李春を囲んで昼食をとる。
男たちの休息が終われば、やっと男たちによって熟れきった身体を責めてもらえる。
もっともそれは、ひと通りの李春の口による男たちへの奉仕が終わってからだ。
そして犯される。
李春にとって待ちに待った時間だ。
媚薬と焦らしによって快感に飢えた身体が解放されるのだ。
憎い男たちの肉棒を受けて、その悦びに震えるなど恥辱以外の何物でもないが、その屈辱感が途方もない恍惚感に李春を浸らせる。
男たちの輪姦が終われば、最後は尻の調教だ。
尻に痒み剤を与えられて随喜巻きの張形で尻を掘られるのだ。
使われる張形はだんだんと太い物に変わっているらしい。
いまのところ、苦しいという感じはない。
それよりも痒み責めにされた後で使われる尻の張形は女陰で受ける快楽よりも大きい。
今日くらいから本物の肉棒を受け入れることを覚えさせると言っていたから、今日は肛門を犯されるのかもしれない。
青おろちの巨根による肛姦は、それほど先の話ではないだろう。
小太坊の言葉によれば、李春の身体はなかなかのものであり、肛門で快楽を受けるのに向いているらしい。
普通は、一箇月くらいかけて拡張すべきものが、十日ほどで大丈夫になるだろうと言っていた。
そして、一日が終わる。
穴倉に戻ることが許されるのだ。
竪穴に縄梯子を使って降りて、そこで食事をする。
食事は、一日の調教が終わった後の、一日に一度だが、李春を飢えて苦しめるつもりだけはないのか、穴の底に準備されている食事は十分な量のものだ。
水もふんだんある。
大きな桶に一杯の水があり、それを飲むことも、身体を拭くことも許される。
ただ、それを真っ暗闇でやらなければならないが……。
そして、李春は泥のように眠る。
やがて、朝が来て、調教の開始を告げる声がかけられる。
大便と小便は、それまでに穴の隅に掘ってある排便用に穴にする。
それをしていなければ、男たちの前でさせられる。
一昨日は、ここに監禁されて以来、李春が大便をしていないということを知られて浣腸をされた。
そして、前庭に連れていかれて、全員が取り囲む中で、庭に掘った穴に大便をさせられた。
だから、今日は調教開始の前に穴の中で大便も済ませた。
そうやって迎えた五日目だ。
李春は腰を動かしながら、座って李春を眺めている小太坊に、誰かがなにかを耳打ちするのを見た。
小太坊が膝を手で打って嬉しそうに笑った。
「おい、李春、また、新しい客がくるぜ」
小太坊が大きな声で言った。
李春はそれを三度目の絶頂に駆けあがる状態の中で聞いていた。
また、李春に恨みを持つ男の登場だろうか。
先日は、山街道で奴隷狩りをしていた七絶を懲らしめた仕返しで、その七絶によって股間の陰毛を全部むしられた。
数刻かけて一本残らず抜かれた李春の股間は、真っ赤に腫れあがったが、いまはその七絶の塗り薬のお陰で腫れと痛みは引いている。
ただ、翳りのなくなった股間が、この連中の奴隷に成り下がった自分の境遇を嫌でも認識させられるだけだ。
「あっ、ああっ……いく、いきます……」
李春は叫んだ。
なにも言わずに絶頂すると折檻が与えられる。
痛みや苦痛による罰なら耐えられるが、快楽責めや媚薬責めによる罰には耐えられない。
それらに対する恐怖は、李春の心に染みついている。
ぐんぐんと腰を突きあげて、李春は三度目の絶頂をした。
少しでいいから休憩したい。
だが、こいつらはそれを許さないだろう。
仕方なく達したばかりの身体をまた動かす。
「ほら、腰の動きが鈍くなったぞ」
李春の腰が竹で鳴る。
李春は身体を奮い立たせて腰をさらに振り動かす。
酒盛りをしていた男たちが一斉に立ちあがる。
誰かがやってくるようだ。
李春も腰を動かしながら、全員の視線が集まる方向に視線を向けた。
戸が開いた。
頭領の青おろちだ。
青おろちがここに顔を出すのは、二日ぶりだと思う。
しかし、李春は、その青おろちに続いて入ってきた人物の姿を認めて、思わず身体の動きを止めて声をあげた。
素っ裸で後手縛りにされた
「おう、来たか、張天女──。こっちに来い。李春に遭わせてやる」
小太坊が立ちあがって、男たちから縄尻を受け取って張天女を李春の眼の前に連れてきた。
「ちょ、張天女──」
李春は驚愕した。
だが、なぜ、ここに──という疑問はない。
当然、駝濫の者は、いつかは張天女も浚う気でいたに違いない。
李春を捕えた以上、それは十分に予想できた。
そして、やっと捕えたということだ。
「な、なんで、張天女を──」
それでも李春は、青おろちと小太坊に恨みの視線をぶつけた。
もしかしたら、こうやって自分が大人しく連中のいう“調教”を受ければ、張天女には手を出さないかもしれないというかすかな期待はしていたのだ。
だが、その期待は予想のとおりに裏切られた。
「李春、こいつはなあ、お前が浚われた後、しばらく逃げていたんだが、昨夜、俺の屋敷の周囲を探っているのが見つかり捕えられたんだ。とりあえず、味見をさせてもらったぜ」
青おろちが言った。
「な、なんですって──」
李春は自分の顔が怒りで引きつるのがわかった。
怒りというのは久しぶりの感情だった。
「今日から、この張天女はお前と一緒に調教を受ける。それでここに連れてきた」
青おろちは下品な高笑いをした。
李春は歯噛みした。
「李春、じゃあ、奴隷の先輩として、お前の仲間にお前が縄で自慰をするのを見せてやりな」
小太坊が李春の尻を思い切りはたいた。
李春は痛みに顔をしかめたが、すぐに顔を小太坊に向けて睨んだ。
「そ、そんなことできるわけがないじゃないか──」
「うるせいっ──。いまのお前に口答えする権利があると思ってんのか。お前がやらなきゃ、お前の眼の前で、この張天女に地獄を遭わせる。張天女を少しでも楽にしたければ、素直にせんずりをしな」
小太坊が怒鳴った。
李春は悔しさに後ろ手の拳に力を入れた。
「大丈夫ですよ、李春さん……。そんなことする必要はありませんよ」
いままで口を開かなかった張天女がそう言った。
李春は、なんとなく張天女の物言いにいつもと違う違和感を覚えて、思わず押し黙った。
しかし、張天女の発言に、青おろちや小太坊たちが反応した。
「なんだと、張天女──。お前、生意気なことをいうと承知しねえぞ」
「偉そうに言うんじゃないよ。さっき、一回犯したくらいで、女が大人しくなると思ってんの? あんたとの性交は吐気を覚えるほど気持ち悪かったよ──」
張天女は叫んだ。
いや、これは張天女じゃない──。
なんとなくそう思った。
「このあま──」
小太坊が、持っていた張天女の縄尻をぐいと引いた。
張天女は小太坊に振り回されるように床に倒れたが、張天女の様子には追い詰められたものはなかった。
次の瞬間、いままで張天女が立っていた足元の空間が少しだけ揺れた気がした。
「もう少し、余裕のある場所に出口作りなよ、朱姫」
揺れた空間から突然出現したのは、孫空女だ。
「しょうがないじゃないですか、孫姉さん。あ、あたし、これでも、李春さんの前に連れて来られるまで我慢したんですよ。こいつに犯されたんですから」
朱姫──?
孫空女は、張天女を確かに朱姫と呼んだ。
李春の頭は混乱した。
孫空女は、すでに金色の棒を持っている。
突然の出来事に、呆気にとられている男たちに孫空女が棒を振るい始めた。
小太坊を始め、男たちが次々に吹っ飛んでいく。
同じ空間から今度は沙那が出現した。
「よくやったわ、朱姫──。ご褒美あげるわよ」
剣を抜いている沙那が部屋から逃げようとしている青おろちに追いついて、その頭を剣の平らな部分で打ちつけた。
青おろちが、ひと言呻いてその場に崩れ落ちる。
続いて、出現したのは張天女だ。
張天女がふたり──。
すると、やはり、最初の張天女は、なにかの道術で変身した朱姫なのか?
後から出現した張天女が李春の名を呼びながら抱きついてきた。
すぐに天井の縄尻が切断される。
床に倒れる李春を張天女が泣きながら抱きかかえる。
すでに部屋は、孫空女と沙那が圧倒している。
立っている者はほとんどいなくなった。
沙那が、青おろちと一緒にやってきた方の張天女に駆け寄り、その縄を切った。
自由を得たその張天女の姿の女が、自分の指に嵌めていた指輪に触れた。
すると張天女の姿が消滅して朱姫の姿になった。
この間、本物の張天女が、李春を拘束していた縄を切断してくれている。
後手縛りの腕がやっと自由になった。
さらに股間縛りも外されて、前後の穴に喰い込んでいた縄瘤が取れる。
李春は張天女にしがみついたまま声を出してしまった。
恥ずかしさに顔が赤らむ。
助かったのだ……。
その思いが全身に拡がる。
「どうする、沙那?」
孫空女は言った。
すでに戦闘は終わっている。
立っている者はおらず、孫空女が持っていた金色の棒もいつの間にかなくなっている。
「放っておいても、ここにも政府軍がやってきて捕まえると思うけど、頭領と小太坊は連れて戻れと、ご主人様に言われてるわ。ほかに、仕返ししたい男はいる、李春?」
沙那がこっちを向く。
李春はとりあえず首を横に振る。
恨みを返した者は、ほかにもいるがここにはいない。
「それにしても、なんで、あんたらがここに?」
やっと李春は言った。
宝玄仙たち四人は、童姉妹に命じて隣国に船で送り届けたはずだ。
「その話は後よ、李春。じゃあ、戻りましょう──。孫女、青おろちと小太坊を抱えて来てくれる? 朱姫、また『移動術』をお願い」
沙那が裸身の朱姫に振り向いた。
「ねえ、沙那姉さん。さっき沙那姉さんが言った“ご褒美”の話ですけど……」
「はっ?」
すでにほかの方向を見ていた沙那が朱姫を振り返る。
「また、四日ということでどうですか? 皆さんで一日ずつということで──」
「ご褒美?」
沙那がきょとんとしている。
「さっき、朱姫にご褒美だと言ったじゃないですか、沙那姉さん」
「えっ? わたし、そんなことを言った?」
「言いました、沙那姉さん──。ねえ、孫姉さん、沙那姉さんはご褒美だと言いましたよねえ」
「さあ、あたしはすでに戦っていたから……。でも、沙那がそう言ったんなら、沙那だけじゃないの。あたしは関係ないよ」
孫空女が言った。
「と、とにかく、その話も後よ──。行くわよ、朱姫」
沙那が怒鳴った。
*
気がついたときは、ここがどこだかわからなかった。
どこかの小屋だと思った。
その小屋の中に太い木杭が打ちこまれていて、大太坊はその杭に後ろ手に鎖で拘束されていた。
両足首には枷が嵌められていて、金属の棒が挟まっている。
大太坊は全裸にされていたので、股間の一物が地面に垂れ下がった状態になっていた。
こうやって拘束されて半日以上になると思う。
ここに連れてこられた記憶はないが、李春を監禁して調教をしていた郊外の建物に、捕えた張天女を連れていったときに、突然、武器を持った女たちが部屋に出現して乱入した。
おそらく、あれは道術だったと思う。
最初に金色の棒を持った背の高い女が現れて、次に栗色の髪の細剣の女が出現した。
大太坊が覚えているのはそこまでだ。
完全に気を失う前に、張天目の娘がふたりいた気もするが、その辺りの大太坊の記憶は混乱している。
とにかく、気がついたら、素裸にされてこうやってこの小屋に拘束されていたのだ。
大声を出しても誰も来ない。人が近くにいる気配もない。どんなに暴れても拘束された鎖や枷はびくともしない。
このまま放置されるのではないかという恐怖が湧きはじめた頃に、やっと小屋の戸が開いた。
やって来たのは、ふたりの女だ。
ひとりは李春だ。
険しい表情で大太坊を睨んでいる。
もうひとりの黒髪の美女は、どこかで見た気もするが記憶はない。
「わたしは宝玄仙だよ」
その女が言った。
宝玄仙というのは、確か王都から流れてきた人相書きに描かれていた手配犯だ。
それで顔を知っていたのだと思った。
山街道で、李春とともに、小太坊を痛めつけた女たちの中に宝玄仙はいたと小太坊が言っていた。
李春の船によってどこかに立ち去ったと思っていたが、まだ、この掲陽鎮にいたようだ。
ならば、あの背の高い赤毛の女と細剣の栗毛の女も、その宝玄仙の仲間だったのだろう。
「立場が逆転したと言うことか、李春──。だが、あれだけ嗜虐の快楽を覚え込まされた身体だ。そうやっていると身体が疼くんじゃねえか? お前は裸で腰を振っているのがお似合いだぜ。そうやって、服を着るなんて奴隷に成り下がったお前にはもったいないぜ」
大太坊は嘲笑った。
李春の顔が怒りで赤黒くなった。
「俺をどうするつもりなんだ、李春? 仕返しに俺を調教するのか?」
大太坊は笑った。ますます李春の顔が赤くなる。
李春の赤面が、怒りのせいなのか、それとも、思い出す恥辱のせいなのかわからないが、それで少しは捕えられたという事実に対する溜飲も下がる。
「こっちに、連れておいで──」
李春が小屋の戸に向かって叫んだ。
戸からふたりの女に両脇を抱えられた小太坊が入ってきた。
両脇は李春の仲間の童姉妹だ。
そのふたりがぐったりとなった小太坊を抱えている。
「こ、小太坊──」
大太坊はその童姉妹に挟まれた小太坊の姿に驚愕した。
全裸で後手に拘束されているのは大太坊と同じだ。
そして、足首にも短い鎖の繋がった枷が嵌っている。
だが、大太坊が驚愕したのは、全裸の小太坊の股間だ。
そこには当然あるべきものがなかったのだ。
ふたつの睾丸はある。
しかし、その中心にぶらさがっているべきものがなにもない。
小さな穴のようなものがあるがそれだけだ。
小太坊の肉棒がそっくりそのままなくなっている。
大太坊は悲鳴をあげた。
「お前を放っておいて、すまないねえ、青おろち。こいつの肉棒を始末をするのに、手間がかかってね……。というよりは、あんまり、こいつが泣き叫ぶから、面白くてからかっていたんだよ」
宝玄仙が笑った。
「な、なにすんだ──?」
その宝玄仙が大太坊に近寄ってきて、大太坊の股間に手を伸ばしたのだ。
肉棒の根元が金属の輪のようなもので締めつけられた。
「な、なにを嵌めた。や、やめんか」
肉棒に圧迫感が走り、大太坊は悲鳴をあげた。
大太坊は、これから自分がなにをされるのかがわかった。
あの哀れな小太坊の姿──。
こいつらは、自分や小太坊の肉棒を去勢するつもりなのだ。
大太坊は身体を暴れさせた。
「いま、お前のことを掲陽鎮の政府はお尋ね者として探しているよ。お前の組織や施設にも次々に軍の手入れが入って、駝濫一家は壊滅だ。お前らについては、すぐに軍に身柄を引き渡すつもりだ。だけど、それだと首を斬られるだけで、李春の気が済まないだろうからね。軍に処刑される前に、しっかりと酬いをくれてやるよ」
「や、やめてくれ。頼む──」
大太坊は宝玄仙と李春に向かって叫んだ。
あの眼は本物だ。
本当に大太坊の性器が切断される……。
「心配しなくても、あんまり痛くはさせないよ。そのための霊具だ。これを締めたままなら、切断された後、あっという間に傷が塞がって血も止まる。痛くするのは好みじゃないからね──。じゃあ、いいよ、李春」
宝玄仙が離れた。
李春が黙ったまま、懐から小刀を出した。
それを持って大太坊に近づく。
「や、やめてくれ──た、頼む──、李春。俺が悪かった」
大太坊は悲鳴をあげた。
その大太坊の肉棒を李春の左手が持ちあげた。
そして、右手に持っている小刀の刃が肉棒の根元に当たる。
大太坊は絶叫した。
「これをさんざんに舐めさせられたよねえ。こんな大きなものを喉に突っ込まれるのは苦しかったわ。だけど、なくなるのかと思えば、懐かしい気もするね──」
「り、李春、や、やめてくれ――。後生だ。た、頼むうう」
大太坊は絶叫した。
「夜になったら、お前と小太坊は、城郭に運んで適当な場所に縛りつけておくわ。切り取ったお前らの肉棒は足元にでも置いておくよ。なにをされたか、城郭中の住民にわかるように素っ裸で目立つ場所に晒してやるから愉しみにしな」
「た、助けてくれっ」
「青おろちに、お別れだよ」
李春が酷薄な笑みを顔に浮かべた。
小刀がさっと動き、ぼとりと肉の塊が股間から離れる感触が身体に伝わった。