※この作品はR-18です。

嗜虐西遊記【完結】   作:ドン・ドナシアン

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283 裸女たちの性遊戯

「帰ったぜ」

 

 陳達(ちんたつ)が家に戻ると、食事の匂いがした。

 家の奥から三人のうちの誰かが駆けてくる気配がした。

 

「おかえりなさい、陳達さん。食事ですか? それとも……、わ、た、し、た、ち?」

 

 戸口までやってきたのは沙那だ。

 その姿に驚いた。

 

 恐ろしく露出の多い姿をしているかと思ったら、全裸に胸と股間を覆う前掛けだけの姿だ。

 前掛けの胸元からは乳房の半分がはみ出ているし、股間の部分は股間から膝までの半分に布がかかる程の短さだ。

 

 その沙那が戸口でぺたりと床に正座する。

 顔が赤い。かなり、無理したというのはわかる。ただ、沙那なりに努力してくれたのだろう。

 それが嬉しい。

 

 そして、前掛けの裾がめくりあがり無毛の股間がちらりと見えた。

 凝視していいのか、悪いのか判断がつかず、戸惑っていると、その沙那が深々とお辞儀をした。

 

「軽口失礼しました。わたしたちのためにありがとうございます」

 

 沙那が床に頭を下げたまま言った。

 

「そ、そんなにしなくていい。お前たちのやったことは、俺の憤りでもある。国都に暮らす者として、知らぬふりをしていた俺の償いでもあるのだ」

 

 陳達は言った。

 

「そんな風に言ってくれて、陳達さんは優しいですね」

 

 沙那が顔をあげてにっこりと微笑んだ。

 陳達はどぎまぎした。

 

「朱姫は奥で食事の支度をしています。孫空女は湯桶の準備をしています。湯船には、多分、すぐに入れると思います。食事の前に身体を洗われますよね──。お流しします」

 

 沙那が立ちあがって、陳達を促す。

 

「あ、ああ……」

 

 陳達は生返事をして、沙那の後ろを歩く。

 沙那の背後は前掛けを結ぶ紐だけがあるだけだ。

 背が露わであり、形のいいお尻が右に左にと動く。

 なんとも艶めかしい。

 

 顔の醜い陳達の家に、美女が三人訪れて、まるで一度に妻を三人ももらったような夢の生活が始まったのは二日前だ。

 古着の仕入れのために国都近傍の宿町や農村などを回っていて、早朝に荷駄馬車で戻る途中で、素っ裸で困っていたこの三人の女に遭った。

 女の名は、沙那、孫空女、朱姫であり、軍に追われているので匿っているということだった。

 

 普段の陳達なら、女とはいえ手配をされているような女を引き受けるというようなことはありえなかったが、その前夜に醜い鼻のことで妓楼で嫌なことがあり、自暴自棄になりかけていたのと、その三人に少しも邪悪なものを感じなかったという理由で三人を受け入れた。

 三人は、陳達が危険を負う代償として、彼女たちの身体を好きにしていいと申し出て、この夢のような生活が始まった。

 

「それよりも、沙那、城郭の広場に掲示板が立った」

 

 浴場に向かう沙那がびくりと反応して、陳達を見た。

 

「宝玄仙殿の処刑執行は三日後だ。おそらく、明後日のうちに国都の広場で磔にされて晒される。処刑はその次の日だ。執行の時刻は、普段のとおりであれば、日の出から約一刻(約一時間)後だと思う」

 

「もう、ほとんど時間がないということですね」

 

 沙那は深刻な表情になった。

 三人の女主人が宝玄仙という名であることは、この三人と最初に情事を行った後に教えられた。

 

 そして、彼女たちは決して悪いことをしていないということはそのときわかって安心もしている。

 宝玄仙という女主人を含めたこの四人はやったのは、国都の郊外の宿町に晒されていた長女金(ちょうじょきん)という、かつての女将校を解放したことだった。

 結界牢破りは確かに重罪だ。

 そのことは朱紫国の人間なら誰でも知っている。

 

 だが、長女金を結界牢から脱走させたことについては、陳達はそれが罪に値することとは思っていなかった。

 

 長女金のことはよく覚えている。

 二年前のことだ──。

 

 金聖姫(きんせいき)という国王の嫡女が賽太歳(さいたいさい)という妖魔に湯治場に向かう行軍の途中に浚われたという事件だった。

 全体の指揮をしていたのは、春嬌(しゅんきょう)という女魔導師でもある金聖姫の侍女だったと思うが、その春嬌も一緒に浚われたので、次級者の長女金が責任を問われて、三年間の晒し刑の末に処刑という罪を宣告されたのだ。

 

 長女金は、国軍の中で女子隊という女兵だけの隊の若い将校であり、陳達も時折耳にするほどの善良で評判のよい女将校だった。

 金聖姫が妖魔に浚われたことに罪ありと掲示されたが、陳達には、王女を失った腹いせに長女金が犠牲になったとしか感じなかった。

 

 そして、長女金は、女の身でありながら、国都から晒し場の郊外まで素っ裸で歩かされるという辱めを受けた。

 普通、国都で行われる処刑は、国都の広場に晒される。

 長女金がわざわざ、国都と離れた晒し場に送られたのは、できるだけ多くの人間に長女金の裸身を見物させて屈辱を与えようということと、長女金の尊厳をすべて奪うために、処刑を待つ男囚と同じ結界牢に入れろという国王の指示によるものだというのは後で知った。

 

 長女金の晒し刑の期間は三年であり、それも途方もない長い期間だ。

 処刑の前の晒し期間は、通常であればせいぜい半月であり、三日後に処刑される予定の宝玄仙の晒し期間はわずか一日だ。

 普通はそれくらいの長さなのだ。

 ひとつの長女金の晒し期間が長いのも、結界牢の中で男囚に犯される長女金を多くの人間に見させて恥辱を与え続けようという王の怒りによるものだったはずだ。

 陳達もさすがに理不尽なものをそれに感じたことを覚えている。

 

 しかし、陳達は、それっきり、そんなことがあったことも忘れていた。

 国都の住民はかなりの者が、結界牢において衆目の中で犯される長女金を見るためにその晒し場に行ったが、陳達は行かなかった。

 そんな目に遭っている長女金に同情したからだが、それは考えてみれば恥ずべきことだった。

 

 同じように長女金の不幸に接した沙那たちは、まったくの旅の人間でありながら、もっと行動的な反応をした。

 結界牢を道術で破り、長女金を解放したというのだ。

 そして、数日間、長女金を匿い、路銀を持たせて逃がした。

 

 陳達は、国都で生活をする自分たちがやるべきだったことをこの通りすがりの女たちがやってくれたというような思いを感じた。

 だが、その結界牢を破ったことにより、沙那たちは国軍の捕縛を受けた。

 沙那は、旅立たせた長女金が、なにかの手違いで国都に入ってしまい、再び捕らえられたのではないかと心配していたが、それについてはわからない。

 

 隠れていた家を襲撃されたことにより、沙那たち三人は逃亡に成功したものの、女主人で道術遣いの宝玄仙は軍に捕らえられてしまった。

 国軍の襲撃を受けたとき、三人は素裸でいたらしい。

 街道で陳達に助けを求めたときも、沙那たち三人は素っ裸だった。

 荷駄馬車に積んであった仕入れたばかりの古着を着せると、陳達は三人を自分の家に連れて行った。

 

 陳達は、彼女たちに、彼女たちの女主人の救出に協力すると約束した。

 彼女たちの行動に協力するために、陳達はこの二日間動き回ったが、その帰り、国都の広場で、宝玄仙の処刑日について予告する掲示板が立っているのを見つけたのだ。

 

 残された時間は、丸二日──。

 

 三日目の朝には、宝玄仙は絞首刑となり、民衆の前で首を吊られる。

 だが、沙那たちが動き回るのは危険だ。

 女主人の宝玄仙が捕えられたいま、沙那たちもまた手配されている可能性が高い。

 しかも、彼女たちは、隠れ処を襲撃されたとき、国軍の兵を相手に大暴れしているようだ。

 それで、自由に動くことのできない沙那たちの代わりに、陳達が動いた。

 

 陳達は、軍服の仕立てを通じて多くの軍人と顔見知りであり、また、出入り業者として軍営に入ることもできる。

 宝玄仙が軍営の地下牢に監禁されていることは昨日のうちにわかった。

 容易には脱獄させることはできないということも……。

 

 また、宝玄仙を訊問しているのは、有来有去(ゆうらいゆうきょ)という筆頭道術師であり、宝玄仙を捕えてから、一歩も軍営から出てこない。

 それも沙那に伝えてある。

 

「それと、あんたに言われたことはやってきた。だが、これで、あんたらが危険になるんじゃないか?」

 

 陳達がやったのは、宿元女(しゅくげんじょ)という近衛軍の女将軍に手紙を渡すことだ。

 道術師隊長の有来有去に囚われている宝玄仙という女囚は、二年前に浚われた金聖姫の行方について重要な情報を握っていると知らせたのだ。

 そう記した書を必ず宿元女にわたるように手配した。

 

 沙那は、これにより、宝玄仙の身柄が道術師隊から近衛軍に動くと考えている。沙那によれば、道術師隊という隊も、道術師隊が選んでいる軍営の地下牢という場所も警備が強すぎて手を出せないらしい。

 それに比べれば、本来は囚人を扱う部署ではない近衛軍は警備が緩い。

 宝玄仙の身柄も軍営ではなく、近衛軍府に移される。

 そうでないとしても、近衛軍が調査することにより、宝玄仙の処刑執行の日は伸びる。

 伸びてくれれば、朱姫の道術が遣えるようになるので、本格的な救出作戦にも入れるということだ。

 

「わたしたちのことはいいんです。わたしが心配しているのは、陳達さんのことです。なんとか、その宿元女という女将軍を動かしたいのですが、こちらが接触したことにより、必ず、宿元女将軍は陳達さんの周りを調べます。そして、わたしたちが匿われていることも知るでしょう。陳達さんに迷惑がかかることになります」

 

 沙那は申し訳なさそうな表情で言った。

 

「俺のことはいい。あんたらに協力すると決めたときに、命の覚悟はした……。いい機会だ。事が終われば、俺も旅に出る。こんな狭い国都で一生を終えるよりも、あちこち旅をして見聞を広めるさ。蓄えもあるし、守らなければならない係累があるわけじゃない。それに、余所者で、しかも、女のあんたらが命を張っているのに、国都の人間である男の俺が死ぬことを怖がってどうするんだ──」

 

 陳達は声をあげた。わざわざ威勢のいいことを言ったのは、本当は怖気づいている自分の内心を鼓舞するためだ。今更、恥ずかしい行為も言葉も出すことはできない。

 

「ありがとうございます。その償いはさせてください」

 

 沙那が立ったまま深く頭を下げた。沙那のいう償いというのは、陳達が受ける迷惑の代償として、沙那たちの身体を自由にしていいということだ。

 実際、今日を含めて三日間、陳達はこれまでの人生でやった回数を遥かに上回る情事をこの三人の美女を相手に行ってきた。

 沙那が頭を下げたことにより、前掛けの上側から両方の乳首がぽろりとこぼれ見えた。

 

「そ、それにしても、目に毒な格好だなあ──」

 

 陳達は笑った。素っ裸の美女が身体に胸までの前掛けだけをつけて動き回る姿は、本当に煽情的だ。

 

「お、お気に召しませんか? 陳達さんがこういう格好がお好きだと言ったので、わたしたちのために動いてくれている陳達さんのために、この格好をしようと話し合ったのですが……」

 

 沙那が顔を赤くした。

 素裸に前掛け姿というのは、昨日、再びこの三人の身体を味わった後で、女のどんな姿に欲情するかという話をしたときによるものだ。

 陳達が戯れでそんなことを喋った気がする。

 あくまでも、情事の後の寝物語であり、まさか、本当にやってくれるとは思わなかったが……。

 

「そうじゃない。嬉し過ぎだ。興奮しすぎて、これに血が昇りそうだ」

 

 陳達は股間を指さした。下袴の前が怒張により大きく膨らんでいる。

 

「ま、まあ……。じゃ、じゃあ、湯殿で……」

 

 沙那が小さな声で言った。

 湯殿に接した脱衣場はそれほど大きなものではない。湯殿もそうだが、もともと、陳達ひとりが使うためのものであり、多くの人間で使うことを前提としたものではない。

 

「ああ、陳達さん、戻ったのかい?」

 

 孫空女が湯殿の勝手口から入ってきた。

 湯殿に湯を沸かすためには、外の大きな水桶に溜めてある水を湯船に引き込んで、家の外側で湯船の下から湯桶に溜めた水を温めるために薪で火を炊くのだ。

 それを孫空女がやってきたのだ。

 

「う、うわっ、その恰好で外にいたのか、孫空女?」

 

 思わず陳達は言った。

 孫空女もまた、素裸に前掛けの姿だ。

 ただ、背の高い孫空女には、やや前掛けが小さいらしく、ふたつの乳首ははっきりと露出していた。

 股間を覆う布はぎりぎり付け根を隠す程度だ。

 見えるようで見えないというのは、本当に興奮させる。

 

「問題ないよ……。垣根に囲まれた家の庭じゃないか」

 

 孫空女は笑った。

 

「も、問題……ないのか?」

 

 陳達はちらりちらりと孫空女の姿に眼をやりながら言った。

 

「ところで、湯船かい。湯加減はちょうどいいよ。あたしも入るね」

 

 孫空女が前掛けをとって全裸になった。

 すると、沙那もまた裸になる。

 そして、ふたりで、陳達の服を脱がせかかる。

 なにか圧倒される。

 

「そ、そんなに、一生懸命してくれなくても、ちゃんと、約束をしたことは果たすよ」

 

 陳達は思わず言った。

 このふたりだけじゃなく、台所で食事の支度をしているという朱姫も含めて、大変な女傑であることは知っている。

 なにせ、たった三人だけで、道術師隊を含む軍の襲撃を振り切って逃げ延びることに成功するような女たちだ。

 

 それが、奴隷女のように陳達にかしずくのは途方もない嬉しさではあるが、申し訳ないという気持ちでいっぱいにもなる。

 これまでの人生で女には縁のなかった陳達だ。

 その陳達に三人の美女が懸命に奉仕してくれる……。

 やはり、これは夢だろう──。

 

「いいえ、陳達さん──陳達さんは、これに見合うことをしてくれています。それに、さっき陳達さんが言われたとおり、事が終われば、陳達さんにも国都から逃亡してもらわなければならないかもしれません。そんなことを関係のない陳達さんにさせるのは申し訳ない気持ちでいっぱいです。でも、陳達さんが頼りです。こんなことくらいしかお返しできませんが、なんとか、ご主人様を救出するのに協力してください」

 

 沙那がそう言って上衣を脱がせにかかる。

 

「そうだよ、陳達さん。それに、あたしらは、もともと、宝玄仙という女主人の奴隷女みたいなものさ。遠慮はいらないよ」

 

 孫空女はあっけらかんと、自分が奴隷だと言った。

 だが、実際はそうじゃないだろう。

 昨日、孫空女が庭で薪を作るのを見たが、大きな材を金色の棒で突いて、木端微塵にしていた。大変な技であり、それひとつだけでも、孫空女が怖ろしい女傑だということはわかる。

 

 三人で湯殿に入る。

 すると、外からどたどたと人が駆けてくる気配がした。

 

「ああ、沙那姉さんと孫姉さんだけで狡いですよ──。あたしも入りますからね」

 

 朱姫だ。

 朱姫もまた全裸に前掛けだけの格好だ。

 あっという間に朱姫も裸になった。

 

 この狭い湯殿に四人も入れば、ぴったりと肌を接しなければならない程になる。

 この三人の美女と一緒にこんなにも肌と肌を密着して湯殿に入るなど、あり得ていいのだろうか。

 陳達はどぎまぎした。

 

「さあ、沙那姉さんと孫姉さんは、両手を背中に回してください。親指と親指をつけるんです。指結びをしますから」

 

 朱姫は、細い紐を二本持っている。

 

「な、なんでよ?」

 

「そ、そうだよ。どうして、括らなければならないのさ」

 

 沙那と孫空女が驚いた表情で抗議した。

 

「その方が、陳達さんが悦ぶからです。そうですよね、陳達さん──」

 

 朱姫が強い口調で陳達を睨んだ。

 

「そ、そりゃあ……」

 

 いきなり朱姫にそう迫られて、思わず勢いで同意した。

 

「ほうらね。さあ、陳達さんに奉仕するんですよ──。だから、もっと、もっと頑張らないとね……。さっさと、手を後ろにするんです。陳達さんもおっしゃったじゃないですか。その方が陳達さんも嬉しいんです」

 

 陳達の名を借りて朱姫の性癖を満たしたいだけにようにも思うが、陳達は苦笑して黙っていた。

 沙那と孫空女が受身的なら、朱姫は嗜虐的な性癖だということは、この二日で知った。

 もっとも、朱姫が積極的になるのは、沙那と孫空女が相手のときだけで、陳達が相手のときにはやはり消極的だ。

 

「でも、陳達さんと大事な話があるのよ、朱姫」

 

 沙那が言った。

 

「話は手が後ろでもできるじゃないですか。早く、手を後ろですよ──。ねえ、陳達さん、沙那姉さんと孫姉さんを後ろ手に縛って、身体を好きなように洗ったり、いじくったりしたいと思いませんか?」

 

「ほう、それは、確かにいいな」

 

 陳達は、そんな痴態を想像して思わず言った。

 

「決まりです。ふたりとも手を後ろにしてください」

 

 朱姫が言った。

 

「あ、あんたがやりたいだけじゃないの、朱姫?」

 

 沙那が言った。

 

「問答無用ですよ、沙那姉さん──。ほらっ、孫姉さんも手を後ろです。陳達さんが待っているじゃないですか」

 

 沙那と孫空女はぶつぶつ言っているが、それでも、勢いに押されたような感じで手を背中に回して親指を合わせた。

 その親指の根元を朱姫が紐で結んでしまう。

 なるほど、こうやってしまえば、紐ひとつで簡単に動きが封じられてしまうというわけだ。陳達は関心した。

 

「じゃあ、孫姉さんは、先に湯船に──。沙那姉さんから洗ってもらいましょうか……。どうぞ、陳達さん」

 

 孫空女が後手のまま、湯船を跨いで中に入った。

 そして、朱姫が、指縛りで後手に拘束された沙那の裸身を陳達に押しやった。

 

 陳達の胡坐に座った脚の上に沙那の身体に乗る。

 朱姫が洗い粉を湯で溶かして泡を作り、陳達の両手に載せた。

 陳達の手で沙那の身体を洗ってやれということだろう。陳達は、その泡のついた手で沙那の両乳房をそっと撫ぜた。

 

「あ……」

 

 沙那が身体を悶えさせた。

 さらに胸で乳房を揉みあげながら、丸く円を描くように乳首に泡をまぶすと、沙那がやるせないような声をあげる。

 その色っぽさに、陳達の怒張は大きくなる。

 するとそれが腰の上に乗っている沙那の股間を刺激したのか、沙那が腰をよじらせて甘い息を吐いた。

 

「ねっ、愉しいですよね、陳達さん。こんなに白い肌の沙那姉さんを洗っていると、いかにも磨いているという感じですよね」

 

 朱姫が横で言う。

 

「そ、そうだな。肌触りがいいな……」

 

 肌触りも最高だが、なによりもこんな頭のいい美女が、はしたなくよがるのが一番いい。

 普段の慎みのある風情が、ちょっと官能の刺激を受けるとたちまちに淫乱に狂う女になる。

 それが沙那の魅力だ。

 

 朱姫がどんどん陳達の手のひらに洗い粉で作った泡を載せていく。陳達は泡の付いた素手で、沙那の全身を撫でまわす。

 

「ひうっ……ひん……あ、ああ……」

 

 官能の昂ぶりを押さえられない沙那の身悶えと声が大きくなる。

 沙那にしても、孫空女にしても全身が性感帯のような感じやすい身体を持っている。

 だが、沙那はそんな自分を人に見せるのが好きではないらしい。

 健気に感じすぎてはいないような素振りをしようとはしているようだが、その耐えるような表情もまたいい。

 

 沙那の身体ががくんと揺れた。朱姫の手が沙那の股間に伸びて、股間に泡を塗りたくり出したのだ。

 沙那は陳達の腕の中で、朱姫の手管により体を仰け反らすように背を反り返らせた。

 

「ひ、ひいっ……そ、そこは……」

 

「そこはなんですか、沙那姉さん──。気持ちいいんですか?」

 

 朱姫が悪戯っ子のような口調で、自分も沙那の股間を刺激しながら、陳達の指を誘うように、沙那の肛門に触れさせた。

 

 つるりと沙那の肛門が陳達の指を受け入れる。

 

「いい、ああっ……だ、だめえぇ──」

 

 沙那が叫んだ。

 泡が潤滑油の役割を果たして、沙那の肛門は陳達の指を深々と受け入れている。

 沙那が激しく身体を震わせた。

 ふと、陳達は、大事なことをまだ言っていないことを思い出した。

 

「おおっと、大事なことを伝えるのを忘れていた。明日か明後日、もしかしたら、宿元女将軍から呼び出しがあるかもしれん。今日、軍営を訪ねた帰り際に、そう伝言があった。明日からは近衛軍府にも顔を出せということだったな」

 

「い、意地悪ね……。そ、そんなことをこんな悪戯をしながら言うなんて──」

 

 沙那が色っぽく顔を歪めて抗議した。

 欲情しながらも懸命に理性を保とうとしている沙那は、思わず見とれてしまうような美しさだった。

 

「そ、そんなつもりは……」

 

「沙那姉さん、そんな失礼なことを陳達さんに言って……。罰として、こうですよ」

 

 朱姫が沙那の股間をぐいと両手で持ちあげた。

 そして、怒張している陳達の肉棒に女陰を当てるようにして落とす。

 沙那は、指を肛門に受け入れたまま、すとんと陳達の肉棒を女陰に受け入れさせられた。

 

「きゃあ──」

 

 沙那が悲鳴をあげた。

 まだ、心の準備ができていなかったのか、沙那の声には、驚きと狼狽の響きが強かった。

 

「ほら、ほら、ほら──」

 

 朱姫が沙那の身体を両手で持って強く揺らした。

 沙那が淫情の悲鳴をあげた。陳達もまた、気持ちのいい沙那の膣の肉に包まれた肉棒が沙那の動きによって擦られて、たちまちに官能が込みあげさせられる。

 

「明日か……。明日なら、朱姫の道術はどのくらい回復しているの?」

 

 湯船の孫空女が言った。

 

「そうですねえ……。『獣人』はまだかも……。でも、ほかの道術だったらなんとか──」

 

 朱姫が応じている。

 

「しゅ、宿元女将軍……あ、ああ──ひんっ──しょ、将軍にとっては、ご、ご主人様がどうなろうと……結界破りの罪なんて……ど、どうでも……あいい……ああ、構わないはず……。そ、そこにつけいる……ああ……隙が……」

 

 沙那がよがりながら懸命に喋っている。

 陳達は別に意地悪く沙那を刺激しているつもりはないのだが、指で肛門を受け入れ、女陰で肉棒を受け入れている沙那が、勝手によがって刺激をむさぼっているのだ。

 

「沙那、快感に耽るのか、真面目な話をするのかどっちかにしなよ」

 

 孫空女が呆れたような声をあげた。

 

「じゃ、じゃあ、先にいく……。あああ──き、気持ちいいです──」

 

 自分で腰を動かし始めた沙那が、陳達に貫かれた身体を揺すって感極まった声をあげてうち震えた。

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