※この作品はR-18です。

嗜虐西遊記【完結】   作:ドン・ドナシアン

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276 素っ裸の脱走

「ほら、口を開けな、孫空女」

 

 宝玄仙が言った。

 孫空女は床の上に四つん這いの姿勢のまま顔だけをあげた。

 椅子に座っている宝玄仙が上半身を倒して顔を孫空女の口に寄せる。

 大きく開いた孫空女の口に、宝玄仙が咀嚼していた肉と唾液が入れられた。

 

「どうだい、おいしいかい、孫空女?」

 

「う、うん」

 

 孫空女は、宝玄仙の唾液混じりの肉を噛みしめた。

 味は薄くなっていたが確かに肉の味はする。

 それ以上に宝玄仙の唾液の味と匂いがたっぷりと染みているが……。

 

「次は、沙那だ、ほら」

 

 孫空女と同じように全裸で四つん這いになっている沙那が上を向いて口を開ける。

 その沙那の口にも宝玄仙の口の中にあった肉が入れられた。

 沙那もまた文句ひとつ言うわけでもなく黙ってそれを食べて、お礼の言葉を告げる。

 

「次は、朱姫だ」

 

「はい、ご主人様」

 

 朱姫が口を開けた。

 長女金がこの廃屋を出て行ってからかなり経っている。

 外はすっかりと夜だ。

 

 孫空女は、沙那と朱姫とともに、宝玄仙から全裸で四つん這いで“犬”のようになるように命じられて、それをしているのだ。

 特に、拘束されているわけではないが、服を脱いで四つん這いで歩くように命じられ、首に犬の首輪をつけられた。

 始まったのは夕方で、それから様々な痴態をやらされていたが、いまは遅めの夕食を食べているところだ。

 

 宝玄仙から破廉恥なことを強要されるのはいつものことだ。

 孫空女も、もう諦めの境地だが、それは沙那も同じのようだ。

 こんなときは文句のひとつも言わずに、命じられるままの行動をとる。

 朱姫がなにを考えているのかはいま少しわからない。

 今夜は孫空女や沙那と同じように、嗜虐される側だから宝玄仙に飼育される“犬”になりきっているようだが、気がつくと、すぐに嗜虐側になって、孫空女と沙那を責めたてているというのは普通のことだ。

 

 宝玄仙の口に入っていた肉を食べるという行動を三回りほどやらされる。

 つぎは水だ。

 

 宝玄仙は、最初に口移しで水を孫空女の口の中に入れた。

 孫空女はそれをほんの少しだけ飲んで、沙那の口に入れる。

 沙那もまた少しだけ喉を潤してから、朱姫の口に入れる。

 朱姫の口には三人の唾液交じりの生温かい水が入ったはずだ。

 朱姫はそれを全部飲み干す。

 同じことを今度は沙那が最初のときと、朱姫が最初でそれぞれにやる。

 

「じゃあ、そろそろ、野菜にするかね。誰にするかねえ……。じゃあ、沙那にするか。沙那、お前の股間に入ったものを少しだけ出しな。全部一気に出すんじゃないよ。ちょっとずつ出すんだ。朱姫と孫空女は、それを一口ずつ交互にお食べ」

 

 宝玄仙が言った。

 

「は、はい、ご主人様……」

 

 沙那が真っ赤に顔を染めた。

 そして、四つん這いの姿勢を解いて、両手を後ろで支える仰向けに近い態勢になり、大きく股を開いて腰を前に突き出した。

 沙那がいきんだような呼吸をする。

 

 肉襞が開いて、沙那の女陰から半分に切断した胡瓜(きゅうり)の頭が出てきた。

 食事の前に全員が女陰に細長い野菜を挿入されている。

 それを沙那が膣の筋肉だけで外に出しているのだ。

 沙那だけじゃなく、孫空女も朱姫も、同じように女陰に挿入されたものを出したり引っ込めたりすることくらいはできる。

 こんなことも、長い宝玄仙による調教でできるようになったのだ。

 

「あ、あたしからいきます」

 

 朱姫が四つん這いで歩き、口を沙那の股間つける。朱姫の口が、沙那の股間から飛び出ている胡瓜を噛み切る音がした。

 そのとき、敏感な部分に朱姫の唇が触れたのか、沙那が小さな嬌声をあげて身悶えした。

 

 朱姫の口が離れた。

 さっきまで顔を出していた胡瓜の部分がなくなっている。

 

 沙那が鼻の孔を膨らませて息を吐いた。

 再び沙那の女陰に埋められていた部分の野菜が少しだけ出た。

 孫空女もまた身体伸ばして、沙那の股間に顔を埋めるようにして、女陰から出している部分の野菜を口にした。

 沙那の愛液の混じった野菜はかすかに塩辛かった。

 

 そうやって沙那が少しずつ出す野菜を交互に口にする。

 最後のひと口は朱姫が食べた。

 孫空女は、朱姫が最後のひと口を口にした後で、舌をさっと伸ばして沙那の肉芽をひと舐めしたことに気がついた。

 

「ひんっ」

 

 沙那が身体を大きく震わせて声をあげた。

 

「こらっ、沙那──。なにを股から野菜を出すくらいで感じているんだよ。ちゃんとやりな。罰を与えるよ」

 

 宝玄仙が怒鳴った。

 

「す、すみません、ご主人様」

 

 沙那は慌てて姿勢を四つん這いに戻してから、朱姫を睨む。

 朱姫が悪戯っ子のような表情で舌を出す。

 沙那が苦笑した。

 

「次は孫空女のものを出しな」

 

「わ、わかったよ」

 

 孫空女も身体を起こして、さっきの沙那と同じような態勢になる。

 下腹部に力を入れていきむ。

 少しずつ野菜が孫空女の女陰から顔を出す。

 

「しかし、ただ同じことをしても面白くないからね。じゃあ、今度は孫空女の股間から出したものを女陰と女陰を重ねて、沙那が受け取りな。それが終わったら、沙那に入ったのはそのままで、次は朱姫の股間に入っているものを食べるんだ。そして、沙那の女陰から朱姫の女陰に移すんだよ」

 

 もうなんでも好きなようにやらせたらいいと思った。

 沙那も同じ気持ちだろう。

 身体を孫空女に重ねるようにする。

 

「でも、どうやったらいいのかなあ……」

 

「こう、寝そべってみるよ、沙那」

 

 孫空女は身体を横にした。

 

「こう?」

 

 沙那が孫空女の身体の上に重ねる。

 脚を交互に重ねるように女陰と女陰を重ねた。

 

「いい、沙那?」

 

「ううん……」

 

 沙那と孫空女の股間が重なって擦れて淫らな刺激が伝わってくる。

 孫空女は沙那の女陰が重なっているのを感じながら、ゆっくりと膣の中の野菜を外に出していく。

 外に出ていく野菜が沙那の膣に吸い込まれていくのを感じる。

 

「凄いです、孫姉さん、沙那姉さん」

 

 横で見守っていた朱姫が感嘆の声をあげる。

 

「本当だねえ」

 

 宝玄仙も笑って言った。

 それにしてもなんでこんなことをしているのか……。

 思わず苦笑してしまう。

 

「じゃあ、朱姫の股間に埋めたものをふたりで味わいな。わたしは、人間の食い物を口にするけどね」

 

 宝玄仙が笑って卓の上の皿に手を伸ばす気配がした。

 仕方なく床の上で、朱姫の股間から出る野菜を食べるという行為を始める。

 

「あ、あのう……、ご主人様」

 

 股間から異物のなくなった朱姫が身体をもじつかせ始めた。

 

「なんだい、朱姫。なくなったら、さっさと沙那の中に入っている野菜を受け取りな」

 

「で、でも、あたし、おしっこがしたくて……」

 

 朱姫が恥ずかしそうに言った。

 確かに随分と長い時間をこうやって裸ですごしている。

 孫空女もそう言われると尿意が溜まってきた気がする。

 

「じゃあ、そこでしな、朱姫。少しくらい床が汚れてもいいさ。孫空女、厠になりな」

 

「そ、そんな、ご主人様──」

 

 悲鳴のような抗議をしたのは朱姫だ。

 孫空女は諦めの嘆息をしただけだ。沙那と孫空女は、それこそ何十回もお互いの尿を飲まされている気がするけど、考えてみれば朱姫とはやったことがない気がする。

 

「大丈夫だよ、朱姫。あたし寝るから、その上にしていいよ」

 

 孫空女は仰向けに横になった。

 

「そ、孫姉さん……」

 

 朱姫はおろおろとしている。

 このところ嗜虐に回ることが多かった朱姫だけに、羞恥に身悶えする朱姫の姿は新鮮な気がする。

 

「早く、跨ぐんだよ、朱姫」

 

 宝玄仙の強い叱咤で、朱姫が羞恥に顔を染めた表情で寝そべっている孫空女の顔の上を跨いだ。

 朱姫の女陰が孫空女の顔のすぐ上に近づく。

 

「い、いいよ、朱姫」

 

 孫空女は大きく口を開いた。

 

「だ、出します」

 

 朱姫の股間がぶるりと震えた。

 

「待つんだよ、朱姫──。ちゃんと犬らしく、片脚をあげないか」

 

 宝玄仙が怒鳴った。

 

「で、でも、ご主人様……。片脚をあげるのは牡犬だけで、雌犬は脚をおろしたままで尿をするんですよ」

 

 沙那が横から言った。

 

「こんなこときに学をひけらかすんじゃないよ、沙那──。いいから、脚をあげな、朱姫」

 

 朱姫の姿勢が変わって、四つん這いで片足をあげる姿になった。

 この態勢だと朱姫の股間から流れる尿が受けとめにくい。

 とにかく、腕で身体を支えて朱姫の股間に口づけするような態勢になる。

 

 朱姫の股間から尿が流れ出した。

 かなり勢いよく出たが、うまく口をずらして口に溢れる尿を飲み干す。

 馴れているのでほとんどを床にこぼさずに済んだ。

 

「す、すみません、孫姉さん」

 

 尿を出し終わった朱姫が打ちひしがれた様子で言った。

 

「えほっ、えほっ……。だ、大丈夫だから……」

 

 孫空女は咳込みながら、朱姫の股間を舌で拭こうとした。

 しかし、孫空女は突然我に返った。

 なにかを感じたのだ。

 

「ねえ、沙那──」

 

 ふと、孫空女は異常な殺気に触れた気がした。

 それがなにかということを知覚したのは、裸身のまま立ちあがり耳の中の『如意棒』を伸ばしてからだ。

 

「どうしたの、孫女──?」

 

 淫情に酔っていたような表情だった沙那が真顔になって孫空女を見た。

 しかし、すぐに沙那も異変に気がついたようだ。

 慌てて沙那も剣を手に取るために部屋の隅に走った。

 しかし、すぐによろめいてしまって、股間に入ったままの野菜を外に出そうと、自分の股間に手を伸ばした。

 

 突然、壁が外側から爆発した。

 風圧で身体を飛ばされる。

 転がりながら、なにか網のようなものが降りかかるのを感じた。

 

 大勢の人間が部屋に侵入してくる。

 城郭兵だ──。

 

 考えたのは『如意棒』で身体を包んだ網を引き破いてからだ。

 網から出て組みつこうとした兵を投げ飛ばす。

 

 沙那と朱姫も、それぞれに三、四人の男の兵に組み伏せられている。

 四人の中でひとりだけ服を着ている宝玄仙も同じだ。

 孫空女は『如意棒』で宝玄仙に組みついていた兵を叩き落とす。

 

「『獣人』──」

 

 朱姫が道術で妖魔に変身した。

 五人、六人と部屋の中の兵が吹き飛ぶ。

 しかし、穴の開いた壁や開かれた扉、窓からもどんどん兵が侵入してくる。

 

「きりがないね。逃げるよ──」

 

 宝玄仙が『移動術』の結界を刻む仕草をした。

 孫空女と沙那は、獣人化した朱姫とともに、宝玄仙をとり囲んで殺到する兵を阻む。

 

「刻んだよ──。ついておいで。一緒に来る兵は放っておきな。向こうでなんとかなる」

 

 宝玄仙が叫んだ。

 宝玄仙は、川原に繋がる『移動術』の結界を刻んだはずだ。

 あらかじめそう決めていた。

 

 宝玄仙の姿が消える。

 孫空女は続いて宝玄仙のいた場所に飛び込もうとした──。

 

「だ、駄目だ、罠だよ。逆結界がかかっている。来るんじゃない──」

 

 宝玄仙の悲鳴が聞こえた。

 それで終わりだった。

 

 『移動術』の結界が向こうから遮断されたのがわかった。

 宝玄仙の姿は消えたままだ。

 

「沙那、ご主人様が──」

 

 孫空女は、素っ裸で戦いながら悲鳴をあげた。

 相手から奪った剣を振るいながら沙那も蒼い顔をしている。

 

「と、とにかく、わたしたちは脱出よ──」

 

 沙那が引きつったままの顔のまま叫んだ。

 人間の姿に戻りかけている獣人の朱姫が、窓に体当たりをした。

 窓ごと壁が吹き飛んで大きな穴が開いた。

 

「三人で塊りになって逃げるのよ。いまはそれしかないわ」

 

 沙那が叫んで朱姫に続いて家の外に出た。

 孫空女も続く──。

 

 外の一角は森に面している。

 そういう場所を選んだのだ。

 

 外にも城郭兵は密集していた。

 しかし、孫空女と沙那が並んで武器を振り回して、なんとか突破口を開く。

 

 裸のまま三人で城郭軍の包囲を脱した。

 孫空女は最後尾に回った。

 朱姫、沙那に続いて、裸身のまま孫空女は森に入る。

 

 追いすがる兵を『如意棒』で吹き飛ばす。

 ひと振りごとに五人、十人と兵が飛んでいく。

 伸縮自在の『如意棒』は、森の中でも強力な武器だ。

 短くすることで生い茂った樹木の間でも振り回せるし、開けた場所に来れば、伸ばして敵の剣先の外側から払い飛ばせる。

 

「沙那、このまま逃げて、ご主人様はどうするのさ──」

 

 追ってくる敵がまばらになったところで、孫空女は、朱姫とともに前を走る沙那に叫んだ。

 

「わかっているわよ──。でも、いまはどうしようもないじゃないのよ──」

 

 沙那の怒ったような声が返された。

 矢だ──。

 

 背後から飛んできて掠めた。

 

 孫空女はそれを打ち払うためにくるりと身体を反転させて、『如意棒』を風車のように回した。

 

 沙那と朱姫は、矢を射かけるのが難しい樹木の茂った場所に再び潜り込む。

 孫空女も後を追う。

 

 城郭軍の集団からかなり離れた。

 しかし、まだ城郭兵は追いかけ来る。

 

 沙那の言う通りだ──。

 孫空女は走りながら思った。

 

 いまは宝玄仙のことよりも三人が逃げ延びることが優先だ。

 もしも、宝玄仙が逆結界により城郭軍に捕らわれたとすれば、次は、救出のことを考えなければならない。

 三人が捕えられては救出することはできない。

 

 逆結界とは、『移動術』で逃亡しようとする道術遣いを移動中の空間で捕えてしまうという道術だ。

 複数の道術遣いがいて可能となる道術だが、『移動術』の遣える道術遣いを包囲して捕えるときの常套の策だ。

 おそらく、『移動術』で逃げようとしたあのとき宝玄仙は、そのまま城郭軍の道術遣いたちにより捕えられたと考えるしかない。

 

 いまは、逃げる──。

 逃げのびて、改めて宝玄仙を救う──。

 それしかないのだ。

 

 孫空女は追ってくる兵を打ち払っては、前を走る沙那と朱姫を懸命に追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 *

 

 

 鈴の音がした──。

 それで宝玄仙は目が覚めた。

 

 うっすらと開いた視界に妖魔が映ったと思った。

 肩に人間のようなものを担いでいた気がする。

 しかし、その妖魔はすっと宝玄仙の眼の前から消えた。

 

 ここは──?

 

「眼が覚めたか? お前が宝玄仙だな?」

 

 三十くらいの役人らしき男が壁にもたれて腕組みをしている。

 服装は東方帝国の天教の僧侶が着る服に似ている。

 手には、差し棒のような細長い棒を持っている。

 

「お、お前は誰だい?」

 

 宝玄仙はまだぼんやりとしたまま言った。

 そして、はっとした。

 

 自分が椅子に座らせられて、両手を手摺に縄で縛られていることがわかったのだ。

 そう言えば、廃屋にいるときに、突然城郭兵に襲撃を受け、咄嗟に『移動術』で逃亡しようとした。

 しかし、逆結界がかかっていて、跳躍しようとした場所とは、別の場所に跳ばされた。

 最初に跳ばされたのは棺桶のような箱だった。

 そこには奇妙な香が充満していて、すぐに睡魔に襲われた。

 そして、眼が覚めたらここにいたのだ。

 

「俺は有来有去(ゆうらいゆうきょ)だ。この国都にある宮廷府の筆頭道術師だ」

 

「つまり、道術遣いかい……」

 

 だったら道術が効く。

 宝玄仙は、道術を刻むために霊気を集中した。

 

「え……?」

 

 思わず声をあげた。

 道術が発生しない。

 霊気はあるのだ……。

 しかし、なぜか道術が遣えなくなっている。

 

「どうした、宝玄仙? 道術が遣えないのが不思議か?」

 

「お、お前……。わ、わたしになにをしたんだいっ──」

 

「じっくりと愉しもうじゃないか、宝玄仙。最初に言っておくが、処刑の日は五日後だ。すでに決定したことだったが、お前の美貌を見て助けてやりたくなった。処刑という決定を覆すことはできないが、それを遅らせることくらいはできるぞ……」

 

 有来有去が余裕たっぷりの表情で立ちあがった。

 椅子に拘束されている宝玄仙に近づいてくる。

 

 なぜ道術が遣えないかわからない──。

 しかし、ふと思いついたことがあった。

 さっき目が覚める直前に見た鈴の音──。

 そのとき、なにかの大きな道術が動いた気配がしたと思ったが……。

 

「まずは、挨拶代りに味見をさせてもらおうかな」

 

 有来有去がゆっくりと近づいた。

 そして、すっと棒を伸ばして宝玄仙の下袍をゆっくりとたくし上げ始めた。

 宝玄仙の恥辱を呷って愉しむかのように……。

 

「くっ」

 

 宝玄仙は身体をよじった。

 しかし、道術が遣えないとなれば、宝玄仙にはなにもできない。

 脚を擦り合わせて、だんだんとあげられる下袍から露わになる太腿と股間を隠そうとした。

 

「ほら、暴れなよ。嫌がり方が足りないぜ」

 

 有来有去は愉しそうにじわじわと下袍をあげ続ける。

 ついに、完全に下着が露出するまでたくしあげられた。

 棒の先で宝玄仙の股間の頂点を突いて押してくる。

 

「んんっ……あ、あんっ……」

 

 有来有去の棒は巧みに宝玄仙の感じる場所を突いていく。

 宝玄仙自身が驚くくらいに簡単に、宝玄仙は刺激に声をあげてしまった。

 

「脚もきれいだな。簡単に処刑になるのは惜しい気もするな……。なあ、宝玄仙、取引きしないか。俺の性奴隷になれよ。そうすれば、なんとか助けてやれるかもしれないぞ」

 

 棒が股間の下に突き刺さり、固く閉じ合されている腿の間を擦りあげるように前後に動く。

 いまわかったが棒の先は小さなたくさんの突起が付いているようだ。その突起が宝玄仙の敏感な部分を微妙に刺激し続ける。

 

「ああ……あ、あっ……」

 

 悔しいが声が出る。巧みに女の急所を責めてくる。

 かなり馴れた手つきだ。宝玄仙の口から嬌声がこぼれ出る。

 

「そろそろ、下袍を脱いでもらうかな」

 

 棒を股間の下に挟んだまま有来有去が棒から手を離した。

 近づいてきた有来有去が、宝玄仙の下袍の腰の留め金を外して脚から引き下ろした。

 

「お、お前、いい加減に……」

 

 宝玄仙は有来有去を睨みつけた。

 

「じゃあ、そろそろ、訊問に入るか。おい、入って来い──」

 

 有来有去が外に向かって声をかけた。

 五人ほどの兵が入ってくる。

 にやついた表情で宝玄仙を取り囲む。

 思わず脚をあげて股間を隠し

。

「お前らに、三刻(約三時間)やる。なにをしてもいいから、こいつに仲間の名を吐かせろ。ただし、暴力は駄目だ。俺は血が嫌いでな。やっていいのは、色責めだけだ。仲間の数は女が三人だが、わかっているのはそれだけだ」

 

 どこからか箱を持ってきた有来有去が、部屋の隅にそれを持ってきて座った。

 

「本当になにをしてもいいんですか、有来有去様?」

 

 五人の兵のうちの代表格らしい男が下種な笑みを浮かべた。

 

「乱暴は駄目だぞ。傷はつけるな。優しく扱ってやれ」

 

 有来有去が言った。

 歓声をあげた五人の手が一斉に宝玄仙の衣類に伸びた。

 

 

 

 

 

(第44話『お人好しの女』終わり、第45話『女三蔵磔(はりつけ)処刑』に続く)

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