「ああいう男もいるんだねえ。あたしは、正直、戸惑っているよ」
湯の中の孫空女が小さな声で言った。
いまは、湯の外にいる沙那は小さく頷いた。
驚いたことに、この
もっとも、さすがに湯船は小さいので、ひとりずつしか入れない。
交替で身体を洗いながら浸かり、いまは、孫空女が入っている。
沙那と朱姫は、湯船の外だ。
湯船の外でも蒸気のたちこめた洗い場にぼんやりと座っていると、気持ちよくてなにもかもすべて忘れてしまいそうだ。
だが、こうしている間にも、宝玄仙は惨い目に遭っているかもしれない。
どうやって救いだすか考えなければならない。
「それは、あたしたちのために、わざわざ、朝から湯船にお湯を溜めてくれたからですか、孫姉さん?」
朱姫が笑って言った。
「そういうことだね。これだって、かなり大変だよ。荷駄馬車があるとはいえ、城郭の水場までいって、大きな水桶で十杯は汲んできていたよ。それを運んで、ここに水を溜めて、そして、薪を焼いて湯を温めてくれた……。ここにやってきて、今日は、店を開けるのはやめたとか言って、なにかをやりだしたから、なにをしているのかなあ、とは思ったけど、まさか、あたしらのために、湯を沸かしてくれていたとはねえ……。てっきり、家に着いたら、すぐにあたしらを抱くのかと思ったのにね」
孫空女が、気持ちよさそうにぐったりと身体を湯に沈めた。
「優しいということ?」
沙那は言った。
「そうだ……。それだよ。優しいだよ。ぴったりの言葉が思いつかなかった。男に対して優しいだなんて、生まれて初めて思ったからね」
孫空女はなおも言った。
昨夜、隠れていた郊外の家を城郭軍の襲撃を受けた。
宝玄仙は捕えられたが、三人はなんとか逃亡することに成功した。
その代わり、素っ裸だった。
そこで街道まで出て、たまたま、荷駄馬車で通りかかった陳達と出遭って、助けてもらったのだ。
最初は、襲うつもりで、三人で陳達の荷駄馬車の前に立ちはだかったのだが、思いのほか親切な男で、強盗に襲われたと嘘をつくと、積んでいた衣類の荷から服を与えてくれて、さらに、城郭の中まで荷駄に載せて連れて行ってくれた。
お陰で、城門の兵に見咎められることなく、朱紫国の国都に入ることができた。
陳達の家でしばらく世話をしてもらうことになり、やってきたのは、城郭でも衣類を商う店が並ぶ一角だ。
そこに陳達の店があり、店の裏には、陳達がひとりで暮らすためのこの家と荷駄馬車を管理するための庭もあった。
庭には、小さな畠もあり、野菜などが作られていた。
佇まいなどを眺めると、陳達がとてもきちんとした人で、働き者であることがわかる。
ちらりと覗いたが、小さいが店の中も整然としていて、売り物の古着などがきれいに並べられていた。
陳達は、荷駄馬車を家の裏につけると、沙那たち三人を家の中に通した。
手配されている可能性のある自分たちなので、城郭を歩き回るわけにはいかない。
とりあえず、隠れるように家に入った。
陳達は、荷をおろすと、そのまま、どこかに荷駄馬車で出掛けていった。
三人が軍に手配されているということは、陳達に伝えてあったから、そのまま軍に密告されることを怖れて、沙那はそれを止めようとした。
しかし、孫空女がそれを制した。
信用すると決めたら、とことん信用すべきだと言うのだ。
沙那は心配だったが、やがて戻ってきた陳達を見て、沙那は彼を疑った自分を恥じた。
陳達は、沙那たち三人のために、当座の食料と、そして、湯を沸かすための水を運んでくれたのだ。
山の中を走り回った三人の身体は、随分と汚れていたようだ。
それで気を使って身体を洗うために湯船に湯を溜めてくれたのだ。
いま、陳達は、食事を作ってくれているようだ。
孫空女ではないが、女のためにこんなに動いてくれる男は、沙那もほかに知らない。
しかも、沙那たち三人は、さっき出遭っただけの見知らぬ女なのだ。
「それにしても、大きな鼻でしたね。びっくりしました」
朱姫が思い出すように言った。
陳達の鼻ことだ。
巨大で醜悪なできものが浮かんだ鼻が陳達の顔の前にぶらさがっていた。
「ああ……。そう言えば、あたしらをここに匿ってくれると決まってから、何度も鼻のことをぶつぶつ言っていたよねえ。あれは、自分の鼻のことをちょっと気にしているのかなあ?」
孫空女だ。
「気にしているんじゃない。まあ、けっして見てくれがいいとは言えないしね」
沙那は言った。
おそらく、気にしているどころじゃないだろう。
陳達はあの醜い鼻のことで相当に劣等感を持っている。
三人が軍に手配をされていることを白状し、匿う代わりに、三人の身体を自由にしていいと申し出ると、同意はしたが、その後、自分の鼻のことをぶつぶつと言いはじめたのだ。
初めは、なぜ、鼻のことを喋るのかわからなかったが、どうやら、陳達は自分が醜い鼻をしているので、三人を抱くのは憚られるというような思いを感じているようだった。
沙那は驚いたが……。
「さてと……、じゃあ、そろそろ出ようか。それで、これからどうする、沙那?」
孫空女が湯船の外の沙那と朱姫に身体を向けた。
「とりあえず、情報収集──。襲撃された理由が、わたしたちのやった結界牢破りだとして、あれだけ軍が動くということは、それは相当の罪なんだと思うわ。だけど、陳達さんによれば、罪人の処刑は、立て札で告示され、しばらく晒されてから公開で行われるということじゃない。だから、少なくとも、まだ数日は余裕があると思うわ」
「だけど、あたしらは動き回れないよ、沙那。きっと手配されている。顔までわかっているかどうかは知らないけど、
「その可能性は高いと思うわね」
沙那は言った。
「陳達さんにお願いすればいいじゃないですか。さっき、店を覗いたときに、仕立ての途中の軍服もありましたよ。きっと、軍に出入りもできるんですよ」
「でも、朱姫、無関係の陳達さんをこれ以上、わたしたちのことに巻き込むなんて……」
沙那は迷っていた。
無関係の陳達をどれだけ巻き込んでいいかということだ。
だが、なんとか城郭には入れたものの、宝玄仙を救出するためには、宝玄仙がどういう状況にあるかを調べなければならない。
軍営のどこにいて、どのような状況であるかということを探らなければ、策など立てようもないのだ。
しかし、沙那たちは手配されている可能性があり、動き回るわけにはいかない。
朱姫の『変化の指輪』も、朱姫専用なので三日は遣えない。
確かに、陳達に協力を受けることができれば、少しでも宝玄仙の情報がわかるかもしれないし、救出の手段も見つかるかもしれないのだが……。
そのためには、陳達を軍に追われるかもしれない騒動に巻き込むことになる。
陳達の店や家を眺めれば、陳達が犯罪などの無縁の働き者であり、誠実でつつましい生活をしている男であることはよくわかる。
「でも、それしかないわね……。陳達さんを三人で籠絡するのよ」
やがて、沙那は言った。
陳達を引き込む。
なんとかして、絶対的な協力者にする。
宝玄仙を救うためだ。
沙那は腹をくくった。
「籠絡って、なにさ?」
孫空女だ。
「手なずけて、思い通りにすることよ。陳達さんには、悪いと思うけど、ご主人様を救うためよ。最終的には、事情を打ち明けて協力してもらいましょう」
「でも、『縛心術』はまだ、遣えませんよ、沙那姉さん」
「朱姫、『縛心術』は必要ないわ。まだね……。たらしこむのよ」
「たらしこむ?」
「そうよ、孫女──。わたしたち三人でやるのよ。陳達さんを引き込むのよ。この身体で」
「身体ねえ……」
孫空女は嘆息した。
「じゃあ、朱姫、お願いよ。どうやったらいいか、指示して」
沙那は朱姫に視線を向けた。
「あ、あたしですか?」
いきなり振られて朱姫は戸惑っている。
「そうよ。これについては、朱姫が指示してよ──。どうやったら男の人は悦んで、どうしたらわたしたちの虜になってくれるのか教えて」
「あ、あたしだって、男の人は苦手です、沙那姉さん」
「でも、わたしや孫空女よりは、遥かにましでしょう?」
沙那は言った。
朱姫は、沙那や宝玄仙と出遭う前、分限者の家の娘を性の技でたらしこんでいた。
いいなりにして宝玄仙を襲う手助けをさせていたのだ。
結局、宝玄仙にあっさりと見破られて、沙那たちと同じように供にさせられたが……。
性の手管で引き込むというのは、女も男も変わりはないだろう。
「男を虜にする方法って言われても……。とにかく、沙那姉さんなんか、普通に身体を許せば、みんな虜になりますよ。沙那姉さんみたいに、なんでも気持ちよくなって、よがってくれる女なんか滅多にいないですよ。男の人というのは、本質的に女を征服したいんです。沙那姉さんみたいな綺麗で強い人が、自分の手管に酔ってくれるなんて、男の人にとっては嬉しいはずです」
「そんなこと……」
褒められているのか、けなされているのかわからない。
複雑な気持ちだが、普通に抱かれればいいと言われても、どうしていいかわからない。
「とにかく、三人でいつものように奉仕すればいいんじゃないですか? ご主人様にやっているみたいに」
朱姫は言った。
「ご主人様だと思えばいいんだね、朱姫」
「そうです」
孫空女の言葉に朱姫がしっかりと頷いた。
*
絶世の美女と美少女が三人──。
陳達は落ち着かないでいた。
とりあえず、簡単に食べられる肉饅頭を準備した。
なにをしでかしたのかはわからないが、軍に追われているという彼女たちだから、しばらくは出歩くことはできないのだろうと思い、数日分の食料と飲み物も確保した。
女をこの家に招くなど、初めてのことだ。
なにをどう準備していいかわからずに、とりあえず、思いつくことをやったが、することがなくなると急に落ち着かない気持ちになった。
娼婦でさえも敬遠する醜い顔の陳達だ。
それにもかかわらず、家に匿うだけで、陳達に身体を許してもいいという……。
あれは本当の言葉だろうか。
有頂天になっていたが、こうやって冷静になってみるとそんなことは考えられないように思う。
いくらなんでも、ただ、家に匿うだけで、あんな美女が三人も、陳達に身体を許すなんてありえないだろう。
あの三人がからかったということではなさそうだが、自分はなにかを勘違いしたに違いない。
あり得るわけがないのだ。
女が抵抗なく陳達に身体を許すなど……。
身体を提供すると彼女たちが言ったことなど忘れろ──。
陳達は自分に言いきかせた。
湯船に通じる廊下から彼女たちが戻ってくる気配がした。
脱衣する場所に、着替えの服と身体を拭く布。そして、女用の下着まで準備しておいた。
彼女たちはわかっただろうか。
服の仕立てと古着を売る商売をやっているので、衣類には事欠かない。
女の下着には、大きさや種類もいろいろとあるから、選択できるように数種類ずつ置いておいた。
「失礼します」
部屋の外から声がした。
沙那という女の声だ。
三人の中の力関係では、沙那がなんとなく、全員を仕切っているように感じる。
ただ、孫空女という女性も、要所を締めるような感じで沙那を助けている。
年齢が低い朱姫は、ふたりの妹分という感じだ。
短い時間だが、陳達はそう三人を観察していた。
戸がからりと開いた。
ぎょっとした──。
入ってきた沙那は全裸だった。
服がわからなかったわけじゃない。
陳達が準備した衣類や下着は手に持っている。
沙那だけじゃない。
続いて部屋に入ってきた孫空女も、朱姫も同じだ。
三人とも服を着ずに、手に持って入って来たのだ。
困惑して声の出ない陳達の前に、裸の三人が正座をして並んだ。
手に持っていた服は、それぞれに身体の後ろに置いている。
三人が床に手を置いて、頭を床につけた。
陳達はびっくりした。
「陳達さん、わたしたち三人を助けてください。お願いします」
頭をさげたままの沙那が言った。
「あ、あ、あ……」
陳達はいきなり裸で土下座をしている三人に度肝を抜かれて、言葉が喋れないでいた。
そして、馬鹿みたいに口を開けたまま、言葉にならない声を出した。
「お願いだよ。あたしら困ってるんだ。あたしたちの女主人を助けだすことに協力してよ、陳達さん」
「三人でご奉仕します。なにしても構いません。お股でも、お尻でも、口でもどこでも使えます。その代わり、あたしたちを助けてください」
頭を床につけたままの孫空女と朱姫もそれぞれに言った。
「お、俺にできることはなんでも……」
陳達はやっとのこと口を開いた。
すると三人が一斉に顔をあげて破顔した。
「ありがとうございます」
同時に声をあげた。
そして、三人がいきなり立ちあがって、陳達に群がった。
度肝を抜かれた。
朱姫が陳達の口に唇を近づけて……、そして、重なった。朱姫の舌が陳達の口の中に入ってくる。
陳達の唾液を吸っている。
朱姫の舌は、陳達の舌や歯の裏、歯茎など口中のあらゆる部分を舐め回っている。
陳達は驚愕していた。
朱姫の積極的な口づけにも、その気持ちよさにもだ。
自分の口の中に快感を覚える場所があるとは知らなかった。
しかし、朱姫の舌は、陳達が気持ちいいと思う場所を探し出すように動き回る。
そして、陳達が反応し鼻息を荒くすると、そこを中心に責めてくる。
陳達はあっという間に翻弄され始めていた。
「ふ、服を脱がせますね」
「か、下袴と下着も脱ぐだろう? 腰をあげてくれるかい?」
沙那は上半身、孫空女は下半身について、陳達の衣類を脱がせかかる。
陳達はどうしていいかわからず、されるままになっていた。
三人の裸の肌が陳達の鼻と肌を刺激する。
あっという間に陳達も生まれたままの姿になった。
「ほ、奉仕するね……。あ、あんまりうまくないかもしれないけど許してよね。やって欲しいことがあったら言ってよ。なんでもするから」
孫空女がすでに勃起している陳達の怒張を口で咥えた。
孫空女の口の感触が肉棒を通じて伝わっている。
陳達は、思わず声をあげた。
「沙那姉さんに触ってあげてください、陳達さん。もちろん、あたしでも、孫姉さんでもいいです。どこをどうしてもいいですよ」
朱姫が一度口から唇を離して、耳とでささやく。
「ほ、本当になんでも言ってください。正直に言うと、わたしたちは、こうやって男の人に奉仕したことないんです。なにをどうしていいのか……」
沙那が自分の乳房を陳達の乳首に擦りつけてくる。
あっという間に沙那の身体は赤く火照り、全身に汗を滲ませ始めた。
沙那が悶えながらも、乳房を陳達の全身に擦りつける。
陳達は、朱姫と沙那に抱えられるように横倒しになった。
その間も陳達の怒張に対する孫空女の奉仕は続いている。
孫空女が鼻孔を膨らませながら、懸命に肉棒を舐め回す。
これはどういう状況なのだろう──。
陳達はいま起きていることがまったく理解できないでいた。
醜い顔の陳達が眺めることも憚られるような美女三人が、陳達に奉仕しようと裸身を擦りつけ、陳達の全身を愛撫している。
積極的ではあるが、商売女のような場馴れした感じはない。
彼女たちの困惑と羞恥と恥じらいもしっかりと肌を通じて伝わってくる。
この三人が心からの奉仕を陳達にしようとしているのはわかる。
だが、そうまでしてくるのだから、ただ事ではないことを陳達に求めるのかもしれない。
まあ、それでもいいか──。
陳達は思った。
命をくれと言われれば、くれてやろう。
こんなにしてくれる彼女たちのために──。
陳達は心から思った。
それにしても、これは現実のことか……?
夢ではないのか……?
「さ、触っていいのか……?」
陳達は、いまは身体の上に乗り、陳達の身体中に舌を這わせている沙那の股間に手を伸ばしながら言った。
「さ、触ってください」
沙那が叫ぶように言った。
陳達は、沙那の股間に手を差し伸べて、息づいているような女の花びらの合わせ目に指を這わせた。
「あふうっ──」
沙那の身体が跳びはねた。あまりの反応の良さに陳達がびっくりしてしまう。
そのまま指を亀裂に合わせて動かし、亀裂の先端の肉豆に触れる。
沙那が稲妻にでも打たれたかのように大きな声をあげて陳達にしがみついてきた。
「ねっ、陳達さん、沙那姉さんは面白いでしょう? どこをどう触っても、こんなのですよ。凄く敏感なんです。なんどもいかせてあげてください」
朱姫が悪戯を教えるように言った。
そして、沙那に代わって舌を陳達の全身に這わせてくる。
上手だ──。
なにがどう違うのかわからないが、朱姫が全身を舐め回し始めると、たちまちに快感が陳達に襲ってくる。
孫空女が一心不乱に舐めあげては吸っている肉棒に淫情が集中する。
陳達は快感を覚えながらも、沙那の股間への刺激を続けた。
沙那は陳達の指先に敏感に反応し続けて、どんどん股間から果実を溢れ出させている。
はっきりとした興奮を沙那から感じた。
沙那の喘ぎ声が激しくなる。
陳達は、そのまま花芯を責めたてた。
「ああ……そ、そんな……いくっ──いきます──」
「沙那姉さん、勝手にいっちゃ駄目ですよ。陳達さんにお願いしなきゃ」
朱姫が微笑みながら言った。
さっきまで大人しくしていた朱姫が、今度は一転して仕切っている。
この三人はそういう役割分担もしっかりしているようだ。
「ち、陳達さん──ああ……い、いくうっ──いきますっ──」
大した刺激をしているわけでもないのに沙那はもう切羽詰ったようになっている。
沙那が陳達の身体の上で身体を仰け反らせた。
孫空女が肉棒から口を離し、すでに絶頂寸前の沙那の股間をそこに座らせた。
「ほら、沙那姉さん、陳達さんのをもらってください」
朱姫ご促して、仰向けで寝そべっている陳達の身体に沙那が跨る。
そして、すっかりと濡れている沙那の女陰がそそり勃っている陳達の肉棒にどんと挿さった。
「あひいっ──」
その衝撃で達したらしく、沙那が身体を大きく仰け反らせて身体を震わせた。
そして、身体を支えてもらいたいかのように陳達に手を伸ばす。
陳達は沙那の両手をがっしりと握った。
「き、気持ちよかったです、陳達さん……」
沙那が甘い息を吐きながら微笑みかけた。
思わずぞくりとするような美しさだった。
「で、でも、陳達さんは、まだですよね……。こ、これからどうしたらいいのかなあ……」
床に仰向けに寝そべっている陳達の腰にしっかりと跨って、股間で陳達の性器を咥えながら、沙那が朱姫に視線を向けた。
「ご主人様に教えてもらったようにやればいいんですよ。
胡瓜……?
なんのことだろう……?
「あっ、そ、そうね」
まだ陳達の腕を掴んだままの沙那がいきむような表情になった。
「おおう」
陳達は呻いた。
沙那の女陰が陳達の肉棒を搾り取るように伸縮し始めたのだ。
もの凄い快感が襲ってくる。
「うあっ」
あっという間に沙那の中に精を放った。
そのとき、陳達は、沙那に突き刺すように腰を跳ねあげた。
驚いたことに、沙那はたったそれだけの刺激に耐えられずに、二度目の絶頂を陳達の上でやったのだ。
「ご、ごめんなさい……。わ、わたしばっかり……。ほ、奉仕しなきゃいけないのに……」
陳達の身体から降りた沙那が、申し訳なさそうな表情で陳達に言った。
「つ、次は、孫女がやったら……?」
沙那が孫空女に視線を向ける。
「沙那、男の人は、そんなに続けてはできないよ。ゆっくりやらなきゃ」
「そういうものなの?」
孫空女と沙那がそんなことを言い合っている。
性に馴れているのか、馴れていないのか不思議な女たちだ。
「じゃあ、沙那姉さん、沙那姉さんの中に精を入れくれた陳達さんのものを綺麗にするんですよ」
朱姫が命令するように沙那に言った。
「う、うん」
沙那は言われるまま、精を放って少しだけ柔らかくなった陳達の一物を舌で舐めはじめた。
これだけの美女が陳達の性器を嫌な顔ひとつせずに、奴隷のように奉仕している……。
そう思っただけで、すぐに陳達のものは元気を取り戻す。
「げ、元気になったね……。じゃあ、次はあたしがいい? それとも、朱姫にする?」
沙那の奉仕を横で見ていた孫空女が陳達に視線を向けた。
朱姫も陳達の返事を待つように陳達をじっと見る。
「じゃあ、孫空女殿を……」
陳達は言った。
すると、くすくすと孫空女が笑った。
「あたしなんかに、“殿”なんかおかしいよ。呼び捨てにしてよ──。それで、あたし上になるの、それとも、下?」
孫空女が真剣な表情をした。
一度精を放って冷静になると、やっと陳達は彼女たちのことが少しずつわかってきた。
彼女たちは、部分的には技巧も持っているが、基本的には受け身の性しかしたことがないのだ。
だから、自分たちから積極的に動くということに馴れていないようだ。
ここは、陳達が積極的に動かなければならないだろう。
こんな醜い陳達に対して、本当に身体を開いてくれている彼女たちを少しでも満足させるために……。
「じゃあ、孫空女、下になるんだ」
「うん」
孫空女が素直に床に身体を横たえた。
陳達は、横たわる孫空女の裸身の横に胡坐に座ると、豊かな乳房と股間の亀裂に手を這わせた。
「ああ……」
すぐに孫空女が悩ましげな声を出す。
沙那と同じくらいに敏感な身体だ。
陳達の愛撫で、孫空女の股間にもみるみる愛液が溢れてくる。
「しゅ、朱姫がお手伝いしますね……」
朱姫が孫空女の頭側から覆いかぶさって、孫空女の乳首を口に含んだ。
すぐに孫空女が大きく悶えだす。
股間の愛液が太腿にべっとりと流れ落ちるくらいに垂れるくらいになった。
しばらく愛撫を続けた。
孫空女の乱れはかなり激しいものになった。
陳達は孫空女の片方の太腿を抱えるように持ち抱えた。
真っ赤に熟れている股間の中心にずぶりと怒張を突き立てる。
「うう……ああっ──」
孫空女の喉が大きく仰け反った。
孫空女は鍛えられた美しい肢体を弓なりに反らせて、狼狽の声を放つ。
「んんん……ああ……あうっ──ああ──」
子宮を突き抉るように怒張を強く動かすと、孫空女は激しく身体を悶えだす。
陳達はさらに強く怒張を孫空女の腰に叩きつけるように律動させた。孫空女の咆哮が大きくなる。
「ひぎいっ──。そ、そんな……あひいっ──」
孫空女が仰け反りながら陳達の身体にしがみついた。
びっくりするくらいに力が強い。
陳達は顔をしかめた。
「孫姉さん、力抜いて──」
孫空女の胸を責めていた朱姫が顔をあげて言った。
「ご、ごめん……ひぐうっ──」
陳達の背中に喰い込んでいた指の力が緩まった。
陳達は、激しく孫空女を責める。
孫空女が絶頂に向かう動きになった。
「陳達さん、容赦なく責めていいんですよ」
朱姫が陳達の顔を見て微笑んだ。
言われなくてもそうするつもりだった。
こんなにも気持ちよく感じてくれる女は初めてだ。
こんな美女たちを陳達が思うままに、翻弄して気絶するくらいまで責めたててみたい。
そんな激しい欲求が陳達の心に湧きだす。
精を放ちそうになると怒張の動きを休めて少し待つ。
余裕ができれば、また律動を開始する。
一度精を放っているので、冷静に孫空女を責めることができた。
驚いたことに、陳達の技程度の責めで、短い時間で孫空女は連続で達し続けた。
やがて、ほとんど動かなくなった孫空女を抱き締めると、陳達はやっと精を孫空女の中に放った。
「じゃあ、また、沙那姉さん」
孫空女の身体から離れると、朱姫があっけらかんと言った。
「えっ?」
陳達が思わず声を出すと、朱姫の身体を沙那ががっしりと掴んだ。
「そんなわけないでしょう、朱姫──。あんたの番よ」
「で、でも、陳達さんが……」
「黙って、お尻を向けなさい。逃げようたってそうはいかないわよ。一日は長いんだから」
「そうだね。朱姫も陳達さんにやってもらおうよ」
孫空女も起きあがって、沙那の反対側から朱姫を掴む。
「お尻だよ、お尻。お尻をやってもらいな」
「ええっ……。あたしはお尻なんですかあ」
朱姫は苦笑いをしている。
別段、嫌なわけでもなさそうだ。
陳達は呆気にとられていた。
それにしても、まだやるつもりなのか……。
それに、いま、一日と言ったか……?
「まだ、いけるんなら、朱姫はお尻にしてあげてください、陳達さん。ちゃんと洗ってきましたから……。あっ、もちろん、わたしも、孫空女も……」
沙那が恥ずかしそうに言った。
「もしも、少し、休むんなら、あたしたちが責め合うところを見せてもいいよ」
孫空女も言った。
「なんでも、したいことや、させたいことを言ってください、陳達さん。わたしたち、なんでもやりますから」
沙那が言った。
確かにこれは夢に違いない──。
だが、この夢のような出来事の代償として、自分はなにをやらされるのだろうか……。
そんな不安がほんの少しだけ陳達を襲う気がした。