船旅も三日目の夜になっていた。
いま、朱姫は、宝玄仙とともに童猛子と童威子を責めていた。
二日目までに、『縛心術』を併用しながらの責めで、童猛子を完全な性奴隷の状態にすることに成功していた。
いまは、『縛心術』は不要になり、すっかりと術を解いていたが、童猛子が完全に軍門に堕ちたという事実には変わりはなかった。
二日目の午後からは、呼び出しに双子の姉の童威子が加わった。
童猛子には、『縛心術』をかけて半分操った状態で責めるということをしたが、童威子については、完全に堕ちている童猛子を見せるというだけにした。
朱姫には童威子が、童猛子以上にかなりの被虐性を持っていることに気がついていた。
それで予告なしに童威子を宝玄仙と朱姫があてがわれている船室に連れて行き、完全に責められる肉欲の虜になっている童猛子に会わせたのだ。
童威子は、薄々、童猛子が宝玄仙や朱姫の性行為の相手をしていることには気がついていたようだが、李春に諭されていたこともあり、黙認をしていたのだ。
しかし、全裸に縄をかけられ犬のように宝玄仙の身体を舐め回すという奉仕を喜々としてやっている童猛子を見て、童威子は腰が砕けたようになってしまった。
朱姫は童威子をしばらく部屋の隅に座らせて、朱姫と宝玄仙がふたりがかりで後手縛りの童猛子を責めるところをただ眺めさせた。
繰り返し狂乱の様子で汗まみれになって連続絶頂を続ける童猛子に、童威子はすっかりと呑まれた状態になってしまった。
頃合いを見て、朱姫は嫌がる童威子を襲って、その下袴を無理矢理に剥いで下着の中に手を入れた。
童威子は抵抗したが、その力は強いものではなかった。
童威子の股間は、童猛子が責められているのを見るだけですっかりと濡れていた。
そのあまりのぐしょぐしょさは、かえって哀れさを感じる程だった。
童威子には、『縛心術』を遣って嗜虐を受け入れやすくする必要はない──。
そう考えた朱姫は、彼女たちの頭領である李春もこのことは承知のことだという言葉だけを言った。
それだけで、童威子は朱姫と宝玄仙の嗜虐を受け入れることに同意した。
その瞬間に、童姉妹は完全に朱姫たちの性奴隷になった。
もっとも、ふたり揃って責めるということはあまりできない。
彼女たちはこの船の船頭であり、彼女たちの両方を嗜虐すれば船の運航が危うくなる。
それで、昼間はどうしても片方ずつしか責めることができなかった。
両方を並べて責めるのは夜だ。
祭賽国から朱紫国に向かうにあたって童姉妹は、陸地を見ながら沖合に進むという航法を使っていた。
夜に星を見ながら進むということも可能なのだが、それほど急ぐ理由もないし、陸地から離れれば海賊に襲われる心配も高くなる。
それで陸地が観察できる昼間進み、夜は安全な沖に停泊するということをやっていたのだ。
そのため、夜間になれば、見張りを除いて船員たちは船室に入って休むことになる。
童姉妹はなにかが起きたときに指図をすればいいということになるので、事実上暇なのだ。
すると当然、ふたりして朱姫と宝玄仙に責められるということになる。
この夜も、童姉妹は宝玄仙と朱姫の部屋に呼び出されていた。
「お、お願い──外して──外してください──」
童猛子が天井から吊られた両手を激しく揺らして悲鳴をあげている。
全身は汗びっしょりで、その姿は狂気じみている。
部屋を結界で覆っていなければ、その悲鳴にとうの昔に隣室の沙那たちばかりでなく船員たちが殺到しているだろう。
しかし、どんなに叫んでも、この部屋の音は外には聞こえない。
童猛子は束ねた両手を天井から吊られて部屋の真ん中に立たされて、さっきから外してくれと悲痛な声をあげている。
童猛子が苦しんでいるのは股間の前後の穴に挿入された二本の張形だ。
もう二刻(約二時間)は童猛子の股間で暴れ回っている。
童猛子はその激しく動く張形が外れないように革の貞操帯も股間に装着されていた。
童猛子は、それを外してくれと哀願しているのだ。
「何度、言えばわかるんだい。外したくても、お前に履かせている貞操帯を外す鍵はここにはないんだよ」
椅子に座って童猛子の狂態を眺めている宝玄仙が笑った。
「だ、だって……あ、ああ……い、いく……いかせて……いかせて……いくうっ……」
童猛子が数十回目くらいの絶頂への痙攣を始め出した。
しかし、決して最後まで達することはできない。
宝玄仙の施した張形は、二本とも絶頂寸前で動きをとめてしまう道術がかかっているのだ。
そして、しばらく童猛子の身体の快感が冷えるのを待つ。
そうやって童猛子の快感の炎がとろ火になると再び激しく責めたてる。
それを繰り返されて、童猛子は悶え苦しんでいるところなのだ。
「ああ……だ、だめええっ……い、いけない……こんなの……こんなのあんまりよ……た、助けて……もう、限界……」
童猛子がやがてがっくりと身体を脱力させて呻いた。
また、張形が止まったのだろう。
それが再び動き出すのはしばらく後だ。
「もう、寸止め責めが病み付きになったんじゃありませんか、童猛子さん──。もうすぐ、鍵をお姉さんの童威子さんが持ってきてくれますからね。それまで頑張るんですよ」
朱姫は童猛子に近づくと無防備なふたつの乳房を背後からわし掴みにして揉んだ。
童猛子の悲鳴はますます激しくなる。
「ど、童猛子──」
童威子があまりに常軌を逸したような双子の妹の名を呼ぶ。
童威子がこの部屋にやってきたのはほんの少し前で、彼女はこの部屋にやってきて、すでに数刻責められ続けている童猛子の悲惨な姿を見せられた。
彼女が苦しんでいる張形のことも、それを外すには貞操帯の鍵を外さないことも教えた。
そして、朱姫は、その貞操帯の鍵を昼間のうちに船頭室に隠したので、与えた服を着てそれを取りに行けと童威子に命令したのだ。
「ところで、そろそろ、童威子さんは着替え終わったんですか?」
朱姫は部屋の隅で朱姫の与えた服を身に着けていた童威子を見た。
「お、終わったけど……。こ、こんなの……」
童威子は自分の姿に羞恥の震えをしている。
袖なしの短い下袍の丈部分の薄物の貫頭衣一枚──。
それが童威子に着ることを強要した服だ。
ふたりがいつも来ている船頭としての男服や下着はこの部屋にやってきたときにすぐに脱がせて鍵をかけた戸棚にしまっている。
だから、朱姫が与えた服を着なければ、童威子は部屋の外に行くことができない。
そして、朱姫が与えたのは、男勝りの童姉妹が一度も着たことがないような破廉恥な服だ。
普段、男の船頭の格好と振舞いで船員を仕切っている童威子には、そんな女の服装──、しかも、腿も露わな際どい服装で船員の前に出るのは恥辱以外のなんでもないだろう。
だが朱姫は、童威子はそれに応じるだろうと思った。
彼女の本質には隠れた被虐癖が眠っている。動機づけさえ与えれば、彼女はそれに乗る。
その確信が朱姫にはあった。
「童威子、さっさと朱姫と一緒に行ってきな。鍵をただ取りに行くだけだろう。裸で行けと言っているわけじゃなし、つべこべ言うと、本当に裸で部屋の外に放り出すよ──」
宝玄仙が怒鳴った。
それで終わりだった。
童威子はうな垂れて朱姫と船頭室まで戻ることに同意した。
「ところで、童威子さんには、ふたつにひとつを選ばせてあげます。下着を付けずに部屋の外に行くか、それとも両手の親指を背中側で縛って行くかです。どっちがいいですか?」
朱姫は意地悪く言った。
童威子は貫頭衣とともに朱姫が与えた下着を身につけさせている。
それをこの場で脱いでいくか、それとも両手を拘束されて行くかどちらかを選べと言ったのだ。
童威子の顔に恐怖が浮かんだ。
「こ、こんな短い下袍で下着なしに行けるわけがないでしょう、朱姫──」
童威子が蒼い顔して声をあげた。
「だったら決まりですね。親指を縛るので、両手を背中に回してください」
「そ、それは──」
童威合流は抵抗の素振りを示したが、朱姫が強引に両手を後ろに回させると、それほど手間を取らせることなく、親指と親指を背中で重ねあわせた。
朱姫はその両方の親指の付け根を細い紐で縛る。
これで童威子はまったく自由が効かなくなる。
そして、躊躇している童威子を朱姫は無理矢理に部屋の外に出した。
「ああ……」
船室の外に連れ出すと同時に普段の童威子とは考えられない女らしい羞恥の姿を見せた。
口とは裏腹に童威子が嗜虐に酔っているのが朱姫にはわかる。
「こ、こんな姿をみんなに見られたら……」
しかし、まだ童威子は戸惑っているようだ。
なかなか足を竦ませたようにして船室の前から動こうとはしない。
「大丈夫ですよ、童威子さん。船頭のおふたりだって女なんですから、少しくらいは私服を着てもおかしくないですよ。それに、もっと堂々としていないと、その方が怪しまれますよ」
「で、でも……」
「それにいまは夜中です。ほとんど童威子さんたちが立たせている見張り以外に人はほとんどいません。さあ、行きますよ」
朱姫は促したが、普段着たことのない女の服──しかも、こんなにかなり短い丈の下袍で部下の前に出ることには、激しい抵抗があるようだ。
それで、朱姫ははっきりと引導を渡すことにした。
朱姫は童威子の履いている下着に道術を込めた。
実はこれはただの下着ではない。
朱姫が道術を施した霊具だ。
朱姫が道術を込めたことで、下着が童威子の肉芽を包み込んで小刻みに振動をしはじめたはずだ。
それだけでなく、童威子の股間部分をまるで人の手が愛撫するかのようにうねり始めてもいるに違いない。
「きゃあ──」
童威子は声をあげてその場にうずくまってしまった。
「言うことをきかないと、もっと刺激を強くしますよ、童威子さん」
「ひいっ……ひっ……はっ、はっ……ああ……や、やめて……歩く……歩くから……と、とめて──」
童威子が悲痛な声をあげはじめたところで、朱姫は下着の振動をとめてやった。
脱力した童威子が観念する表情になり、よろよろと立ちあがった。
やがて、童威子は歩き出した。朱姫は後ろからついていく。
宝玄仙と朱姫がある客室は階段を昇り、一度甲板に出てさらに一段高い場所にある場所に階段で昇った場所にある。
大した距離ではないが、こんな格好を部下に見られるかもしれないと思うと、どうしても恥ずかしいのだろう
童威子はやたらにきょろきょろとしながら前を進んでいく。
幸いにもほとんど人影はない。
見張り台に甲板に昇ったとき、見張り台に立っていた船員が声をあげて、童威子に異常なしの報告をした。
遠目だから童威子の格好などほとんどわからないはずだが、童威子は目に見えて狼狽えた表情でそれに応じていた。
ただ、短い下袍で歩いて船頭室に行くというだけのことだ。
しかし、童威子はあまりに激しい羞恥で、隠れた嗜虐心が爆発してしまい、沸き起こった官能に興奮しているようだ。
敏感な朱姫の鼻には、童威子の股間から熱い吐液がどろどろと流れ出ていることに気がついていた。
「童威子殿──」
急に横から声がかかった。
「ひうっ」
童威子は小さな悲鳴をあげると震えながら身を縮ませていた。
声をかけたのは航海士のひとりの若い男だ。
小用でもしにきたのか、どうやら船員の部屋から甲板に出てきたところで童威子を見つけたようだ。
「な、なによ、楊水……?」
しかし、すぐに平静を装ってその部下の航海士の名を呼んだ。
その変わりようは見事なほどだ。
「なにって言われてもなんでもないんですけどね……。でも、童威子殿もいつもと違って色っぽい恰好をしてますねえ」
「う、うるさいよ……。あ、あたしだって私服くらい着るさ。夜だからね。ちょ、ちょっと客人に夜の星を見せていたところさ」
童威子は言った。
楊水は童威子の背後に立っている朱姫に軽く会釈をした。
「童威子さんに頼んで、船頭室にあるという星図を見せてもらうところです」
朱姫はそう言いながら、楊水の視線が童威子から逸れたことを確認し、下着に道術を込めて、再び軽い刺激を与えた。
「うっ」
童威子が小さな声をあげた。
そして、身体をよろめかせて、後ろ手のまま、そばの手摺をしっかりと掴む。
懸命に歯を食いしばっている。
一生懸命になんでもないふりをしているが、短い下袍から剝き出しになった腿ははっきりと震えていた。
朱姫はそんな童威子の健気な姿が面白くて、さらに振動を強くした。
「あくっ」
童威子が身体を仰け反らせて大きく身体を震わせたが、その時には楊水は童威子に背を向けて立ち去ろうとしているところだった。
童威子の声が聞こえなかったのか、そのまま楊水は童威子の前からいなくなった。
朱姫はもっと下着の刺激を強くした。
童威子は膝を折り、腰を淫らに左右に振った。
童威子の全身がぶるぶると震えて、くうっという声が漏れた。
達したのだと悟った。
「どうです、怖かったけど快感も一層だったんじゃないですか、童威子さん?」
やっと下着の振動を止めた朱姫はがっくりと腰が抜けかけてる童威子にささやいた。
「ひ、酷いわね、朱姫……」
すっかりと上気した童威子が甘えるような顔を朱姫に向けた。
そこにはすっかりと被虐に酔ったひとりの女の姿があった。
*
「もう、船旅は御免だよ……」
孫空女がまだ蒼い顔をしながらはしけを使って
「わたしも……」
沙那が続く。
孫空女も沙那も一度も見なかった気がするが、ふたりとも船酔いが酷くて部屋に引きこもって吐いてばかりいたらしい。
まだ蒼い顔をしてぐったりとしている。
充実した五日間を送った朱姫は、宝玄仙に続いて船を降りた。
大きな港ではなく、本来は外国からの船は入港できないことになっている地元の漁港だ。
しかし、李春家の財が動いていて、地元民を買収して、前々からここを童姉妹は朱紫国との貿易用の港湾としてこっそりと使っているようだ。
別に珍しいことではなく、取締りの緩い朱紫国では誰でもやっている普通の不正らしい。
朱姫たちもここから朱紫国に蜜入する。とりあえず内陸に進み、国都を掠めてさらに西に向かうことになるだろう。
「お元気で──」
童姉妹が見送りに来た。
ふたりとも昨夜遅くまでたっぷりと朱姫と宝玄仙に責められた。
この五日間で童姉妹はしっかり宝玄仙と朱姫に屈服し、純情な性奴隷として振る舞うようになった。
宝玄仙は悦んでいたし、朱姫も愉しかった。
また、童姉妹もまたかなりの興奮でよがり狂っていた。
「わたしは、船酔いで動けなかったけど、うちのご主人様や朱姫が、あなたたちに酷いことをしなかったかしら?」
船から降りて見送りに来た童姉妹に沙那が訊ねた。
「別に……。充実した五日間だったわ……。ねえ、童猛子」
「そうね」
童威子が笑顔を童猛子に向けると、童猛子も屈託のない笑顔をこちらに向けた。
宝玄仙も笑って別れを告げる。
そして、四人は船に背を向けて、眼の前に拡がる山道を進み出した。
この山を越えれば国都に繋がる街道にぶつかるはずだ。
出発のときには童姉妹が船の前で別れの手を振った。
しばらく歩き、港が遠くなってから、ふと朱姫は後ろを振り返った。
随分と童姉妹の姿は小さくなっていたが、はっきりとこっちに手を振っているのを朱姫は気がついた。
(第43話『船旅調教』及び『祭賽帝国(水滸伝艶義)篇』終わり)